24R6.3.5 予算②議会・政経・総務 北岡議員
困難女性支援・すずらんスマイルプロジェクト事業
○北岡あや子委員 続いて、伺います。令和6年度新規拡充事業、政策別一覧7ページ、公明党が予算要望書で重点要望としております困難を抱える方への重層的支援の取組について、ナンバー17、すずらんスマイルプロジェクト事業、18、困難女性支援計画の策定、19、エポック10相談事業、LGBTQ女性向け相談の新設等について質問いたします。
最初に、すずらんスマイルプロジェクト事業について、令和3年1月より始まった事業ということで、3年目を迎えます。すずらんの役割は、困難を抱える若年女性に寄り添い、よりよい支援につながっていくという、とても大切な役割を担っていると高く評価をしております。
最初に、継続的な取組のために新年度予算も取られておりますが、今年度の取組について、どのように取り組まれてきたか、改めて教えてください。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 今年度は職員67名で活動しております。推進体制強化のために男性職員をメンバーに加えたほか、全管理職を対象とした研修の実施、また関連部署の相談員から成る連絡会を開催し、スキルアップのための合同研修や事例検討会などを行っております。
また、当事者に届く情報発信としまして、SNSを活用したターゲティング広告の実施ですとか、大学生や高校生と連携した情報発信を行いました。さらに、民間支援団体や企業、地域など若年女性への支援の輪、支援者の輪を広げていくことが重要であると考え、すずらんネット会議の設置や、街なかすずらんサポーター制度を創設いたしました。
○北岡あや子委員 ありがとうございます。このすずらんスマイルプロジェクトの中で、公明党の高橋委員の推進で実現いたしました、この生理用品の無償配布についても、この認知度は拡大してきており、大変に好評だと伺っております。
この相談員連絡会の開催というのが行われており、年3回も行われているということでお聞きしているんですが、その参加対象はどのような方になりますでしょうか。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 子ども若者課や子育て支援課、保健所、生活福祉課、男女平等推進センター、教育センターなど、11の部署の各相談窓口で実際に相談を受けている相談員が参加しております。
○北岡あや子委員 今年度も本当に様々取り組まれてきたということが分かりました。こういった取組については、どのように評価をされているのでしょうか、教えていただければと思います。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 先駆的な取組だと自負しております。今年度、全国規模のセミナーやシンポジウムに3回ほどすずらんスマイルプロジェクトの取組を紹介させていただきました。昨年9月には国立女性教育会館で、生きづらさを抱える女性支援団体向けの組織基盤強化を目的とした初めての研修プログラムが開催されたんですけれども、そちらに登壇させていただきました。また、1月には厚生労働省による女性支援新法全国フォーラムにて、先進自治体として自治体ですとか、民間支援団体など、オンラインも含め1,500人の前ですずらんの取組を紹介させていただきました。全庁横断的に取り組んでいることや、民間支援団体との連携協働など、本区の取組を高く評価いただきました。
○北岡あや子委員 そういった全国規模のセミナー、シンポジウムにも参加されているということで、本当に先進自治体としてのモデルになっているということが分かりました。
また、女性の職員だけではなく、男性職員にも研修など必要かと考えますが、その辺りの取組についても教えていただければと思います。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 今年度、男性職員も応援団としてメンバーに加えるとともに、全管理職向けの研修として7月に、マジョリティーの特権を可視化する、他人事から自分事へを開催いたしました。また、2月には、街なかすずらんサポーターとなった大塚製薬株式会社との連携企画として、男性職員も含めたすずらん職員に女性の健康セミナーを開催し、女性特有の健康課題を学ぶ機会を設けるなどの取組をしております。
○北岡あや子委員 この女性の健康セミナーの女性特有の健康課題を学んだとあるんですが、これは具体的にどういったことを学んだんでしょうか。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 女性ホルモンですとか、PMS、あと女性特有のがんですとか、そういったことをいろいろ学びました。
○北岡あや子委員 ありがとうございます。本当に高際区長直轄のプロジェクトということもあり、本当に次年度の取組もさらに民間団体との協働が強化され、多くの若年女性支援が拡大するよう要望し、こちらの質問を終わります。
続けて、次に、新規事業、困難女性支援計画の策定について、令和6年4月1日に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が新たに施行されます。新たにこの施行される女性新法について、この法の理念について教えてください。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 法の理念として、女性の意思を尊重し、抱えている問題やその背景、心身の状況等に応じた最適な支援を受けられること、福祉増進のため発見、相談、心身の回復援助、自立援助など多様な支援を包括的に提供する体制を整備すること、関係機関や民間団体との協働により、早期から切れ目なく支援が実施されるようにすること、また、人権の擁護を図るとともに、男女平等の実現に資することとされております。
○北岡あや子委員 ありがとうございます。この女性新法が66年ぶりにまた見直されたというふうに伺ったんですが、大きく見直された点はどういった点になるでしょうか、お聞きします。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 女性支援の法的根拠は昭和31年に制定された売春防止法でしたが、それが66年ぶりに女性支援の理念を転換し、要保護女性の保護更生から、売春防止法になかった女性の人権の擁護、福祉の増進、自立支援等の視点などから、女性支援のために必要な施策を国と地方公共団体の責務と定めております。
○北岡あや子委員 新規事業内容で、市町村基本計画の策定とあるんですが、区としてどのように取り組まれるお考えでしょうか。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 国の基本方針及び都道府県の基本計画を勘案して計画を定めるようにというふうにされております。今年度、都が基本計画を策定いたしますので、来年度、国の基本計画ですとか、都の基本計画も踏まえ、区長の附属機関である男女共同参画推進会議で審議いただき、来年度、本区の基本計画を策定したいと考えております。
○北岡あや子委員 改めて、この新法には目的、基本理念に先ほどもありましたが、女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等といった視点が明確に規定をされております。この地方公共団体の責務として、困難問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じる責務ということも明確に明記をされております。この困難女性を抱える女性に対して、区としてどのように支援をしていくというふうにお考えでしょうか。御見解を伺います。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 困難を抱えた方の中には、支援を求める声を上げにくい状態、状況にある方も多く、アウトリーチや相談など、様々な手法により支援への入り口を充実させていくことは大変重要な取組であると考えております。
そうした課題認識の下、昨年12月に庁内関連部課長から成る庁内連絡会を設置し、組織横断的に情報を共有し、庁内連携を強化しております。また、行政だけでは解決しづらい支援の手が届きにくい課題や問題などについて、民間支援団体とも緊密に連携し、適切な対応策が講じられるよう支援策を検討していきたいと考えております。
○北岡あや子委員 来年度の基本計画の策定については、本当にこの実際に悩んでいる目の前の困難を抱える女性へ支援が届く、またそういった支援強化に生かされる計画になるよう取組をしていただければと思います。
次の質問に移ります。お願いします。次に、エポック10相談拡充についてです。
多様化する社会を背景に、相談内容も多様化してきているのではないかと考えます。今回の新年度予算で相談が拡充されるということですが、今年度の課題と拡充される次年度の取組について教えてください。
○清水男女平等推進センター所長(心得) エポック10で受ける一般相談の約7割は、情報提供や助言を求めるものではなく、寄り添ってお話を傾聴させていただく内容となっております。生きづらさや様々な悩みを聞いてほしいと感じている方が多いことがうかがえます。その背景にあるのは、女らしさや男らしさという性別に関する無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスも大きく影響していると考えております。性別にかかわらず、誰もが自分らしい生き方や解決の道を探れるよう、本人の持っている力を引き出し、自己決定や自己成長を促すアプローチであるエンパワーメントが重要だと考えております。
そのことから精神的サポートを充実させるため、カウンセラーや心理士による女性向けの専門相談を拡充いたします。また、多様な性自認、性的指向に関する相談ダイヤルの新設、また男性の生きづらさに寄り添う男性向け相談ダイヤルを新設いたします。
○北岡あや子委員 相談内容について、傾聴が7割だというお話でしたが、この窓口の人員体制、拡充されるということなんですが、そういった体制の取り方ですとか、そういった方のメンタルヘルス、またこのエンパワーメント対策など、エンパワーメントについては専門性が必要かと思いますが、そういった対策にはどのように取り組まれておりますでしょうか、教えてください。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 来年度、相談員の人員体制を強化するとともに、相談員のスキルアップのためのカウンセリングの研修を実施する予定でおります。また、メンタルヘルス対策としては今年度すずらんスマイルプロジェクトにおいて、庁内の相談員向けに支援する側の心のケアに関する研修を実施するなどの取組を進めております。
○北岡あや子委員 ありがとうございます。
この専門の相談については、法律、心、DV相談というふうにお聞きしているんですが、この認識でよろしいでしょうか。
○清水男女平等推進センター所長(心得) 御指摘のとおり、法律相談、心相談、DV相談になっております。来年度拡充するのが、そのうちの心相談とDV相談になっております。
○北岡あや子委員 このDV相談のところについてなんですが、以前にふま議員からも要望させていただいておりますが、ぜひ被害者の方の相談はもちろんのこと、加害者の更生プログラムの導入や、またそういった支援も必要だと考えます。今後のさらなる相談拡充を要望し、質問を終わります。