16H28.11.04 紫雲荘プロジェクト,梶川さんが初の単行本

著名なマンガ家が若き時代を過ごしたトキワ荘。そのマンガ家の一人、赤塚不二夫先生がトキワ荘だけでは手狭になり、仕事部屋として借りた隣のアパートが紫雲荘(豊島区南長崎3丁目)。今も現存するこのアパートを活用して、マンガ家をめざす若者を街ぐるみで応援する「紫雲荘・活用プロジェクト」が平成23年より展開中です。同プロジェクトは、トキワ荘のあった街の地域文化の継承と発信に取り組む、区と地域の協働事業の一つ。月額家賃4万円のうち、二分の一の2万円が最長3年間、補助されます。

現在、紫雲荘では2期生二人が創作活動に取り組んでいますが、この度、その内の一人、梶川 岳さん(25歳)がWEBコミック作品『真亜ちゃんは今日も家にいたい』(ゼノンコミックス・徳間書店)で、10月20日、初の単行本デビューを果たしました。

梶川さんは名古屋市出身。高校生の時には、マンガストーリーを書く原作者(作家)をめざして、出版社のコンテストに応募し努力賞を受賞。その際に「若いのだから絵も描いたら」とアドバイスを受け、作画も行うようになりました。大学を卒業後、訪問介護員として仕事をしていたが、マンガ家をめざし一念発起。プロジェクトに応募し、平成26年に紫雲荘に入居した。入居後、マンガを描き続けられないかもしれないと思ったこともありましたが、恵まれた環境、同じ志をもった新たな友人たち、マンガ漬けの生活を通し、この2年間で「趣味」だったマンガが「仕事」になりました。

今回の作品は、主人公の真亜ちゃんは家にいたいタイプ、しかし彼氏は外に出かけたいタイプで、真亜ちゃんが彼氏に連れられ、ゲテモノ料理を食べに行くなど、いろいろな経験をしていく様子を描いたコメディ。梶川さんは「実は、自分は主人公の真亜ちゃんと同じ出不精。ゲテモノ料理は隣人に誘われ、自分が実際に体験したもので、そこからヒントを得て作品が生まれました。作品を読んだ方が実際に外に出て、同じような体験してもらえたらうれしい」と笑顔ながらも、「初の単行本だけど、売れなければ、第2巻は発売されない。継続して連載を続けていくのは大変厳しい世界」と。さらに「今後も単行本が発売され、そして作品のアニメ化、ドラマ化につながっていくことが目標」と夢は続きます。

紫雲荘2期生の梶川さんは、来春、紫雲荘を旅立ちます。

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