令和 5年予算委員会 3月 6日 文化商工・教育費 辻議員

【自閉症・情緒障害特別支援学級】

○辻薫委員  公明党の辻でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私は、最初に教育費について伺います。

まずは、自閉症・情緒障害特別支援学級について質問いたします。

私ども公明党豊島区議団は、令和3年8月、金子教育長に対しまして、区立中学校への自閉症・情緒障害特別支援学級設置について要望をさせていただきました。理由としては、平成29年度より、自閉症・情緒障害特別支援学級であるけやき学級が南池袋小学校に開室されまして、その後、その児童が中学校に進学した後に、普通学級でのこの生活に困難さを抱えて、不登校等の深刻な状況にあるという実態も見受けられまして、保護者からの要望があったところでございます。

そこで、要望書では、今、区立中学校の設置と併せて、けやき学級の拡大に向けて、複数級設置を要望しておりました。そして、この令和5年度より、池袋中学校と池袋第一小学校に開設するという決定をしていただいたことに、まずは高く評価させていただきたいと思っております。

そこで、質問ですけれども、もう改めて、この今回の設置に当たっての経緯や申込み状況等も御報告いただきたいと思います。

○野崎教育センター所長  令和5年の池袋第一小学校と池袋中学校の情緒障害特別支援学級の設置につきましては、その前年度に豊島区特別支援教育検討委員会で、情緒固定学級の設置をという決定がされまして、それに基づいて設置について決定をさせていただきました。

その後の経緯でございますが、令和4年、昨年の9月1日に広報としま等で区民に告知をし、そこから申込みをいただきました。昨年の12月6日に臨時の就学相談委員会を開催しまして、最終的に池袋第一小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級、こちらは、実は学級名はかしわ学級とさせていただきましたが、こちらのほうは3名の児童が、それから池袋中学校の自閉症・情緒障害特別支援学級、こちらのほうの学級名はE組とさせていただきましたが、現在、2名の生徒が入級することになっております。

○辻薫委員  ありがとうございます。

その学級の対象となる児童生徒というのは、全般的な知的発達の遅れがないということが一つの条件となっているために、原則、通常の学級と同じ内容の学習をするというふうに聞いておりますけれども、教員の配置や指導の仕方などはどうなっているのか伺いたいと思います。

○野崎教育センター所長  教員の定数につきましては東京都教育委員会が定めておりまして、池袋第一小学校につきましては、次年度は2名の教員が、そして、池袋中学校につきましては、次年度は1名の教員が配置されることとなっております。また、池袋第一小学校につきましては、1人の教員が複数の学年の児童を同じ教室で教えるなどして対応していく予定でございます。こちらにつきましては、既に南池袋小学校のけやき学級のほうで指導の仕方の実績がありますので、参考にしてまいりたいと考えております。

また、中学校につきましては、教科担任制のために、担任のほか、例えば東京都のお金でお願いしております時間講師ですとか、それから通常の学級の先生にもお願いする場面が出てくるかなと思います。また、それだけではなくて、区費で時間講師を採用し、各教科の指導に対応する予定でもあります。

○辻薫委員  特に中学校は初めてですので、その準備をしっかりやっていただいていると思います。

私の母校の要小学校におきましては、交流及び共同学習に関する研究が推進されておりますけれども、この自閉症・情緒障害特別支援学級においては、この交流及び共同学習をどのようにするのか、行っていくのかお聞かせください。

○野崎教育センター所長  この交流及び共同学習につきましては、障害のある子とそうでない子の相互のふれあいを通じて、豊かな人間性を育むことや教科等との狙いを達成することを目的としております。自閉症・情緒障害特別支援学級と通常の学級の間においても、交流及び共同学習については積極的に推進していきたいと考えております。

ただ、自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する児童生徒は、障害の特性上、集団適応や対人コミュニケーションにおいて課題があることが多いため、個々の児童生徒の実態を踏まえ、児童生徒本人、保護者、教員が十分に協議しながら実施していきたいと考えております。

○辻薫委員  この2校につきましては、開設初年度ということもあって、先ほどの児童生徒が少ないようなんですけれども、今後は、増加する見通しがあるかどうか、その点につきまして確認させてください。

○野崎教育センター所長  先ほどお話ありましたけやき学級も開級当初は4名でスタートしております。その後、徐々に増加していっております。なお、この自閉症・情緒障害学級につきましては、現在も区内外から問合せが来ておりまして、関心を持っている保護者は一定数いらっしゃるのかなというふうに考えております。

○辻薫委員  そうですね。私もお話を伺っていて、結構希望される方もいらっしゃるのかなという実感をしております。

それでは、他区では、この設置状況、いかがでしょうか。

○野崎教育センター所長  本区以外に8区が設置しております。そのうち、小・中学校両方に設置しているのが6区で、残り2区は中学校のみ設置している、そういう状況でございます。

○辻薫委員  この質問ちょっとまとめますけれども、自閉症・情緒障害の特別支援学級が増設されたということで、ニーズのある児童生徒の学びの場が確保されたということで、改めて感謝申し上げたいと思います。特に中学校においては、本区初となり、また小学校卒業後に安心して学べる場ができてよかったという思いでいっぱいであります。引き続き、特別な支援を要する子どもたちに寄り添った取組が充実していただきたい、充実させていただきたいと要望させていただきまして、質問、この質問を終了いたします。

【子どもスキップの運営費】

○辻薫委員  委員長。次に、子どもスキップの運営について伺います。

決算特別委員会でも取り上げました。その後、新年度予算の重点要望としても提出させていただいたところでございます。この新年度予算におきまして、子どもスキップの図書、遊具の購入費を増額していただきました。ここも高く評価させていただきたいと思います。

そこでまず、この予算額見たところでございますけど、どのぐらいになったのか、総額でどのぐらい増えたのか、また児童1人当たりの予算額は幾らになったのかお聞かせください。

○小野放課後対策課長  まず、令和5年度の増額分でございますけれども、総額508万7千円ということで、全体でいいますと1,011万9,000円ということでございます。これを児童1人当たりにいたしますと3,500円になります。これまでが1,557円でしたので、まさに倍になったというところでございます。

○辻薫委員  倍になったということで、大変にありがとうございます。

これはただ、他区と比べるとまだ少ないというような決算委員会での話でございましたけれども、これにつきましては、他区との比較ではいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  何とか倍増したわけでございますけれども、昨年の豊島区の調査でいいますと、23区平均で3,256円ですので、それをやっと上回ることができたというようなところでございます。

○辻薫委員  決算特別委員会では、区によっては5,000円を超えるようなところもあったというふうに記憶しているところでございますので、引き続き、この増額については取り組んでいただきたいと思います。

次に、この予算の執行について、子どもたちの意見を取り入れて、書籍や遊具を決めていく必要があるかなというふうに考えていますけど、この点につきましてはいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  せっかく増額になった予算でございますので、執行につきましては、子どもたちの意見だとか要望を取り入れて決定していくということは重要だと考えております。スキップでは、特に豊島区は子どもの権利条例ももう制定されておりまして、意見、子どもの意見を重要にするというルールで運営をしております。例えば、様々トラブルが起きたとき、スキップのルールをどういうふうにつくっていくかというような場合は、子どもたちによる子ども会議を実施しております。今後、遊具ですとか本、書籍を購入するに当たりましては、この子ども会議を実施しまして、決めていきたいと思います。ただし、なかなかそういう会議で意見を言えないお子さんもいらっしゃると思います。スキップの中には意見箱のような、ふだん意見が言えない子どもの意見を重要にする、そういったツールを使っているスキップもありますので、そういった多くのお子さんの意見を取り入れながら予算のほうは執行していきたいというふうに考えております。

○辻薫委員  ぜひとも子ども中心というんですかね、取組をお願いしたいと思います。

続いて、この職員体制につきましても決算特別委員会で取り上げさせていただきました。特にスクール・スキップサポーターのこの増員を要望しておりましたけれども、今回、3名増やすということでこの予算で聞いておりますけれども、ここにつきましても高く評価しているところでございます。

そこで、改めて、この増員をした背景について伺いたいと思います。

○小野放課後対策課長  スキップにおきましても、特別に支援を要するお子さんが多く利用するようになってまいりました。5年前に比べまして、今年度、このような支援を要するお子さんは2倍になっていると、平均しますと、各スキップに4人から5人ぐらいいらっしゃるということでございます。それの中で、放課後、一人遊びにならないように、しっかりと職員が対応するということ。それから、やはり何といっても、学校との連携は、これは重要であると認識しております。この子どもスキップ、スクール・スキップサポーターは、午前中は学校の授業の支援、午後はスキップの支援ということで切れ目のない支援ができるというふうに考えておりますので、今回増員をしたというところでございます。

○辻薫委員  一方、このスクール・スキップサポーターですけれども、学校での取組と、またスキップでの取組とということで、ややもすると、何かちょっとどっちつかずになってしまっているというようなお話も伺っております、現場でですね。そこで、スクール・スキップサポーターのこの役割というところでは、どのようにスキルアップをしていくのか、この点につきまして確認させていただきたいと思います。

○小野放課後対策課長  現在は、各学校、スキップも含めてですけれども、各施設1名体制ということで、なかなかこう横のつながりができないということがございます。そういった中で、やはり研修制度をしっかりと充実させることが必要だというふうに考えております。新任の研修はもとより、スクール・スキップサポーターの専門研修というのを、これは各所長さんたちが中心になって、現場の声を聞きながら、手作りで研修をつくっております。事例検討ですとか、ふだん困ったことをみんなで共有するというような研修でございます。少なくとも、各学期ごとに実施するということ。それから、これ、3ブロックに分けまして、それぞれのブロックでスクール・スキップサポーターが集まりまして、事例を持ち寄りまして、検討するといったようなきめ細かな対応なんかも、今、やっているところでございます。いずれにしましても、職員の一人一人のスキルのアップというのは重要だというふうに考えております。

○辻薫委員  ぜひよろしくお願いしたいと思います。

それで、子どもスキップは、人員不足が常態化しているということで、この間もちょっとお話伺ったときには、もうこれ以上続けることはできないというような方もいらっしゃいました。正直言って、結婚をされて、このまま引き続きというようなところで、また別の仕事もやりながらとかというような話も伺って、大変苦労されているようなことを伺いました。新たなこの職員の採用もしていると思いますけれども、現在働いている職員の勤務日数を増やすことで人員を確保することも考えられます。

さきの一般質問で高橋議員からは、会計年度任用職員の学童指導補助の勤務日数を拡充することで人員を確保するよう提案させていただきましたけれども、この点につきましてはいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  高橋議員から一般質問を受けたところでございます。今、御指摘ありました会計年度の補助さんなんでしょうか、指導補助でございますけれども、まさに短時間で、本当に忙しい時間に入っていただいている非常に重要な職でございます。現在は、月、上限で16日の勤務というふうになっております。週でいきますと週4日平均でございます。職員によりましては、もっと働けますよという方がいらっしゃるということでございますので、この上限を、16日を18日、あるいは20日というふうに増やしていけば、おっしゃるとおり、職員の確保、人材確保につながっていくのではないかということで、今まさに検討しているところでございます。

ただし、日数が増えますと、社会保障などもこう入ってまいりますので、その分、今度は社会保険料で引かれたりいたします。そういった手取りが減らないような、そんなことも考えながら、今後検討してまいりたいというふうに思います。

○辻薫委員  一人一人よく聞いていただいて、対策を練っていただきたいと思います。

そこで、来年度の予算の中に無線機器整備経費とありますけれども、この点につきましてはいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  まさに一人一人の働く、そういった効率的な働き方も重要になってくるのかなというふうに思っておりまして、こちらは、各職場に複数台トランシーバーを配置いたしまして、離れた場所でも情報が一斉に伝わるように、あるいは相互に連絡が取れるようにといった理由から導入するものでございます。災害時、あるいはお迎えの保護者への対応といったところで、一人一人の職員が機動的に活動できるようにといった目的に導入するものでございます。

○辻薫委員  私、昨年、要スキップ行って、ここはセカンドともいっぱいになってしまって、今度はサードスペースに行く際に、別棟になっているもんですから、人員確保できず、使えないといった話がございました。そういった意味で、そういう誘導だとか、その運営にもこれは使っていくという理解なんですけど、いかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  まさにそのとおりでございまして、今までは、なかなかこの通信の方法がなかったという中では、このトランシーバーが活躍、活用できるのではないかというふうに思っております。

○辻薫委員  よろしくお願いいたします。

それじゃあ、最後に、この来年度に向けたこのスキップの運営につきまして、決意というか、取組につきまして伺いたいと思います。

○澤田教育部長  ありがとうございました。

区として、書籍、遊具の購入については、本当に大きく増やすことができましたので、先ほど課長の答弁にもありましたが、子どもたちの意見をよく聞いて、こちらを充実していく。また、働いている方が働きやすい環境づくりとしましては、選択肢を増やすという意味で、前向きにこれも検討させていただきたいと思っております。

そして、今後についてですが、支援が必要な子ども、また児童、ヤングケアラーなど、様々な課題もございますので、区直営で福祉職の職員が従事しているという強みを生かして、放課後対策の充実に向けて、こちら取り組んでまいりたいと考えてございます。