11月2日は高松港からフェリーで女木島に渡り、昨日ヒアリングさせて頂いた芸術祭の取り組み現場を視察。
女木島は鬼ヶ島の違名を持つ島です。無人家屋や空き倉庫、休校小学校を活用してのアート展示は、島の課題をアートを媒体にして、人を呼び込む資源とする逆転の発想であると感じました。
閉校された学校がアートに様変わり
潮風の香りと、潮騒と盆栽のアート
帆船とピアノのアート
午後から、高松丸亀町商店街を視察。
400年余りの歴史を誇る丸亀町は、城下町として栄えてきました。400年祭をきっかけとして1亀町商店街は、1972年にはモータリゼーションの時代を見据え、町営駐車場の建設に着手。用地取得のために、丸亀不動産株式会社を設立されました。これは、将来的に不動産取得を行う場合に素早く対応するため、意思決定が役員会で行える株式会社の形式とされたそうです。
アーケードのリニューアル、路面カラー舗装、カード事業、清掃、ポケットパークやコミュニティ施設の建設等、商店街としてあらゆる事業に取り組まれ、成果を上げてこられました。
しかし、通行量の減少や郊外への大型ショッピングセンター建設等、「このまま放置すれば生き残ることはできない」と考え、青年会が再開発委員会を発足。自分の土地を合理的に活用しようという結論に達し、市街地再開発事業を実施する事になりました。
「人が住み、人が集うまち」を目指したまちづくりは、約20年かけて取り組まれました。7つの街区に分けて、段階的に再開発が行われ、第3セクターのまちづくり会社を立ち上げて、商店街全体をマネージメント。まちづくり会社が保留床を取得し、再開発ビルを経営し、利益については地元に還元する事を目的としています。街区の上部を居住スペースとすることで、居住人口の増加と賑わいを実現されました。
注目すべき点は、地権者はそれぞれの土地を所有し続け、まちづくり会社と定期借地権契約を結んだ事です。まちづくり会社は、家賃収入から管理コストを差し引き、地権者に分配します。この所有権と利用権の分離をまちづくりに活用する、全国でも初めての取り組み事例です。
商店街の視察後、瀬戸内国際芸術祭の栗林公園会場を視察しました。
瀬戸内国際芸術祭は外国人の観光客が多く、女木島を含め地域の方々やボランティアの皆さんが、外国人の接客対応に慣れていらっしゃると感じました。
国際アート・カルチャー都市を標榜する豊島区も、東アジア文化都市、東京オリンピック・パラリンピックに向け、多言語対応を早急に進めなければならないと思いました。