令和 5年予算委員会 2月28日 議会・政経・総務費

 

 

令和 5年予算委員会 2月28日 議会・政経・総務費

②地域見守り支援防犯カメラ・特殊詐欺対策

○辻薫委員。次の質問に入ります。次は、総務費で、地域見守り支援事業について伺いたいと思います。

本事業については、今年度、町会や商店街からの防犯カメラの設置申請が当初予算を上回ってしまい、私の地元町会を含む、一部の町会からの設置申請を受理できなかったとの報告を受けまして、さきの決算特別委員会で私も取り上げさせていただいたところでございます。

新年度予算では、更新分も含めた設置需要を見込んでいるというふうに、拡充予算という認識でおりますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

○三國治安対策担当課長  そのとおりです。過去に設置された老朽化した防犯カメラの更新分も考慮しますと、今後3年間で約300台を超えるカメラの申請を見込んでおりまして、新年度予算では約2,500万円を拡充しております。

○辻薫委員  300台ですね、やはり更新時期を迎えてるということで、しっかりそうしたことも計算されての拡充予算ということで、もう本当、町会の皆さんからさらに設置したいというような要望も伺っております。

あわせて、決算特別委員会では、電柱使用料については、補助事業を受けずに取り付けた防犯カメラについても対象とするよう、これは町会連合会からの要望でございますけども、要望させていただきました。この点につきましては、いかがでしょうか。

○三國治安対策担当課長  この防犯カメラ補助事業につきましては、東京都の補助事業とリンクしておりまして、都の基準では、補助を受けずに設置した地域見守りカメラにつきましては、電柱使用料が補助できないこととなっております。これにつきましては、都に対して、御提言いただいているようなカメラにつきましても補助対象とならないか、引き続き要望してまいります。なお、次回、カメラを設置する際には、必ず補助事業を活用していただけるよう様々な機会でアナウンスをしていきたいと考えております。

○辻薫委員  都へ引き続き働きかけていただきたいと思います。

また、決算特別委員会では、防犯カメラ設置の具体的効果について伺った際に、危機管理監からは、私たちがテレビで見ているようなことの100倍もの効果があるとのお話を伺いました。狛江市の民家で1月に発生した強盗殺人事件では、犯人逮捕の決め手になったのが住宅付近の防犯カメラに映ったレンタカーの映像とマスコミで報じられていたところでございます。

豊島区では1,400台を超える防犯カメラが設置され、各地区を網羅していると伺っておりますけども、今後、さらに町会等の要望で新設する際の留意点をお聞かせいただければと思います。

○岡谷危機管理監  私が決算特別委員会で防犯カメラの効果は皆様が感じている効果の実は100倍ぐらいの効果があると申しましたことは決して大げさではございませんで、これまで数々の殺人事件、強盗事件をはじめとする多くの事件を実際に捜査の中枢で経験してきた者として、絶対に間違いないと断言できます。ただ、前回申しましたように、防犯効果をどのように活用して犯人検挙に結びついたか、あるいは、防犯カメラがあったことによって具体的にどのような犯罪を防ぐ効果があったかという類いの捜査の手法そのものは公にできない。なぜなら、これは悪いことを企てる者に対しては、教科書になってしまうので、防犯カメラに限らずですけども、捜査の手法に及ぶことについては公にしないというのが警察捜査の大原則であり、マスコミも理解しているところです。

したがいまして、テレビや新聞では、今、委員がおっしゃったように、付近の防犯カメラに映ったレンタカーの映像の解析でといった程度の報道しかされていませんが、単にリレー式に犯人の動きを見つけるだけではございません。今回の狛江事件のような殺人事件が発生すれば、捜査員は家にも帰らず、1か月も2か月も休みを取らず、ただただ被害者の無念を晴らすためにひたすら捜査に没頭します。今の時期ですと、子どもの卒業式も入学式もあるでしょう。だけど、それはやむを得ない。特に防犯カメラの解析に当たる捜査員は本当に夜も寝ないんです。泊まり込みで必死にカメラの画像を見詰めて、画像の本当に細かい部分のいろんなところから数々のことを読み取って、解析して、それを各種捜査に生かして犯人を突き止めていると。具体的にどういうことをしているのかってイメージつかめないかもしれませんが、申し訳ないが、これ以上はお話しできない。ただ、こういう解析作業の中で、この場所にもう一つ防犯カメラがあったら、ここのカメラがもうちょっとこっちの角度に向いていたらと思うことって、数々あります。皆さんは、街頭防犯カメラの画像を見ながら涙流したことはありますか。ないでしょう。私たちは本当に涙するんです。捜査員は、ここがこっちに向いてれば絶対、ホシ割れるんだって、被害者の無念に応えられるんだと、本当に泣いてます。それが刑事というものなんですね。私は、国際的な武装強盗団の捜査で、イギリス、スペイン、モンテネグロ、それからスペインなどに行きましたけど、フランスにも行きましたけども、ヨーロッパはすごいですよ。網の目のようにカメラがあって、死角がない。

ですので、今後防犯カメラにつきましては、引き続き設置促進、これは更新も含めてですけれども、設置促進に努め、町会や商店街のカメラの設置に当たりましては、限られた台数のカメラが効果的に設置できるように、つまり、カメラが既にあるところに同じようにつけても意味がないので、そういったことは警察とも連携して、効果的な場所に設置できるための支援をさせていただきたいと思います。そして、豊島区内で悪いことをしたら絶対捕まるという状況をつくり出すことによって、豊島区では他区にはできないような犯罪抑止に役立てる効果的な防犯カメラ設置に努めてまいりたいと考えております。

○辻薫委員  詳しいことは言えないと言いながらも、設置に向けてのまた参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

それで、今後の防犯カメラの管理運営について、提案でございますけども、町会、商店街では、各警察署の防犯カメラの画像提供への対応が大変であるという声を伺うことがございます。また、警察署としても、事件対応に迅速に対応する必要がある。先ほど危機管理監がおっしゃっていたとおりでございますけども、そういうところでは、十分理解するところでございます。

そこで、今後は、公園緑地課で推進している公園内防犯カメラ管理システムを町会、商店街が設置している防犯カメラにも導入するよう、これは検討ですけれども、要望いたしますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○三國治安対策担当課長  警察からの要望に対して、各町会の方々が非常に苦労されている話は聞いております。特にある区では、庁舎が管理するカメラについて、一定の部署で一括管理しているというようなところもあると聞いております。何が一番、住民の方に負担にならないかということについては、引き続き検討していきたいと考えております。

○辻薫委員  かなりなシステム導入になるので、すぐにはもちろん返事はないかなと思ってましたけども、まず、この今回のこの防犯カメラの設置の補助金額につきまして、拡充していただいた。これに大変に感謝したいと思います。その上で、今後、そうした取組も必要かなということで、提案をさせていただいたところでございます。

【特殊詐欺被害対策】

○辻薫委員  先ほども触れましたけども、狛江市の事件が連日報道される中、治安を心配される、特に高齢者の方々から防犯対策を聞かれることが多くなりました。2月26日にみらい館大明での救援センター開設運営訓練の際に、特殊詐欺への注意喚起を呼びかけるチラシを頂いたところでございます。

そこで、特殊詐欺被害状況について、本区におきます現状をお聞かせください。

○三國治安対策担当課長  豊島区における特殊詐欺の認知状況ですが、令和4年中ですと、認知は74件、被害総額は1億2,500万円となっております。前年度が61件でありましたので、増加しているところです。本年も現時点、手集計でありますけども、10件、約2,000万円の被害が発生しております。

○辻薫委員  金額にしても1億2,500万円ということで、膨大な金額になっておりますけれども、最後に、この特殊詐欺対策を進めていく中で、豊島区の取組についてお聞かせいただきたいと思います。

○岡谷危機管理監  特殊詐欺は絶対に封じ込めなくてはいけないと思っております。その理由は、現在世間を騒がせている連続強盗ですけども、あれは、特殊詐欺軍団がそのまんまシフトしております。したがいまして、今、委員おっしゃった救援センターの設置運営訓練につきましても、この前、こういうパンフレットをお配りしたんですけれども、最後、7分くらい、私の挨拶があるんですが、その中で、防犯講話的に高齢者の方、また、高齢者をお父さん、お母さんにお持ちの方に気をつけてくださいということをちょっとお話をさせていただいております。これからもあらゆる機会捉えて、そういった広報、啓発に努めてまいりたいと思いますので、土曜日でも日曜日でも夜でも、何かそういうこと、話ししてくれという御要望ありましたら、いつでもおっしゃっていただければ警察と連携して行います。

もう一つは、防犯カメラの抑止効果なんですが、私は、これまでいろんな事件を捜査して、また、池袋署長のときも放火あり、殺人あり、強盗ありでしたけども、全て凶悪事件は被疑者を捕まえましたが、実は被疑者を取り調べていくと、最初はここで火つけてやろう、あるいは、強盗やってやろうと思ったけども、まちの中に防犯カメラがあったから、こっちでやったんだというような供述をすることが多々あります。だけど、これも公にはできない。なぜかというと、悪いことを企てるやつにここでやると捕まる可能性あるけど、ここで犯罪すれば安心だということを植え付けてしまいますので、これも言いたくても言えないんです。こういう被疑者の供述を直接聞いている立場としては、街頭の防犯カメラがいかに犯罪の抑止に役立っているかということは痛いほど分かります。個人宅の防犯カメラの数倍、街頭防犯カメラは効果があります。私が担当した事件でも、個人宅に防犯カメラがついていたけれども、そのカメラをぶっ壊す、あるいは、ハードディスクごとデータを持ち去ってしまって、役に立たないということは数々ありました。しかし、街頭に取り付けられている防犯カメラを壊したり、データを持ち去るということは、まず不可能であります。もちろん個人宅についている防犯カメラも効果ありますが、街頭防犯カメラの効果はその比ではない。

したがって、特殊詐欺を封じ込める対策としては、2つです。1つは、警察と連携して、広報、啓発を地道に行う。もう一つは、区として防犯カメラの設置促進をさらに進めていくことだと考えております。前回申しましたように、私は防犯カメラの設置促進と反社会的勢力の壊滅というのは、ライフワーク、死ぬまでやりますので、今後も最大努力をいたします。よろしくお願いします。

○辻薫委員  命がけの取組に感謝申し上げたいと思います。