令和 6年 3月 4日予算特別委員会 ①総括質疑-根岸議員

身の丈に合った予算職員体制・人材確保

○根岸光洋委員  皆さん、おはようございます。いよいよ今日から予算委員会の質疑が始まるということで、私が公明党を代表いたしまして総括の質疑をさせていただきます。

公明党の今年度の、今回の予算委員会は、西山陽介副議長、そして、高橋佳代子副委員長、北岡あや子委員、で、私、根岸光洋の4名で臨ませていただきます。正副委員長の公正公平な采配をどうぞよろしくお願い申し上げます。そしてまた、区長さんはじめ、理事者の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

質問に入る前に、1月1日の能登地震でお亡くなりになられた方に改めまして心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様にお見舞いを申し上げる次第でございますし、今、ボランティア、様々含めた関係者の皆様、全力で復興に当たっていることに対しまして、心より敬意を表する次第でございます。一日も早い復興、また日常が取り戻せるようお祈りを申し上げる次第でございます。

それでは、質問に入らさせていただきます。

まず、身の丈に合った予算編成についてお伺いをさせていただきます。

令和6年度予算は、過去最大規模となる1,529億円という積極的な予算編成となりました。人件費、事業費、投資的経費、それぞれが増加をしておりますが、中でも投資的経費の増加の影響が多いというふうに考えております。また、今後、持続可能な財政運営を行っていくためにも、歳入の規模をしっかりと踏まえて、その中でやりくりをしていく身の丈に合った予算編成でなければならないということでございます。この点について、まず、区の考えをお聞かせください。

○木村財政課長  身の丈に合った財政運営を継続していくためには、当該年度の経常的な歳入により、その年の経常的な歳出を賄うことが財政運営の基本であるというふうに考えてございます。これを令和6年度当初予算に当てはめてみますと、経常的な一般財源歳入が約830億円、これに対しまして、経常的な歳出に充当している一般財源が790億円となってございます。そのため、令和6年度当初予算におきましては、身の丈の範囲内で予算が組めているものと考えてございます。

ただ、そうはいっても、経常的な一般財源であります特別区民税、あるいは財政調整交付金といった本区の基幹歳入につきましては、景気の変動などによりまして大きく増減してきた経過がございます。そのため、身の丈に合った財政運営であるかどうかは、常にこういった歳入環境に留意していく必要があると考えてございます。また、投資的経費の年度間の増減への対応といたしましては、投資的経費の今後の見通しをしっかりと推計していくとともに、その財源につきましては、一般財源を充当するのか、あるいは基金、さらには起債といった様々な財源対策を計画的に行うことで、財政面での年度間の平準化を図っていきたいと考えてございます。

○根岸光洋委員  今、身の丈に合った予算編成となっていることが確認できました。しかしながら、近年、本区の予算規模は年々増大をしている状況にあると思います。必要なことに対して予算をしっかりつけて、区民サービスを充実させていくことは重要なことでございます。また、その一方で、本区がかつて経験したような財政危機には陥らないようにしなければならないと思います。やるべきことをやりながら、同時に効果的に事業を展開することにより、予算規模を単純に増大させない工夫が必要であると思いますが、区としてこの予算を膨張させない取組、こういうことについてはどういうお考えがあるのかお聞かせください。

○木村財政課長  身の丈に合った予算編成を継続していくためには、新たな事業を実施する際には、考え抜いて、もっと効率的、効果的に行うことできないか、そういったことを考えるとともに、また、これまで行ってきた既存の事業につきましても、しっかりと見直しをしていく必要があるというふうに考えてございます。そのため、スクラップ・アンド・ビルドの考え方のさらなる徹底、あるいは行政評価を活用した予算編成を行いつつ、既存事業につきましても事業の統合、あるいはより効果的な執行によるコスト削減などを継続していくことによりまして、令和7年度以降についても身の丈に合った予算編成となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

○根岸光洋委員  身の丈に合った予算編成を実現する手段の一つとして、今も御答弁がございましたけど、事業の見直しのほかにも、より効果的な行政運営を目指していくことが有用だと考えております。

ここからは少し組織編成、または人材ということに少し視点を置いて質問させていただきたいと思っております。

限られた人員によって、多様化、複雑化する行政課題に迅速に対応するためには、それを可能とする組織体制がとても重要であると、このように考えております。本定例会では、平成29年以来、7年ぶりとなる組織条例の改正についての議案が提出をされております。ここで改めて、行政課題に的確に対応する組織とはどうあるべきなのかということについてお考えをお聞かせください。

○坂本行政経営課長  御指摘のとおり、行政課題は多様化、複雑化の一途をたどっていると認識しております。今や単独の部署で対応できる課題は限られており、役割を分担しながらも、部署同士が連携、協力し合い、柔軟に対応していかなければ、近年の行政課題に対応することは難しいと考えております。これまで本区では、スタッフ職担当課長制やグループ制を導入することで、課レベルでの縦割りの解消に努めてまいりました。今後は、部レベルにおいてもプロジェクトチームや課題対応型の会議を運営することで横串を通してまいりましたが、今後はさらに複数の部が一致団結して課題解決に取り組む体制を構築していく必要があると認識しております。

また、児童相談所の移管など、本区が取り組むべき行政の範囲は年々拡大していることから、職員数を増員し、区政を推進する体制強化を図ってまいりたいと考えております。

○根岸光洋委員  この組織編成の改正案の中で、特に私どもが思うところがあるので、質問させていただきたいんですが、部単位の改正として、今回、初めての名称なのかとは思うんですが、区長補佐担当部長の設置があると。また、保健福祉部が分割されるということが示されました。これは、保健福祉部は23区でもかなりの多くの区が既に分割されていると伺っていますので、その意図は大まかに分かるんですが、今回の改正によって、この区長補佐担当部長、または保健福祉部の分割というのはどういうふうになっていくのか、また、それを改正する意図というのは、その辺のことについてお伺いしたいと思います。

○坂本行政経営課長  区長補佐担当部長につきましては、区長のトップマネジメントの補佐、及び戦略的なプロモーションにより区の魅力発信を強力に推し進めるために設置いたします。区長のトップマネジメントの補佐とは、具体的には区長の考えや区民の皆様の声に機動性を持って迅速に対応するため、副区長及び政策経営部などと連携しながら、実際に対応することになる部署間の調整を行うこと、さらには、各部署が推進している政策の進捗状況を加味したスケジュール調整などを想定しております。また、区長の直轄組織として、本区の魅力をプロモーションする役割を担い、区内各地それぞれのまちの知名度やイメージを向上させ、様々な区民との交流を創出することによって、地域の活性化を推進してまいります。

福祉部と健康部につきましては、保健所の専門性、機動性を福祉だけでなく、子ども、女性、教育など、様々な部署と横串を通しつつ、多様化、複雑化する課題に迅速かつ的確に対応していくために分割いたしました。

いずれの改正につきましても、複数の部における横の連携を強化し、多様化、複雑化する課題に迅速かつ的確に対応するための組織改正でございます。

○根岸光洋委員  分かりました。区長さんも現場に行って区民の声を直接お聴きするということを伺いましたし、この区長補佐担当部長さんも当然そういう形で動かれるんだと思いますが、いずれにいたしても、風通しのいいというか、迅速な対応ができるような、また、総合的な判断が的確にできるような、そういう組織体制になっていただければと思ってございます。

続きまして、この身の丈に合った職員体制ということで、職員体制をさらにちょっとお聞きしたいんですが、今も申し上げましたけど、機動的、また横断的な組織体制を構築したとしても、やはりそれを実現するのは人であり、つまり区の職員の皆さんの一人一人であると考えてございます。地方自治法第2条では、住民の福祉の増進に努めるに当たっては、最少の経費で最大の効果を上げることが明記をされてございます。令和6年4月1日には、約180名近い方の新規職員の採用を行う計画だと聞いてございます。来年度、この身の丈に合った職員体制について、区としてはどのようにお考えなのか、お聞かせください。

○木山人事課長  今回、約180名という新規採用を大幅に増やしたところでございます。児童相談所をはじめとした区が行う業務範囲の拡大とともに、先ほど来、話にも出ておりますけれども、区が取り組まなければならない行政課題の多様化、複雑化、こういった変化がございます。これらの変化にしっかりと対応するため、組織運営に必要な職員を計画的に採用し、必要な職員体制は確保をしてまいります。

身の丈に合ったということで、適切な職員体制を維持していくために、区としては定期的に業務の見直しを行いながら、中長期的な視点を持って職員の体制を構築していくとともに、人件費についての適正な管理も行ってまいります。

○根岸光洋委員  様々な社会情勢の変化の中において、行政を取り巻く環境が大転換期にあって、職員数を増やしていくということだと理解をしました。

一方で、今後ますます少子高齢化が進み、行政需要は増えるけど、担い手となる職員は少子化で確保が難しくなる、このようなことも懸念されるところでございます。そうなると、職員を増やして対応することにも限界があるのかなということも考えております。今後の職員体制や人材確保などについて考えていることがあれば、教えていただきたいんですが、これまで豊島区は新庁舎ができて、毎年の職員の皆さんが、新入職員の希望としては第一希望でほとんどの方が入ってこられるということで、よく高野前区長も、根岸君、すごいだろうと、みんな第一希望なんだよというふうにおっしゃっていまして、豊島区がテレビや、また報道に出ない日もないぐらいすごいPRがあった成果なのかなと思いますし、また、希望する方も豊島区に期待をして、新入職員として入ってきたんだなと思うんです。ただ一方では、お辞めになる方も年々一定数いらっしゃるということも聞いていますし、また、公務員の採用の受験率というんですかね、倍率というのも下がってきているというようなことも伺っておりますので、そういう中で、豊島区の魅力を発揮しながら、豊島区を目指していただける、そういう新しい職員の皆さんをどう集めて、採用していくのかというのは課題であるんではないかなということも思いますので、この辺についてお考えをお聞かせください。

○木山人事課長  まず、少子化で人が減っているというのは、もうこれは避けられないということですので、どこの自治体も人の確保することについては苦慮をしているところではございます。23区はまだ地方からの人の流入がありますので、サービス対象も増えますけれども、人材確保については、地方の自治体に比べれば、アドバンテージはあると言えると思っております。

ただ、そうは言いつつも、職員数を無尽蔵に増やせるわけではございませんので、並行して事務の効率化やDXなどを進めていく必要があると思っております。

また、近年、やはり本区を希望してくださる受験生の多くは、例えば4つの公園ですとか、消滅可能性都市から機動的に動いたとか、そういったところをかなり高く評価してくれているところもありますので、私たち職員が仕事の中で区政でよりよく実現していくことが受験生の増にもつながっていくかなと思っております。本区含め、特別区はまだまだ人材確保については有利な位置におりますので、その間にDXとか事務の効率化とか、そういったことを着実に進めていきたいと思っております。

○根岸光洋委員  ここからは区の今後の運営について1つ2つ質問させていただきたいんですが、あまり名前たくさん出すとあれでしょうから、高野前区長は、区議、都議、区長と長年の経験、政治経験も含めて、区政のかじ取りをされてきたと、私も16年間のお付き合いでしたが、そう思っております。消滅可能性都市との指摘にもいち早く女性の意見を取り入れて、子育てしやすい、共働きしやすい、女性にやさしいまちづくりを主軸として、ピンチをチャンスに変えてきて、乗り越えてきた政治家中の政治家であったと、このように高く評価をしているところでございます。また、改めまして、新区長の高際区長は民間の経験があり、広域行政として、都職員としても活躍をしてこられた。区政においても副区長として、すずらんプロジェクトをはじめとして、前区長の思いを引き継がれてこられたことを高く評価しているところでございます。改めまして、民間での経験を生かした取組、東京都での経験を生かした取組、また、副区長としての御経験、そして、さらには豊島区初の女性区長として今後どのように取組をされていくのか、御所見を伺いたいと思います。

○高際区長  私は、政治家と今も思っていなくて、首長、自治体のトップだと思っております。また、これまで幸いなことに、民間経験と、それから広域行政の経験も踏まえて、この基礎的自治体のトップに就くことができましたので、その経験はもう十分に生かしていきたいと思っております。と大きいことを言いながらも、一番大事にしているのは、やっぱり区民の声を徹底的に聴くというのは継続してやりたいと思います。今回の予算編成におきましても、区民提案制度で本当にいいアイデアを6ついただきましたし、また、子どもレターの声があったからこそ、163の公園をもう一回見直してみようというようなことにも行き着きました。また、未来としまミーティングも、この間、中学校のPTA連合会とお話をしました。それも含めると4回やりまして、今週は小学校のPTA連合会、週末は生徒会の子たちと意見交換もいたします。そうした直接意見のやり取りをする場というのも本当に大事だなと思います。議員の皆様は日々、本当に痛感されていることだとは思いますけれども、私も改めて区長になってからのこうした経験を繰り返すと、やっぱり区民の皆様、あるいは地元の企業、団体の皆さんと膝を突き合わせて、しっかり時間を取って直接やり取りするということの大事さを本当に身にしみて学ばせていただいております。来年度もそれは継続したいと思います。

一方、いろいろな声がございます。いろんな賛成反対も含めて、いろんな御要望もあるし、各会派からもたくさんの御要望いただいております。財政的な面、あるいは直近の優先度を考えますと、全てのものに同じ濃度ではできない。やはりこちらを充実するに当たって、こちらを、比較ではないですけども、こっちはやっぱり見直していくんだという判断もおのずと必要になるので、区民の皆様にも、何でこっちはやるのに、私たちのここはやめるんだということで、これから御不満も相当出てくる部分もあろうかと思います。ですけれども、やっぱり中長期的な財政のこと、そして、いろいろニーズが変わっていく中で、優先順位をしっかりつけて進めていくということから、御不満が出てくることはある程度承知をしながらも、その皆様に御理解をいただくという努力もしっかりしながらも、区議会の皆様とこれまで以上にいろんな議論をしながら、見極めながら、必要なものを取りこぼすことなくやってまいりたいと思っております。

財政面においても、これから学校をはじめ、老朽化施設の対応という大きなものが控えております。これからの計画についても、基本構想、基本計画と併せてお示しするということをお約束もしております。そうしたこともしっかり認識しながら、予算の硬直化、これだけは招くことのないように、中長期的な目線、今、必要なことをやるためにも、中長期的な財政運営はマストですので、そこはしっかり意識しながら取り組んでまいりたいと思っております。

○根岸光洋委員  いろいろ予算編成と組織と職員、そして、今、区長さんの御意見も伺いました。

最後にしたいと思いますが、区長さんの御意見を伺いましたけど、ちょっと厳しい視点からもう一つ言わせていただきますと、物価高騰が継続している中で、区民生活を支えながらも、老朽化施設の改築など、将来を見通した区政運営が期待をされるところでございます。予算の概要を見ますと、投資的経費については、令和7年度、441億円、その後、8年度、9年度、300億円超というような説明もございましたが、それ以降は投資的経費が落ち着くと書かれてもございます。しかし、今後示される学校をはじめとする公共施設の改築等、中長期計画を考えると、財政の見直しはそんなに甘くないと、このようにも考えているところでございます。これを実現していくためには、場当たり的ではなく、将来の財政フレームを踏まえた持続可能な財政運営を戦略的に進めていくことが重要だと思ってございます。

今、区長さんから答弁がございましたけど、改めまして、最後に、今後の区政運営をどのように、今の視点を踏まえてされていくのか、御所見を伺って、終わりにしたいと思います。

○高際区長  場当たり的にならないようにという御指摘は、本当に心に刻みたいと思っております。これまでも、もしかすると、先の見通しが甘いものでお叱り受けたところもあったかもしれませんけれども、しっかり見通しを持つ、そういう意味では、1年かけて基本構想、基本計画をつくり上げるというのは本当に大きい重要な年度になりますので、特に学校をはじめとした施設をどうしていくのかということも大きな柱になります。SDGs未来都市として、環境をどうしていくのかというのも大きいことになります。子育てのことも、少子化もどんどん進んでいますので、どうしていくんだということもあります。いろんな分野、ソフト、ハード、そして、ウオーカブルなまちづくりもありますので、しっかり見通しを持ちながら、皆様としっかり御意見をいただきながらやってまいりたい。場当たり的なことだけはやらないつもりでおります。