コロナ禍の「生理の貧困」に支援の動き 無料配布の自治体も
コロナ禍の中、経済的な理由で生理用品を買えない人が出ているとされる問題は、海外で「生理の貧困」として関心が高まっているほか、日本でも同様の問題が指摘されるようになっています。
こうした中、東京 豊島区は支援策として生理用品の配布を決めました。
配布するのは災害に備えた備蓄品のうち入れ替え時期が迫っている生理用品、合わせて2万1000個余りで、12日は職員がこん包する作業などを行いました。
生理用品は今月15日から区役所の女性相談窓口や社会福祉協議会で、無料で配られることになっています。
豊島区子ども若者課の小澤さおり課長は「生理用品をくださいと言わなくても、窓口に置いている黄色いミモザの絵のカードを見せてくれれば受け取れるようにしているので、気軽に窓口を訪ねてください」と話しています。
また、生理に関する啓発活動を行う若者のグループは、生理用品を無料で配布する費用を集めるため、今月9日、寄付を受け付ける専用の口座を開設しました。
このグループが先月下旬から今月初めにかけて、若者を対象にインターネットで行ったアンケートでは、回答したおよそ700人のうち「生理用品を買うのに苦労したことがある」と答えた人がおよそ2割に上っています。
これまでは行政や企業に対して生理用品の無料配布を働きかけてきましたが、アンケート結果を公表したあと支援の申し出が相次いだことから、まずはグループの活動として無料配布などを行うことを決めたということです。
「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんは「困っている人がいて、今すぐ支援したいという人が多くいらっしゃるので、私たちができることはそれをつなぐことだと思いました。生理は生活の質に直結し人の尊厳にも関わることなので、自分にあったケアが受けられることは本来、すべての人に保障されるべきだと思います」と話しています。