令和 5年決特 議会・政経・総務費 高橋議員(10月11日)
①リスクマネジメント、コンプライアンス

○高橋佳代子委員  おはようございます。よろしくお願いいたします。時間の関係でいきなり一番初めにリスクマネジメント、コンプライアンスについてお伺いします。

行政経営を取り巻く環境が年々多様化して複雑化しているという状況の中で、このリスクの対処を一歩間違えると区民の信頼を大きく損なう、そういった事件に発展するおそれがあるということを一人一人の職員がやはり常に心して取り組む必要があると考えます。

公明党豊島区議団といたしましては、平成16年第3回定例会の一般質問で、島村議員がコンプライアンスの推進条例の制定を求めてまいりました。住民の税金で行政サービスを提供するという自治体には、より高い倫理性、透明性が求められるというようなことで、自浄能力を強化していくことが重要であるということで提案をしたものでありますが、本区は、コンプライアンスのこの条例は制定をせずにリスクマネジメントを行ってきておりますが、まず、その理由についてお伺いをいたします。

○宮﨑コンプライアンス担当課長(心得)  コンプライアンス条例についてでございますけれども、当時、条例の制定を検討したという経緯があるということは私も存じ上げております。そのときの検討内容としましては、具体的には組織体制の強化ですとか、公益通報の取組、不当要求に対する適切な対応といった3点を目的として検討しておりました。組織体制につきましては、平成27年度に危機管理監を設置し、令和元年度、コンプライアンス担当課長を設置することでこれまで強化を図ってきたものでございます。公益通報制度につきましては、公益通報者保護法の施行に伴いまして本区でもガイドラインを定めまして、現在でも運用をしております。不当要求行為への対応につきましては、コンプライアンス担当のほうで不当要求行為対応マニュアルといったものを作成いたしまして、庁内に共有をし、また、それを使って研修等も実施しているところでございます。

結果といたしまして、現在、条例化はしていない状況になっておりますけれども、実態といたしましては、庁内全体でコンプライアンス強化のための各種取組を推進しているといったところでございます。

○高橋佳代子委員  いろいろ指針をつくられたり、危機管理の様々策定をされて取組をされているということは承知をしております。

毎年監査の結果報告を拝見いたしますと、同じような不適切な事務処理が一向に減らないなと私は正直感想で持っております。なぜこのようなミスが繰り返されるのかというようなことで、この不適切な事務処理がまず発見された後、どのような御対応をされているのかお聞かせください。

○樫原契約課長  契約の案件につきましてもかなり毎年言われてるところでございます。これまでも契約事務に関しましては、各課の担当職員を担当にしまして研修を行ってきたところでございます。管理職につきましては、いわゆるコンプライアンス研修ということで、契約に係ることにつきましても研修をしてきてございます。今年度につきましても、管理職につきましては、公正取引委員会から講師をお招きしまして、官製談合防止の研修ですとか、それから、例年どおり、各課の契約担当者に対しての契約事務の研修だとかということをしてございます。ただ、なかなかそれでも従来どおりやっていたのでは、数としてはミスの数は減らないということが監査でも明らかでございますので、今後につきましては、その研修の回数の増と、それからその担当者だけではない、いわゆる職員悉皆研修というような形で契約については研修を充実させていきたいというふうに考えてございます。

○高橋佳代子委員  ごめんなさい。そうすると、いろんな課から手が挙がる可能性があって、私の聞き方が悪かったなと思いました。

いわゆるそれぞれやってるんだとは思いますが、原因究明とか、いわゆる問題のこの対応策、リスクの対応策の可視化、これについてどこが統括しているのか、そちらの答えを聞きたいと思います。

○能登総務課長  監査からの指摘を受けて、それに対してどう対応するか、どう措置をしたのかというのは、総務課のほうで取りまとめを行っているところです。

○高橋佳代子委員  だから、リスクが、要は不適切な事務処理が起こった場合に結局やり直しをするわけですよね。多分、じゃあ今のお話だと、総務課に全部上がってきて、それぞれの課に対してもう一回バックする、このような状態だということでよろしいですか。

○能登総務課長  答弁が不十分で申し訳ございませんでした。

はい、そのように集めたものを職員ポータルという電子上の掲示板のような場所があるんですけれども、そちらのほうに現在アップしておりまして、担当者も含めた全職員が確認できるような、そういった状況になっているところでございます。

○宮﨑コンプライアンス担当課長(心得)  全庁的な取組というところでコンプライアンスのほうでも取組がございますので、足して御答弁させていただきます。

リスクの発生してからの対応なんですけれども、リスク発生しましたら、リスク情報というものを各課から上げていただいております。それを集約しているのが、私どものコンプライアンス担当課になっておりまして、その集めた情報を集約いたしまして、リスクマネジメント・コンプライアンス本部というものを設置しております。こちらのほうで情報の共有を図りまして、リスク情報の分析をして、再発防止策等を各職場のほうにフィードバックしていくというようなそういう流れがございます。

それから、注意喚起策といたしまして、リスクマネジメント・コンプライアンス通信といった通信も作成しておりまして、そういったところで各職員向けに再発防止策、それから注意喚起を行ってるところでございます。

○高橋佳代子委員  全職員が閲覧できる状態になっているというお話なんですが、全員見たかとか分かるんですかね。どの程度本当に職員の皆さんが見られてるのかなというような思いが正直、御答弁伺っててありました。

やはり人事異動もあるし、そういう意味では、この不適切な事務処理が職員の皆さんの目を擦り抜け、部課長の目を擦り抜けていってしまうと、それが不適切な事務処理として上がっていくというようなことで、ちょっとした勘違いとかいろいろあるんだと思うんです。

先日は練馬区でも職員の源泉を1か月遅れて納めたというようなことで、それが3,700万円の追加徴収になったというようなことで大変な、マスコミでも取り上げられておりまして、原因は、職員の法令の理解不足という一言で終わってるんですけど、そういうことにもつながりかねないということであります。

お聞きするところによると、多分各課ではしっかりと事務処理のマニュアルが作成されているのかなとは思っているんですけども、その点についてはいかがでしょうか。

○兒玉総務部長  各課に事務処理マニュアルがございます。しかしながら、今御指摘のように、事務のミスですとか不適切な会計処理ですとか、そういったことの再発防止策がマニュアルのほうに反映されてるかというと、そうではないところもあると思いますので、ヒヤリ・ハットの意味も込めて、今後は各課の事務処理マニュアルをバージョンアップして再発防止策に取り組んで、本当に各課の全職員がその事務処理マニュアルを通じて適切な事務の執行を図れるように各課の事務処理マニュアルをバージョンアップするようにいたします。

○高橋佳代子委員  多分内容にも、部長がおっしゃったように何か非常に濃淡がありそうな、各課によって、そこら辺をしっかりともう一回再度整備をする思いで取り組んでいただきたいと思います。

監査からも内部統制、制度の導入の指摘がございました。地方自治法第150条により、都道府県や政令都市、指定都市については内部統制方針を定めて、毎年度リスク報告を作成し、監査委員の審査を経て議会に提出をするということが義務づけられておりますが、区市町村は努力義務というようなことでありますけれども、23区では既に8区が内部統制制度導入をしております。

総務省が定めた地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドラインには以下のように書かれてました。

地方公共団体における内部統制とは、住民福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する主体である長自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別及び評価し、対応策を講じることで事務の適正な執行を確保することであると考えられるというようなことであります。区民に信頼される豊島区として、将来にわたって質の高い行政サービスを安定的に提供をしていくため、また、適正な業務執行、これを確保していくためには、私もこの内部統制制度の導入をぜひ本区でも検討すべきであると考えますけれども、そのお考えについて伺いたいと思います。

○兒玉総務部長  御指摘の内部統制制度は、適切な事務の管理、会計処理の執行の確保、それから再発防止に努めた、そういう結果が執行機関のみで完結するというのは適当ではないという観点から、今お話のあった監査委員の監査を経て議会に提出し、その後、区民に公表するという第三者評価による監査、これは組織の透明性や組織マネジメントを強化することになると思いますし、本区の同じミス、不適正処理が繰り返されてる現状を鑑みますと、今御指摘のあった先行している8区の状況を踏まえて、制度の在り方を検討し、導入に向けて鋭意検討していきたいというふうに考えております。

○天貝副区長  御指摘の監査報告のミスにつきましては、会計事務、それから契約事務がほとんどでございまして、これはこの内部統制制度を導入する以前の問題だというふうに考えております。これは監査の結果が出たときに、区長も、これは早急に改善しなければいけないという課題として、やはり具体的に事務処理をしている職員がこの報告を見てるのかということをまず第一に捉えてまして、それを内部で徹底をして、契約事務をしている、あるいは会計、簿記をつけているとか、そういった職員一人一人にこういった制度の必要性、改善の必要性を認識してもらうことがまず第一というふうに考えております。

それから、内部統制につきましては、平成29年の地方自治法の改正に伴ってできてるというふうに認識しておりまして、これはやはりもう8期やってますので、区としてもコンプライアンスのほうの担当課長を設置して、日々のリスクマネジメント報告も上げておりますので、あとはこれについて精査をして、手続的には監査のほうに報告をした上で議会にも報告をすると。決算の流れと似てるんですけども、そういった部分で導入に向けてできるだけ早く実施していきたいというふうに考えてございます。