レセプト点検・データヘルス
○西山陽介委員 はい、どうぞよろしくお願いします。私も続きまして、国民健康保険事業会計から取り上げさせていただきたいと思います。
国保制度においては、国保財政の安定的な運営の確保、また、重症化予防の効果的な保健事業、そして医療費の適正化への取組と、この辺が柱というふうに理解をさせていただいてるところでございます。
ただいまの質疑で、被保険者数の減少ですとか、また、医療費総額の減少などが御答弁でございましたので御質問は控えさせていただきますが、では、一体1人当たりの医療費、被保険者の、この1人当たりの医療費というのはどういう状況なのか、それの分析についてお伺いしたいと思います。
○倉本国民健康保険課長 豊島区1人当たりの医療費でございますが、平成30年度が25万3,942円、令和元年度が26万4,951円となってございまして、1万1,009円増えてございます。この増えた要因については、今般、医療費の比較的かからない方、例えば外国人であるとか、若い方が減少したことや、あと、医療技術の高度化などによるもので、総額自体は減ってはございますが、1人当たりの医療費自体は高くなって増えているものと考えてございます。
○西山陽介委員 分かりました。総額が減ったことの要因の一つとして、今年度はコロナの影響というものがどうなのか、いわゆる受診控えというものが起きて、そして給付が減少している。そういった分析などについての考察はいかがでしょうか。
○倉本国民健康保険課長 そうですね、コロナが実際に現実的に影響したかというのは、ちょっと分からないところではあるんですが、現実的に水準を見ると、昨年のコロナで緊急事態宣言が出た3月から4月、5月と、やっぱり前年比較でいうと、医療費自体も減ってございまして、全体的に見ても減ってるという認識はございます。
○西山陽介委員 財政を安定的に運営するためにも、今後の動向が注目されるところであります。
ちょっと話、視点変えますけども、予算書には、国民健康保険財政安定化基金、これがここのところ、課目存置としてずっと残してるというか、存在してる状態でございます。この財政安定化基金、これは不慮の事態などに備えた貸付け、それから交付、また取崩しなどが可能というふうに聞いております。これを活用する状態というのはどういうときなのか、また、活用例があるのかどうか、そして、この基金の今後の動向についてちょっとまとめて伺いたいと思います。
○倉本国民健康保険課長 活用する場面でございますが、貸付けについては、保険料の収納率が悪化した場合等の財源不足額、東京都から区に貸し付けるというものでございます。それは原則3年間で償還するもので、無利子というものでございます。交付について、区に行うものについては交付というのもございますが、それについては、特別な事情ですね。収納意欲の低下を招くことがないよう、特別な事情が生じた場合に限定するものというふうになってございます。この特別な事情というのは、国民健康保険の被保険者の大多数が災害により著しい損害を受けた場合とか、予算編成時に見込めなかった事情により、被保険者の生活などに影響を与え、収納額が低下した場合が上げられております。この活用した例というのは、これまでございません。
この安定化基金の今後の動向についてでございますが、これも今国会に提出されております全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案に財政安定化基金に関する事項も含まれております。これは、先ほど申し上げました、その活用について、現在は給付、医療費が増えたり、国民健康保険料の収納不足によって財源が不足した場合に使われる、一般会計から法定外繰入れに頼らなくも対応できるようにするというもので、現在はそういうような限られておりますが、今般この法律案に基づくと、財政安定化基金の使途として、年度間の財政調整機能を付与するというようなもので、都道府県の国保の剰余金、特別会計の剰余金が生じた際に、それを積み立てといて、急激な医療費の上昇時などに国保事業費納付金の急増を抑えるなど、要するに複数年度の国保料の平準化に資するような活用をちょっと柔軟的にするというものでございます。これは令和4年4月1日の施行を予定してるという状況になってございます。
○西山陽介委員 恐らく豊島区が、23区の中でも豊島区だけが本当に大変なことになっちゃった、いろんな要因があると思います。そういったときにこの基金が出動されるというか、活用されることだと、そのような理解でございます。
一方、この医療費については、常に適正化に向けて取り組んでいかなくてはいけないという、そういったことがあると思います。現在この医療費適正化に向けてどのような事業に取り組んでおられるんでしょうか。
○倉本国民健康保険課長 糖尿病重症化予防事業やジェネリック医薬品差額通知、あと、レセプト点検などの従前の取組を継続はしております。令和元年度からは、総合高齢社会対策プロジェクトの一つとして、高齢者への服薬情報提供事業を開始したところでございます。この事業については、70歳から74歳の方、被保険者の方から多剤服用の方へ服薬情報をお知らせし、専門家への相談を促すということで、服薬過剰の回避と健康被害の予防を図ろうとするものでございます。令和2年においては、8月に該当者869名に通知したところでございます。
○西山陽介委員 レセプト点検、これまでも私ども公明党は、この財政効果を上げるためにもということで提出してきました。このレセプト点検、どのような財政効果を上げていらっしゃるのか、また、聞くところによりますと、効果を上げると、交付金も交付されるというふうに聞いております。その辺の状況についてお知らせください。
○倉本国民健康保険課長 レセプト効果額でございますが、28年度が758円、29年度が756円と減少傾向でございましたが、平成30年度には992円、令和元年度には1,986円となったものでございます。このレセプト点検の効果が順位が高いと、交付金のことでございますが、交付金については保険者努力支援制度ということでもらえるようになっております。交付額としては600万円に70円から被保険者数を掛けたものということで、最大でも1,000万円ぐらいの交付金というのはもらえるような仕組みにはなってございます。
ただ、どうしても本区においては、その交付金の満たす要件、1つまだ携わってないというところもあって、金額は効果は上がりましたけども、交付金をもらうというところの条件にまだ合致してないところもございますので、引き続きここは、令和3年度に向けて交付金がいただけるように取り組んでまいりたいと思っております。
○西山陽介委員 もう少しお伺いしたいとこですけど、いただいてる時間も限りがございますので、まとめてまいりたいと思いますけども、このほか医療費適正化に向けては、データヘルス計画、これの取組、また、先ほどは糖尿病の重症化予防もこれまで取り組んでこられたと思いますけども、今後は糖尿病性腎症重症化予防の取組というものも新年度に向けて開始されていくと思います。また、ジェネリック医薬品の使用の促進、それから、重複多剤服薬者への配慮も今後は必要な取組というふうになってくるものと思います。いろいろなことを組み合わせながら、また、知恵も絞っていただきながら、交付金が交付されるという、これはインセンティブと呼んでいいかどうか分かりませんけども、そういったことも加味していただきながら、ぜひとも国保財政、安定的な運用をお願いしたいと思います。
今、社会的孤立ということが深刻化してることが非常に懸念されている状態だと思います。この孤立をしているということが放置されると、やっぱり医療費の増加につながりやすい、そういったことにも結びつくと思います。国保のやっぱり世帯主の方は無職の割合が高いと思いますし、また、先ほどもありました、医療技術が高度化して1人当たりの医療費も上がっていく。それから、被保険者も高齢化していく、様々なマイナスの要因もあろうかと思います。そういう意味では、いろいろなこの取組を工夫していただきながら医療費の適正化と今後の財政をしっかりと支える取組、さらに強靱にお願いして質問を終わります。ありがとうございました。