令和5年第3回定例会ふま議員一般質問
「人がつながり、支え合い、ともに暮らす街 としま」

                             202309.27登壇

私は公明党豊島区議団を代表いたしまして「人がつながり、支え合い、ともに暮らす街 としま」と題し1.不登校施策について 2.読書活動について 3.障がい者施策について 4.その他として 保健福祉サービスの相談窓口について  一般質問をおこないます。

1項目は、不登校施策についてです。

現在、文部科学省の調査では、2021年度の不登校の児童・生徒は、約30万人で過去最多となっている事態を受け 文部科学省は 本年3月31日に 不登校の総合対策(COCOLOプラン)を新たに策定しました。特に小中学生の不登校は約 245,000人に上り、このうち約46,000人は、学校内外での相談支援などを受けておらず不登校が長期化しています。

近年の増加の背景について 文部科学省は、コロナ禍での生活環境の変化や学校生活の制限が、交友関係などに影響したことで登校意欲が湧きにくくなった点が指摘されています。

元文部科学省視学官の亀田徹氏は 『大切なのは不登校の原因を探ることよりも子どもの今のままを認めること。だからこそ子どもに合わせた柔軟な学び方や学びの場を用意することが重要だ 』と語っておられます。

この状況を踏まえ策定したCOCOROプランでは、三つの柱を掲げられています。

1.不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える。

2.心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する

3.学校の風土の「見える化」を通じて、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする。

これらの対策について文部科学省は自治体に、できる取り組みから速やかに実行するよう求めています。

国の2023年度予算では自治体による不登校特例校の設置促進など不登校対策に約85億円を盛り込み対策を進めています。 公明党は、昨年3月に不登校支援PTを設置しました。プランの策定・充実についても「子どもたちの自己肯定感をはぐくむために」と題し、政府に対して強く提言いたしました。

ここで質問いたします。本区の不登校の現状とCOCOLOプランを受けての今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。

この7月に公明党豊島区議団で、京都の不登校特例校洛友中学校を視察してまいりました。洛友中学校は、不登校特例校(昼間部)と二部学級(夜間部)を併設する全国で唯一の学校です。不登校を経験し、それを克服しようとする昼間部生徒と、学齢期に義務教育を果たせなかった夜間部生徒が、世代や国籍を超え、ふれあい学び合っています。 また本校舎内に地域の人々が利用できる部屋も併設され、地域にも開かれた学校です。 同校の昼間部は、午後からの、学活からスタートし、5時限目、6時限目は、夜間部と時間が重なっており、昼間部の生徒と夜間部の生徒が、合同で授業を受けます。そこでは12歳から84歳までの生徒が、同じ教室でともに学んでいるとのことです。また、昼間部夜間部合同の校外学習の機会が、多く設けられており、これは昼間部の不登校経験のある生徒が出席し易くなるようにとの工夫がされています。さらに、個々の学力に応じた指導や個別の指導計画の策定など丁寧な支援に取り組んでいます。夜間部が併設されているため、人生経験豊富の生徒たちが、学齢期の生徒たちを盛り上げてくださり、全体の雰囲気を引っ張っていってくれるところも同校の魅力です。

子どもたちが、夜間部の生徒から学びとったことは、勉強そのものを楽しむ姿勢であり、『学びたいから学ぶ』ということです。

このような学びの場こそ、教育の質の底上げにつながっていると、実感いたしました。誰一人置き去りにされない教育の実現に向けて 全力で取り組んでいくことの重要性を感じ取ることができました。

2016年に公明党の推進で成立した「教育機会確保法」に基づき、本年の第1回定例会でわが会派の島村議員が、不登校特例校の設置を要望しました。教育長より、「不登校特例校につきましては、これまで、設置自治体から情報を集め、その成果と課題を把握してまいりましたが、「不登校対策委員会」においてもご意見を伺いながら、本区での具体的な設置について検討を進めてまいります。」との答弁をいただいております。不登校特例校の設置についての検討状況をお聞かせください。

愛知県岡崎市では、2020年に、中学校に通いづらい子どもの居場所としてF組と名付けた新たな教室が、設置されています。登校は何時でも、また週1回でも2回でもよく、学習は、読書でもオンライン授業でもよいなど、子どもが受けるあらゆるストレスを排除し、心理的安全性を確保することで、居場所作り、絆作りを実現しています。今年度の1学期の時点でF組の生徒は300名近く在籍しているとのことです。生徒は自信を持てば自分の意志で教室復帰する生徒もいるそうで、本来通うべき学校に居場所ができ、地域との絆を保ちながら支援を受けられるのが利点といわれています。不登校児童生徒の選択肢は色々あったほうが良いと考えます。西池袋中学校では、校内の別室であれば登校できる、不登校及び不登校傾向生徒を対象に設置された居場所で、一人一人にあった学習支援を行う校内別室指導支援員事業が9月より開始されました。その取り組みと現状をお聞かせください。

このような、校内別室指導支援事業も選択肢の一つとして不登校対策に有効と思います。区内全中学校に拡充することを望みますがいかがでしょうか。

また学校の授業を、不登校の子どもの自宅や校内別室などに、配信しオンラインの指導できる指導体制を確立するべきだと思いますがいかがでしょうか。本区のご見解をお伺いいたします

さらに、自宅や校内別室指導などの不登校の生徒の多様な学びの場が拡大している中で、そのような場での学びが学習成果として評価されないため、調査書や内申書の成績がつかず不登校の生徒の高校進学の選択が制限されているという問題があります。そこで公明党は不登校の生徒の高校進学を支援するため多様な学びの場での学習の成果について生徒の状況を踏まえつつ、一定の条件の下で成績評価を行うことを努力義務とすることを提言しました。それを受けて今回のCOCOLOプランでは、自宅や校内の別室指導等での学びの結果が、成績に反映されるようにすると明記されました。そこで、不登校の生徒の高校進学を支援するため、自宅や校内別室指導等での学びを確実に学校での成績に反映させることが重要であると考えます。中学校における現在の状況と本区のお考えをお聞かせください。

また、不登校生徒同士のつながりとしてコーディネーターを入れてオンライン上で話をできる場があれば、一人ではないという安心感や自己肯定感を保つことができ、一歩踏み出す勇気ができるきっかけになるのではないのでしょうか。

このような取り組みも有効と考えますがご見解をお伺いいたします。

さらに、不登校の子どもを育てる保護者への支援も 喫緊の課題です。わが子が不登校になった責任を感じて自らを責めてしまうケースや誰にも相談できずに孤立する場合があるといいます。亀田氏は、保護者からよく聞くのは不登校支援に関する情報が届かないという悩みだそうです。相談先に関する情報提供や地域の保護者の会などで保護者を支える環境整備が欠かせないと話します。

不登校支援して行く上でその保護者を支援して行くことは重要であり不登校の子どもの保護者の会は非常に重要な役割を果たしています。意欲ある保護者が自主的に設置しているため保護者の会の設置は地域によって状況がさまざまです。COCOROプランでは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが関係機関等と連携をして保護者を支援すると示されました。不登校の子どもの保護者であれば誰でも自由に参加できる保護者の会を設置し、そこにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをコーディネーター役として派遣して、不登校の子どもの保護者を支援して行くことが必要だと思いますが、本区の現状と今後の取り組みをお聞かせください。

また、不登校の未然防止や予防を意識した取り組みも重要と考えます。

大阪の堺市の三原台中学校は、生活リズムの乱れでなどで、2021年度時点で不登校に陥る小中学生が9年連続で増加していたそうです。そこで睡眠不足が、子ども不登校を招く一因であることに着目し、睡眠の重要性を学ぶ授業や面談などを通じて子どもの生活習慣の改善を図る睡眠教育を実施しています。

全生徒に調査し年間30日以上欠席する不登校生徒の約8割が午前0時以降に就寝していることが判明しました。学校では睡眠表を作成し、睡眠不足から生じる無気力によって、不登校になる事例や睡眠の質を高める方法といった医学的な知見に基づいた授業を学期ごとに実施しました。学校によっては、毎月10日を「はよねるデー」として宿題の軽減や部活動を休みにする試みも行われています。

このような睡眠教育も不登校予防に有効と思いますが、お考えをお聞かせください。

さらに、COCOROプランに、「1人1台端末を活用した心や体調の変化の早期発見を推進」「チーム学校による早期支援」と明記されています。

子どもたちの心身の状態の変化への気付きや相談支援のきっかけづくりを増やすために、毎日の健康観察にICTを活用し、ワンタッチで擁護教諭やスクールカウンセラーなどにつながり、最適な早期支援が行える取り組みが必要と考えます。

越谷市の平⽅中学校では、モニタリングでスクールコンケアというアプリを導入したそうです。

このアプリは、朝の会と帰りの会に虹から雷までの6つのお天気マークをタップし、日々のデータを蓄積し、心の状態が大きく変化した生徒がいた場合は、あらかじめ指定されている職員に、こころの変化のサインメールが届きます。その時に生徒に声をかけに行くと、素直に話をしてくれる生徒もおり、早期発見に繋がるケースもあるとうかがいました。

いじめや不登校傾向で悩む子どもの心を、教師のリアルな観察とともに、こうしたICTを活⽤した客観的データの両面から素早く察知できます。また、教職員の出退勤とメンタルヘルスの両⽅を管理できることは、⼤変に意義があると考えます。

本区におきましてもこのようなアプリの導入など検討されてはいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。

2項目の読書活動についてお伺いいたします。                           文部科学省の第5次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画によりますと、令和4年度末までの不読率の目標を設定しておりますが、小・中・高いずれも数値目標は達成されていないと明記されています。 豊島区の児童生徒が更に、力をつけ、もっと力を伸ばしていくために読書に親しめる環境をつくっていくことが重要と考えます。 児童生徒にとって最も身近な読書環境が学校図書館や図書館であり、環境充実の一つの要素が蔵書数であると思います。

はじめに学校図書館についてお尋ねいたします。文部科学省は公立義務教育学校の学校図書館に整備にすべき蔵書数の標準を、学校の学級数に基づき算定される「学校図書館図書標準」として定めています。 現時点で本区は、各学校は図書標準の蔵書冊数を満たしていると認識しております。今後区内の小中学校の学級数の増加にともない、学校図書館の蔵書数も増やさなければなりません。今後、蔵書数の増加が何冊くらい必要になるかお示しください。また、学級数が増加しても図書標準を下回らないよう蔵書を確保していただくよう望みますがいかがでしょうか。

本区の学校図書館では、図書配置基準が制定おりますので廃棄基準に則り図書の更新がされていると思います。この蔵書数の達成というだけではなく、蔵書の充実具合もとても重要です。傷んでしまった図書や記述されている内容、資料、表記等が古くなって利用価値がなくなってしまった図書を廃棄した上での、図書標準達成と考えてよろしいでしょうか。どのような工程で廃棄・更新されているのかお聞かせください。

図書の廃棄・更新は、個人的な見解によることのないよう、客観性のある運用を望むものです。年1回以上の蔵書を検討する委員会などを設置することなどが、学校図書館の充実に繋がると考えます。ご見解をおうかがいいたします。

また、区内の小・中学校全校に専任で学校図書館司書が、週に1回~2回1日勤務で配置になっております。子どもたちが良書と出会う機会をつくる上で、学校図書館司書の役割の効果がとても高い事業です。私ども公明党区議団より、2017年決算特別委員会でも学校図書館司書の配置の拡充を要望させていただいておりますが、いまだに拡充されておりません。早急に拡充すべきと考えますがいかがでしょう。

以前より、小学校の子どもスキップ利用児童に、学校図書館の開放を要望しております。すでに利用している子どもスキップもありますが、利用できない子どもスキップが多いと聞いております。動線による人的確保など様々な要因で困難なことも承知しておりますが、区内全ての子どもスキップで学校図書館が利用できるよう拡充を望みます。お考えをお聞かせください。

次に、図書館についてお尋ねします。7月に大阪市にある「こども本の森 中之島」を視察しました。
2020年7月、中之島公園内にオープンした「こども本の森 中之島」は、建築家・安藤忠雄氏が設計し、大阪市に寄贈した子どものための文化施設です。館内で本を楽しむため、本の貸し出しは行っていませんでした。
閲覧場所も独特で、どこでも本の閲覧が認められています。見つけて手に取った本を、その場で読んだり、どこか、気に入ったスペースに移動して読んでもよいということで、子どもたちは、階段や、窓際に設置してある椅子に座って、自由に本を読んでいました。
また、乳幼児からたのしめる絵本や幼年童話、児童文学、小説、各分野の図鑑、自然科学書、芸術書など様々なジャンルの本に対しニュートラルに接してもらうため、新しい手法で丁寧に本が提供されていました。選書のテーマの一つは「子ども扱いしない」です。本の対象年齢にとらわれず、子どもたちに多様な本を手にとってもらい、無限の創造力や好奇心を育んでほしい。本の中の言葉や感情、アイデアに自発的に触れ、世界には自分と違う人や暮らしがあることを知ってほしい。との思いで運営されていました。
我が会派は、2017年の決算特別委員会でも子ども図書館の設置を要望し、区側からは、「設置に向け、実現に向けて場所と、予算等の精査をしていく」と答弁もいただいております。

この機会に、改めて、子ども図書館の設置を求めますがいかがでしょうか。

近年公共図書館の個性化が著しく、進化しています。本の分類や並べ方の工夫だけではなく、様々なワークショップやコンサート、自習室の設置など図書館そのものに興味を持っていただけるような企画にも取り組み、独自の素晴らしい実践をする公立図書館が増えてきました。

札幌市の「札幌市図書・情報館」は、「はたらくをらくにする」というコンセプトの中、「しごと」や「くらし」に寄り添った、本を貸さない図書館で、多くのビジネスパーソンが来館しています。ピアノジャズの名盤が流れる明るい雰囲気の中、会話も可能、飲み物の持ち込みも可能とのことです。

千代田区の日比谷図書文化館は、緑豊かな日比谷公園内にある、三角形のユニークな建物で、1階には「ライブラリーショップ&カフェ日比谷」を併設し、こちらでも、無線LANや電源が利用でき図書フロアの本を持ち込むこともできます。そして地下にも無線LANを完備したレストラン「ライブラリーダイニング日比谷」があり、カフェ同様に図書フロアの本を持ち込むことが可能です。

従来の図書館は、読みたい本や調べものなど「目的があるから行く場所」でありましたが、先進の図書館は、読みたい本や調べものは特になくても訪れたい、まさに「居場所としての図書館」として機能しています。このような図書館が増えれば、地域の人の流れもより活性化し、自然と活字に触れ合えると思います。 ここでおうかがいいたします。

本区は、千早図書館などの改築もあり、今後どのようなコンセプトで図書館の運用を推進していくのかお考えをお聞かせください。

文部科学省の「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」で子ども司書のことが明記されたことをきっかけとして,各地で子ども司書が活躍しています。岐阜市立中央図書館では、毎年7月末から8月にかけて開催される、子ども司書養成講座が行われ、4日間全16講座中、14講座を受講すると、子ども司書として認定され、2015年の開始から2022年まで140人の子ども司書が誕生しました。本を読むことを通して思ったことや生まれた気持ちを自分の言葉で友達や家族や学校の先生、地域の人などまわりの人に楽しく伝えていってもらうために、生まれた子ども司書制度です。子ども司書の活躍で更なる読書活動の拡大に繋がると思います。本区でも子ども司書養成の取り組みを要望しますがいかがでしょうか。

また、4月23日の「子ども読書の日」は、「子どもの読書活動の推進に関する法律」に定められおり、子どもたちにもっと本を!子どもたちにもっと本を読む場所を!との願いから、誕生した取り組みです。児童生徒たちには児童書や絵本、学習参考書などを手に取り、紙の本の大切さと素晴らしさについても再度認識してもらうためにも「子ども読書の日」に合わせて本区、独自で子どもたちへ図書カード配布し「子ども読書の日」を広く周知するためにも有効と考えますが、ご見解をお聞かせください。

3項目めの障がい者施策についておたずねいたします。

はじめに聴覚障がい者支援です。本年8月29日に公明党豊島区議団として情報の更なるバリアフリー化促進を求める要望を高際区長に申し入れを行いました。

耳が聞こえにくい高齢者や難聴者と円滑にコミュニュケーションを取れるようにするため、耳の周囲にある軟骨を振動させて音を伝える「軟骨伝導式イヤホン」の導入を要望させていただきました。

高際区長の招集あいさつに、軟骨伝導式イヤホンが、23区初で区役所本庁舎など5か所に設置とすると明言されました。迅速な対応に感謝申し上げます。

この軟骨伝導式イヤホンは、東京 狛江市でもすでに設置されておりますが、これまでは、耳が聞こえにくい人に対して大声や筆談で対応していたがイヤホン導入により円滑な対応ができるようになったと好評価です。

今後、高齢者が多く利用する施設に軟骨電動イヤホンの設置拡大を望みますが、本区のご見解をお聞かせください。

2025年のデフリンピック東京開催に向けての気運醸成への取り組みについての要望に対しても、普及啓発に努めるとともに環境整備を進めていくと示されました。デフリンピック自体の認知度は低く、2021年に日本財団が調べたデフリンピックの認知度は16.3%、パラリンピックは97.9%でした。デフスポーツやデフアスリートとつながり、知ることで障がいに対する理解をより身近に考えることになり、多様性のある社会、共生社会をつくり上げていく、気運醸成にもなると思います。 デフリンピックムーブメントを利用し、学校などの教育現場や福祉と連携し、デフアスリートに触れあえる場の提供や、スポーツ手話の講座開催を望みますがいかがでしょうか。また、区民への積極的な情報の提供を通じて共生社会の構築を推進すべきと考えますが、本区のご見解をおうかがいいたします。

次に、視覚障がい者支援についておうかがいいたします。

昨年5月に「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定され、あらゆる人が等しく情報を取得し、また円滑に意思疎通が行える環境を整備していくことが急務です。

視覚障がい者情報アクセシビリティ向上についてどのように取り組んでいるのかお聞かせください

視覚障がい者にとっては、情報の取得や利用に多くの苦労があります。

自宅に届く郵便物などは補助ボランティアに代読をしてもらうか、文字をコード情報に変換して、読み上げ装置やアプリ等で聞いているとうかがっています。視覚障がいの手帳を持っている人のうち、「点字」が読める人は、わずか1割で、他の疾病や高齢化などで、文字を読み辛い人は160万人との報告もあります。紙媒体に掲載された印刷情報を、デジタル情報に変える二次元バーコードの「音声コード」の普及は一段と加速しており情報発信者の姿勢が問われてくることになります。2009年第4回定例会で我が会派の一般質問で高橋議員より、行政情報を音声コード化し積極的に取り組むべきと要望しておりますが、現在どのように推進しているのかお聞かせください。

公的な通知文書や広報などのお知らせや書類などに「音声コード」の記載が必須と考えます。また、紙媒体に音声コードが記載されている場合端に「切り欠き」と呼ばれる半円の穴の設置も含め、あわせて早急に推進していただくよう要望しますがご見解をおうかがいいたします。

4月の統一地方選挙の選挙公報点字版が投票日翌日届いた件で、視覚障がいの方からのご指摘

より広報の情報発信の困難さを痛感したところです。

この点字広報に関わらず、区の情報がHP掲載だけで呼びかける受け身の姿勢では、視覚障がいの方にとって必要な情報に繋がらない要因となっています。どうしたら必要な情報を求める人に届けられるかという視点で、オファー型の情報提供を行っていく取り組みが肝要と思います。

たとえば、東京都選管では、都内の障がい者の情報を収集し、積極的に点字広報を送付しています。このような他地域の情報を参考に本区でも積極的な情報発信を望みますが、ご見解をおうかがいいたします。

本区のホームページ等にPDFが貼付されている場合がありますが、PDFは、 音声読み取り機能が使用できず、情報を得られなかったとのお声もいただいております。PDFにかわる媒体で情報発信を要望しますが、いかがでしょうか。ご見解をおうかがいいたします。

最後に、その他として、保健福祉サービス相談窓口についてお尋ねします。区内にある高齢者有料老人ホーム施設を利用していた区民の方から申請や利用にあたって、納得がいかないことがある。とご相談を受けましたが、豊島区には相談を受けていただける窓口は、ありませんでした。練馬区では、「保健福祉サービス苦情調整委員」制度があり、障がい者・高齢者・子どもなどを対象とした保険福祉サービスの内容や職員の態度、施設の対応や入所手続き等に、不満や苦情がある場合に申し立てを行うことができる制度があります。保健福祉苦情調整委員は、中立な立場から、利用者からの苦情申し立てに適切・迅速に対応します。必要と判断した場合には、独自に調査を行い、区やサービス提供事業者に対して、是正を求める勧告や制度改善の意見表明などを行います。身近に寄り添って相談にのってくださる窓口があれば区民サービスの向上にもつながります。豊島区にもこのような相談窓口の設置を求めますがお考えをお聞かせください。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

一般質問区長及び理事者答弁

公明党 ふま ミチ 議員

 

1.高際区長答弁

ただいまの、ふまミチ議員のご質問にお答えいたします。

私からは、子ども図書館をはじめとする図書館での取り組みについてお答えいたします。

子ども図書館につきましては、子どもや保護者が周囲を気にすることなく安心して利用でき、また、親子どうしが気軽に交流できることから、子どもの読書活動や子育て支援に果たす役割は大きいと認識しています。

最近は独立した子ども図書館を設けず、フロアやレイアウトなどを工夫することで、子どもや保護者が安心・快適に利用できる一般図書館の事例も増えており、本区でも既存施設の改築・改修時に取り組むことが効果的であると考えております。

今後、利用者や専門家の意見も伺うなど検討を深め、子ども図書館または子ども図書館と同等の、子育て世帯の期待に応える魅力ある図書館を整備してまいります。

次に、今後の図書館運営のコンセプトにつきましては、昨年3月に策定した第二次の「豊島区立図書館基本計画」において掲げた「にぎやかな公共図書館」を基本にしたいと考えております。「にぎやかな公共図書館」は、「本を借りに行くところ」とみられがちな貸出中心の図書館から、自宅や学校・職場とは異なる、それぞれのスタイルに応じて気軽に利用できるサードプレイスとして、さらには、本を通じて人と人がつながる地域交流の場として、多目的・滞在型の図書館への変革をめざすものです。

図書館がどれだけ魅力的かで街の価値が変わります。子どもたちにとっては夢や希望が得られる、中高生にとっては一人でも仲間どうしでも楽しめる、子育て中の方には日常を離れてくつろげる、そのような空間をつくり、地域コミュニティの拠点としての図書館をめざしてまいります。

次に、子ども司書養成の取組みにつきましては、本区でも一日図書館員という類似の事業を行っております。一日図書館員は、図書館職員の仕事内容や役割を学び、本のフィルムコーティングや補修、カウンター業務などを体験し、最後におすすめ本を紹介・展示する事業で、今年度巣鴨図書館と池袋図書館で9名の小学生の参加がありました。

一日図書館員は、主に図書館に関心を持ってもらうことを目的としていますが、子ども司書は、自身の図書館や読書に対する理解を深めるばかりでなく、学校や地域において、読書の楽しさや意義を広める読書リーダーとしての役割があります。

今後、一日図書館員の事業内容をさらに充実させることで、子ども司書の養成を図り、読書リーダーとして活躍の場を広げてまいります。

次に、「子ども読書の日」にあわせて紙の本の大切さと素晴らしさを再認識してもらう取組みについてです。子どもの読書活動についての関心と理解を深め、積極的に読書活動を行う意欲を高めるために、「子ども読書の日」が定められました。本区でも「子ども読書の日」にお話し会を開催し、子どもたちに読書に対する理解と意欲を高める契機としているものの、その認知度は必ずしも高くないと感じております。

子ども達が本に直接触れながら、本の大切さや素晴らしさを認識してもらうことは非常に重要であります。

ご提案の子どもへの図書カードの配布は、「子ども読書の日」の認知度向上や意識の醸成に有効であると考えますが、まずは、子どもレターで届いている図書の充実などの希望に応え、区立図書館や学校図書館をより積極的に活用してもらうことを通じて、子どもの読書活動を行う意欲を高めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

2.天貝副区長

私からは、保健福祉サービス等に関する相談窓口の設置についてお答えいたします。

福祉サービス利用者の苦情などを適切に解決し、利用者の権利を擁護するため、本区は、平成15年4月に社会福祉協議会内に福祉サービス権利擁護支援室「サポートとしま」を開設しました。こうした福祉サービス等苦情対応機関は、23区いずれも設置しておりますが、地域の実情や実施機関の考え方等により、取り組みスタンスや手法は、区によって異なっています。

社会福祉協議会サポートとしまは、区内に事業所のある高齢者、障害者、児童などを対象とした福祉に関する各種サービスにかかる相談を主な対象とし、介護保険サービスについては、介護保険課や東京都国民健康保険団体連合会で相談を受け付けております。

今回の事案は、本来、社会福祉協議会サポートとしまで受けるべきものであり、また社会福祉法に基づき対応するべきものでありますので、今回、スムーズに連携できなかったことも含め、改善してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

3.教育長

私からは、不登校支援についてお答えいたします。

初めに、区の不登校の現状とCOCOLOプランを受けての今後の取り組みについてです。

本区におきましても、不登校児童・生徒の人数は、令和3年度は約280名、令和4年度は約340名と増加傾向であり、不登校支援の充実は喫緊の課題ととらえております。ご指摘のありました「COCOLOプラン」の3つの目指す姿につきましては、多様な居場所の確保、スクールソーシャルワーカーによる巡回型支援、タブレットを活用した主体的な学びの推進など、これまでもできるところから着実に取り組んでまいりましたが、今後も引き続き誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校支援の充実を図ってまいります。

次に、不登校特例校設置の検討状況についてですが、これまで、不登校特例校の学校型と分教室型の両方について視察を行ってまいりました。

視察を行った特例校では、児童生徒がゆとりをもって生活できる時程を設定しています。また、個別学習やソーシャルスキルトレーニングなど一人一人に目を向けた指導を行っており、不登校対策全般にとって大変参考になる内容でした。

視察も含めた様々な事例の調査を踏まえ、本区では、不登校対策として、校内別室指導を含む学校での取組、教育センターでの適応指導教室、そして、不登校特例校など多様な支援の場の設置とそれらが効果的に繋がる仕組み作りが大変重要であると考えています。

今後は、不登校特例校の設置を含む、総合的な不登校児童、生徒の支援計画の策定を検討をしてまいりたいと考えております。

次に、校内別室指導支援員事業の現状及び区内全中学校への拡充についてですが、本事業は、今年度新規事業として、西池袋中学校をモデル校に9月より実施しております。現在、2つの別室を用意し、授業のある時間帯に開設しております。支援員として区内大学に在籍する複数名の学生を採用し、配置しておりますが、生徒と年齢の近い大学生が支援員となることで、学習面の支援だけではなく、様々な話題で会話がはずみ、生徒の表情が明るくなるという様子も見られています。現在は全ての時間帯に支援員を配置できていないため、今後も学生の確保等に努めてまいります。

また、西池袋中学校での取組における成果・課題を踏まえ、他の中学校への展開についても検討してまいります。

次に、自宅や校内別室などに学校の授業を配信しオンライン指導できる体制を確立することについてです。すでに学校の授業を自宅や校内別室などに配信する取組は実施していますが、実際にオンライン授業に参加している生徒は決して多くはありません。そのため、今後、オンライン授業に参加することへの更なる呼びかけや、子どもの学びを深めるための事前・事後のケアが大切であると考えております。その実現のためには、不登校をはじめ配慮を要する子どもを支援するための人材が必要となりますので、教職員の働き方改革の推進と併せて、新たな人的配置について検討してまいります。

次に、自宅や校内別室指導等での学びを成績に反映させることの中学校における現状と区の考えについてです。

学校や教室以外での学びや活動が評価され、成績に反映されることは、高校進学だけでなく、不登校生徒の日々の活力にも結び付くものと考えております。現在、中学校では、日々の授業での状況、課題の提出、定期考査の結果等を基に観点別および総合的な評価をしておりますが、不登校状態であっても、オンライン授業への参加状況、課題の提出、定期考査等を踏まえ、可能な限り成績に反映するように努めております。

一方、不登校生徒の中には、オンラインでつながること自体や定期考査を受けることが難しく、評価・評定をすることが困難な場合もあります。その場合についても、生徒に寄り添った伴走的な支援や多様な学びの場の設置等に努め、今後も全ての生徒の学びを保障していきたいと考えております。

次に、コーディネーターを入れてオンライン上で話ができる取り組みについてです。

不登校の要因は多様であり、そのため、一人一人のニーズに応じた可能な限り多様な居場所があることが大切であると考えております。ご提案のあったオンライン上での交流の場につきましては、子どたちがICTに慣れ親しんでいる現状や他自治体での事例を踏まえ、有効な手立てと考えております。

東京都においては、そのような取組を「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業」として始めており、本区といたしましては、令和6年度より教育センターにある適応指導教室を中心に実施していきたいと考えております。

次に、不登校の子どもの保護者の会設置と支援の現状及び今後の取り組みについてです。

なによりも、保護者の方が一人で悩みを抱え込まないように支援することが重要であり、現在、本区では学校の教員やスクールカウンセラーが相談に乗ったり、スクールソーシャルワーカーが相談機関やフリースクール等に関する情報を提供したりするなど、支援に関する情報が届かない事のないよう、個別に支援をしております。

また、本区におきましても様々な保護者の会に自主的に参加している方がいらっしゃることも把握はしております。

今後は、他自治体での事例も研究してまいりながら、まずは教育センターの適応指導教室担当職員とスクールソーシャルワーカーが協力し、不登校の子ども・保護者を対象として開催している進路懇談会ノバを活用して保護者同士のつながりがもてないか検討してまいります。

次に、睡眠教育についてですが、令和5年6月に実施しました「生活に関する調査」の中で、小学3年生以上の児童・生徒に、「何時に寝ているか」という質問をしております。その結果から、11時以降に就寝している児童・生徒は、小学6年生で約44%、中学3年生で約85%に及ぶことが分かりました。

保健の時間に、睡眠に関する学習として、正しい睡眠が健康な体と心を育てることを学びます。不登校と、生活リズムの乱れは相応の関係があると考えておりますので、今後も家庭と連携し、睡眠の重要性を認識させ、問題点を気付かせ、生活の見直しを図ることにつなげてまいります。

次に、健康観察のためのアプリについてですが、児童・生徒の心身の健康については、学級担任やスクールカウンセラーが、表情や様子を直接見たり、アンケートをしたりするなど、直接の対話やコミュニケーションにより把握することに重きを置いてまいりました。

タブレットの活用については、セキュリティの問題などの課題もありますが、今後は、より効率的・効果的な手段や方法としてアプリの導入も考えてまいります。私からの答弁は以上でございます。

4.政策経営部長

私からは、障害者支援についてお答えします。

初めに、視覚障害者に対する積極的な情報発信についてです。

視覚(しかく)に障害のある方が、膨大な情報の中から必要な情報を自ら探(さが)しにいくことは、大変手間(てま)がかかります。また、コロナワクチン接種などの生命に係(かか)る案内や資産に関する事案など、必要な情報を漏れなくお届けすることが重要です。

こうしたことは、障害者の方のみならず、すべての区民の皆様にも当てはまるものだと理解しております。

オファー型の情報提供としては、自分の欲しい情報カテゴリーを登録すると、自動的に発信されるセグメントによる手法があり、他の自治体でも既に導入された例があります。こうした先進的自治体の状況を確認しつつ、日々進化する広報媒体の活用も視野に入れながら、必要とする方に、適正に情報が届く手法について検討を進めてまいります。

次に、PDFに代わる媒体(ばいたい)での情報発信についてです。

視覚(しかく)に障害のある方をはじめ、誰にとっても利用しやすいホームページとなるよう、本区では「ウェブ アクセシビリティ ガイドライン」を定(さだ)め、運用しています。

PDFは画像(がぞう)と同様に、音声で読み上げることが出来ないため、ガイドラインでは、PDFを貼付(ちょうふ)する際には、その情報をページ内にテキストでも記載することにより、読み上げソフトに対応できるよう定めております。

適切な対応を徹底するため、ガイドラインに沿った研修を毎年度、実施するとともに、職員がホームページを作成する際には、視覚障害者の使い易さを確認することのできる「アクセシビリティ チェック」を活用することにより、誰もが利用しやすいホームページを実現すべく、全庁一丸となって取り組んでまいります。私からの答弁は以上でございます。

5.保健福祉部長

私からは、障害者支援についてのうち、初めに、軟骨伝導イヤホンの設置についてお答えいたします。

9月19日より、区役所本庁舎の他、東池袋分庁舎の社会福祉協議会等、5か所に軟骨伝導イヤホンを設置し、活用が始まったところです。

これまで区は、音が聞き取りやすくなるスピーカー、コミューンを設置し、窓口での聞こえの問題をサポートしてまいりました。今回設置した、軟骨伝導イヤホンは、音漏れがしにくいという特性から、窓口での相談の際に、より個人情報に配慮した対応ができるのではないかと期待しています。

一方で、聞こえにくさは人により原因が異なることから、効果については、実際の利用時の反応を確認していく必要があると考えています。設置場所の拡大については、今後、実際の窓口での活用状況、利用した方の反応を踏まえ、検討してまいります。

次に、デフリンピックムーブメントを利用した共生社会の構築の推進についてです。

デフリンピックは、聴覚障害をもつアスリートを対象とした国際総合スポーツ競技大会です。2025年には東京開催となり、世界各国から3,000人を超える選手や関係者が来場されます。

区では、目白ロードレースなど区内で行われるイベントにおいてデフリンピックのPRブースを設けたり、デフアスリートによる競技体験会を子ども向けに実施するなどして、聴覚に障害のある方への理解を深めていただくと共に、大会を盛り上げていきたいと考えています。

また、聴覚障害者の言語である手話においても、通常の手話講習会に加えて、スポーツ手話を紹介した国際手話講座を実施します。手話講習会の実施に際しては、福祉現場の方にも周知して参ります。

東京2025デフリンピック大会の開催をきっかけとし、様々な区民参加イベントの機会を捉え、デフアスリートや障害に対する理解を促進し、さらなる共生社会の実現を図ってまいります。

次に、視覚障害者の情報アクセシビリティ向上についてです。これまで、点字図書や拡大読書器などの情報・意思疎通支援用具の給付が主流でしたが、近年では、インターネットの音声読み上げソフトの普及により、視覚に障害のある方でも情報を得やすくなりました。

本区においても、2015年にホームページをリニューアルした際、「ウェブ アクセシビリティ ガイドライン」を策定し、全盲の方や弱視の方など、その方の状態に適した形で情報を提供するようにしました。音声読み上げに加えて、文字のサイズや色、背景色の変更等もできるなど、視覚障害の方の情報アクセシビリティは向上したといえます。

また、障害のある方の理解促進として、区民向けの「障害者サポート講座」のYouTube配信や、民生・児童委員の障害部会の皆さんと学習会を実施するなど、障害種別に応じた対応マニュアルを作成し障害者の配慮についても啓発しています。

さらに、昨年の障害情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法施行を受けて、今年度より、同行援護従事者養成研修の補助を開始し、障害者が自立した日常生活・社会生活を営むために必要な支援者の確保・養成に努めています。

また、災害弱者と言われる障害のある方の防災対策に関しては、発災時に、必要な情報を得ることが困難な場合もあり、情報アクセシビリティ向上の観点からも早急に進めるべき課題と認識しております。区では、令和3年度より具体的な検討に着手し、個別避難計画の策定に向け、多様な手段による緊急通報の仕組みの整備、安否確認方法の検討や支援マニュアルの作成など支援体制の構築に精力的に取り組んでおります。

次に、行政情報音声コード化の取り組み及び切り欠きの設置推進についてです。

障害者福祉のしおりのように、障害サービス情報の冊子においては、ページ毎に音声コードを付記しコードの位置を示す「切り欠き」を設置していますが、公的な通知文書などの書類においては、現在対応しておりません。

過去に検討した際には、公的な通知文やお知らせなどの郵便物の場合に、すべての配布物に「音声コードや切り欠き」を設置することは困難を伴い、あるいは大量発送の郵便物から対象者をより分けて個別に「音声コードや切り欠き」を設置することについても、障害に関する個人情報を各課で共有することなどの課題もあり、早々の実施には至りませんでした。

このように課題は多い状況ではありますが、区の情報をスムーズに取得できる環境を整備することは非常に重要なことでありますので、当事者のご意見も聴きながら進めるとともに、音声コードに代わる他の方策についても研究を進めてまいります。私からの答弁は以上でございます。

6.教育部長

私からは、読書活動に関するご質問のうち、学校図書館についてお答えいたします。

今後の学級数につきましては、東京都教育庁の推計によりますと、小学校は35人学級の段階的な移行や児童数の増加により、令和4年度と比較して3年間で23学級増加し、その後、徐々に減少する見込みとなっております。中学校は、今後生徒数の増加により、令和4年度と比較して5年間で7学級増加する見込みとなっております。

蔵書数につきましては、令和5年3月31日現在、小学校22校で約22万冊、中学校8校で約9万3千冊、合計約31万3千冊であり、国が定める図書標準蔵書冊数を全校で満たしております。

今後、学級数の増加が見込まれる中、本区が図書標準の達成を維持していくためには、令和4年度から5年間で蔵書を約3,000冊増やす必要があると見込んでおります。

図書配置基準を下回らないように蔵書を確保することにつきましては、本区では、全校で図書標準を達成しているものの、標準を超える蔵書数は学校により差があります。

今後も引き続き、より多くの蔵書冊数が求められる学校へ予算を重点配分することにより、学級数が増加しても全校で図書標準を下回ることのないよう、蔵書の確保を促してまいります。

次に、図書の廃棄・更新についてですが、図書配置基準達成の考え方につきましては、傷んでしまった図書や古くなってしまった図書を廃棄した上で算定し、達成としております。

工程につきましては、まず、豊島区学校図書館の廃棄基準および選定基準に基づき、毎年、学校図書館司書が蔵書点検を行い、廃棄・選定する図書を選びます。その後、図書担当教員、管理職が確認を行い、それらを決定しております。

次に、蔵書を検討する委員会などの設置についてですが、毎年、各学年・各教科担当教員が、必要な図書のリストを作成し、このリストをもとに、学校図書館司書、図書担当教員、教務主任、管理職等、複数の教職員によって客観性を確保した上で図書の更新を決定しています。今後も学校図書館の充実に繋がる選定となるよう、学校に対して引き続き指導していくとともに、公平についても研究してまいります。

次に、学校図書館司書についてですが、現在、主に週1回小中学校に学校図書館司書を配置しています。週1回ですと、図書整理が主となってしまいますが、昨年度、清和小学校において司書の配置を週1回から週2回に増やしたうえで、学校図書館を活用し、授業の充実を目指す研究を行いました。週2回の配置により、学校のニーズに合った司書の専門性を生かした取組が行われ、児童は読書に対する興味関心を高め、活字に親しむ機会を大幅に増やしています。

しかしながら、学習内容のタイミングにあった司書の授業への入り込みや、必要な書籍を検索し取り寄せるレファレンスなど学力向上に資するためには、司書の常時配置が望ましいという意見が学校からも寄せられています。

図書館活用は教育の基盤です。このような成果を踏まえ、学校図書館司書につきましては、拡充に向けて検討してまいります。

次に、子どもスキップ利用児童への学校図書館開放についてです。

子どもスキップが学校図書館に隣接している学校では、読書だけではなく学習の場としても、ほぼ毎日、学校図書館を利用しております。また、司書の協力を得ながら、夏休み中だけ利用する例もあります。しかし、子どもスキップと学校図書館が離れているような場合、必要な引率や見守りが人手不足で確保できず、結果として、半数以上の子どもスキップで図書館が十分に活用できておりません。

学校図書館は、子どもスキップよりも多くの図書を利用でき、静かに読書ができるスペースであるため子どもスキップを利用する児童にとっても、充実した時間を過ごせる場所です。今後、人員確保などの条件を整備し、さらに積極的な学校図書館の活用を進めてまいります。

以上をもちまして、ふまミチ議員のご質問に対する答弁を終わります。