平成30年第四回定例会一般質問 木下広

希望溢れる元気な街豊島をめざして

豊島区議会公明 木下 広
平成30年11月27日登壇

 

私は公明党豊島区議団を代表として「希望溢れる元気な街豊島をめざして」と題して、1.平成31年度予算編成と今後の行財政運営について。2. 本区のICT戦略、住民行政サービスについて。3.防災・減災・浸水対策について。4.その他として、消費税10%の税制改正に伴う区の対応について。女性特有のがん患者支援のアピアランスケアについて。質問させていただきます。

私ども公明党は、この4月より国会議員から地方議員まで全国約3,000名の議員が地域に入り、一軒一軒訪問してアンケート調査を行う「100万人訪問調査」運動を行いました。アンケートは、介護、子育て、中小企業、防災・減災の分野です。 大勢の方から様々な生活現場の貴重なご意見を伺いました、本日の一般質問では一対一の区民との対話の中で頂いたご要望、お叱りの声等区民の生の声を元に質問させていただきます。区当局の積極的な答弁を期待しながら質問に入ります。
最初に大きな項目の1つ目、平成31年度予算編成の基本的な方向性、考え方について伺います。区長が就任された平成11年は財政のどん底の状態でバトンタッチされスタートされまた。そこから文化を中心とした街づくりを掲げながら、勇気を持って行財政改革に取り組み、どん底の区財政の再建と区民需要に応える困難な道を努力を重ね、すすめてこられ、29年度の決算では消滅可能性都市から,持続発展都市に「子育て」「福祉」「教育」「防災」生活の基盤をなす政策を実現し、「芸術文化劇場」「東アジア文化都市」国内候補都市の決定など、将来に向けた、輝かしいまちの魅力と価値を大きく高める決算となっており、これまでの高野区長の英断とリーダーシップ、実行力に我々も大いに評価するものであります。

今後、百年先を見越した新しい街整備を推進していくには、投資的経費の増大と膨大な区有施設の改修改築“長寿命化”の需要双方を視野に入れなくてなりません。我々公明党区議団としても様々な機会で確認させていただいているとおり、血のにじむ努力で築き上げた今日の財政健全化を維持しながら、将来の区民需要行政需要にどう応えていくのか?区のかじ取りが大いに重要になってきます。

歳入においては、日本経済の緩やかな回復傾向による収入増や課税人口の増加がどこまで続くか不透明な状況でもあり、加えて法人住民税の国税化の影響、ふるさと納税による個人住民税の流出、地方消費税生産基準の見直しよるさらなる減収の可能性もあり、予断を許さない現状であります。歳出においては子育て支援関連の拡充、扶助費の増大、超高齢社会の医療・介護給付への繰り出し金の増大、国際アートカルチャーの拠点としてのHareza池袋、周辺整備とランニングコストの負担、4つの新しい公園整備、池袋駅東西デッキ等など百年先の街づくりへの投資的な支出が明らかとなっています。

そこでうかがいます、これまで積み上げてきた財政健全化を維持させながら、持続発展都市に向けた行政需要にどうのような姿勢で取り組まれて行こうとされるのか、基本的なお考えをお示しください。そして、区の方向性を区民の方々に理解していただくことは最重要課題と考えます。あらゆる機会を通しながら区民に説明責任を果すことを、全職員が一丸となって積極的に取り組まれことを要望します。

区民に説明責任を果し理解を求める作業についてどう取り組んでいかれるのかうかがいます。

高野区長答弁
ただいまの、木下広議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

平成31年度予算編成と今後の行財政運営についてのご質問のうち、まず、持続発展都市に向けた行政需要に取り組む姿勢についてのご質問にお答えいたします。

4年半前の「消滅可能性都市」の指摘以降、本区は「持続発展都市」への転換を図るため、4つの柱を中心に、安心して住み続けられるまちの実現に向けた施策を推進し、着実に成果をあげてまいりました。また、「国際アート・カルチャー都市」という明確なビジョンを掲げ、来年の東アジア文化都市、さらには、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた準備を急ピッチで進めております。

まさに、「豊島新時代」に向けて、大きく舵を切った思いでありますが、どのような時にあっても、区政の基本は、財政の健全化を維持しながら、区民需要にしっかり応えていくことだと考えております。魅力あるまちづくりを進めるための投資ももちろん必要ですが、子どもと女性に優しく、高齢になっても元気で住み続けられる街でなければ、「持続発展都市」として胸を張ることはできないと考えております。

現在、平成31年度の予算編成に向けた準備と調整を鋭意、進めております。厳しい財政運営を強いられた過去の経験を教訓とし、今日の健全財政を維持させながらも、区民の皆さんの行政需要をしっかり受け止めた内容となるよう心掛けてまいります。

次に、区の方向性を説明し、区民の皆さんに理解を求める作業についてのご質問にお答えいたします。

これまでも施策や区の方向性を区民の皆さんにご理解いただくため、広報としまをはじめ、懇談会などあらゆる機会を通して、区政の最新情報の発信に努めてまいりました。

その際、常々、心掛けておりますことは、区民の皆さんにしっかり伝わるよう、わかりやすい内容にすることです。

本年第1回定例会では、区財政の現状や今後5年間の財政見通しを示した「としまのお財布」を作成、公表いたしました。区の財政状況を従来どおりの予算・決算報告のような形で示すのではなく、区民の皆さんにわかりやすいよう家計簿に例えたり、起債と基金残高を借金と貯金という形に置き換えることで、容易にご理解いただけるように工夫いたしました。

また、29年度決算から「統一的な基準」に基づく財務書類の作成、公表が始まりました。これにより、これまでの官庁会計では現わせなかった資産などにかかるストック情報や 減価償却費などのコスト情報についても総体的に把握できるようになりました。今後は、こうした財務情報についてもわかりやすくお示ししたいと考えております。

次に心掛けておりますのは、予算や施策といった行政計画だけではなく、事業の成果についてもしっかりお伝えするということです。

すべての行政計画には、ねらいと成果目標がございます。しかしながら、これまで区民の皆さんに対する成果報告については、必ずしも十分ではなかったという思いがございます。

先の財務情報などの公表と合わせて、区の施策の方向性やその成果についても、今まで以上に積極的に発信することで、区民の皆さんへの説明責任をしっかり果たし、更なるご理解をいただくよう、一層努めてまいります。

 

続いて大きな2点目、本区のICTを活用した行政サービス、情報化施策についてうかがいます。本区では平成27年旧庁舎から新庁舎への移転にともない大きなICT環境の変革が行われました。平成28年から32年を期間として第三次行政情報化実施計画を策定して庁内の情報化と住民サービスの向上、地域社会の情報化を効果的に実現して地域課題の解決に活用するとなっています。また、区民の大切な個人情報を外部のアタックから守っていくセキュリー対策についても先進的に取り組んで来られたことは大いに評価しますが、先ごろ明らかになった受託事業者の個人情報の不適切な運用で区政の信頼を大いに損ねたことは大きな反省材料として今後に生かしていかなくてはなりません。
そこでうかがいます。これまで本区が取り組んできた第三次行政情報化計画の進捗状況と効果、課題についてどう認識されているのかお示しください。IT分野はドッグイヤーといわれ、革新のスピードが極めて速いことから、本区が進める「国際アートカルチャー」「東アジア文化都市」「ハレザ池袋」「池袋保健所の移転」「4つの公園」構想など街、人、もの、文化、産業等の街の大きな変化において、どうICTを活用し区民や来街者への利便性向上を図ろうとされるのか基本的なお考えを伺います。

また、国は自治体戦略2040構想として高齢者人口がピークになる2040年をターゲットにした人口構造の変化に対応した自治体の在り方の検討を打ち出しています。個々の市町村単位でなく圏域単位、地方単位での維持。医療・介護ニーズの急増と首都直下地震への対応。自治体がそれぞれカスタマイズしてきたICTシステムの共同化・標準化などが挙げられています。

政府主導の働き方改革の推進に合わせて業務の効率化を進めるツールとしてRPA-ロボティク・プロセス・オートメーションやAI-人口知能の活用による業務効率化の取り組みが進んでおり本区でもRPA実証実験が行われ行財政特別委員会でも報告がありました。

さいたま市ではAIによる保育所利用調整業務の効率化として約8,000人の入所申請者を市内の300施設に割り振るにあたり、申請者の優先順位や兄弟同一保育園入所希望など様々な要望を踏まえて選考する作業を。述べ1500時間を要していました。そこでゲーム理論のモデルを用いて最適な保育所割り当てパターンを見つけるAIマッチング技術を検証。市の割り当てたルールを学習したAIが組み合わせを点数化し、最も得点の高い組み合わせを瞬時に判別。AIで行った入所選考結果とさいたま市職員が手作業で行った結果とほぼ一致をみ、職員の負担を減らし、生み出された余裕を他の業務に効率的配置が可能となった実例は大きな話題となりました。

神奈川県綾瀬市では自治体翻訳システムによる窓口業務の効率化として、タブレットを使った、英語・ベトナム語への音声翻訳システムの窓口対応での実証実験に取り組み、外国人住民に対して各種案内や事務手続きが説明できるようになったケースも注目されています。

そこでうかがいます。まず本区における業務の効率化にむけたAI,RPAの検討状況をうかがいいます。また東京都では、公開されている統計データーやオープンデータを活用したアプリのコンテストを通じて、若い世代から高齢者の住民参加、自治体戦略における区民のアイデア活用のイベントの例もあります。本区においても住民の区政参加を促し新しい力の区政提案として、オープンデータ活用のアプリコンテストも有効であると思いますが、お考えを伺います。

高野区長答弁

次に、ICT戦略、住民行政サービスについての質問のうち、まず、第三次行政情報化計画の進捗状況と効果、課題についてのご質問にお答えいたします。

計画全体の進捗と効果については、5年計画の中間年度である今年度に、各施策の実施状況を把握し取りまとめを行う予定です。いくつか代表的な施策をみてみますと、TOSHIMA Free Wi-Fiのエリア拡大や、ホームページの多言語化の実施により区民の皆さんや来街者に向けた情報提供の充実化が図られました。また、タブレットを使った在宅勤務に向けた試行によって、ワークスタイル変革による多様な働き方への適切な対応がされています。

一方で、ご指摘の通り個人情報の不適正な利用もございました。個人情報の適正な取り扱いについては、リスクマネジメントとの連携を図りつつ、情報化施策の中でもしっかりと対応を検討してまいります。

計画推進上の課題は、進捗管理と計画の見直しであります。次期計画に向けて、適時に計画の見直しができるよう年度ごとに進捗管理を行っていきたいと考えております。

次に、街の大きな変化において、どのようにICTを活用し、区民の皆さんや来街者への利便性を向上させるかについてのご質問にお答えします。

様々な施策により街が大きく変わろうとしている本区において、来街者の集客、街の回遊性促進、そして区民の皆さんや来街者の利便性を向上するために、ICTの活用が不可欠だと考えます。デジタルサイネージやWi-Fiのアクセスポイントの設置といったインフラ整備に加え、例えばスマホを活用した情報取得、IoT(アイ・オー・ティ)を活用した情報収集と提供、その他、AIやロボット技術などを活用したサービスなど、ICTを活用できる場面は数多いと考えます。

さらに、本区で導入実績がある、防災カメラの映像データを活用した群衆行動解析で得られた成果を、交通制御や災害時の誘導など今後のまちづくりに活用できるものと考えます。ICTの専門家の知見を活用して、効果が最大限になるよう、積極的に取り組んでまいります。

次に、業務の効率化に向けたAI、RPAの検討状況についてのご質問にお答えします。

今年度、庁内組織であるワークスタイルPT内にAIロボティクス部会を立ち上げ、AIとRPAの導入について検討を始めました。

まず、AIについてです。深層学習という技術の登場により第3次AIブームと呼ばれる現在では、様々なサービスが開発され、自治体各分野への活用が期待されています。その一つがご指摘の保育園の入所選考です。

さいたま市と同様に、港区においても実証実験がされ、高い判定結果と業務負荷の大幅改善が見込めるとの結果が公表されています。

本区に導入する場合においても、本区の選考ルールにあった結果が得られるかしっかりと検証作業を行う必要はありますが、業務の効率化に加えて、決定通知発送までの期間短縮といった区民サービスも期待できることから導入に向けて積極的に検討してまいります。

一方、RPAについては、導入製品を選定し、保育課において3か月間実証実験を行いました。RPAは業務自動化のツールであるため、処理の時間を大幅に短縮する効果は望めませんが、作業をロボットに代行させることで、職員は別の業務に時間を振り向けることが可能となります。

RPAについては、来年度から2~3課で本格的に導入する予定であり、効果等を検証をしながら徐々に全庁に拡大したいと考えております。

次に、新しい力の区政提案としてのオープンデータ活用のアプリコンテストについてのご質問にお答えいたします。

オープンデータを活用した地域活性化については、第三次行政情報化実施計画にも掲載されており、アプリ開発の推進も明記されております。例えばごみ分別アプリのように開発されたアプリを使うことで区民の皆さんの利便性向上や地域課題の解決につながることが期待できます。

アプリ開発にあたっては、どういったオープンデータが必要かという開発側の要望をヒアリングする場が必要です。そうしたニーズを探る場として、また、ご指摘の住民の区政参加促進や新しい力による区政提案方法として区がアプリコンテストを開催することには、大きな効果があると考えます。今後、東京都や開催実績のある他区の事例も含めて研究してまいりたいと思います。

次にICTを活用した生命を守る健康施策として医療、介護分野への利活用があります。

豊島区医師会では、地域包括ケアシステムを視野に、SNSを活用した完全非公開型MCSシステムにて平成20年から国のモデル事業として多職種ネットワーク・在宅医療等相互支援体制事業として、多職種連携の取り組みを続けてこられました。平成24年度からは在宅医療相談窓口もスタートされ、全国から数多くの視察が訪れるほど先進的な取り組みは注目を浴びています。そこでまず、これまで進めてこられた多職種連携の取り組みの現状と成果、今後の課題をどう認識していられるかおうかがいします。また、携わっておられる医師会の関係者からは、医療、介護などの顧客(患者)データの共有を図るためPC機器等の整備の要望が出されており、我々も支援すべきと考えます。関係するそれぞれの事業所への機器整備の支援についてのお考えを伺います。また、個人情報である患者データーを取り扱うところからセキュリティーの高い専用のRUNを必要とするところから、体力のない事業所では回線使用料などの諸経費の負担も大きくなるとのことです。諸関係経費の支援も考えるべきと考えますがお考えを伺います。

更に、この度、豊島区医師会訪問包括部委員会として、更なる地域包括ケア支援・在宅医療の推進に取り組むため従来から「訪問看護ステーション連絡会」を有志で立ち上げ、区の在宅医療連携推進会議や介護保険事業計画推進会議、災害医療検討会議、自殺対策委員会など様々な協力依頼を受け対応活躍されております。そしてこのたび、看護師同士のネットワーク体制を築くための「豊島区在宅看護師会」を発足することとなりました。今後の本区の在宅医療・介護、地域包括ケア支援とも密接に関連がるところから、区として積極的に連携、支援が必要と思われますが、区の見解を伺います。

斎藤副区長答弁

次に、多職種連携の取り組みの現状と成果、今後の課題についてのご質問にお答えいたします。

ご質問にもありました通り、全国的にも、早くから在宅医療体制の推進を図ってきております。

平成20年度の東京都モデル事業として設置した「在宅医療連携会議」は、平成22年度には豊島区の事業として本格的にスタートいたしました。

その後、順次、平成22年度の「在宅医療コーディネーター研修」の開始、平成24年度の「在宅医療相談窓口」の開設、平成26年度には「歯科相談窓口」を開設するなど、他団体、多職種での連携を強化してきたと同時に、着実に在宅医療体制の整備を進めて参りました。

そうした中、今後の課題としては、まず、国が示している、「病院から地域へ」という潮流の中、区民の皆さんに、在宅医療について、理解を深めて頂くために、区民向け講座の開催や、普及啓発冊子の更新などにより、最新の在宅医療情報を提供していく必要を痛感しております。

また、多職種連携の迅速化と効率化は必須であり、そのための情報共有ツールとして、MCS(メディカルケアステーション)をはじめとする、ICTの活用促進も課題であります。

さらに、地域で公益的な目的をもって自主的な活動を行っている団体を支援することで、それぞれの地域の資源や特性を活かした、区民の皆さんにとって、身近で利用しやすい、地域包括ケアシステムの構築を図る必要があると認識しております。

次に、顧客データの共有を図るための機器整備及び回線使用料等の諸経費の支援についてのご質問にお答えいたします。

豊島区の在宅医療体制の特徴のひとつとして、全国に先駆けて、豊島区医師会が中心となり、ICTを活用し、多職種間の情報共有と連携強化を図ってきた、という経緯があります。

そうした活動について、在宅医療連携会議にICT部会を設け、積極的に支援し、検討にも加わって参りました。  

その中で、その有効性と必要性については、早くから注目し、すでに、今年度から「地域医療・介護ネットワーク構築事業」をスタートしております。

これは、豊島区医師会が多職種ネットワーク構築のため実施する事業に対し、全額を区が補助するものであります。

この事業は、豊島区医師会が、連携する訪問看護ステーションや介護事業所のうち、通信機器の環境を保有していない事業者に対し、タブレット端末を貸与するものであり、同時に、回線使用料についても、その全額を、区の補助金の範囲内で負担するものであります。今後、3年間は、こうした事業を通じ、必要な事業者へのICT環境の普及と整備を図って参ります。

つい先日の11月23日、東京ビッグサイトの国際会議場で1,000名を超える全国の医療関係者による第14回在宅医療推進フォーラムに高橋清輝(たかはし きよてる)医師会会長と共にシンポジウムのパネラーとして参加し、発表の機会をいただきました。

当日は地域包括システム構築の取組み、展望、組織体制、とりわけ、在宅医療の推進について発表し、特に豊島区の先進的な取組みを強調してまいりました。特に地域の多職種連携の強化、その対策の一つとして、ICTのさらなる普及を強調してまいりました。豊島区からは、医師会、歯科医師会、薬剤師会の大勢の幹部の方々も参加しておりました。

次に、豊島区在宅看護師会との積極的な連携、支援についてのご質問にお答えいたします。

在宅医療は、実際に現場を担っていただいている訪問看護師の皆様の、積極的なご協力があってこそ、充実させることができるものと認識しております。

現在、豊島区には訪問看護ステーションをまとめる公式な団体がない中、「豊島区在宅看護師会」発足の動きは、現行の「訪問看護ステーション連絡会」を、より強固な組織としていくための「取組み」であると、聞き及んでおります。

区としては、区内の訪問看護師等を一元的に取りまとめる団体が発足することで、より効率的な連携体制が構築できるものと、大変、大きな期待を寄せているところであります。

今後、予算措置も含め、積極的に連携、支援の方策を検討してまいります。

続いて大きな項目の3点目、防災・浸水対策についてうかがいます。私ども公明党は10月、第12回公明党全国大会にて命を守る「防災・減災」を政治の主流とすべきとして「〈生命・生活・生存〉を最大限に尊重する人間主義」「防災の党」として、その先頭に立ち、国・自治体、各地域での取り組みを前進させていくとの方針を打ち出しました。この春から秋にかけて実施した「100万人訪問調査」アンケートでは、今年が地震、台風等自然災害が多く、防災・減災に対する住民の意識の高さが改めて浮き彫りになりました。6月に発生した大阪北部地震、7月の岡山、広島等中国四国地域を襲った豪雨災害、相次ぐ台風による高潮突風被害が立て続けに発生。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

本区においては、第三回定例会で、我々公明党がかねてから要望してきた災害時の救援センターとなる区立小中学校体育館の冷暖房化を他自治体に先駆け高野区長が英断を下して来年度までに整備することを宣言。今定例会に補正予算案に組み込まれたことを高く評価します。11月16日、都議会公明党がこの体育館冷暖房化支援について小池百合子都知事に対して再度の申し入れを行い、その中に冷暖房化におけるリース契約についての財源措置を強く求めました。それを受け小池都知事は11月17日の記者会見で「リースに関しては来年度の本予算で対応する」と明言されました。この一連の流れを受けて、公立学校体育館の冷暖房化整備が一斉に進む中で設備機器と設置事業者の確保も困難が予想されます。冷暖房化についての見込みと、新年度前すなわち今年度中に手当てした冷暖房化リースにもさかのぼった財政支援について東京都に要望すべきと考えますがお考えを聞かせください。

高野区長答弁

次に、防災・減災・浸水対策についてのご質問のうち、学校体育館冷暖房化の見込みとさかのぼった冷暖房化リースの財政支援を東京都へ要望することについてのご質問にお答えいたします。

この夏の猛暑の影響から本区を始めとして、他区や周辺自治体でも体育館などへ、冷暖房設備を導入していく動きが多く見られております。

そのような中、国の臨時特例交付金や東京都からの財政支援を追い風として、今後も冷暖房設備の導入を進める自治体が増えていくものと認識しております。

さらに来年は、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた施設整備がピークを迎えることから、設備機器や設置事業者の確保がこれまで以上に厳しい状況になるという認識のもと、困難を乗り越えるため、私は2つの決断をいたしました。

一つは、出来る限り早期に事業者を選定し、夏前に全校工事完了を目指すため、今定例会において補正予算案を上程いたしました。

もう一つは、従来の工事による発注では冷暖房設備を設置できる学校数が4校程度となることから、全校設置にかかる期間を重視し、リース方式を採用することといたしました。

ご案内のとおり本区は、他区に先駆けて来年度中に全ての小中学校に冷暖房設備を導入する方針をいち早くお示しし、財政支援が得られなくても設置を進めていく覚悟でありましたが、他団体と同様に東京都の財政支援を受けながら進めてまいりたいと考えております。

従いまして、リース方式への財政支援の遡及に係る要望につきましては、東京都に対して、強く挙げてまいります。

山陽新聞が7月の豪雨被害の大きかった岡山市真備町住民へのアンケート調査によると、水害に対する備えをしていなかった人が84%を占め、被災した住民の42%が自主避難でなく第三者に救助されています。行政のハザードマップ通りに浸水したにもかかわらず、避難の遅れで数十名が亡くなる被害となりました。被害が大きかった原因として、昨今の地域力の低下が影響しているとの指摘があります。
名古屋大学減災連携教育センターの福地先生によると防災対策における自助・共助・公助の割合は7対2対1が基本であるとして、地域力の低下を補うのはまず「住民全員が(災害の)当事者の意識に立つこと」であるとしています。更に、例えば日本の消防士は住民1,000人に一人しかおらず、救急車は人口3万人に1台しかなく、誰もが簡単に救急車を呼んだら、重篤な方が使えなくなり命を落とすこととなり、自分のできることは自分でやるという自助がまず大切であるという意識付けが重要であること。更に行政の実力、限界を絶えず正確なデータを公表して、住民に訴え意識向上をはかることが重要としています。
真備町では避難指示があったにも関わらず非難しなかった理由として「これまで経験したことがなかった」「最悪、2階に逃げれば大丈夫だと思った」等を挙げています。しかし、実は、真備町は過去に何度となく大水害を経験してきています。残念ながら今回の西日本豪雨で避難勧告や避難指示の発令に対応して避難した住民の割合は数%と指摘されています。住民全員が(災害の)当事者との意識とは程遠いものがあります。

そのような課題に対応するため、愛媛大学では「実践的学生防災リーダー育成」により大学生、社会人の防災リーダーの育成を始めています。これは、松山市内の4大学の単位互換制度を活用して環境防災学を松山消防署の協力のもと開講。受講生は250名、全学年合わせると1000名となり、この中で更に専門的な実践力を身に着ける防災マネジメント学、防災情報社会学、地域防災実践学を開講して卒業後は、学生防災リーダークラブOB組織に所属し、大学生と連携しながら地域の防災活動の指導することとなります。4大学の卒業生の50%が愛媛県内に就職するということもあり、OB組織の活動も可能となります。更に、大学生の防災リーダー資質向上のために、松山市など市町村と連携して、小学校、中学校、高校でジュニア防災リーダー育成プログラムに挑戦し、切れ目のない防災リーダー育成を開始しています。市内の中学では全生徒に年次10時間の防災教育を導入。地域防災訓練や防災街歩きなど防災実践活動を行った生徒を対象に合格者には教育長からジュニア防災リーダーの資格を付与し、更に高校でもジュニア防災リーダーの資格を持つ生徒を中心に防災クラブを運営して防災知識の習得と実践力の養成に努めています。小学校、中学校、高校、大学と一貫した流れの中で切れ目のない防災リーダーの育成が図られ、防災教育についてそれぞれが協働して取り組んでいます。

そこでうかがいます、行政の防災力の公表と地域住民の意識向上を醸成していく地域防災体制作りについての本区のお考えを伺います。更に、今後の少子化、超高齢化時代の防災・減災を考えた場合、愛媛県松山市のように、消防署の協力のもと、小学校、中学校、高校、大学の切れ目のない防災教育プログラムを構築し「防災の担い手」作りが必要だと考えます。ご見解を伺います。愛媛県松山市の教育・地域と本区の環境は大きな違いはありますが、防災リーダー・人材育成は、行政の積極的な努力、取り組みがなければ育つことはありません。大都市の人口密集地という街ならではの特徴を生かして、小学校、中学校の防災教育の充実と、高校、大学、専門学校との防災教育の連携の検討を強く望みます。

呉副区長答弁
防災・減災・浸水対策についてのご質問のうち、まず、行政の防災力の公表と地域住民の意識向上を醸成していく地域防災体制づくりについてのご質問にお答えいたします。

 区では、合同防災訓練や防災講習会等の機会を活用し、区民の皆さまに自助の重要性を説明するとともに、共助の担い手となっていただけるようお願いしてまいりました。

 公助の役割・能力は地域の防災力全体の1割に過ぎないという事実を区民の皆さまにご理解いただき、そのような周知活動を通じて区民の皆さまが自助の必要性に目覚め、さらに公助の担い手になっていただくことは、地域防災力を向上させるために極めて有効であると考えます。

 例えば区では、首都直下地震が発生した場合に想定される約3万4千人の避難者のために、現在1日半分の備蓄品を3日分に積み増す施策等を進めていますが、同時にそれが公助でできる限界であると言えます。そのため区民の皆さまには、最低1週間分の備蓄品等の準備をはじめとする自助の努力と、できる範囲での共助への協力をお願いしています。今後は、区民の皆さまがどの程度、自助の努力が必要かを判断する参考としていただけるよう、災害時に行政が提供できる備蓄物資や住民サービス等の公表に関しまして、具体的な公表メニューと、周知方法に関して検討をしてまいります。

 さらに、区民の皆さまの防災意識を高めるため、地域防災訓練、合同防災訓練、総合防災訓練等を通じて、区と町会、商店会等の皆さまとの協力関係を深めていくことで、地域防災体制の強化に努めてまいります。

今浦危機管理官

次に、小学校、中学校、高校、大学の切れ目ない防災教育プログラムの構築による「防災の担い手」についてのご質問にお答えいたします。

現在、防災危機管理課では区立小・中学校を対象した防災教室の開催や、都立高校において講話を盛り込んだ宿泊防災訓練を行うなど、毎年防災に関する事業を実施しています。

また区立小・中学校におきましては、年間計画に基づき、あらゆる災害を想定した防災訓練・避難訓練を実施して、自助・共助の防災教育を進めております。

小学校においては自助を中心としたプログラムを構成し、中学校においては自助と共助の視点を生かしたプログラムを編成しています。

また、ISS認証を受けました池袋中学校がモデルとなり、災害発生時に中学生が地域の一員として重要な担い手として行動できるよう、地域防災訓練、救命救急講習、防災プログラムに参加し、知識と技能を高めているところでございます。

さらに、千川中学校や明豊中学校におきましては、初期消火用のミニポンプである「D級ポンプ」の操作訓練なども行って、地域防災の担い手として期待されているところでございます。

そして区内の大学では、多くの学生が消防団員として、消防団の活動に参加し、地域の防災力の向上に貢献しています。

今後とも教育委員会と一層の連携を図り、こうした取り組みを広げますとともに、平素から消火訓練、救急救護訓練指導等、地域の防災力向上に貢献していただいております消防等関係機関の協力を得て、小学校から大学等に至る切れ目のない防災教育プログラムの在り方についての検討に、一歩足を踏み込んでまいります。

防災対策の最後に、都市型水害対策についておうかがいします。本区における水害被害としては神田川流域の高田地区を中心とした河川の氾濫がありましたが、昭和57年3月頃には東京都によって、全区内50mm対応の完了と神田川上流の環状七号線の地下貯留施設などの治水対策が施されたことにより河川の浸水被害は発生せず、代わりに地球温暖化等による局地的集中豪雨、都市型の低地を中心にした内水氾濫の被害が多く発生してきており、その傾向は今後益々続くと考えられます。私の地元椎名町駅北側の長崎地域では平成11年に1夏で4回、翌平成12年にも1夏で3回と床下、一部床上浸水被害が発生し、私は消防団でもあることから、何度も水害現場を見回り、時には土嚢を運び、時には、半地下の駐車場から可搬ポンプで水をくみ上げる作業をしたりしました。その都度被害に遭われた商店の方々、地元町会の方々から治水対策を強く要望され私も何度も、区長はじめ東京都に長崎地域の治水対策を強く要望を重ねてきました。その結果、高野区長、関係者のご努力により東京都の緊急治水対策地域に指定されて、谷端川幹線の排水設備が平成22年ごろ完成し、その後は当該地域の水害被害はゼロとなっております。

しかしながら、昨今の局地的集中豪雨では、大塚地域、高松地域等では床上、床下被害が発生しており、今後もこのような被害が増えると思われます。当然のことながら上下水道行政は東京都の守備範囲であることは承知しておりますが、区民の生命・財産を守る重要な施策であり区民の意識も非常に高いところから、何点か伺います。
まず、地球温暖化の影響による局地的豪雨災害など今後の都市型水害を考えた場合、本区における治水対策の課題と現状についてどう認識されているのかお聞かせください。また、水害が発生する場所は大体、決まったところが被害にあうことから、我々は以前から50mm対応から75ⅿm対応を東京都に要望してきました。被害が想定される地域周辺の75mm対応の現状等お示しください。

また、水害の発生するところは粗決まった地域、地点となり、当該の商店街やビル建物、住宅等では止水版を設置し対策を取られるケースが増えてきています。一人で簡単に設置できる止水版装置をビルや店舗のシャッター部分に設置し、豪雨が来そうになると短時間で手軽に対策がとれるというものです。お隣の板橋区や北区、また杉並区ではこの止水版設置工事に対して行政からの助成事業を実施しています。本区においても、商店やビル、家屋の水害対策の一助に止水版設置助成を加えるべきと考えますがお考えをうかがいます。

呉副区長答弁

防災・減災・浸水対策についてのご質問のうち、まず、区の治水対策の課題と現状についてのご質問にお答えいたします。

 近年の地球温暖化に伴う気候変動などを背景に、時間50ミリを超える集中豪雨が増加しており、豊島区でも、今年の9月18日に発生した豪雨の際は、30分の間に60ミリ近い降雨量が観測されています。

区としましては、雨水(うすい)桝(ます)の増設や、桝の蓋を流入しやすい格子状(こうしじょう)のものに変えることで、被害の低減に努めてまいります。

 しかしながら、近年の集中豪雨の際には、下水本管を流れる水の量が急激に増えることで、一時的に下水道管の容量不足が発生し、その結果、冠水被害が発生しています。

 これらの近年の状況を踏まえ、区としましては、これまで以上に浸水対策を強化していくことが必要であると考えており、被害が発生した地域やそのおそれが高い地域を対象に、東京都下水道局に対して、バイパス管の設置や貯留施設の整備を要請してまいります。

次に、水害が想定される地域周辺の75ミリ対応の現状等についてのご質問にお答えいたします。

 下水道局では、浸水被害の影響が大きい大規模地下街に対して、時間75ミリの降雨対応を進めており、池袋駅東西の地下街については対応済みであることを確認しています。

 また、下水道局が平成25年12月に策定した「豪雨対策下水道緊急プラン」において、豊島区南大塚が75ミリ対策地区に選定されており、現在は、既設の2本の下水幹線に加え、さらに能力を増強する貯留管の整備工事が進められています。

次に、商店やビル、家屋の水害対策としての止水板設置助成についてのご質問にお答えいたします。

 止水板を設置する工事に対する助成制度につきましては、先行実施している区の担当者に、相談件数や予算規模,助成実績等について聞き取り調査を実施しています。

 助成制度はあるものの、昨年度の補助実績が0(ゼロ)だった区も複数見られることから、区民の方々のニーズがどの程度あるのかについて、幅広く情報を収集し、検討してまいります。

続いて、その他の①として、消費税10%への税制改正に向けた中小小売店レジ・システム改修情報提供、プレミアム付き区内商品券事業についてうかがいます。
2019年10月の消費税率10%への引き上げまで1年となりました。家計の負担を和らげるため、飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率は、消費税率が10%になるのと同時に実施されます。海外でも消費税(付加価値税)の軽減税率は多くの国で導入されており、事実上、「世界標準」の制度となっています。
消費税率10%への引き上げにより、年5.6兆円の国の税収増が見込まれていますが、その目的は、少子高齢化に伴って増大する社会保障費の確保と幼児教育の無償化など教育負担の軽減に充てること。さらに、後世代の負担を減らすため、借金に相当する国債の返済分に充てることになっています。日銀は、軽減税率による負担軽減効果を1兆円、教育無償化では1.4兆円と試算しています。とりわけ、消費税は所得の少ない人ほど負担感が重いという「逆進性」があり、軽減税率はその「逆進性」を緩和します。

消費税率10%への引き上げと同時に実施される軽減税率は、実施された際、食品などを扱う小売事業者などは、8%と10%の税率の違う品目ごとに売上高や仕入れ代金を仕分けして計算し、納税する必要があります。そのため、複数の税率に対応したレジの導入や受発注システムの改修が必要となります。日本商工会議所が9月に実施した調査によれば、中小企業の約8割が、軽減税率について、経理方式の変更に未だに着手していないという調査結果を公表しました。国は円滑な軽減税率の実施に向け、「軽減税率対策補助金」を設け、レジ導入の費用補助や、受発注システムの改修費用補助を開始しています。中小企業向けの相談窓口を全国2,367カ所に設置。軽減税率制度の説明会・講習会も延べ1万回以上開いており、企業への準備を加速させています。しかしながら、区内の小売店等体力のない商店では、税制改正の様々な情報が行き渡らない可能性も考えられます。そこで伺います、消費税10%の税制改正にむけた区内中小店舗のレジの導入やシステム改修について、国等の最新の情報提供につとめ、国・東京都と連携しながら身近な相談体制をとっていただきたいと思いますがお考えを伺います。更に、私どもは所得が低い人を中心にした経済的支援策として、消費喚起の効果が高いプレミアム付き商品券の発行を提案しております。豊島区商店街連合会からも要望されている事業でもあることから、国の流れを見極めながら、低所得者対策として、また区内中小商店の経済活性化として、より効果的な取り組みとなるよう調査研究、準備をされることを要望しますがご所見を伺います。

斎藤副区長答弁

消費税10%の税制改正に向けた区内中小店舗のレジ導入やシステム改修に関する国等の最新情報の提供に努め、身近な相談体制をとることについてのご質問にお答えいたします。

 消費税の税率引上については、複数の税率に対応できるレジの購入や、受発注システムの改修などのほか、軽減税率の制度が複雑で分かりにくいことも課題となっております。

ご指摘のレジの購入等については、来年10月の軽減税率の導入に向け、国として「軽減税率対策補助金」の申請受付期間を延長するなどの対策を講じています。

区といたしましても、こうした最新情報を把握するとともに、国や都をはじめ、区内の産業団体などとも連携しながら、区民の皆様や中小事業者に対して、わかりやすい制度の周知に努めてまいります。

具体的にはさらなる検討が必要ですが、経営者や消費者である区民の皆様に対して、説明会等の機会を設けるとともに、電話や窓口相談において、的確にアドバイスができるよう相談サポート体制の充実・強化を図ってまいります。

次に、プレミアム付き商品券の発行をより効果的にするため、調査研究、準備を行うことについてのご質問にお答えいたします。

現在、国においては、消費税率の引き上げ対策の一つとして、低所得者対策や小口化などの制度設計を視野に入れたプレミアム付き商品券の検討を進めています。

前回、消費税率が5%から8%に引き上げられた際に実施したプレミアム付き商品券事業では、換金率が99.6%と非常に高い率となり、アンケート調査結果からも、消費喚起に一定の効果があったと認識しています。

一方で、「換金された事業者の偏り」や「商店街など小規模事業者の売上向上」という点では、課題や改善すべき点もあると考えています。

いずれにいたしましても、プレミアム付き商品券につきましては、国の動向を注視しながら、商店などの経営者や消費者にとって、より効果的な実施内容となるよう分析や準備を急ぎたいと考えています。

また、来年は「東アジア文化都市」の期間中であることから、プレミアム付き商品券を発行する場合には、こうした豊島区独自の文化プロジェクトと連動した実施手法や効果についても検討してまいります。

 

最後に、我々公明党が国、地方でかねてから推進してきましたがん対策のうち、女性特有の乳がんなどの治療の医療用のカツラ―ウィッグや胸部補正装置の助成事業を先の定例会でふま議員から提案し要望しました。一日も早い実現を要望しますが、それに加えて神奈川県立がんセンターでは女性特有のがん治療による、脱毛や肌、爪の変色等の術後の副作用の心の傷跡のケアとして、外見の変化に対応する「アピアランスケア」のサポートセンターを開設して注目を浴びています。同センターではがん治療中のメイクのポイントをテーマにした小規模なセミナーが開かれ、講師にはウィッグ等販売を手掛ける企業のスタッフが招かれ、眉毛やアイラインの入れ方などを説明。参加した女性患者からも「肌の保湿で困っている」など身近な悩みに専門家から具体的なケア方法が伝えられたりする等充実した体制となっています。
医療技術の進歩により、がん患者の生存率は改善し、仕事をしながら通院治療する患者さんが増えています。治療前と変化した容姿が自分で気になり社会との交流を避けたり離職を余儀なくされる人は珍しくないとされ「アピアランスケア」の重要性は高まっています。
我々公明区議団は池袋保健所の移転にともない「女性健康支援センター構想」を提案してまいりました。高野区長も我々の意を汲んで積極的に検討していくとの答弁を頂いておりますが、この女性健康支援センターに女性特有のがん治療による「アピアランスケア」機能を組み込みこんでいただきたいと要望しますが区のご見解を伺います。

斎藤副区長答弁

次に、女性健康支援センターに女性特有のがん治療による「アピアランスケア」機能を組み込むことについてのご質問にお答えいたします。

池袋保健所移転後の機能拡充については、来月「池袋保健所機能拡充検討会議」を立ち上げ、「新しい保健所が備えるべき機能や、充実すべき機能」などについて、様々な知見をお持ちの方々にご参画いただき、来年、5月を目途に検討を進める予定であります。

「女性健康支援センター」については、ライフステージに応じた不安の解消に繋げるため、トータルサポートを提供する健康支援の拠点として、その必要性を強く感じております。

また、「アピアランスケア」については、男女を問わず、がん患者の闘病に勇気を与え、仕事復帰や社会参加のきっかけになるものであり、先進的ながん対策に取り組む本区としても、来年度からの実施に向け、相談体制のあり方や購入助成制度の創設などについて、検討を進めてきております。

また、都内には、「アピアランスケア」に関して、充実した相談体制を持つ医療機関も複数ございますので、そうした事例を参考にしながら、新たに設置する「池袋保健所機能拡充検討会議」の中で、議論を深めて参ります。

以上で私の一般質問全部を終わります。ご清聴ありがとうございました。