令和7年豊島区議会第4回定例会 公明党辻薫一般質問
「さらに安全・安心な豊島区に!」
令和7年11月18日登壇
公明党の辻薫でございます。私は公明党豊島区議団を代表して、
「さらに安全・安心な豊島区に!」と題し、
1.「豊島区基本構想・基本計画」に関連して
2.特別区における火葬問題について
3.ケアマネジャーの「シャドーワーク」問題について
4.公民連携によるDX化の推進について
5.学校施設の熱中症対策について
6.「学び舎ぴいす」の今後の活用について
7.高松地区の浸水対策について
8.その他として、災害対策要員宿舎ならびに公用車の取り扱いに関して一般質問を行います。
公明党は、国において、責任ある中道改革の軸として、新たな一歩を踏み出しました。党創立者より「大衆とともに」との永遠の指針が示されたのが旧豊島公会堂です。その地元である私ども公明党豊島区議団は、改めて現場第一主義に徹し、区民の皆様のご要望に的確にお応えしてまいる決意です。それでは、質問に入ります。
1.「豊島区基本構想・基本計画」に関連して
最初に、「豊島区基本構想・基本計画」に関連して伺います。基本構想を貫く3つの理念の最初に掲げられているのが、「誰もがいつでも主役」であります。区長は就任後早々に、「豊島区民による事業提案制度」を実施され、まさに“区民主役の区政”をスタートされました。
そこでまず伺います。区長就任後間もなく、「豊島区民による事業提案制度」を提案し、実行に移された経緯やその理由について、お聞かせ下さい。また、令和6年度からは、それぞれテーマを設定して募集が行われています。この「テーマ設定」については、どのように決定されているのか、お聞かせ下さい。
さらに、本年7月1日からは、「企業等による事業提案制度」が開始されました。本制度は、基本構想に掲げる『共創の推進』を体現することを目的としてスタートしたものと認識しております。改めて、本制度のねらいと今後の展開について、区のご所見をお聞かせください。
基本構想に示された7つのまちづくりの方向性のうち、最初に掲げられている「地域と共に支え合う安全・安心なまち」についても伺います。豊島区は、区制施行80周年に、セーフコミュニティの国際認証を取得し、90周年には再々認証を取得して現在に至っております。
私自身、高際区長もご参加頂いております、池袋西口駅前環境浄化パトロールの活動を通して、セーフコミュニティの推進には、各団体、治安・消防など関係機関との連携が欠かせず、幅広い分野横断的な取り組みによって、今日の“オール豊島”の体制が構築されたことを実感しております。そこで質問します。これまでのセーフコミュニティの取り組みとその成果について、区はどのように評価されているのか、ご見解をお聞かせ下さい。
「けがや事故は偶然の結果ではなく、原因を究明することで予防することが出来る」とのセーフコミュニティの基本理念は、私自身、安全・安心まちづくりの施策展開の基本にしています。本年3月に提案し9月に本庁舎の「エスカレーターでは歩かない」ステッカーを設置して頂いたのも、転倒事故を懸念された区民の声を受けて、事故防止の視点から要望していたものです。
また、先日制定記念シンポジウムが行われた「豊島区犯罪被害者等支援条例」は、犯罪被害の予防にも言及していることが特色となっており、犯罪被害者等や加害者を生まないまちづくりについては、セーフコミュニティの基本理念でもあると認識しております。
最後に、新たな基本構想・基本計画のもとで、今後のセーフコミュニティ活動をどのように推進していかれるのか、ご所見をお聞かせ下さい。
2.特別区における火葬問題について
次に、特別区における火葬問題について伺います。高齢化の進行により全国的に死亡者数が増加する中、豊島区においても昨年は2,608件の死亡届が提出され、1日平均7件を上回っており、今後も火葬需要の増加が見込まれる状況です。現在、東京23区内には9つの火葬場がありますが、公営は2か所のみで、7か所はすべて民間企業が運営しています。そのうち6施設を同一企業が運営し、23区全体の約7割の火葬を担っている状況です。
この民間大手では近年、火葬料の値上げが相次いでおり、公営との差が一層拡大しています。今年8月には「区民葬儀」の取扱いを来年度から廃止し、通常火葬料を8万7千円に改定する方針を発表しました。
こうした中、特別区長会では、値上げによる区民負担を軽減するため、差額を助成する制度の創設を検討していると伺いました。そこで質問します。助成制度創設の経緯及び制度概要についてお聞かせ下さい。
一方で、この制度は「民間企業の値上げを税金で補填するだけの対処療法にすぎない」との指摘もあります。根本的な課題は、火葬場が公共インフラとして適正に運営されていない点にあります。
「墓地、埋葬等に関する法律」では、火葬場の経営に都道府県知事の許可が必要で、厚生省の昭和43年通知では設置主体を自治体や宗教法人・公益法人に限定しています。しかし、通知以前に設立された民営火葬場は例外扱いとなり、料金基準もないため行政の指導監督が難しい状況にあります。
こうした課題を受け、公明党東京都本部は5年前から「葬祭業に関するプロジェクトチーム」で特別区の火葬問題を継続調査し、9月26日には当時の福岡厚生労働大臣に対し、民間事業者を経営主体から除外し自治体等に限定するよう法改正を要望しました。
また、都議会公明党は代表質問で「火葬という公共サービスの公営化に向け議論を始めるべき」と訴え、都は「特別区と連携し、適切な経営管理に向け検討する」と答弁しています。
本区としても、区民が安心して利用できる公共性の高い火葬サービスの確保は極めて重要な課題です。しかし現状では、区内に火葬場を新設することは容易ではなく、区民は引き続き高額な民間火葬場を利用せざるを得ません。
そこで伺います。今回の火葬料金の相次ぐ値上げを踏まえ、火葬を公共インフラの一つとして位置付け、その在り方を特別区や東京都と連携して検討すべきであると考えますが、区のご所見を伺います。
併せて、将来的な公営化の可能性を含め、区民負担の軽減と持続可能な火葬サービスの確保に向けた区の取組方針をお聞かせ下さい。
3.ケアマネジャーの「シャドーワーク」問題について
3項目目として、ケアマネジャーの「シャドーワーク」問題について伺います。ケアマネジャー(以後ケアマネと言う)は、介護保険制度の要であり、対人援助の専門職です。しかし近年、ケアマネの業務は複雑化・多様化し、報酬対象とならない多くの「見えない労働=シャドーワーク」が大きな負担となっています。この問題については、本年第1回定例会の予算委員会でも島村議員が「介護事業者とケアマネに対する支援」をテーマに質問しております。
その後、豊島区介護支援専門員連絡会から、「シャドーワークは、
ケアマネの離職要因ともなっており、慢性的な担い手不足に拍車をかけている。」との切実な声とともに、その結果、新規参入が少なく、事業者事態も減少しているとの指摘を頂いております。
そこで質問します。先ず、豊島区内居宅介護支援事業所数の推移についてお聞かせ下さい。
青森県立保健大学の工藤英明教授らの研究によれば、全国の約7割のケアマネが、少なくとも1回は「制度上の想定外業務」を行っており、なかには7回以上も対応した事業所が3割を超えるという調査結果もあります。具体的には、通院の付き添い、買い物や家事の代行など、ケアマネが何でも屋として扱われている実態があります。
そこで、本区においては、ケアマネが抱える「シャドーワーク」業務の実態について、どのように把握されているでしょうか。また、現場の声をどのように受け止めておられるか、区の認識を伺います。
工藤教授は、シャドーワーク問題の解決には「業務の整理と分担」が不可欠だと指摘しています。すなわち、ケアマネの業務を①法定業務、②保険外で対応可能な業務、③他機関につなぐべき業務、④対応困難な業務の4区分に整理し、ケアマネが「何でも屋」にならない仕組みを作ることが重要としています。
そこで伺います。工藤教授が指摘しているように、問題解決には、先ずは、ケアマネ業務を整理、把握することが重要であると考えますが、ご見解をお聞かせ下さい。
そして、工藤教授はシャドーワークについては、結局、誰かが担わなければならない内容であり、「地域包括ケアの中で、ケアマネのシャドーワークを代替する地域資源の整備」を提唱しています。
本区においては、こうした地域資源の整備について、どのように取り組まれるのか、お聞かせ下さい。
ケアマネの処遇改善についても伺います。ケアマネが担当する要介護者には、医療的ケアが必要な方や、身寄りのない方なども担当しています。これらのケースは、単なる要介護度だけでは測れない労力を要すると推察されます。ホームへルパーの処遇改善が進んでいるものの、ケアマネの処遇改善が進んでいないことから、普通の介護職に戻るケースもあります。
そこで、先ずは、豊島区から国に対して、ケアマネの職責に見合う処遇の確保を働きかけるよう要望致します。また、豊島区介護支援専門員連絡会からは、ケアマネに対する豊島区独自の処遇改善を望む声が上がっております。区のご所見をお聞かせ下さい。
厚生労働省では、ケアマネの不足が深刻化しているとして、人材確保を進めるため、資格取得要件を見直す方向で検討を進めています。一方で、ケアマネの確保・定着には、地域包括ケアシステムの構築を担う自治体として、区として中長期的な取り組みが必要であると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。
4.公民連携によるDX化の推進について
4項目目に、公民連携によるDX化の推進について質問します。
10月、幕張メッセで開催された「地方自治情報化推進フェア2025」に参加してまいりました。フェアでは、企業が主催する官民共創セミナーにおいて「法人による住民票等請求のオンラインサービス」について講演がありました。
現在、法人による住民票等の証明書請求は、主に郵送で行われています。しかし、郵送された封筒の開封、請求書類の確認、定額小為替の換金処理、証明書の発行、封入封緘、発送といった一連の作業は、すべて紙ベースで行われており、職員の手作業に大きく依存しています。
さらに、法人ごとに請求書の様式が異なるため、確認作業に時間を要し、不備があった場合の電話対応なども発生しています。先日、本区でも同様の作業手順で行っていることを確認したところです。
そこで伺います。まず、本区における郵送による住民票等の証明書請求の件数は、年間どのくらいになるのか、そのうち法人からは何割ぐらいなのか、お聞かせ下さい。
令和4年の定額小為替の手数料値上げや、昨年の切手購入手数料の引き上げにより、法人の郵送請求に伴うコスト負担は増えています。さらに、金融機関で定額小為替の換金停止が広がるなど、郵送方式には多くの課題があります。こうした中、全国の自治体では、住民票などの法人請求をデジタル化する「法人請求オンラインサービス」の導入が進み、法人の利便性向上や自治体の事務効率化・紙削減につながっています。
そこで、職員の業務効率化、コスト削減、環境負荷軽減といった多面的な効果が期待される「法人による住民票等請求のオンラインサービス」の導入に向けて、先ずは、デモ環境でのトライアルを通して調査することを提案しますが、ご所見をお聞かせ下さい。
セミナーでは、既に同サービスを導入している東村山市の渡部(わたなべ)尚(たかし)市長と、サンシャインシティに本社を構えるセゾン債権回収株式会社の宮武信夫代表取締役社長が登壇されました。渡部市長は、導入効果として「書類確認などの作業が不要となり、約40%の業務削減が図られた」として、紙の削減効果についても大きな成果があったと報告されていました。また宮武社長からは、地元自治体である豊島区でも導入を検討してほしいとの要望が寄せられました。
豊島区の基本計画策定の背景にも、「DXとは、デジタルの力を活用し、企業・自治体・その他の組織体が業務・組織のあり方やサービスの提供方法を変革することで、よりよい社会を目指す考え方」であると明記されています。
最後に、本区における民間の先駆的なサービスを活用したDX化の推進について、区のご所見をお聞かせ下さい。
5.学校施設の熱中症対策について
5項目目に、学校施設の熱中症対策について質問します。
最初に、学校プールの遮熱シートの設置についてです。猛暑の影響により、気温や水温が高すぎることから、学校の水泳授業が中止になるケースが増えていることを受けて、本年5月より小中学校のプールに遮熱シートが順次設置されております。
先日訪問した要小学校からは、遮熱シートにより日陰が出来て熱中症対策としての効果を感じているとの声を伺いました。一方で、設置範囲が25m中、10mに限定されていることから、教員が指導をするたびに、10mの遮熱シート下に児童を集めなければならないことと、また、設置高さが低いために、教員が腰をかがめての指導が負担になっている、との課題を伺いました。
そこで質問します。先ずは、全体の設置状況とともに、同様の課題を抱えている学校は他にはないのか、お聞かせ下さい。
併せて、プールサイドがやけどしそうなくらい熱いので、何とかして欲しいとの要望がありました。このことについては他校からも要望がありましたので、併せて早急に対策を講じるよう要望しますが、ご見解をお聞かせ下さい。
2点目は、教室における遮熱対策です。要小学校では、南向き校舎、東向き校舎とも特に3階の教室が暑く、エアコンも効きにくいため、教育委員会にお願いして、窓ガラスに遮熱フィルムを設置し、また、学校経費で遮熱カーテンを設置したと伺いました。その後も暑い状態が続いているものの、教育委員会からは、暑さの基準以内に収まっているとの見解を受けているとのことでした。
そこで質問します。教室における暑さの基準値についてお示し下さい。教室がいずれも3階であることから屋上からの輻射熱は考えられないでしょうか。改めて対策を検討するよう要望します。
また、他にも同対策を必要とする学校があると考えられます。特に、改築未定校については調査の上、対策を講じるよう要望しますが、教育委員会のご見解をお聞かせ下さい。
3点目は、体育館の断熱・遮熱対策についてです。区立小中学校の体育館は、児童生徒の教育空間であると同時に、災害時の救援センターでもあることから、本区においては、特別区の中でもいち早く空調設備を設置して頂いており、高く評価しております。
文部科学省は、断熱性を高めて空調を使用すると電気代を約半分に抑え、冷房能力も約1.8倍に向上すると試算しています。断熱が不十分だと冷房効率が落ち、過大な電力消費につながるため、省エネやCO₂削減の面でも断熱対策は重要です。
世田谷区では、体育館の空調設置後、夏の気温上昇による冷房効率低下が課題となり調査を実施。その結果、屋根からの輻射熱が室温上昇の原因であることが判明し、天井への遮熱シート設置で気温が約3℃下がる効果が確認されました。
また、夏の大規模災害で停電が発生し空調が使えない事態も想定されるため、救援センターとしての学校体育館においても断熱・遮熱対策の重要性が高まっています。
そこで質問します。本区においても児童生徒はもとより全区民の熱中症対策として、体育館の断熱・遮熱対策が必要であると考えますが、教育委員会のご所見を伺います。
6.「学び舎ぴいす」の今後の活用について
6項目目に、「学び舎ぴいす」の今後の活用について伺います。
「学び舎ぴいす」は現在、千川中学校の仮校舎として使用されていますが、千川中学校複合施設新築工事は、区と建設業者の協議により当初予定より前倒しされ、本年7月に着工しています。
先ずは、工事の進捗状況と竣工予定を改めてお聞かせ下さい。
旧平和小学校の校舎が残っていた旧西部区民事務所時代には、地域団体が多く活動し、その一つ、ミュゼ・ダール吹奏楽団も練習や演奏会を行うなど、地域に根ざした文化活動の拠点となっていました。校舎解体後は他区で活動を続けていましたが、昨年末には「学び舎ぴいす」の体育館でファミリーコンサートを再開し、現在、千川中学校吹奏楽部との交流も始まっています。
そこで伺います。現在、千川中学校としての利用以外に、学校開放など地域団体による活用状況はいかがでしょうか。
今後「学び舎ぴいす」の仮校舎機能を全面的に活用するにあたり、地域からは、子どもを中心とした施設活用を求める声が寄せられています。具体的には、幼児の自由な遊び場、小学生や中高生の居場所や学習スペース、不登校児童・生徒が気軽に立ち寄れる場所の設置などです。さらに、保育園児の遊び場としての教室や体育館の活用、給食室を活かした世代間交流の場づくりなども期待されています。全館にエアコンが整備されている点も大きな利点です。
また、「学び舎ぴいす」は、西部区民事務所等複合施設として行政機能を併せ持ち、仮校舎や災害時の救援センターとしての役割も担っています。こうした特性を踏まえ、平日・休日を問わず個人や団体が利用しやすい施設となるよう工夫が求められます。
最後に、今後の「学び舎ぴいす」の活用方針および検討状況について、区のお考えをお聞かせ下さい。
7.高松地区の浸水対策について
7項目目に、高松地区の浸水対策について伺います。
高松地区では、平成20年7月の集中豪雨以来、たびたび浸水被害が発生してきました。本年9月にも集中豪雨がありましたが、幸いにも被害はありませんでした。しかし、これまでに被害を受けた地域の皆様からは、再発防止への強い要望が寄せられ、私も区を通して東京都に対して、浸水被害の抑制を図るよう要望しておりました。
令和3年5月には、流域変更や下水管の大口径化など、具体的な対策方針が東京都より示されました。しかし、その後の掘削調査で複数の他企業の埋設物が確認され、当初の施工が困難となり、事業は一旦取り止めとなりました。
対策方針の発表から既に4年が経過し、地域の皆様には掘削調査によるご不便をおかけしている中での中断は、誠に残念であります。東京都下水道局と豊島区道路整備課から地元への説明も行われましたが、今後どのような対応が検討されているのか、現在の取組状況をお伺いします。
高松地域には地形的に雨水が集中しやすいところがあり、特に夏場は局所的豪雨への不安が続いています。新たな浸水対策が実施され、その効果が確認されるまでの間、暫定的な安全確保策を含め、特段の対応を講じていただくよう強く要望いたしますが、区としてのご見解をお聞かせください。
8.災害対策要員宿舎ならびに公用車の取扱いに関して
最後にその他として、災害対策要員宿舎ならびに公用車の取扱いに関して伺います。
まず、先の第三回定例会で審査された二つの陳情、一つは「区長居住マンションへの税金支出に疑義がある」との陳情、もう一つは「区長の公用車の目的外使用及び飲酒に関する問題の実態解明」を求める陳情についてであります。
いずれの陳情も、審査の結果、議会としては“不採択”といたしました。
その理由は、制度や運用が法令や要綱に基づいており、いわゆる百条委員会を設置すべき状況にはないと判断したためであります。
公明党区議団は、区政運営においては、「法律上・制度上の適正性」と「区民の皆様の安心・納得」、その双方が極めて重要であると考えております。
そこで伺います。
第一に、災害対策要員宿舎について、区長ご自身の利用も含め、制度の適用が法令および要綱に基づき適正に行われていることに変更はないか、総務委員会での説明内容に相違がないか、改めて確認いたします。
第二に、公用車の運行に関して、陳情ではさまざまな指摘がなされておりますが、これらについても、運行日報や契約内容に基づき、制度上の運用は適正との説明がなされてきました。
そのうえで、制度運用に問題はないとしても、一部の区民の皆様から「心配の声」や「疑問の声」が寄せられていることも事実です。
区政トップとして、こうした声をどのように受け止めておられるか、ご所見を伺います。
そして第三に、区政への信頼をさらに高めていく観点から、区長ご自身として、今後の宿舎の利用や負担の在り方、公用車使用の在り方について、何らか対応されるお考えがあるのでしょうか。
区民の皆様の不安を払拭するために、どのような判断をされるのか、お聞かせください。
公明党区議団としては、制度の適正性を確認しつつも、区民の皆様の声を真摯に受け止め、区政への信頼が一層深まることを強く願うものであります。
以上で、一般質問を終了致します。ご清聴、誠にありがとうございました。
一般質問答弁(未定稿)公明党 辻 薫 議員
- 区長答弁
ただいまの、辻 薫議員のご質問にお答えいたします。
私からは、「豊島区基本構想・基本計画」に対するご質問のうち、まず、「豊島区民による事業提案制度」の実施の経緯及び理由、並びに、募集テーマの設定についてです。
私の区政運営における基本姿勢は、区民の声を聴き、区民とのつながりを深めながら、区民目線による区政を推進することです。
これは区長就任後から、一貫して申し述べてきたことであり、本年3月、22年振りに策定した「基本構想・基本計画」の「3つの理念」と「7つのまちづくりの方向性」の根幹に位置付けるとともに、全職員の行動指針としています。
この基本姿勢を具現化させる取組みとして、まず、区民の皆様の声を聴く、そして意見を交わすための「子どもレター」と「未来としまミーティング」を導入いたしました。さらに、区政の最高指針である「基本構想・基本計画」を策定する際には、10代から80代の皆様に参加いただいた「区民ワークショップ」や、「としま子ども会議」をはじめ、分野や年代、国籍、個人・団体問わず、幅広く区民の皆様の声を反映させるなど、双方向によるコミュニケーションを何より大切にしてまいりました。
「区民による事業提案制度」は、こうした取組みを一歩進め、区民の皆様の大切なご意見を、具体的に予算や施策に反映すべく、区長に就任した令和5年度に創設したものです。
今年度までの3年間で、各世代の区民の皆様から、376件の提案と4,537票の投票をいただき、イケ・サンパークや雑司が谷公園はじめ、区内公園の日除けの設置、外国人相談窓口の開設、「としまドキドキ防災フェス」での区民自身による防災マップ作りなど、11件の事業を実現しております。
次に、募集するテーマの設定についてです。
令和6年度は、区政の最重要課題である「安全・安心」を実現するための「災害に強い地域づくり」と、デジタル技術を活用し、区民サービスの向上を推進するための「人にやさしいデジタル化社会の推進」の2つのテーマを設定しました。
令和7年度は、今年度からスタートした新たな「基本構想・基本計画」をもとに、2テーマを選びました。
一つ目は、基本構想の「3つの理念」の中に位置付けた「多様性の尊重・多文化共生」です。区民の12.3%が外国人である本区における多文化共生について。そして、ジェンダー、心身の状況、社会的・経済的状況、意見や価値観の違いなどの多様性を互いを認め尊重し合う、そのための提案を求めました。
2つ目は、来年5月に新たな保健所が開設することを見据え、「7つのまちづくり」の中の柱とした「健康」に焦点を当て、「こころと体の健康づくり」としました。
今月9日には、「学生ワークショップ」を開催し、多様性の尊重、治安、環境など5つのテーマに分かれ、25名の若者たちから、数多くの具体的な提案をいただきました。今後も、様々な機会をとらえて、本区で暮らし、学び、働く方々の提案を受け止め、「ひと」が主役の区政の実現に邁進してまいります。
次に、「企業等による事業提案制度」のねらいと今後の展開についてです。
新たな基本構想では、「多様な主体との協働の輪を広げ、みんなでつくる共創社会や自律的な好循環が生まれる持続発展するまち」を目指すことを掲げています。また、現在、本区では、令和5年6月に立ち上げた、産官学の連携組織「チームとしま」をはじめ、各分野の企業が得意分野を活かしながら、本区各所管部署とともに、様々な取組みを展開されています。
今年度創設した「企業提案制度」は、豊島区をより良くしたいと考える、区内外の企業やNPO法人等事業者が、民間ならではの柔軟な発想・専門性・スキル・ノウハウを活用し、地域課題の解決につながる事業を提案し、主体的・自律的に取り組む、その活動を行政が支援するというものです。基本構想における「共創」の理念に基づき、この間進めてきた「公民連携」を行政主導から、企業等の自主的活動への進化を目指し、区が時限的に事業費の一部を補助します。行政の枠を超えた発想と実行力で、地域課題の解決を図りながら、地域の新たな魅力や価値の創出につながることをねらいとしています。
本年6月から募集をし、現在、区による審査で選定した4事業について、区民投票を実施しております。その後、外部有識者を含めた審査委員会において、プレゼンテーションをいただき、質疑、審査を経て、来年1月に採択案を決定します。採択案については、提案企業等と本区において、事業の詳細について協議・調整を行った上で、令和8年度予算案に盛り込み、議会に提案、ご審議をいただきます。
本区といたしましては、企業提案による事業が、提案者において確実に実施され、その後自走し、継続性を高められるよう、最長3年間の支援を着実に進めながら、基本構想に掲げる共創社会や、持続発展するまちの実現に取り組んでまいります。
次に、セーフコミュニティの取組みと、その成果に対する評価及び今後の推進についてです。
「けがや事故等は、偶然の結果ではなく、原因を究明することで予防できる」というセーフコミュニティの理念のもと、本区はこれまで、子ども・若者、高齢者や障害者の安全、防災・防犯・交通対策、児童虐待やDVの防止、自殺・うつ病の予防をテーマとする9つの対策委員会において、地域の皆様とともに様々な課題について活発な議論を行い、具体的な施策につなげるなどの取組みを進めてまいりました。
こうした取組みの成果は、数値としても表れており、その具体例として、「令和6年度 豊島区セーフコミュニティ年間活動レポート」によると、10年前との比較では、家庭における3歳児の事故予防策の実施率は23.5%から47.5%に、小学生の自転車用ヘルメットの着用率は25.3%から48.3%に向上しています。また、高齢者の転倒の経験率は、38.0%から25.0%に、障害者の外出時のけがの経験率も18.1%から14.0%に減少しています。さらに、池袋繁華街地区の暴行・傷害発生件数は、環境浄化パトロールの効果もあり、209件から150件に減少するなど、各分野において取組みの成果が着実に表れております。
こうした成果の背景には、何よりも、安全・安心の向上に尽力されている町会、商店街、企業、大学、関係団体など地域の皆様が、自主的かつ主体的に各対策委員会に参画いただいたことがあります。この行政主導ではない、地域と一体となった取組みは、本区の「地域連携の仕組み」として根付き、地域の安全・安心をみんなで守り、更なる向上を目指す上での大きな原動力となっております。それは、まさに本区の強みであり、他自治体に誇れる成果であると認識しております。
一方、風水害の激甚化や命の危険を感じるほどの猛暑、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されている首都直下地震など地震への備え、子ども・若者の孤独・孤立の問題、自転車関連交通事故の増加や電動キックボードの普及など交通環境の変化、若年層にも広がり、止まることのない特殊詐欺被害など、近年、新たな課題も発生しており、基本構想・基本計画においても、こうした課題を捉え、対策の推進について明記しております。お話しにございました、犯罪の被害者も加害者も生まないまちづくりについても、力を入れて取り組むべき課題であります。
本区は今後も、これまでセーフコミュニティ活動において培った、科学的なデータの分析に基づく対策検討等の手法を活かしながら、本区の強みである「地域と一体となって取り組んでいく公民連携体制」のもと、安全・安心なまちの実現に向けて全力で取り組んでまいります。
次に、特別区における火葬問題に対するご質問のうち、まず、特別区における火葬料助成制度創設の経緯、及び制度の概要についてです。
区民葬儀は、区民の葬儀費用の負担軽減のため、全東京葬祭業協同組合連合会に加盟する区民葬儀取扱業者が、民間の葬儀・搬送・火葬運営事業者の協力により、区の財政負担なく行われています。区民葬儀券は、区役所の交付窓口で発行し、利用者は祭壇券、柩車券、火葬券の区分ごとに必要とするものを
選び、組み合わせて利用することができます。
区民葬儀取扱業者のうち、火葬券の利用先であり、特別区内で6か所の火葬場を運営する東京博善株式会社が、本年8月、令和8年3月 31 日をもって区民葬儀の取扱いを取り止める旨を公表しました。特別区長会では、昨年12 月に東京博善株式会社から、区民葬儀事業の運営について見直しの提案を受けて以降、協議を重ねてまいりましたが、そのような結果となりました。
特別区長会においては、東京博善株式会社との協議と並行し、昨今の物価高により葬儀全般にかかる費用が増加していることや、火葬場が区民生活に不可欠な公共的施設であることを踏まえ、東京博善株式会社が区民葬儀を取り止めることとなった場合の対応として、区民葬儀を利用される方の経済的負担を軽減する観点から、総合的な検討を進めてまいりました。
そうした経緯を経て、令和8年度から当面の間、区民葬儀利用者のうち、特別区が指定する民営火葬場を利用した区民を対象とする、23区共通の助成制度を創設することといたしました。
区民葬儀の祭壇券などを利用し、かつ特別区が指定する民営火葬場、これは、区民葬儀の取扱いを取り止めたことにより、これまで利用できていた火葬券が利用できなくなる東京博善株式会社が運営する火葬場を意味しますが、その利用をした区民に対し、費用助成を行うものです。助成額及び助成手続き等制度の詳細については、令和8年度予算編成の中で検討することとしています。
次に、火葬を公共インフラとして位置づけ、特別区や東京都と連携し、在り方を検討することについてです。
火葬は、区民の尊厳ある生活を支える社会基盤の一つであり、その安定的かつ適正な運営は、極めて重要な課題であると認識しております。
火葬場の経営は、国の通知により「公営が原則」とされていますが、特別区では、墓地埋葬法施行以前から民間企業が火葬場を運営してきたという特別な事情があります。現在、特別区内の火葬場9か所のうち、7か所が民営です。
新たに公営火葬場を設置するには、設置場所の確保や費用負担、近隣住民の理解など、様々な課題があります。豊島区では、墓地埋葬法に基づく条例で、「火葬場は住宅などからおおむね250メートル以上離れていること」と定めており、住宅密集地であることから、用地確保は極めて困難です。なお、この基準は、「地域主権推進一括法」により、平成24年に、都道府県の権限が、全ての市及び特別区に移譲されたものであり、従来、東京都が条例で定めていたものです。
火葬場の在り方は、特別区全体に共通する課題であり、これまでも、特別区長会として、東京博善株式会社に対して、適正な火葬場の経営・管理について要請し、墓地埋葬法第 18 条の規定に基づく検査等を実施してまいりました。
昨年8月には、特別区内の民営火葬場の料金が高騰している問題について、民営火葬場経営における永続性・非営利性の確保を目的に、特別区長会として、民間事業者に収支の透明性を示すよう義務付ける法整備を厚生労働省に緊急要望しました。具体的には、「火葬場の経営主体が火葬場以外の事業を行っている場合には、公益目的に則り、他の事業との経理・会計を明確に区分(独立採算制)し、火葬業にかかる収支の透明性・非営利性が確保されている旨を許可権者へ示す義務があることを、法に規定すること」という内容です。
東京都においては、小池知事が本年9月都議会での所信表明において、「料金を含む火葬場の経営管理に対する指導が適切に行えるよう、法の見直しを国に求めるとともに、実態を精緻に把握した上で、火葬能力の強化に向けた取組を検討していく」との方針を示されました。翌10月には、特別区長会会長と意見交換が行われるなど、都と区の連携が進み始めたところです。
現在の墓地埋葬法では、民間火葬場に対する指導権限が曖昧であり、特に火葬料金の妥当性について、行政が介入できません。こうした状況を踏まえ、今後、都知事と特別区長会会長の連名で、火葬料金を含む経営管理に関して、監督官庁の指導権限を明確化することなど、必要な措置を講じるよう、国に法改正等を要望する予定としております。
本区としましては、火葬を公共的基盤と捉え、特別区全体、特に広域自治体である東京都と緊密に連携し、実態の把握と共有のもと、検討を進めていく必要があると認識しております。
次に、将来的な火葬公営化の可能性を含め、区民負担の軽減と、持続可能な火葬サービスの確保に向けた取組方針についてです。
火葬にかかる区民の経済的負担軽減と、火葬サービスの持続的な確保は、極めて重要な課題です。本年8月に特別区長会が表明した「23区共通の火葬費助成制度」につきましては、令和8年4月の開始に向けて、現在、助成内容や手続きの詳細について、特別区担当部長会を中心に検討を進めております。
大事なことは、こうした特別区独自の緊急的な助成制度にとどまらず、利用者の負担軽減と、火葬サービスの公共性確保の両立という、火葬を巡る広域的課題、そして、それを解決するための東京都全体における将来的な対応について、都のリーダーシップのもと、都区間で連携し、国へ必要な制度改正を強く求めていくこと、小池知事が表明された「火葬能力の強化に向けた取組の検討」を推進していくことと考えます。
本区といたしましても、誰もが安心して利用できる体制の構築に向け、今後の検討に積極的に向き合ってまいります。
最後に、その他、災害対策要員宿舎並びに公用車の取扱いについてです。
災害対策要員宿舎や公用車の運行につきましては、先般の総務委員会において、「問題の実態解明を求める」との陳情の趣旨に沿ったご審議をいただけるよう、宿舎の現状や規定内容及び規定の経緯、公用車の運行記録及び区長日程表等を資料でお示しし、運用実態を明らかにした上で、他の自治体での裁判で適法とされた判例等も踏まえ、ご説明させていただきました。その際のご説明のとおり、実態として、法的な問題は全くありません。
また、前定例会に提出された2つの陳情と同時期に、同趣旨の住民監査請求がなされましたが、区の財務会計上の行為の違法性又は不当性について、具体的かつ客観的に適示しているものとは認められないとして、先日、却下されております。
一方で、こうした陳情が出されたという事実だけが先行し、区の説明を直接お聞きいただく機会のない方々の間で、不安や誤解が生じかねないことを危惧しております。
実際に、地域の行事で区民の皆さまとお会いした際に、「区長さん、大丈夫ですか」「いろいろ言われていて心配しています」「私たちが見ているから頑張って」と、あたたかいお声を直接かけていただくことがありました。そのお一人おひとりの言葉に、私は大変励まされており、同時に、日頃より豊島区政に心を寄せてくださる区民の皆さまの思いに、深い感謝の気持ちを抱いております。
一方で、「誰がそういうことを言っているの?」「疑う人には私が説明して回るわよ」と、私のことで区民の皆さまが不安なお気持ちを抱かれていることを思いますと、胸が痛む思いです。
災害対策要員宿舎につきましては、適正運用には変わりはないため、規定の見直し等はいたしませんが、区民の皆さまに「区長が特別扱いを受けている」との誤解や不安を与える可能性があり、これ以上、区民の皆さまにご心配をおかけしたくないという私の思いから、今後、宿舎の無料規定の適用を辞退し、宿舎借上げに係る経費を自ら負担することを考えております。公用車については、当然のことながら、引き続き、適正に使用してまいります。
改めまして、私を気にかけてくださる方々をはじめ、日頃からさまざまな形で区政に思いを寄せてくださる区民の皆さまに、心より感謝申し上げますとともに、皆さまのお気持ちを確かに受け止め、これからも誠実に、全力で区政運営に取り組んでまいります。私からの答弁は以上でございます。
- 政策経営部長答弁
私からは、公民連携によるDX化の推進に対するご質問のうち、民間の先駆的なサービスを活用したDX化の推進についてです。
新たな「基本構想・基本計画」では、デジタル技術を活用し、庁内業務を再構築することで、質の高い行政サービスを効率的かつ持続的に提供することを目的として掲げております。
こうした取組みは、民間事業者の提供するツールやサービスを有効に活用することにより、その効果を最大源に発揮できると考えております。
近年、AIをはじめとするデジタル技術の進歩は著しく、様々なデジタルツールが開発されております。こうした技術の中から、業務に最適なツールを選択するためには、事前にその効果を実証することが有効であり、本区においてもマイナンバーカードを用いた申請書の自動作成ツールでモデル実施を行うなど、トライアルとしての利用に取り組んでおります。
今後も民間事業者による先駆的な知見や技術を取り入れながら、「来庁不要窓口」や「書かない・待たない窓口」などの区民サービスの向上を図るとともに、デジタル化に合わせて業務の手順や進め方を抜本的に見直すことにより、事務の効率化や職員の負担軽減に努めてまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 区民部長答弁
私からは、公民連携によるDX化の推進に対するご質問のうち、まず、郵送による住民票等の証明書請求の年間件数及び法人の割合についてです。本区における郵送による住民票の請求に対する交付は、令和6年度1年間で22,111枚となっております。
このうち、法人からの請求が概ね98%を占めており、その内訳は、士業関係者による職務上の請求が約25%、債権回収など一般法人による請求が約75%となっております。
次に、「法人による住民票等請求のオンラインサービス」導入に向けたデモ環境でのトライアルを通した調査についてです。本サービスは、法人がこれまで郵送で行っていた住民票等の請求を、高度なセキュリティを維持した行政専用ネットワークであるLGWAN(エルジーワン)を活用して安全にオンライン化する仕組みです。法人側が住民票を請求する際、申請書とともに定額小為替を同封していたものを、オンライン化によりクレジットカード等でキャッシュレス決済できるようにするものです。
法人による請求手続きをオンライン化することにより、職員の事務負担軽減やコスト削減が図られるとともに、紙使用量の削減による環境負荷の低減も期待できるものと認識しております。
今後は、他自治体での導入状況や運用上の課題を把握するとともに、デモ環境でのトライアルを通じて、導入効果や課題について検証してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 福祉部長答弁
私からは、ケアマネージャーの「シャドーワーク」問題に対するご質問のうち、まず、豊島区内居宅介護支援事業所数の推移についてです。
居宅介護支援事業所の数は、全国的に減少が続いている中、本区における直近3か年の4月1日時点の事業所数は、ケアマネージャーの人員確保が厳しいこともあり、令和5年の73事業所から令和6年の67事業所、令和7年の65事業所に減少しましたが、8月31日時点で67事業所と、現在は横ばいの状況にあります。
次に、本区における「シャドーワーク」業務の実態把握と現場の声の受け止めについてです。
本区では、ケアマネのシャドーワーク業務について、昨年度、豊島区介護支援専門員連絡会(通称としケア)が会員を対象に実施したアンケートをもとに意見交換を行うとともに、定期的に、としケアの定例会に出席するなど、ケアマネ業務の実態把握に努めています。
アンケート結果では、9割を超えるケアマネが何らかのシャドーワークを行った経験があり、主な内容としては、通院同行や郵便物の整理、公共料金の支払いの他、介護サービスの対象にならない買い物代行や掃除等、多岐にわたる支援を行っていることが明らかとなりました。また、支援に要する時間も1回数十分程度が多く、中には2時間程度かかる支援もあり、大きな負担となっている実態が浮き彫りになりました。
こうした実態から、本区で働くケアマネが、今後も継続して働き続けられるよう、本来業務に集中できる環境づくりが喫緊の課題であると改めて認識したところです。
次に、ケアマネ業務の整理と把握並びにケアマネのシャドーワークを代替する地域資源の整備についてです。
令和6年12月に厚生労働省から出された「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」では、ケアマネの業務について、法定業務以外の、保険外で対応可能な業務、他機関につなぐべき業務については、地域課題として、地域全体で対応を協議すべきものとされています。
そのため、現在、本区では、地域包括支援センターが地域課題を検討する地域ケア推進会議において、ケアマネの法定業務と既存の介護保険以外のサービスを活用することで対応可能な業務の整理を進めています。
ケアマネのシャドーワークを軽減するためには、利用者の理解が必要となるため、ケアマネの役割を明確に示し、介護保険サービスを利用するご本人、家族、関係機関に周知していくことが、とても重要となります。現在、ケアマネの役割や業務範囲をわかりやすく示したリーフレットの作成や各種パンフレットへの掲載等を進めており、今後、鋭意、普及啓発に努めてまいります。
また、ケアマネがシャドーワークを依頼された際に、適切なサービスに繋げられるよう、既存の社会資源について情報収集、整理を行い、ケアマネ用の資料の作成も進めています。
さらに、シャドーワークの中でも、特に、清掃、買い物支援等の日常的な支援については、シルバー人材センターの家事援助サービスの活用が有効であるため、今後、そのサービスの利用促進に向け、コーディネーターの設置や、ケアマネ、関係機関とシルバー人材センターとの連携強化等、具体的な検討を行っていきます。
こうした取り組みをはじめ、既存サービスでは対応できない内容を整理し、具体的な地域資源の整備を検討するとともに、ケアマネ、介護サービス事業所、またその他の関係機関との連携強化により、ケアマネが本来の業務に集中できる環境整備に取り組んでまいります。
次に、国に対してケアマネの処遇確保を働きかけること及び豊島区独自の処遇改善についてです。
ケアマネにつきましては、高齢者の自立と適切なサービス提供を支援する、極めて重要な役割を担っており、その専門性に見合った処遇の確保は不可欠であると認識しています。そのため、区は、毎年、国に対し、特別区長会を通じて、適切な介護報酬の担保について、さらには、全国市長会においても「他業種と比べて遜色のない賃金水準となるよう底上げを図る」など、介護職員の処遇改善に対する要望を挙げており、これからも引き続き強く要請してまいります。
現在、国においては、高市首相が、臨時国会における所信表明演説において、「介護報酬については、報酬改定の時期を待たず、経営の改善及び従業者の処遇改善につながる補助金を措置する」と表明しています。また、東京都においても、小池都知事が、介護職員の処遇改善を目的に、都独自の昇給制度の創設に向け、「介護保険制度における人事給与制度の在り方検討会」を設置し、現在、取組方針等の検討を進めています。
こうした状況の中、区独自の処遇改善につきましては、国や東京都の動向に注視しつつ、地域の実情に応じた支援について検討してまいります。
次に、ケアマネの確保・育成のための中長期的な取り組みについてです。
ケアマネは、地域包括ケアシステムの構築に向けて、利用者の実態把握から多職種連携まで、地域の支援体制をつなぐ要となる存在であり、その確保と育成は継続的な課題です。
そこで、区では、中長期的な視点で、若年層を含む人材の確保・育成を目的に、ICTの活用による業務の効率化を図るため、ケアプランデータ連携システムの導入を促進するなど、職場環境の改善に資する取り組みを行っています。併せて、介護事業所の人材確保・育成を支援するため、ケアマネの法定研修費用助成の実施に向けて検討しています。
こうした取り組みを積み重ね、地域に必要なケアマネを中長期的に確保・育成し、地域包括ケアシステムの推進を図ってまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 土木担当部長答弁
私からは、高松地区の浸水対策に対するご質問のうち、まず、今後の対応についての現在の検討状況についてです。
東京都下水道局による浸水対策として、道路を開削し既存管路の太さを大きくする工事の実施に向けて、現地で埋設物調査を行っていたところ、他企業の埋設管が支障すること等が判明したため、令和7年2月に中止となりました。
そこで下水道局では、対策の代替案として、開削によるのではなく、既設管路よりも深い位置に雨水を一時的に貯留する管路の新設を、検討することとしました。
現在、下水道局では、既存の埋設管よりも深い管路の敷設位置や、管理用マンホールの設置箇所などについて、調査設計を進めています。また、地中の深い位置に、掘削機を降ろすための立坑を、設置する用地を確保する必要があることから、その位置選定については、区と協議・調整しながら検討を進めています。
これら整備内容については、下水道局においてまとまり次第、速やかに議会に報告したうえで、下水道局において現地の方々への説明を行う予定です。
次に、暫定的な安全確保策を含めた対応についてです。
下水道局の検討が続くなか、本区では短期的な対策として、過去に浸水被害の多かった、高松1丁目および2丁目地内に雨水浸透ますを、道路維持修繕工事により、約50カ所設置する予定です。これは、集中豪雨により道路に降った雨水の一部を地中に浸透させ、下水本管に流出する雨水を削減することにより、道路にあふれる雨水を抑制することを狙っているものです。
工事の設計・積算はすでに完了しており、年内の入札で工事業者を選定し、年度内には整備を完了させる予定です。
私からの答弁は以上でございます。
- 教育部長答弁
私からは、学校施設の熱中症対策に対するご質問のうち、まず、学校プールの遮熱シートについてです。
屋外プールを有する小中学校25校のうち、現時点で10校に遮熱シートの設置が完了しております。
遮熱シートは、熱中症対策と視認性確保による安全対策を両立させる観点から、プールサイドを含め、概ね半面程度を覆う仕様としており、設置する際には、学校ごとのプール環境に適した形で調整を加えながら設置しております。
要小学校は、既存フェンスの高さや形状により、他の設置校に比べてやや低い位置に設置されていることに加え、プールの水深の関係上、低学年は現在設置している側ではなく反対側で水泳指導を行っているため、遮熱シートの効果が十分に得られていないことが課題となっております。
こうしたことから、要小学校の遮熱シートにつきましては、来年度の水泳指導を行うまでの間に、必要な改善を行う予定です。
なお、他の設置校に対して設置後に聴き取りを行ったところ、要小学校と同様の状況には無いことを確認しております。
今後新たに遮熱シートを設置する際にも、予め学校ごとのプール環境を踏まえつつ、学校の要望も十分に聴きながら設置を進めることで、安全かつ快適な水泳授業の実施に努めてまいります。
次に、プールサイドの暑さ対策についてです。
各学校のプールサイドには遮熱性に優れたシートを接着しておりますが、近年の記録的な猛暑の中で直射日光が降り注ぐ場合には、その効果は限定的となっております。
そのため、いかにしてプールサイドに日陰を作り、直射日光を抑制することが出来るかが、非常に重要となります。
今年度設置を進めている遮熱シートは、プールサイドにも日影が拡張し、表面温度の上昇の抑制に寄与することから、残る未設置校につきましても、来年度の水泳指導に間に合うよう、今年度中の設置を進めてまいります。
一方、遮熱シートは原則としてプールの半面程度を覆うものですので、設置後、引き続きプールサイドの暑さに課題が生じる場合には、例えば、テントの設置による日陰のさらなる拡大や、ミストの設置によるプールサイドの温度上昇の抑制など、学校ごとのプール環境にあわせた対応について、検討してまいります。
次に、教室の暑さ基準値及び改築未定校の調査も含めた暑さ対策等についてです。
教室における温度の基準値については、学校保健安全法第6条に基づき文部科学省が定めた学校環境衛生基準において「18℃以上、28℃以下であることが望ましい。」とされております。この基準の達成状況を調査するため、毎年度2回、定期検査を実施しておりますが、1学期に行った検査では、いずれの学校もこの基準の範囲内となりました。しかしながら、昨今の猛暑日が続く状況下においては、測定条件により、必ずしも基準の範囲内に収まらない場合も想定されます。
要小学校の3階の普通教室については、試験的に一部の教室の窓ガラスに遮熱フィルムを貼付したほか、遮熱カーテンの設置も併せて行いました。一定の効果は感じられたものの、今年の夏が例年以上の猛暑であったこともあり、劇的な改善には至っておりません。
こうした結果を受け、さらなる遮熱対策について、他自治体の先進的な事例なども踏まえつつ、学校や施設整備課とも連携しながら、検討を進めてまいります。
また、要小学校以外の改築予定のない学校についても、学習環境整備計画を策定する過程において、教室の暑さ対策について様々なご意見をいただいており、今年度中に、屋上直下階の廊下や教室への遮熱カーテンの設置、空調機器の分解洗浄を前倒しで実施するなど、各学校の状況にあわせ対応したところです。
今後も引き続き、各学校の状況を的確に把握し、学校ごとの状況にあわせた対応を速やかに実施することで、子どもたちの快適な学習環境の実現に努めてまいります。
次に、学校体育館の断熱・遮熱対策についてです。
区立小中学校の学校体育館は、児童・生徒の教育活動での利用以外にも、学校開放や災害時の救援センターとしての利用など、地域の皆様にとっても、非常に重要な施設であると認識しております。
本区の学校体育館の空調は、その多くが令和元年度に整備した比較的新しい機器ですので、空調自体の性能には問題はありませんが、文部科学省が示すとおり、断熱性を高めることにより空調効率が良くなり、環境負荷の低減と光熱費の縮減が期待できます。
世田谷区の学校体育館で整備した遮熱シートについては、夏場の空調効率を高めるために有効な取り組みであると認識しておりますが、学校体育館の断熱・遮熱対策は、夏の暑さだけでなく、冬の寒さについても十分な効果が得られるようにする必要がありますので、実態把握に努めつつ、施設整備課とも連携しながら、遮熱シートの設置を含めた学校体育館の断熱・遮熱対策について、さらに研究を深めてまいります。
次に、「学び舎ぴいす」の今後の活用に対するご質問のうち、まず、千川中学校複合施設新築工事の進捗状況についてです。
本年7月の着工後、9月末までに敷地内における既存杭の引き抜き工事を終え、現在、新しい建物の基礎工事に向け、地盤掘削時の崩落などを防止するための山留工事を実施しております。
令和10年3月の竣工に向け、今後も施工事業者や施設整備課との連携を密にしながら、工事スケジュールの順守に尽力してまいります。
次に、学校開放などの地域団体による活用状況についてです。
千川中学校では、部活動や運動会等の学校行事で利用しない平日夜間や休日において、校庭や体育館を開放しています。
令和7年度は、ミュゼ・ダール吹奏楽団をはじめ14団体が利用登録をしており、校庭では、野球やサッカー、ソフトボール、体育館ではバドミントンやバレーボール、吹奏楽等の団体が定期的に利用しています。
次に、今後の「学び舎ぴいす」の活用方針及び検討状況についてです。
学び舎ぴいすは、西部地域の学校改築を行う際の仮校舎として活用するため、子どもたちや地域の皆様の大きな期待を受けて整備された施設です。そのため、将来的に西部地域の学校改築が計画に位置付けられるまでの間、子どもたちのための活用を第一に、地域の皆様にも開かれた施設として活用してまいりたいと考えております。
地域の皆様からは「室内で子どもが広く遊べるスペースを有する子育て応援施設」や「中高生の居場所」などの要望をいただいておりますので、そうした点を含め、現在、区長部局とも連携しながら検討を進めているところです。
千川中学校の新校舎は令和10年9月に開校する予定ですので、施設の有効活用の観点から、開校後、なるべく早期に暫定的な活用を実現できるよう、改めて地域の皆様や子どもたちの意見も聴きながら、検討を深めてまいります。
以上をもちまして、辻薫議員のご質問に対する答弁を終わります。
