平成30年決算特別委員会 公明党意見開陳
平成30年10月25日
公明党 辻 薫
公明党の辻薫でございます。私は、公明党豊島区議団を代表致して、平成29年度一般会計決算並びに、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計の3特別会計決算を認定することに、賛成する立場から意見開陳を致します。
初めに、円滑公平な運営に努められました池田裕一委員長並びに村上典子副委員長の労に、感謝を申し上げます。また、理事者の皆様には、資料要求をはじめ事前調査に快く応じて頂き、私どもの質問に対しその意を酌まれ、丁寧にご答弁頂きましたことに心から御礼を申し上げます。
さて、平成29年度決算に当たり私ども公明党は、1. 区民の目線に立った行政運営がなされているか、2. 豊島区を取り巻く、時代の変化に的確に対応した事業展開となっているか、3. 安定的・持続可能な財政運営がなされているか、4. セーフコミュニティ国際認証都市としての安全・安心の取り組みがなされているか、を主眼に、慎重かつ厳正に審査に臨みました。
先ずは、平成29年度予算について、簡単に確認の意味も含めて触れさせて頂きます。予算編成時の日本経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続いて見られるものの、海外経済は、中国経済の減速やイギリスのEU離脱問題、アメリカ合衆国の新政権の動向などにより、一段と不確実性が増しており、決して楽観できる状況にはありませんでした。
こうした状況のもと編成された平成29年度の一般会計当初予算規模は、1,167億1百万円、前年度比51億7百万円の減、4.2%のマイナスでした。前年度比で減となったのは5年ぶりでしたが、過去2番目に大きな規模でした。特別会計を含めた総財政規模は、1,815億9百万円、前年度比30憶78百万円の減、1.7%のマイナスでした。ただし、特別会計だけで見ると、3会計とも過去最大を更新していました。
29年度予算の特徴として区は、持続発展都市に向けた4つの柱を中心とした、227事業、約80憶9千万円の新規拡充事業を実施する積極的予算である一方、4年連続で財政調整基金の取り崩しをせずに予算を編成することが出来た堅実的な予算としていました。
そして、平成29年度決算についてですが、一般会計の決算額としては、歳入が前年度比6.3%減の1,201億14百万円で、歳出は6.6%減の1,172億86百万円となり、決算規模が対前年比で減となるのは2年連続です。歳入、歳出決算額とも最近10年間では4番目に高い額となりました。
決算規模縮小の主な要因としては、前年度は3校の学校改築の竣工が重なったことがあげられます。
ここからは、本委員会での質疑について取り上げます。
総括質疑では、先ず、財政指標について伺いました。特に、経常収支比率については、平成27年度以降上昇傾向にあり、監査委員会からも指摘を受けていることから質問しました。理事者答弁により、私ども公明党も毎回の決算、予算で要望し続けてきた待機児童ゼロ達成へ向けての本区の積極的な取り組みの現れでもあると理解したところです。
歳入面からは、法人住民税の一部国税化などの、いわゆる「不合理な税制改正」の区財政に与える影響と現在の対応状況について確認しました。現時点で、40億円、消費税10%段階では55億円の減収が見込まれることから、引き続き特別区長会と連携し、国に対して地方税財源の充実強化を求めるよう要望致します。
また、財源の確保が課題となる中、来年度からの新たな歳入ということで(仮称)森林環境税が創設され、(仮称)森林環境譲与税が自治体に譲与されることについて内容を確認致しました。
総括質疑の最後に、今後、東アジア文化都市2019まちづくり記念事業でさまざまな投資事業を展開していく中で、こうした投資事業を今、実施することの必要性を区民にわかりやすく説明する必要があることから、例として、新公会計制度の導入により今回試行的に作成された事業別実績シートのようなものを活用し、事業の見える化を図るよう要望致しました。
以下款別ごとに、具体的な提案も含め、特筆すべきことを述べさせて頂きます。
最初に、議会費・総務費について申し上げます。
- 防災対策として、先ずは、小中学校体育館の冷暖房化に併せて、救援センターであるみらい館大明と西部区民事務所の体育館の冷暖房化も要望致します。
・防災地図については、本年7月に発行されたにもかかわらず、3月に完成したみたけ通りが反映されていないことを指摘させて頂きました。また、地図の多言語化と、各家庭で張り出し、日頃から目に触れることが可能なサイズにするなど工夫をお願い致します。
・防災行政無線の同報系無線の多言語化と、要配慮者への個別受信機の配布を検討願います。
●安全・安心の取り組みについては、自動通話録音機の追加貸与、防犯カメラの全町会設置を目指し、ランニングコストの補助についても検討をお願い致します。
- セーフコミュニティについては、引き続き区民ひろばでの活動を定着させ、学校との連携を強化し、豊島区らしい安全・安心まちづくりをお願い致します。
- 電柱やトランスを活用した案内サインについて、区として積極的に活用するよう要望致します。
●多文化共生事業については、特に職員の研修やアプリを活用した対策を要望致します。 - これまでの消防団に対する区の協力に感謝申し上げます。分団倉庫の整備が進んでいない各分団に対しては、情報提供など支援をお願い致します。
次に、福祉費・衛生費です。
待機児童対策については、事業主体が多様化していることから区の役割は極めて重要です。指導・監督に努め保育の質を確保し、引き続き待機児童対策に取り組まれるよう要望致します。
- 訪問型病児保育補助事業については、共働き子育てしやすいまちNO.1の本区として、学童クラブ登録児童も利用出来るよう対象者の拡大を要望致します。また、診療所を含む施設型病児保育についても、保育の質の向上からも、さらなる増設を要望致します。
- 子どもの発達支援については、個別指導が常に不足状況にあるため、子ども発達支援センターの設置検討も含め、拡充に取り組まれるようお願い致します。
- 重度心身障がい者居宅介護については、介護者の緊急時の見守り事業や、介護者の休養助成等、安心して介護ができる制度の拡充を望みます。
- 介護予防センターについては、現状と課題を踏まえ、来年度開設予定の多機能型フレイル予防センターでの取り組みに活かしていくと共に、各地域での展開を要望します。
・「高齢社会対策プロジェクト」については、人口構造の推移により、2025年以降、高齢者の急増から現役世代の急減に局面が変化することを踏まえ、オールとしまで持続可能な仕組みを構築されることを要望致します。
- 「がん対策」については、胃がんの内視鏡検診による検診率アップを評価致します。抗がん剤の副作用で脱毛に悩む女性用ウッグや乳がん手術後の胸部補正具の補助事業の創設を要望致します。
次に、環境清掃費・都市整備費・土木費です。 - 移動支援については、区民から強い要望が寄せられています。特に高齢者等が社会参加するには移動支援が不可欠であるため、電気バスの区内拡大等も含めた取り組みを要望致します。
- 住宅対策については、新たな家賃助成制度の創設と、区が関係機関に働きかけセーフティネット住宅の登録住宅を推進し、住宅確保要配慮者の入居を促進されることを望みます。
- 耐震改修助成については、4m道路に接道していない建物は不適格建物となり、助成対象外として残ってしまうため、要件緩和を検討願います。また、このような木密対策として、耐震シェルターの要件と助成額を拡充されることを要望致します。
- 町会防犯灯については、LED化による電気料金の削減が見込めるため、LED化助成制度の創設をお願い致します。
- フードロス削減対策については、家庭への意識啓発の更なる促進と、「食べきり協力店」制度等の導入や「フードレスキュー」等の推進で、事業者の意識啓発にも取り組むことを要望致します。
- 木密解消沿道街づくり補助172号線の残地の取得に、URを活用することでスピードアップがはかられるようになりました。小規模共同化等様々な手法を提示しながら引き続きの努力をお願い致します。
- 水害対策としては、今後、ハザードマップによる広報と共に、被害が出る地域は決まっているため、70ミリ対応の早期実現へ向けて取り組むようお願致します。また、近隣区で実施している「止水板工事の助成事業」の創設も要望致します。
●平成29年度に実施した路面下空洞調査計画とその実施要領の策定は、全国初のことであり、本区の事前防災の取り組みを評価致します。工事関係者の安全性の確保からも「施工時期の平準化」の促進と「年間工事発注予定との乖離」の改善を図るよう要望致します。
次に、文化商工費・教育費です。
- オリンピック・ラリンピック気運醸成事業については、特に区内パラアスリートと区民の交流の場を設け、選手の応援と併せて、パラスポーツと障がいへの理解が深まるよう要望致します。
- 2019年10月の消費税10%引き上げ後に、プレミアム付き商品券の発行を要望致します。駆け込み需要とその反動減を抑える需要の平準化を図る取り組み
であると共に、本区では東アジア文化都市開催の秋のコア期間でもあり、ハレザ池袋、池袋西口公園のリニューアルオープンに加えて、全区的な取り組みとなるよう要望致します。先日、安倍総理は2019年10月に予定通り、消費税を10%に引き上げると明言されました。消費税の引き上げ時のポイントの一つとして、教育費の負担を軽くするための幼児教育の無償化を実施することで、納税世代に理解を得る取り組みが必要であると考えます。
もう一つのポイントとしては、駆け込み需要とその反動減を抑える需要の平準化を図る取り組みが必要であると思います。
そこで公明党は、2019年10月の消費税10%引き上げ後に、プレミアム付き商品券の発行を検討すべきと考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。
3.プレミアム商品券については、単に商品券を発行することだけではなくて、やはり発行に合わせた商店街のイベント等を積極的に開催していく必要があると思っております。また、消費喚起のために広報宣伝、先ほど取扱店の広報とかということもありましたけれども、むしろこの商品券を使ってもちろん地域の活性化ということあるんですけれども、具体的にそういう取り組みをお願いしたいと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○生活産業課長 この発行に合わせたイベント、例えば商店街のイベントで申し上げますと、商人まつりなどが一番大きいものかなというふうに思っておりますが、およそ5月の前後にございますので、そういったものとタイアップするということはあるかと思います。それから大型店のさまざまなイベントにつきましても、従来から新庁舎の落成に合わせて5月ごろにやりたいというような大型店の意向もあると伺っておりますので、こういった時期が重なればまた相乗効果ということもあるかと思います。大型店では使えないところも多いんでございますが、それでも池袋に来街される方が使っていただくということもあると思いますので、相乗効果は期待できるのではないかと思っております。
先日、安倍総理は2019年10月に予定通り、消費税を10%に引き上げると明言されました。消費税の引き上げ時のポイントの一つとして、教育費の負担を軽くするための幼児教育の無償化を実施することで、納税世代に理解を得る取り組みが必要であると考えます。
もう一つのポイントとしては、駆け込み需要とその反動減を抑える需要の平準化を図る取り組みが必要であると思います。
そこで公明党は、2019年10月の消費税10%引き上げ後に、プレミアム付き商品券の発行を検討すべきと考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。
3.プレミアム商品券については、単に商品券を発行することだけではなくて、やはり発行に合わせた商店街のイベント等を積極的に開催していく必要があると思っております。また、消費喚起のために広報宣伝、先ほど取扱店の広報とかということもありましたけれども、むしろこの商品券を使ってもちろん地域の活性化ということあるんですけれども、具体的にそういう取り組みをお願いしたいと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○生活産業課長 この発行に合わせたイベント、例えば商店街のイベントで申し上げますと、商人まつりなどが一番大きいものかなというふうに思っておりますが、およそ5月の前後にございますので、そういったものとタイアップするということはあるかと思います。それから大型店のさまざまなイベントにつきましても、従来から新庁舎の落成に合わせて5月ごろにやりたいというような大型店の意向もあると伺っておりますので、こういった時期が重なればまた相乗効果ということもあるかと思います。大型店では使えないところも多いんでございますが、それでも池袋に来街される方が使っていただくということもあると思いますので、相乗効果は期待できるのではないかと思っております。
先日、安倍総理は2019年10月に予定通り、消費税を10%に引き上げると明言されました。消費税の引き上げ時のポイントの一つとして、教育費の負担を軽くするための幼児教育の無償化を実施することで、納税世代に理解を得る取り組みが必要であると考えます。
もう一つのポイントとしては、駆け込み需要とその反動減を抑える需要の平準化を図る取り組みが必要であると思います。
そこで公明党は、2019年10月の消費税10%引き上げ後に、プレミアム付き商品券の発行を検討すべきと考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。
3.プレミアム商品券については、単に商品券を発行することだけではなくて、やはり発行に合わせた商店街のイベント等を積極的に開催していく必要があると思っております。また、消費喚起のために広報宣伝、先ほど取扱店の広報とかということもありましたけれども、むしろこの商品券を使ってもちろん地域の活性化ということあるんですけれども、具体的にそういう取り組みをお願いしたいと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○生活産業課長 この発行に合わせたイベント、例えば商店街のイベントで申し上げますと、商人まつりなどが一番大きいものかなというふうに思っておりますが、およそ5月の前後にございますので、そういったものとタイアップするということはあるかと思います。それから大型店のさまざまなイベントにつきましても、従来から新庁舎の落成に合わせて5月ごろにやりたいというような大型店の意向もあると伺っておりますので、こういった時期が重なればまた相乗効果ということもあるかと思います。大型店では使えないところも多いんでございますが、それでも池袋に来街される方が使っていただくということもあると思いますので、相乗効果は期待できるのではないかと思っております。
- 学齢期における歯と口腔の健康づくりについては、小学校における歯ブラシ支給の拡充及び、中学校でのデンタフロスの導入により、児童生徒の虫歯予防が図られると共に、家族の意識啓発にもなることから、より一層の取り組みを要望致します。
- 特別支援教室の巡回指導の拡充と、教育支援員については学校の要望を十分に聞き対応することを要望致します。
- 学校のブロック塀改修については、早急に着手すると共に、通学路のブロック塀対策についても、引き続き所有者に改修を働きかけるよう要望致します。
- 図書館の本の装備については、障がい者雇用に繋がるよう積極的に検討されまた、雑誌スポンサー制度についても、新たな制度として導入することを要望致します。
- トキワ荘再現にむけて、工事中の地域行事の確保、公園代替え地の整備と地域への説明を要望致します。
- 椎名町周辺の伝統文化・長崎獅子舞への支援を望みます。
- 小中学校のいじめ対策として、SNSによる子どもの被害を防止するためSNSの負の面を教えるメディア教育を要望致します。
次に、歳入について申し上げます。
- 区民税、国保などで収納体制を常に刷新し成果を挙げていることを評価致します。集会室やスポーツ施設の申し込みのシステムの統合化と利用料金の支払いのICT化の検討を要望致します。また、区の自転車駐輪場の月極めの支払いが、1ヶ月のみであり、近隣の新宿区は3ヶ月、6ヶ月、1年の支払いが可能です。区民との信頼関係を深めるためにも、複数月支払いシステム導入を要望致します。
次に、特別会計についてです。
- 国民健康保険事業会計については、糖尿病重症化予防事業とジェネリック医薬品利用促進を図り、保健福祉部等関係各課と連携し、「すべての人にやさしいまち」を目指し、総合的に取り組むようお願い致します。
以上、縷々意見を述べさせて頂きましたが、冒頭に述べた私どもの審査上の4つの指標から申し上げますと、1番目の「区民目線にたった行政運営」と、4番目の「セーフコミュニティ国際認証都市としての安全・安心の取り組み」については、款別審査において個別の事業を通して確認することが出来ました。
また、2番目の「時代の変化に的確に対応した事業展開」との視点では、消滅可能性都市との指摘を受けて、持続発展都市への転換を図るための事業を積極的に展開し、子どもと女性にやさしいまちづくりなど4つの柱が着実に進展していることを確認させて頂きました。
もう一つの指標である「安定的・持続可能な財政運営」については、総括質疑でも一部触れましたが、財政力指数をはじめとする各種財政指標が、いずれも適正な水準を維持していることから、本区における財政運営の健全性は十分に保たれているものと評価するところです。
最後に、今後とも安定的で持続可能な身の丈に合った財政運営にご努力頂くとともに、一方で、必要とする区民に対して、必要なサービスが的確に提供されますよう、ご尽力頂くことをお願い申し上げ、平成29年度決算における認定に際し、意見開陳と致します。
ご清聴、ありがとうございました。