令和 4年決特委員会 全部の補足10月17日 辻議員
セーフコミュニティ推進事業
○辻薫委員 どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、セーフコミュニティ推進事業について伺います。
令和4年度は3度目の認証を予定しておりますけれども、本年7月にはオンラインにより現地審査が行われ、私も幾つかの対策委員会の審査を傍聴させていただきました。そこで、まず、認証審査ではどのような評価を受けたのか、お聞かせください。
○ぬで島セーフコミュニティ推進室長 セーフコミュニティの認証を受けるためには、まず、事前に海外審査員からの審査に合格する必要がございます。今年の7月27日から29日の3日間にかけて審査を行ってございます。この期間、コロナの第七波が猛威を振るっている時期でございましたので、残念ながら海外審査員はZoomによるリモート参加になってございますけれども、9つある対策委員会、全てにおいて時間内では収まらないほど活発なディスカッションが繰り広げられてございました。最終日の委員講評では、10年前と比較いたしまして大きく前進していると、豊島区のこの経験と成果を日本国内だけではなくて、ぜひ海外の自治体にも共有してほしいといった高い評価をいただきまして、その場で認証の内定という言葉をいただいてございます。
○辻薫委員 私も参加していて、本当に前向きな審査員の意見も伺いました。再々認証式は、11月1日の区制施行90周年の式典の中で行うということで伺っております。
この豊島区セーフコミュニティ推進協議会には、9つの対策委員会があります。現地審査の傍聴の際に頂いた委員会の資料には、各委員会はセーフコミュニティ活動を通じて、SDGsの達成に貢献していますと記載されておりましたけども、このセーフコミュニティ活動とSDGsの取組の関係性については、どのようになりますでしょうか。
○ぬで島セーフコミュニティ推進室長 SDGsの17のゴールですね、こちら、区の全ての施策、また、事業に密接に関わってございますので、一見するとSDGsはセーフコミュニティより広い概念と思われがちなんでございますけれども、SDGsがセーフコミュニティを包含するというよりは、大小の関係というよりかは、むしろこの10年間、セーフコミュニティにより培われてまいりました安全・安心、このまちづくりの基盤の上に今SDGsがあると考えてございます。この安全・安心が確保されているからこそ、SDGsという大きな目標にチャレンジが今可能となっているのではないかというふうに考えてございます。
○辻薫委員 2012年の国際認証取得から10年が経過して、この10年でどのような成果が得られているのか、全部確認したいところなんですけども、今日は2つの委員会に絞って確認させていただきます。
最初に、子どものけが・事故予防対策委員会ですが、特に乳幼児の取組について伺いたいと思います。
○大須賀長崎健康相談所長 乳幼児の家庭のアンケート結果から、医療機関にかかるけがの事故の半数が転倒、転落を占めていることが分かりました。これまでもけがの予防対策のチラシ等ありましたが、対策委員会では、転倒、転落防止策に特化したチラシを作成することになりました。発達の目安やどのような場面で転倒、転落が生じたか、その防止策をイラスト等で分かりやすく制作するように話し合い、取り組みました。対策委員会では、例えば体育館のおむつ交換台の横に掲示したらよいなどの御意見をいただいて、取り組んでおります。この10年間の取組として、家庭での事故予防策の実施率がこの10年間で1歳6か月で約16.6ポイント、3歳児で22.2ポイント上昇いたしました。
○辻薫委員 私も10月15日に長崎小学校で行われましたこころまつりの会場で、その作成されたチラシを見ましたけども、非常に分かりやすくなっております。
また、もう一つの委員会でございますけれども、自殺・うつ病の予防対策委員会での取組については、いかがでしょうか。
○植原池袋保健所長 自殺対策として、自殺・鬱予防対策のセーフコミュニティ委員会を年に2回開催をしておりまして、こういったセーフコミュニティの活動の成果と実績を生かしまして、平成31年3月に豊島区の自殺対策計画を改定しまして、その中で、重点対象を子ども、若者、中年期に設定しております。具体的な施策としましては、鬱病に関する相談や受診、そういったことの、鬱病の周知ということで、9月と3月に自殺対策月間があります。その中でキャンペーンを張りまして、広報に載せるとか、気をつけて、「気づいてください!体と心の限界のサイン」というタイトルで広報に載せたり、また、中央図書館、保健所のほうでパネル展示を行っています。また、昨年の3月には、東武鉄道とタイアップしまして、池袋保健所で鬱病、自殺対策のリーフレットを配付しております。また、主に力を入れている事業としまして、ゲートキーパーの養成講座がありまして、自殺については、健康問題とか、経済と家庭問題、様々要因が絡まって起きると考えられているわけですが、その連鎖を断ち切るということで、周囲の人の変化に気づき、声をかけ、必要な支援につなげる人のことを指しておりまして、保健所では、ゲートキーパー講座を開催していまして、民生委員・児童委員、区民、教職員など、様々な切り口で講座を開催をしております。今年度については、既に新規採用職員、生活福祉課職員の講座を行っておりまして、11月29日には区民向けの講座の開催を予定しております。
○辻薫委員 様々な方から、そういう意味では、対策をしていただいているというふうに感じております。
2009年第3回定例会で私は、当時、日本の自殺者数が11年連続で3万人を超えていたことから、自殺予防対策の強化を要望いたしました。高野区長からは、セーフコミュニティという認証制度があり、これは、事故や疾病は偶然の結果ではなく予防できるという理念の下、地域住民と行政等が協働して安全・安心対策に取り組む自治体を認証する制度であり、私は自殺予防対策についてもこうした認証制度も視野に入れながら、健康都市、そして安全・安心都市の実現に向けて、豊島区から取組を積極的に進めていきたいとの御答弁をいただいたわけでございます。私もこのセーフコミュニティについては、その質問する前に、自殺者が多い青森県十和田市の自治体が実際に認証取得をしていたのは知っておりましたけども、真っ先にその場で区長から答弁いただいたことに正直言ってびっくりしたところでございます。翌2010年には早速認証取得宣言が行われ、2012年11月に東京都で初のセーフコミュニティ国際認証を取得したところでございます。そして、この10年のセーフコミュニティ活動により、豊島区の安全・安心なまちづくりが確実に進展したとともに、私は認証取得の条件として、分野横断的な共同体制が求められ、構築してきたことから、現在のオールとしまの体制が出来上がったものと高く評価しているところです。
そこで、今後セーフコミュニティをさらに充実させるためにはどのような課題があると考えているのか、お聞かせください。
○ぬで島セーフコミュニティ推進室長 ありがとうございます。ただいま委員がおっしゃっていただいたとおり、まさにこの10年間、セーフコミュニティを旗印に、地域の皆様、また、警察をはじめとした関係機関と本区が一丸となって取り組んでまいりました。80周年で始めたセーフコミュニティによって連携の基盤が形成されて、これがオールとしまにつながって、また、SDGs、さらには90周年につながっているものと考えてございます。今後、このセーフコミュニティをさらに充実させていくためには、これは審査委員からも指摘がありましたけれども、子ども、高齢者、障害者といった分野に今まで以上に横串を通しながら、同時に、若い世代をどうやって取り込んでいくのかというのが大きな課題だろうというふうに考えてございます。したがいまして、より積極的に地域区民ひろばを活用しながら、さらなる推進を図ってまいりたいと考えてございます。
○辻薫委員 私も審査員の言葉で、特に若い世代への取組ということが非常に重要であるということを感じたところでございます。
最後になりますけども、セーフコミュニティの初認証から10年、区制施行90周年を迎えた今、100周年へ向けて、さらに安全・安心で誰もが主役となれるまち、としま新時代を目指しての決意を伺って、私からの質問を終了させていただきます。
○高野区長 今御質問をいただきまして、私の答弁も含めて、大変本当にまた思い出して、まさに10年前、80周年、何をテーマにこれからの豊島区をつくり上げていくかというときに、やはり安全・安心なまち、これ、全てのまちづくりの基本でありますので、これに正面から取り組もうという、まさに辻委員が一般質問でなさったときが私がセーフコミュニティというものに対して強い関心を持ったきっかけでありまして、それから、それぞれの国際認証に向けて、本当にオールとしまでぶつかってきたわけです。しかも、その委員会も10の委員会で、さらに加えて、セーフスクールというような、学校にもこういうことが、次の世代をしょって立つ人たちにもこういう安心・安全で、そういうまちづくりというようなことを取り組んでもらえるというのは、非常に大きな効果にもつながってきたのではないかと思っております。改めて、もう10年前、いよいよ今回90周年で3回目の更新になるわけでありますけど、本当に安心・安全が全ての基本につながっているというような形の中では、大変大きな大きな成果でもあり、これからもより一層、このセーフコミュニティというものが、本当にオール区民で、それぞれの委員会がしっかりとサポートしながら、そういうまちづくりしていくという面では、私は他の自治体にないすばらしい取組を誇りに思っています。これからもこの気持ちをさらにさらに発展をさせて、区民の皆さんに本当に安心・安全に豊島区であるというようなことをもう本当にしっかりと、しっかりと認識してもらって、共に歩む、そういう豊島区をぜひつくり上げてまいりたいと思います。ありがとうございました。