16H28.11.01 瀬戸内芸術祭2016視察

高松市役所を訪問。一原玄子 文化芸術振興課長、次田吉治文化芸術振興課課長補佐から瀬戸内国際芸術祭についてお話を伺い、質疑を行いました。

有数の豪雪地帯である越後妻有地方で、アートを媒体として地域再生に取り組まれた大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」が多大な効果をもたらしている事から、里海である瀬戸内海の島々を中心とした瀬戸内海の魅力発信のイベントとして2010年から瀬戸内国際芸術祭が始まりました。

3年ごとに開催されていますが、運営は香川県や会場となる高松市、直島町、土庄町、小豆島町、大学や地元経済界も参加し、地域が一体となって取り組まれています。

第2回目の2013年は、「海の復権」をテーマに春、夏、秋の3つに分けて計108日間、新たに沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島の中西賛の5島を加えて開催。26ヵ国から200組の作家が参加し、作品207点、イベント40となり、第1回目と比較すると充実した内容となっています。最終の来場者数は1,070,368人で、20代が27.6%、30代が23.9%、10代が8.6%で、若年層が6割を占めていた事は驚きでした。経済波及効果は132億円と第1回目の111億円を上回る結果となり、リピーター率は4割。

第3回は3月20日に始まり、今月6日まで開催中。また、以下の3つのプロジェクトを積極的に展開されています。
1.「アジアを中心とした世界との文化的交流」→ものづくりや食のマーケットなど従来の美術を超えた多ジャンルの文化交錯・交流
2.「瀬戸内の『食』を味わう『食プロジェクト』」→瀬戸内の新鮮で豊かな食材を味わえるアートとして来場者に提供
3.「豊かで特色ある瀬戸内の文化の発信」→盆栽や獅子舞など瀬戸内が全国に誇る地域文化の魅力を幅広く発信

特に興味深いのは、食についての取り組み。「ALL AWAY CAFE」は、日本語も英語も通じないスタッフが運営するカフェで、食べ物が当たり前のようにオーダーできるはずが、12ヵ国語が飛び交い、言葉が通じないそうです。身振り手振りで頑張って注文して、出てきたものが自分が思っていたものと違ったとしても、それをアートとして多文化をどう受け取って楽しめるかとの事です。

豊島区がエントリーしようとしている東アジア文化都市のメニューの中にも、食文化の交流についての取り組みがあります。この瀬戸内国際芸術祭の取り組みは、私が全く予想もしない手法だっただけに、とても斬新に感じました。

その他、こえび隊(ボランティアサポーター)制度、県内や瀬戸内の他地域に波及させるための「瀬戸内国際芸術祭2016パートナーシップ事業」等についてヒアリングを行いました。

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