令和5年第3回定例会 高橋質問
「豊島新時代へ 人が主役の魅力あるまちに」

令和5年9月26日登壇

私は公明党豊島区議団を代表して、「豊島新時代へ 人が主役の魅力あるまちに」と題し、1.SDGsの推進について、2.子ども・女性施策について、3.高齢者施策について、4.相続登記の申請義務化について、5.ウォーカブルなまちづくりについて、6.その他として番神通りについて一般質問を行います。

今年は5月から梅雨前線などの影響により、全国各地で甚大な豪雨被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被害にあわれました皆様に、謹んでお見舞いを申し上げます。一日も早い復興・復旧をお祈りいたします。政府は激甚災害に指定し、復旧の支援を行うとしましたが、このような災害がいつどのように本区でも発生するのか分かりません。いざという時に、区民の生命を守る防災・減災対策を、さらに進めて参りたいと思います。

それでは、質問に入ります。

はじめに第1として「SDGsの推進について」伺います。

昨年の第4回定例会での私の一般質問で、SDGsの取り組みの見える化について提案させて頂き、日経グローカルの評価を詳細に分析するよう要望致しました。

その後、自治体のSDGsの取り組みを診断・可視化するツールである「TUMUGI@」を活用し、達成度等の調査をされたとの事でありますが、その概要についてお聞かせください。

また、分析結果をもとに、どのように政策や事業に落とし込み、全庁あげてSDGsを推進されていくのか、お考えをお示しください。

特に、全国自治体の中で取り組み状況の評価が低いのは、17のゴールの内の9番目の産業と技術革新です。

例えば、「再エネ電気」の利用については、利用を希望する個人や個人事業の方が多く集まることで購買力が高まり、低い電気代で再エネ電気が簡単に利用できます。このような取り組みはイギリスやオランダ・ベルギーなどで広く取り組まれており、こうした取り組みが広がることで、再生可能エネルギーの利用が普及・拡大することが期待されます。

港区では、区内電力の再生可能エネルギー100%をめざす、再エネ普及促進プロジェクト「MINATO再エネ100」を掲げております。また、港区と同様に再エネの普及促進を実施している自治体と株式会社エナーバンクが連携し、オークションによる再エネ電力の購入や非化石証書購入の機会を事業者に提供する「首都圏再エネ共同購入プロジェクト」が始動しました。これには、港区、中央区、新宿区、世田谷区、北区、足立区、葛飾区、武蔵野市、さいたま市、神奈川県が参加されております。壮大なプロジェクトではありますが、今後、避けては通れない課題であると認識しております。このような再エネ共同購入の取り組みについて、本区のご所見を伺います。

 

また、経済産業省と環境省が本年4月に、中小企業等のカーボンニュートラル支援策を打ち出しております。現在、サプライチェーンや金融機関から温室効果ガスの排出量削減を迫られる動きが高まっており、中小企業における排出削減の取り組みにも、注目が集まっているところです。エネルギーコストの削減や競争力の強化、知名度や認知度の向上、資金調達において有利になるなど、中小企業等にとってもメリットがあると考えます。しかしながら、国で用意されている補助金等の制度周知が中小企業にまで行き届いておらず、ハードルが高いのが現状であります。そこで、一番身近な区において、中小企業等のカーボンニュートラルの制度周知に取り組まれ、相談にも対応されるよう要望いたしますが、いかがでしょうか。

 

さらに、サーキュラー・エコノミーの取り組みも、全国各地に広がっております。甲子園球場からゴミとして排出されるビール用カップとペットボトルを回収し、西宮市指定のゴミ袋や阪神電鉄で使用されるゴミ袋、阪神タイガースの選手ユニフォームに再利用されているとの事です。また、荒川区では区内で資源回収したペットボトルをゴミ袋にする、マテリアルリサイクルの取り組みが行われております。特にペットボトルを活用すると、一般のゴミ袋に比べてガスバリア性が高く、防臭効果が期待できます。ぜひ本区でも、区内で回収したペットボトルをマテリアルサイクルでゴミ袋にし、保育園での使用済みおむつの回収等に活用したり、防災服などのユニフォームに活用するなど検討されてはいかがでしょうか。お考えを伺います。

さらに、区制施行90周年の企業実行委員会で、SDGsに取り組む企業の認証を望まれる声があったと伺っており、私も本年の第1回定例会で提案をさせて頂きました。区内企業との「チームとしま」としての取り組みについて、区のお考えをお示しください。

 

本区はSDGs未来都市として、絶えず持続可能な社会を実現する地域づくりを推進し、人中心の新たな価値を創造する誰もが住み続けたい豊島区になる事を願うものです。

次に第2として「子ども・女性施策について」伺います。

1点目に、子どもの発達支援について伺います。

子どもの発達支援については、ライフワークとして議会でも多くの提案を行ってまいりました。増加傾向にある発達に障がいを抱える子どもたちの支援を行うには、西部子ども家庭支援センターが手狭であり、サテライトも設置してご対応頂き、「できる事から」という積極的な取り組みを高く評価いたします。令和8年度には千川中学校複合施設に、以前から繰り返し提案させて頂いております「児童発達支援センター」が設置される予定であります。高際区長の招集あいさつにもありましたが、西部子ども家庭支援センターについては、千川中学校複合施設が竣工する前の令和6年4月に、児童福祉法の「児童発達支援センター」に位置づけ、機能強化を図るとされておりますが、具体的な支援の強化について伺います。

 

2点目として、定期預かり保育について伺います。

本年の第2回定例会での一般質問で提案した保護者の就労の有無に関わらず、子どもに定期的な保育を行う東京都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」について、区内でも実施する方向で補正予算に計上されておりますが、今後の事業実施に向けた取り組みについて伺います。また、国でも「子ども誰でも通園制度」を打ち出しており、就労の有無に関わらず、保育所などが時間単位で柔軟に利用できる仕組みを構築するとしています。このような育児の負担軽減や孤立を防ぐ事業が広がりつつありますが、区のご認識について伺います。

 

3点目として、子どもの権利擁護について伺います。

9月にオープンした「としまの子ども権利相談室」については、IKEAさんのご協力で温かみのあるリラックスできる施設となりました。対面や電話での相談のほか、アウトリーチも行うとされておりますが、当初の2名体制でこれらの業務をこなしていくのは、現実的に厳しいのではないかと考えます。職員の拡充について、区のお考えを伺います。また、児童相談所での子どもの権利擁護については、声をあげられない子どもの意見を聴き、代弁する支援者「アドボケイト」の必要性について、これまで夫馬議員が提案してきました。一時保護所や児童養護施設で暮らす子どもたちの意見表明をしやすい環境と権利擁護について、区のご所見を伺います。

 4点目として認定こども園について伺います。

本区は池袋幼稚園と池袋第5保育園との統合による分園型認定こども園を計画されております。現在、2つの園を繋ぐワークショップとして、NPO法人「芸術家と子どもたち」のアーティストと共に、瓶に入った手紙から2つの島の交流が始まるストーリー性のある文化芸術体験が行われております。私たち区議団も視察に伺う予定でしたが、台風のため中止となり大変残念でした。7回目のワークショップである10月21日の発表会で一区切りと伺っておりますが、事業の評価や効果についてお答えください。

 

また、認定こども園では、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供するとされておりますが、豊島区教育ビジョンの中には幼児教育のビジョンについては示されておりません。区立の認定こども園では、教育委員会が目指す幼児教育が実現され、私立幼稚園等にとってもモデルとなるような幼児教育を行うべきであると考えます。幼児教育のビジョンについては、どのようにお考えなのでしょうか。

 当初区立幼稚園のあり方の検討から、教育委員会の中に認定こども園の会議体が作られ検討が進められてきました。しかし、幼稚園と保育園の施設の関係で、保育園型の認定こども園になる予定であります。その場合、現在は検討組織が教育委員会にありますが、最終的な所管は保育課になるのではないでしょうか。また、何度も質問で取り上げましたが、施設の関係で分園型としてスタートするにしても、最終的には1か所での整備が望ましいと考えます。さらに、西巣鴨幼稚園と南長崎幼稚園については、教育委員会としてどのような展望をお持ちなのか、教育長のご見解をお示し下さい。

 5点目として子ども家庭センターについて伺います。

改正児童福祉法により、妊産婦や子育て世帯の相談に応じる「子ども家庭センター」を市区町村に新設する努力義務が規定されました。背景には児童虐待の相談件数が増加の一途であり、悲惨な事件を未然に防ぎ、妊娠期から子育て期を安心して過ごすためにも、関係機関同士が情報共有や役割分担の確認をしながら、徹して一人に寄り添う支援体制の整備が求められております。本区はどのような対応をご検討されているのか、お考えをお示し下さい。

 次に6点目として児童養護施設退所者等の支援について伺います。

厚生労働省の調査結果から、児童養護施設や里親家庭出身の子どもたちの高校進学率については、全国平均98.8%に対し、それぞれ94.9%、97.2%と比較的高水準を維持しております。しかし、大学進学率については、全国平均が50%超えなのに対し、児童養護施設出身者が約18%、里親家庭出身者が約30%と大きな格差が生まれてしまっているのが実情であります。進学を諦めざるを得ない子どもたちは、高校を卒業して就職の道を選ぶケースがほとんどですが、その選択肢が狭まってしまう理由としては、経済的な負担が大きいのではないでしょうか。児童養護施設等で育つ本区の子どもたちのために、退所後の支援は検討すべき課題であると考えます。例えば世田谷区では、退所後の支援として給付型奨学金、教材費実費、交通費実費などの支援を行っております。また、世田谷区、板橋区、荒川区では家賃補助を行っており、措置解除支援を行っている区もあります。このような児童養護施設退所者への支援について、本区としても検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 7点目に、産後ケアについて伺います。

公明党はこれまで国会質問や政府への提言で、産後ケアの拡充を強く要望し、産後ケア利用者負担の軽減拡充について、昨年11月に発表した「子育てトータルプラン」の中で主張し、後押しをして参りました。

政府は、異次元の少子化対策の中で、母子の心身の負担軽減に向けて、産後ケアの強化を掲げました。これまでの育児不安や心身に不調がある場合だけではなく、支援を必要とする人は誰でも受けられるようにして利用を促進。利用者全員を利用補助の対象とし、1回当たり2,500円を5回まで支援すると、6月30日付けで自治体に通達されました。親族や周囲の助けを得られず、母親が孤立する事を防ぐためです。現在、区外施設7か所で産後ケアが実施されております。しかし、母子1組1日につき3,300円の自己負担があり、経済的負担を理由にケアの利用を控える方が現実的にいらっしゃいます。住民税非課税世帯、生活保護世帯には減免がありますが、国の補助制度を活用し、自己負担をできる限り減免し、産後ケアの利用促進を図るよう求めますが、いかがでしょうか。本来は自己負担なしでも良いのではないかと考えますが、区のお考えを伺います。

 

また、現在利用できるのは区外施設のみでありますが、区内の宿泊できる施設設置についても、ぜひ再度ご検討頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

デイサービスも必要な事業でありますが、区外施設では小さい赤ちゃんを抱えて移動する負担が大きく、現実的には利用できません。ぜひ、区内にデイ施設設置の検討を求めますが、お考えを伺います。

 

また、産後ケアのアウトリーチとしてのドゥーラの活用については、前回の質問でも取り上げましたが、産後ドゥーラの育成と今後の施策展開について、区のお考えをお示し下さい。

 

次に8点目として、休日健康相談について伺います。

現在、平日は池袋保健所や長崎健康相談所が健康や母子保健の相談を受けられておりますが、休日になると区としての相談機能がありません。しかし、池袋保健所や長崎健康相談所では休日診療が行われておりますで、場所を確保し休日の健康相談機能の補完を検討されてはいかがでしょうか。例えば、豊島区看護師会へ委託するなどが検討できるかと考えますが、お考えを伺います。

9点目として、女性の検診について伺います。
本区では、国民病と言われる「がん」から区民の生命を守り、早過ぎる死を減らすために、平成22年に公明党区議団が一貫して推進してきた「豊島区がん対策推進条例」を制定し、「がん対策推進計画」に基づき総合的な支援を行っております。がん検診の無償化や予防・普及啓発、がんに関する教育は全国の自治体モデルになりました。
本区では、乳がんの触診とマンモグラフィーが同日検査できる日を設定し、その日に予約が殺到しております。特に乳がん検診は触診とマンモグラフィーと2日間を要するため、1日で終えられるということは、女性にとっては乳がん検診のハードルを下げるにはとても有効であると考えます。全国では多くの自治体ががん検診に「レディースデイ」を設定し、集団検診を実施しております。例えば埼玉県羽生市では、胃がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん検診が、保育つきで1日で受診できます。特に女性は家庭内でも忙しく、家族を優先して自分の健康は後回しになっている事が往々にしてあります。そこで、女性の健康支援としてもう一歩踏み込んで、平成29年の第3回定例会での私の質問で取り上げました多様ながん検診が1日で受けられる「レディースデイ」の設置を再度提案いたしますが、区のお考えを伺います。

 

次に第3として「高齢者施策について」質問します。

浴場空白地帯で、高齢者の方々が入浴に困っていらっしゃる実態を一般質問で取り上げ、令和5年度の新規事業に送迎付きの「入浴特化型デイサービスモデル事業」を導入して頂きました。モデル期間が終了し、区民から感謝のお声が届いております。元々、65歳以上の高齢者の入浴中の不慮の事故が多く、令和3年の厚生労働省の調査では高齢者の浴槽内での死者数は4,750人、交通事故死者数の約2倍にあたります。これらの事故予防のためにも、本来高齢者は見守りのある中での入浴が望ましいと考えます。入浴特化型デイサービスモデル事業が終了したとの事でありますが、事業の評価と今後の施策展開についてお聞かせください。

 

さらに、今年の夏も全国的に猛暑日が続き、2023年の夏は史上最も高温になりました。75歳以上の介護サービスや介護施設等に入所されていない高齢者を、民生・児童委員さんや高齢者総合相談センターの職員などが個別に訪問され、熱中症予防を推進されました。猛暑の中で、大変ご苦労された事と思い感謝を申し上げます。私の地域では、残念ながら1人暮らしの高齢者が、この夏に熱中症でお亡くなりになりました。ご自宅はクーラーが止まったままであったと伺っており、年齢的にはこの事業の対象外であります。高齢者の独居率が高い本区にあって、高齢者の異変を早く気付く重層的な見守り体制の整備が改めて求められていると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います

 

次に、第4として「相続登記の申請義務化について」伺います。

日常生活や経済活動の基盤であり、個人の大事な財産でもある土地が、実は所有者不明のまま放置され荒廃し、土地買収のための所有者探しに何か月もかかってしまい、公共事業が遅延するという事態が全国各地で発生しております。

それを未然に防ぐのは、相続登記の義務化であります。これまで相続登記が任意であるため放置され、それが何世代も続くと相続人が増えて探索困難になり、所有者にたどりつけないケースが多くありました。

このような所有者不明土地の解消に向けた新制度として、令和3年に民法・不動産登記法等が大きく改正され、令和6年4月1日にから不動産の相続登記が義務化となり、違反には過料・施行前に発生した相続でも、未登記であれば義務化の対象となります。この相続登記の申請義務化は国民生活に重大な影響を及ぼすものであり、区民にこの情報が十分に浸透するよう努めなければなりません。

法務省からの事務連絡として、令和4年12月26日付けで区市町村担当課当てに、「相続登記の申請義務化をはじめとする相続・不動産に関する新制度の周知・広報への対応」という依頼文が届いているかと思います。

 

そこで伺います。相続登記の申請義務化が始まる半年前の10月は、国土交通省の土地月間でもあります。広報としまやホームページ、掲示板、町会回覧板等を活用し、一斉の広報を行われてはいかがでしょうか。

 

また、本区には辻議員が提案したおくやみコーナーがあります。そこで、死亡時の手続き一覧に加えたり、リーフレット配布など効果的な周知に努めていただきたいと思いますが、お考えを伺います。

 

さらに、町会や高齢者クラブをはじめとする区民への制度周知を丁寧に行うためにも、司法書士会等と連携し専門家による区民向けのセミナーや相談会などを実施されるよう要望いたしますが、いかがでしょうか。

大きな制度改正ですので、知らずに違反してしまい過料される区民がいないよう、きめ細やかな周知を要望いたします。

次に第5として「ウォーカブルなまちづくり」について伺います。

令和元年6月26日、「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」の提言として、「居心地良く歩きたくなるまちなか」からはじまる都市の再生が取りまとめられました。これを受け、国土交通省がウォーカブルなまちなかの形成を推進されております。

本区も令和4年1月17日の記者会見で、池袋東口と西口をつなぐウォーカブルなまちづくりを発表されております。ダンベル型のまちづくりから、4つの公園を核としたまちづくり、そして東西のシンボルストリートを中心としたウォーカブルなまちづくりへと、まちづくりが池袋の東西へと大きく広がっております。

 

私ども公明党豊島区議団は、7月26日に国土交通省のウォーカブルなまちづくりのモデルとも言われる御堂筋となんばひろばを視察して参りました。

2009年に御堂筋の今後の道路空間利用のあり方について、当時管理者であった国土交通省が共同し、有識者、地元、経済界等で組織する「御堂筋空間利用検討会」を設置し議論されてきました。2012年の中間提言では、従来の「車のための機能」を抑え、「人のための機能」を高めるという考えで「側道を活用した空間再編」等に関する提言をまとめ、パブリックコメントや社会実験を実施。2017年には御堂筋完成80周年記念実行委員会として「御堂筋将来ビジョン」を策定されました。道路管理が大阪市に委託され、御堂筋完成100周年の2037年には人中心のフルモール化を目指し、側道の歩行者空間化から段階的に事業が進められているところであります。

 

難波西口から淀屋橋までの約3kmが対象となりますが、大阪万博までには3分の1を完成させる予定であるとの事でした。荷捌きエリアや時間も、地域と共に指定されております。また、公民連携による道路管理の一層の充実を図ることを目的に、道路協力団体制度を創設。エリアごとに道路協力団体が発足されており、スタンダードは道路管理者が行い、その上で花壇の整備やイルミネーションなど道路協力団体の自発的な業務への取り組みを促進しております。このような民間企業や団体との道路管理の協働について、区のご所見を伺います。

 

また、令和2年に道路法の一部が改正され、歩行者利便増進道路(ほこみち)制度ができました。滞留空間をつくり「歩行者の利便増進を図る空間」として定めることにより、新たな賑わいを創出し歩行者の利便性を図って、地域の活性化に資する道路の活用を図ることを目的としています。この制度を活用し、ファニチャーを置くなど利便増進誘導区域が指定されます。実際に一部ファニチャーが置いてあり、御堂筋の難波駅近くは、グリーン大通りによく似ていると感じました。本区では、2017年から池袋東口グリーン大通りをメイン会場として、「池袋リビングループ」が実施されております。現在は国家戦略特区を活用して実施されているところでありますが、道路法が改正され「ほこみち制度」ができた今、どのように制度の整理を考えていくのか、お聞かせください。

 

また、御堂筋は難波駅に近いところは飲食店等が建ち並び、途中から大阪一のブランドショップ街へとまちの様子が一変します。その先はビジネス・オフィス街となり、それぞれのエリアで歩道の色や素材も工夫されておりました。本区にとってグリーン大通りの賑わいの連続性については、昔から大きな課題でありました。「御堂筋は店舗誘致策について特に考えてはいない」と大阪市の課長は仰っていましたが、オフィス街については建て替え時に低層階に店舗等が入るよう地区計画をかけているとの事で、建物が更新されれば賑わいの連続性がさらに伸びる工夫をされておりました。このような方策について、本区のご所見を伺います。

 

池袋の東西にわたるウォーカブルの最大の特長は、駅を超えての回遊性であると考えます。以前も質問で取り上げましたが、池袋西口再開発をはじめ地上がどんなに整備されたとしても、駅構内や東西デッキなどの繋ぐ機能の整備に取り組まなければ、回遊性は生まれてこないと考えます。今後の取り組みについてお聞かせください。

次にウォーカブルに関連して、エリアマネジメントについて伺います。

南池袋2丁目C地区の事業は、平成16年に東京都のしゃれた街並みづくり推進条例に基づき「街並み再生地区」に指定され、それまでの3つのゾーンを一体的に集約し、防災まちづくりや池袋副都心を形成する核としております。

その実現方策の一つとして、既存の容積率がアップされ、その効果として地区広場や歩道上空地、地下通路などが計画されており、これらの内容は、再開発等促進地区に定める地区計画の地区整備計画で都市計画審議会を経て、都市計画決定がされております。

改めて、確認したところ、この地区計画を定めるにあっては、区の地区計画の運用基準があり、「企画提案書」を出さなければならないとのことであります。

C地区の組合は企画提案書の基本方針の中に、「多様な用途による多世代の交流と賑わいの形成」を掲げ、東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく「街づくり団体の登録制度」の活用を視野に入れたエリアマネジメントを検討するとなっているようです。

まず、C地区の事業が完了するまでに、参加組合員や事業コンサルタントと協力して、実施方針を定めることになっていると思われますが、エリアマネジメントに関する具体案の検討状況をお聞きかせください。

次に、区との関係では、エリアマネジメントの具体策の検討について、実現のために担保する方策は何か取られているのでしょうか、お考えを伺います。

 

最後に第6として「番神通りについて」伺います。

C地区に新たに9mの拡幅道路ができますが、その起点は区との官民境界からC地区側に9mと先日の副都心で説明がありましたが、番神通りには民地側に区との官民境界からさらにバックして区道が存在すると聞いております。

まず、この民地側の区道は今後どのような整備方針をお持ちでしょうか。

例えば、新たに整備される9m道路の整備時期に合わせて民地側に存在する区道部分も整備するのか、あるいは、9m道路が新たにできるので、民地側の区道の部分は廃止や区域変更をするなど、番神通りの民地側の各関係権利者の意向確認の結果によって、整備方針を区が示していくという考え方はございませんでしょうか。お考えをお示しください。

次に、民地側の区道を廃止する手続き方法について伺います。

この民地側に存在する区道部分は廃止してもらいたいと、番神通りの各関係権利者から個別に要望があった場合、廃止や区域変更等の手続きは可能なのでしょうかこれらの手続きについては道路法や建築基準法の関連があるようですが、その方策について伺います。

仮に、権利者から廃止などの希望があった場合、区は各関係権利者の考え方をよく理解され、丁寧に取り組まれるよう要望いたします。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

R5.3定例会9.26公明党 高橋議員一般質問区長・理事者答弁

 

  • 高際区長答弁

ただいまの、高橋佳代子議員のご質問にお答えいたします。

はじめに、SDGsの推進についてです。

SDGs達成度調査につきましては、豊島区では、自治体向けに開発され、他自治体でも実績のある診断ツール「TUMUGI@(つむぎ)」を活用し、SDGsの見える化に取り組んでいます。

6月に庁内全部局で約200項目の調査を実施し、8月に回答をまとめた速報値では、本区は総合点が67点となりました。同診断ツールを活用するSDGs未来都市の平均点53点を上回っており、17のゴール全ての項目で、平均点を上回る結果となりました。

個別に見てみますと、貧困、保健などの分野では、子ども食堂、高齢者の心身健康づくりなどの項目が高得点である一方、エネルギー、成長・雇用などの分野では、再生エネルギー導入や地域事業者に対する環境負荷低減にかかる助成支援などの項目が相対的に低い点数となっています。これについては、区が単独で取り組める項目は高い点が付き、企業のSDGs活動やコストが伴う項目は、成果を上げることが難しい等の理由が考えられます。

次に、分析結果に基づく全庁的なSDGsの推進についてです。

SDGs未来都市の認定から3年が経過しました。「全ての施策はSDGsにつながる」という考えは、年度当初に全ての部局で作成する「主要課題」に、SDGsの観点からの取組みを盛り込むことで、全庁に浸透してまいりました。

今後、TUMUGI@(つむぎ)の分析結果から把握できた区の強み、弱みを十分に踏まえて、区として推進していくべき課題について、新たに策定する基本構想、基本計画に反映させ、SDGs達成期限の2030年に向けて、取組みを加速させてまいります。

また、SDGsの取組みの成果を見える化することは、区民や企業の皆様に対する機運醸成や、次なる活動に向けた意欲向上にもつながることから、年内に分析結果を公表するとともに、来年度以降も、達成状況を適宜公表してまいります。

 

次に、「チームとしま」でのSDGsの取組みについてです。

区政施行90周年の企業実行委員会をベースに誕生した「チームとしま」では、参加する企業がSDGsの取組みを推進していく上で、どのような行政の支援が必要か、SDGs企業認証制度の構築も含め、意見交換を行ってきました。

その中で、人材確保、人材育成が、今後の事業継続に係る喫緊の課題であり、その対策として経済産業省の「健康経営優良法人」の認定取得に向けた支援を求める提案をいただきました。

健康経営優良法人とは、「従業員の健康保持・増進が将来的に企業の収益性を高め、持続可能な経営につながる」という、まさに、人を主役とした制度であり、SDGsの目指す理念に通じるものです。

認定を受けるメリットとしては、当該企業の生産性の向上、イメージアップ、離職率を下げることなどが考えられます。これは、特に、中小企業が抱える課題に有効であることから、今後、「チームとしま」参加企業に働きかけを行い、セミナーの開催など、認定取得に向けた気運の醸成を図ってまいります。

「チームとしま」につきましては、従来の公民連携を一歩進め、民間企業の皆様と行政が共に、地域課題の解決や新たな魅力創出に取り組み、共にまちを創る「共創の場」として位置付けています。

今後、新時代を築く豊島区ならではの「チームとしま」の取組みを全力で支援し、全力で向き合い、「“ひと”が主役 みんなでつくる“としまの未来”」を推進してまいります。

 

次に、児童養護施設退所者等への支援についてです。

令和4年6月の児童福祉法の改正により、児童養護施設退所者等の実情を把握し、自立のために必要な支援を行うことが、児童相談所設置市の業務として明確化されました。

豊島区で措置され、児童養護施設等に入所した子どもや、里親家庭で育った子どもは、原則18歳で措置解除され、自立を求められます。本区では、今後、毎年5人から10人程度、そうした対象者が出ることが見込まれます。

児童福祉審議会の委員からは、「施設等を退所した後、生活に困難を抱えるケースが少なくない」とのご意見を伺っており、自立に向け、精神的な面、経済的な面等からのサポートが必要と考えております。

区といたしましては、今後、当事者や施設関係者等の意見を聞きながら、令和6年4月の改正児童福祉法の施行に向け、児童養護施設退所者等の自立に向けた相談体制や、一人暮らしを始めるにあたっての支度金や奨学金制度など、経済的な支援について検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 上野副区長答弁

私からは、池袋駅を超えて回遊性を生む取り組みについてお答えいたします。

池袋駅東西の交流を促し回遊性を高めるうえで、東西を結ぶ線路上空のデッキ整備や地下通路の改良は重要です。

北デッキについては、駅西口の再開発を契機に東武街区での北デッキの受口整備を検討しております。その東側部分については具体化に向け西口の都市計画提案後もさらに関係者と検討を進めていくことにしています。なお、中央地下通路の出口には、西口再開発においてサンクンガーデンを新設し、視認性の向上や溜まり空間の拡充を図ることとしています。

南デッキ整備については、すでにメトロポリタンプラザビルなどに受口ができておりますが、地下通路を含む池袋駅構内の再整備とともに、今後関係施設に係る動向を見ながら関係者に要請してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 教育長答弁

私からは、認定こども園についてお答えいたします。

初めに、2つの園を繋ぐワークショップ事業についてですが、各回ともワークショップ終了後、感想等を確認したところ、全ての回で「保育園のお友達ができた」「船を作ったのが楽しかった」などの声があり、全園児から3段階中で最も高い評価を得ました。

主な効果として、すべての幼児教育施設に共通する目標である協同性、思考力の芽生え、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現などを楽しみながらしっかりと培ったものと認識しております。また、両園の先生同士の交流が深まり、幼稚園と保育園のお互いの文化を理解する良い機会になりました。

次に、幼児教育のビジョンについてです。

平成29年度の豊島区の幼児教育のあり方検討委員会の最終報告では、公民・保幼、所管の垣根を超えた一体的な幼児教育を進めるべく、認定こども園の普及について示されました。これを受け、豊島区教育ビジョン2019では、「生きる力の土台となる就学前教育の充実」を基本方針の一つとして掲げた上で、区立幼稚園については、幼児教育センター的機能を有する施設としてあり方を総合的に検討すること、保護者ニーズに最も合致した機能を有する施設形態である「認定こども園」化を目指すことなどについて言及しております。

この間、令和元年10月に行われた幼児教育・保育の無償化や、区立幼稚園の園児の減少など、幼児教育をめぐる環境が大きく変化してきました。従いまして、あらためて現在の状況をふまえて幼児教育全体のビジョンを再検討する必要が生じているものと認識しております。

次に、保育園型の認定こども園の最終的な所管や最終的な施設整備の展望、他の2つの区立幼稚園などについてです。

ご指摘いただいた諸課題は、未だ明確になってはおりませんので、それらの課題を含めて、

幼児教育全体のビジョンを明らかにする必要があります。

そこで、今後、区長部局と連携しながら、早急に幼児教育全体のビジョンを策定することとし、池袋幼稚園につきましては、分園型の認定こども園として、令和7年度開設を目標に進めて参りましたが、これまでの検討を踏まえつつ、再検討することといたします。

私からの答弁は以上でございます。

 

4.政策経営部長答弁

私からは、相続登記の申請義務化についてお答えいたします。

初めに、相続登記の広報についてです。

令和6年4月からの不動産の相続登記の申請義務化は、国民の生活に重大な影響を及ぼすものと認識しております。

このため、「広報としま」については、まず、本年10月21日号、その後、法施行前の令和6年2月1日号、さらに法施行日に合わせて4月1日号での掲載を予定しております。同様のタイミングで、ホームページにも掲載いたします。

掲示板、町会回覧版の活用につきましては、区政連絡会における司法書士会等による説明を通じて、町会の皆様にご依頼申し上げる予定です。

 

 

現在、おくやみコーナーでは、来庁された方に「おくやみ手続きガイド」をお渡ししております。その冊子には「不動産の名義変更」について記載をしておりますが、ここに法改正による注意喚起の一文を付け加えたいと考えております。あわせて、おくやみコーナーを訪れた方への積極的な法改正の案内をはじめ、法務省等が作成したチラシの配布・掲示など、周知を徹底してまいります。

司法書士会等と連携した、専門家による区民向けのセミナーは、令和6年2月と4月に、区民事務所で開催することを予定しております。このセミナーに合わせて、現在、庁舎内で実施している司法書士相談を、出前相談として拡充し、開催することも検討してまいります。

このような重層的な取組みにより、法改正に関する情報を区民の皆様に浸透させていけるよう努めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

5.環境清掃部長答弁

私からは、SDGsの推進に関するご質問のうち、環境についてお答えいたします。

初めに、再エネ共同購入の取り組みについてです。

ゼロカーボンシティの実現を目指す本区にとって、環境にやさしい再生可能エネルギーの利用を促進することは、温室効果ガスの排出を抑制するうえで、非常に有効であり「2050(にせんごじゅう)としまゼロカーボン戦略」でも4つのアクションの1つに掲げております。

再生可能エネルギーを共同で購入する手法は、まとまった電力を調達することによるスケールメリットが図られ、個別に調達するより安く導入が可能となります。

更に、参加事業者が再生可能エネルギー導入にあたり想定される電力供給面のリスク低減が図られることなど、価格や、安定供給の観点から再生可能エネルギーの利用を後押しする施策だと捉えております。ご指摘の「首都圏再エネ共同購入プロジェクト」は自治体と連携しながら民間事業者の脱炭素化に向けた取り組みを支援するもので、特別区においても参加する区が増えてきており、今後は、共同購入の実施について、来年度の参加に向けて、検討してまいります。

次に、中小企業等へのカーボンニュートラルの制度周知及び相談対応についてです。

中小企業等のカーボンニュートラルに対する支援は国に限らず、都においても多くのメニューが用意されており、本区においては、ホームページへの掲載、区の施設やイベント等でのチラシの配布などを通じて、国や都の制度を含め、様々な周知を行っているところです。

また、現在、中小企業等のみなさまから相談があった場合には、区の助成制度については、その場で相談に応じているほか、国や都の制度については、内容に応じて、国・都が設置している窓口へご相談いただくよう、ご案内しております。

今後、周知については、年度内に新たに発行予定の事業者向け啓発冊子の中で、関係制度についても盛り込むなど、情報がしっかり届くよう強化してまいります。

また、相談については、区の制度等に関する内容については、これまで通り、丁寧にお答えし、国や都の制度については、東京都地球温暖化防止活動推進センターなどの、専門窓口の紹介や制度にかかる情報提供など、より丁寧に行って参ります。

 

次にペットボトルのリサイクルについてです。

本区においては、資源の回収、中間処理、再資源化までを一括して委託しており、最終処理の段階では、ボトルtoボトルが約75%などとなっております。

回収したペットボトルをゴミ袋やユニフォームにリサイクルにするとのご提案については、ごみの削減や資源循環が区民の皆様にわかりやすい形でお示しできることと合わせ、

再生品の多様化が進むという観点からは有意義であると考えられます。

今後、ペットボトルリサイクルに係る委託仕様の変更や

受託事業者による再資源化方法のあり方に関する検討を要すること、また、他自治体の実施上の課題なども踏まえながら研究してまいります。私からの答弁は以上でございます。

 

6.保健福祉部長答弁

私からは、高齢者施策についてお答えいたします。

初めに、入浴特化型デイサービスモデル事業につきましては、本年6月から8月までの3か月間、区内2か所の社会福祉法人に委託し実施しました。浴場や要支援者を対象としたデイサービス事業所が少ない区の東側の地区にお住まいの要支援者を対象として、36回実施し、延べ107人が利用しました。

モデル事業を通じて、「安心して入浴したい」「他の人と交流したい」などの、事業に求める区民ニーズを把握、また、事業者側の意見を伺い、入浴サービスを安全に、安定的に行うために必要な体制等、事業の本格化に向けた課題を明らかにすることができました。

今後、モデル事業を踏まえ、一人での入浴に不安を感じる要支援者を対象とした新たな入浴特化型デイサービスの事業化へ向け、事業者が安全に事業実施できる人員配置等を確保し、安定的な運営ができる補助・委託等事業スキームの検討を進めてまいります。

高齢者の重層的な見守り体制につきましては、区として様々な視点での見守りができるよう体制構築を進めております。

一つに、ゆるやかな見守りとして、宅配事業者、金融機関、新聞販売店等、日常生活に密接に関係する民間事業者との「見守り協定」があります。この協定により、事業者が普段の活動の中で異変を察知した際には高齢者総合相談センターに連絡が入るようになっています。現在、22事業者と協定を締結し、11月にはさらに10事業者と新たに協定を締結いたします。

これに加え、民生児童委員による75歳以上の一人暮らし高齢者を中心とした熱中症予防訪問、実態調査をはじめとした、地域の皆様による見守りがあります。さらに支援を要する人には、区内8か所の高齢者総合相談センターに配置されている見守り支援担当職員によるアウトリーチ型の見守りを行っています。

今後は、これらの見守りの際に、どのような場合に相談・通報したらよいか、留意すべきポイントをまとめたハンドブックを作成、配布することで、支援者をサポートし見守りの質の向上を図ります。

さらに、高齢者の見守りに関わる関係者の情報共有、意見交換の機会を設けることで、連携を強化し、見守りがより有効に機能するよう、取り組みを強化してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

7.池袋保健所長答弁

私からは、産後ケア・休日相談並びにレディースデイについてお答えいたします。

初めに、産後ケアの減免についてです。

宿泊型の産後ケア事業については、区は現在、7か所の施設と1日あたり33,000円で契約しており、9割を公費負担することにより1日あたり3,300円の自己負担で利用可能となっています。本区の自己負担額は、23区の中でも低い額に設定しておりますが、より一層利用者の負担軽減が図れるよう検討してまいります。

次に、産後ケア施設の設置についてですが、区内に宿泊型産後ケア施設を設置することについては、現在、1か所の施設と調整を行っており、実現できるように取り組んでまいります。

また、デイサービス型の産後ケア事業については、産後も安心して子育てできる支援体制を確保するために必要な事業と受けとめており、産婦と乳児が通所することから、区内での実施が望ましいと考えています。今後、必要な要件を速やかに整理し、早期実現に向け検討を進めてまいります。

 

次に、休日の健康相談機能の補完についてです。

休日の健康や母子の相談については、急病時など緊急の相談がある方の連絡先として、東京都消防庁救急相談センター、子供の健康相談室、東京都保健医療情報センター「ひまわり」などを赤ちゃん訪問時に配布するリーフレットや区のホームページに掲載し、ご案内しています。

また、妊娠・出産などの相談については、看護師など専門職が対応する都の妊娠相談ほっとラインが休日も対応しており、継続して支援が必要な場合には、区へ情報提供が行われ、連携して対応しているところです。

このように、休日の健康相談機能の補完については、東京都の医療情報サービスや相談事業と連携することで対応しており、現在のところ相談機能を委託する予定はありませんが、今後も、引き続き休日相談の需要を把握しつつ、看護師会への委託を含め相談機能の強化を検討してまいります。

 

多様ながん検診が受けられる「レディースデイ」の設置につきましては、乳がん及び子宮頸がんの検診受診率が減少傾向にある中、女性が安心して受診しやすい環境を整備するうえで重要であると考えております。

本区では、すべてのがん検診を同一の場所で実施することができる医療機関等はございませんが、豊島健康診査センターでは、子宮頸がんを除く、胃・肺・大腸・乳がんの4つの検診が実施できます。

現在、センターでは、触診とマンモグラフィ検査を同じ日に行う乳がん検診日を設けておりますので、同じ日に他の検診も行うことで「レディースデイ」とすることができるか、他の検診との調整などを図り、来年度からの実施に向けて努力してまいります。また、センターでの子宮頸がん検診は、検診室の確保や配置できる婦人科医師の確保などの課題がありますが、早期の実現に向けて検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

8.子ども家庭部長答弁

私からは、子ども・女性施策に関するご質問のうち、初めに、西部子ども家庭支援センターにおける具体的な支援の強化についてお答えいたします。

西部子ども家庭支援センターでは、発達障害をはじめとする、子どもの発育や発達に関しての相談、言語や作業療法などの専門指導が、コロナ禍の令和2年度以降、急激に増え、現在も増加を続けております。

区として、課題のある子どもの支援をさらに充実させ、早期から適切な支援が行えるよう、これまで、西部子ども家庭支援センターに不足していた3つの機能の充実を図り、児童発達支援センターとしての機能を整えることといたしました。

1つ目は、「保育所等訪問支援」です。保護者の申請により、心理の専門職員が保育所等を定期的に訪問し、保護者と保育所に子どもへの対応方法や保育環境についてアドバイスし、子どもの集団生活への適応を支援いたします。

2つ目は、調理室と医務室、静養室の整備です。特に、調理室の整備によって、栄養士による調理の実演や栄養相談、咀嚼指導が可能になります。調理室が、児童発達支援センターとしての施設基準を満たすための課題となっていましたが、区民ひろばにサテライト会場として相談室を確保し、相談待機者が解消できたことを契機に、整備を検討いたしました。

3つ目は、「地域の中核機関」としての機能を持つことです。

児童発達支援事業を実施している民間事業者や関係機関と、障害児支援への共通理解と円滑な連携を図るため、定期的な会議体の運営や研修の実施など、専門性を活かした取組みを行ってまいります。

令和8年度の千川中学校複合施設への移転時には、児童発達支援センターとして十分に力を備えた状態で開設を迎えられるよう進めてまいります。

 

次に、子ども・女性施策に関するご質問のうち、「多様な他者との関わりの機会の創出事業」の今後の取り組みについてお答えします。

近年、虐待報告事例が増加しており、特に0から2歳児の虐待での死亡事例が数多く報告されています。

少子化の進展や核家族化、地域のつながりの希薄化などにより、特に保育所等を利用していない0から2歳児を中心とした在宅の子育て家庭は、誰にも子育ての相談ができずに、地域の中での孤立が指摘されております。

また、子どもたちも、保護者以外の大人や同年代の他の子どもたちと交わる機会が少なく、こうした家庭を対象とした支援が求められております。

こうしたことから、区では、在宅の子育て家庭の育児負担の軽減や孤立の防止、子どもの健やかな成長を目的として、いち早く、東京都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」を活用した「こどもつながる定期預かり事業」の実施を予定しております。

本年6月に、すでに一時預かりを行っている私立認可保育所及び全ての地域型保育事業所に意向調査し、複数の保育施設より「定期預かり事業を実施したい」との積極的な回答をいただきました。

11月1日の開始に向け、今後、対象年齢や受入人数などの具体的な内容につきまして、保育施設と調整を図ってまいります。

 

次に、育児の負担軽減や孤立を防ぐ事業に対する認識についてです。

0歳から2歳児の未就園児を抱える家庭は、子育ての負担や不安を抱え、地域の中での孤立が課題となっております。

令和5年4月時点で、区内の未就園児は約2,800名で、そのうち、0歳から2歳児は約2,500名と9割を占めており、在宅の子育て家庭の育児負担の軽減や孤立を防ぐための支援は、非常にニーズが高いと考えております。

こうしたことから、区では、すでに仕事や通院、リフレッシュなどでご利用いただける一時預かり事業を子ども家庭支援センターや保育施設において実施しております。

さらに、11月の開始に向けて、東京都の補助事業を活用した「こどもつながる定期預かり事業」の準備を進めております。

一方、国は、就労の有無にかかわらず、保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」の検討会を9月に設置しました。今年度中に、モデル事業のあり方を検討した上で、令和6年度の試行的事業の実施方針をとりまとめるとし、本格実施を見据えた試行的事業のあり方の論点が示されたところであり、現段階で具体的な事業内容は決定しておりません。

区といたしましても、国の「こども誰でも通園制度」の実施内容を注視しつつ、既存の保育施設を活用した在宅の子育て家庭に対する支援の充実に向けて、検討してまいりたいと考えております。

 

次に、としま子どもの権利相談室の職員拡充についてです。

権利相談室の相談件数は、すでに、権利相談室を開設している他区の事例から想定すると、子どもからの相談は、年間約60件程度です。これに加えて、豊島区の相談室は、相談員が子どもの居場所などに出向くアウトリーチ型相談が特徴となっているため、さらに相談件数は増えると想定しております。

アウトリーチは週2回程度、子どもスキップや中高生センタージャンプなどへ訪問し、子供たちが相談員と直接関わる中で、子どもが安心できる身近な場所で、相談できる環境を作ります。

相談室での相談、電話やメールでの相談、そしてアウトリーチによる相談、と窓口を広げ、広報活動も担うため、相談員の人数は増員が必要になると考えております。

今年度は、9月に開設予定であったことから、相談員2名体制でスタートしましたが、今後の活動状況を踏まえて、必要な相談員数について検討してまいります。

 

次に、一時保護所や児童養護施設で暮らす子どもたちの

意見表明をしやすい環境と権利擁護についてです。

子どもの権利に関する条例を有する本区において、一時保護所や児童養護施設で暮らす子どもたちが意見を表明をしやすい環境と権利の擁護は、極めて重要であると考えております。

区の一時保護所では、子どもたちが自分の意見をいつでも投函できる意見箱の設置や、一人ひとりが生活しやすくなるための意見を出し合う「子ども会議」を月2回程度実施し、子どもたちが意見表明をしやすい環境の整備に取り組んでいるところです。

また、措置中に虐待事案が発生した場合に備え、児童相談所から独立した第三者として、子どもの意見を代弁する意見表明支援員を1名委嘱しております。

令和6年4月に施行される改正児童福祉法では、一時保護や里親委託、入所措置など、子どもの環境を決める重大な場では、意見表明支援員が子どもの意見を聞くことが努力義務となります。そのため、法改正に対応し、子どもの権利擁護支援の充実を図る、さらに手厚い体制を構築する必要があります。こうしたことから、一時保護所や児童養護施設で暮らす子どもの意見表明の仕組みづくりと支援体制の構築に向け、検討を進めてまいります。

 

こども家庭センターの支援体制の整備につきましては、

すべての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機関の設置に向け、保健所と子ども家庭部でPTを立ち上げ、部長を含めたチームで検討を重ねております。

これまで全国的に、母子保健・児童福祉両部門は、共に特定妊婦や要支援児童等を支援しているものの、組織が別のため、連携・協働や情報共有等の課題が生じていました。改正児童福祉法で努力義務とされた、新たなこども家庭センターは、両部門を一体的な組織、または一体的に運営することにより、母子保健と児童福祉の視点を取り入れた、切れ目ない相談支援体制を図ることを目的にしております。

本区におきましては、現在の保健所の母子保健分野と東西の子ども家庭支援センターに新たに「こども家庭センター」の役割を持たせることで一体的に支援できる運営体制やシステム等について検討しているところです。

これまで、両部門で連携し実施してきた「ゆりかごとしま事業」を始めとする妊娠から出産・子育て期の相談支援を、共通のアセスメントシートや、定期的な合同ケース会議の開催により、両者が同じ目線で、これまで以上にきめ細やかに実行できる運営体制を構築してまいります。

 

次に、産後ドゥーラの育成と今後の施策展開についてです。現在、産後うつや強い育児不安など、特に支援を要する家庭に限定して産後ドゥーラを派遣しています。今後は、こうした家庭以外にも、家事や育児を母親ひとりで担っている家庭や、産前産後の大切な時期にサポートがなく、孤立感を抱えている家庭にも利用できるよう検討しております。

対象の家庭を拡大することで、多くの産後ドゥーラが必要となり、継続的に安定した派遣を行っていくためには、産後ドゥーラの認定を受けた方を増やす必要があると考えております。

一方で、産後ドゥーラは民間の認定資格で、資格取得には高額な費用がかかることから、今後、助成対象の団体の条件や助成対象者、上限人数などの条件整備のほか、取得した資格を本区で生かしていただく方法を含めて、産後ドゥーラの資格取得費の助成についても検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

9.都市整備部長答弁

私からは、ウォーカブルなまちづくり及び番神通りについてお答えいたします。

初めに、ウォーカブルなまちづくりにおける賑わいの連続性創出のための方策についてです。

まちの賑わいの創出に向けて、建物更新を適切に行えるように、地区計画を活用することは有効であると考えております。

特にグリーン大通りでは、池袋駅東口C、D地区において、東京都のしゃれた街並みづくり推進条例、いわゆるしゃれ街条例に基づく地区計画の活用により、建替に合わせて店舗などの賑わい施設の誘導にむけ、検討をすすめております。

池袋駅東口B地区では、現状低層部に賑わい機能が連続しておりますが、今後、駅前地域に関わる動向も見ながら、地区計画の詳細な内容について別途検討してまいります。

 

次に、南池袋二丁目C地区のエリアマネジメントの検討状況についてです。

実施方針については、組織の在り方や運用スキームの検討を過年度行いました。今年度は、さらに先行事例の調査などを行っているところです。エリアマネジメントの具体的な内容については、地区内の公開空地や共用部分、非住宅床の活用を含むエリアマネジメント活動の内容等を検討しております。

実現を担保する方策として、エリアマネジメントについての検討のために、区は本体工事着手前の令和4年7月に再開発組合との間で「基本協定書」を締結しております。さらに、実施に向けての担保として、竣工一カ月前までに区は再開発組合との間で別途、エリアマネジメントの実施に関する協定を締結することとしております。これらを踏まえ、今後も区として再開発組合を適切に指導してまいります。

 

次に、番神通りについてです。

民地側の区道の整備方針についてですが、区道の一部廃止に伴う区域変更を行う際には、沿道住民の意向を踏まえ、適切に行うとともに、道路構造物の撤去や、すり付けが必要な場合には、再開発事業の附帯工事として行うこととしています。

以上の整備方針についての地元への周知と関係者の意向確認につきましては、区との連携のもとに再開発事業者である再開発組合が行うこととしています。

 

次に、区道の部分の廃止や変更手続き等についてですが、

現状、当該地域においては、道路法による道路に加え、建築基準法第42条第1項第5号あるいは同法第42条第2項による道路があります。

このため、まず、道路法による道路についての区域変更については、権利者の方からの申請手続きは不要であり、先ほど申し上げた再開発組合による関係権利者の個別の意向確認を踏まえ、区において実施いたします。

また、建築基準法による道路については、個別の敷地と道路の状況に応じ、関係権利者の方から建築基準法による廃止手続きをしていただく必要がありますので丁寧に取り組んで参ります。

私からの答弁は以上でございます。

 

10.土木担当部長答弁

私からは、ウォーカブルなまちづくりにおける道路管理についてお答えいたします。

民間企業や団体との道路管理の協働につきましては、道路協力団体の制度が平成28年度に創設されました。区は、それ以前から、ブロック舗装などの25路線について、地元商店会、18団体と個別に維持管理協定を締結し、簡単な清掃などをお願いしています。その他の路線では、クリーンサポーターやボランティア団体による清掃活動もお願いしています。今後も、協働による道路管理の対象路線を増やしていきたいと考えております。

次に、制度の整理についてですが、国は、現在、国家戦略特区内の道路占用の基準緩和について、令和9年3月31日以降も継続する場合は、賑わいのある道路をつくり、「歩行者のためのみち」を指定する制度である、「ほこみち」に移行することにしています。従って、国家戦略特区内のグリーン大通りは、令和9年度から「ほこみち」に切り替えたいと考えております。

以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。