H12年3定木下質問に対する区長答弁
○区長(高野之夫君) ただいまの木下広議員のご質問に対しまして、順次お答えを申し上げます。なお、教育委員会所管に属する事項につきましては教育長からご答弁申し上げます。

まず、行政における一層の情報化の推進についてのご質問にお答えいたします。

第一点目の行政のデジタル化、ネットワーク化についてでございます。

第一番目の、庁内LANに取り組む基本的な考えについてでございますが、私も、木下議員と同様に、電子区役所の実現に向けて積極的に取り組むべきであると認識をしております。その点から、庁内LANの構築を新生としま改革プランの課題の一つとして位置づけて、現在検討を進めているところでございます。その検討においては、第一に、庁内外との電子情報の伝達・交換に臨機に対応できる全庁的なネットワークであること。第二に、区民からのさまざまなアクセスに対応し、電子申請等ワン・ストップ・サービスも運用できるネットワークであること。第三に、不正アクセスや情報漏えいに対するセキュリテイが確保されていること。以上三点を庁内LAN構築の基本的考え方としております。今後とも、このような観点からさらに検討を深め、庁内LANの構築に早期に着手したいと考えております。

次に、第二番目の本格的な行政情報ネットワーク化に取り組むポイントについてでございます。私は、ネットワーク化の目的は区民サービスの向上にあると認識をしており、その取り組みに当たっては、区民がいつでもどこでも必要な情報を入手し、手続をすることができる環境をつくり上げるという点が重要であると考えております。したがいまして、ご指摘のような先行例も踏まえ、組織の肥大化を回避しつつ情報基盤の整備を図ってまいりたいと存じます。

次に、第三番目の行政情報のデジタル化と区民への公開方法の取り組みについてでございます。本区におきましても、文書を手書きする時代は既に過ぎ去っており、ワープロやパソコンで文書を作成しているのが現状でございます。しかしながら、現在のように、一たんデジタル化した行政情報をさらに紙に印刷して回覧等に付していては、これからの時代についていくことはできないと考えております。この点からも、私は、庁内LANを早期に構築して、作成した電子文書をそのまま転送・回覧・決裁・保管し、区民への情報提供や情報公開にも利用しやすい情報基盤を整備していきたいと考えております。また、デジタル化された行政情報の公開方法についても、デジタル化の進展状況に応じ、区民の利便性に配慮した方法を採用してまいりたいと存じております。

次に、第四番目の行政情報化と行政評価制度の導入についてでございます。行政情報化と行政評価制度は、事務の効率化を促進するという点で共通するだけではなくて、行政情報化が進展していけば、事務事業の執行状況を全庁的に把握することが容易になるとともに、行政評価の内容をデータベース化してインターネットで公開し、区民の意見を聞くことも可能になるものでございます。したがいまして、私は、行政評価制度は行政情報化とあわせて推進していく必要があると考えております。現在、試行的に実施しているところでございます。今年度においては、リサイクル事業と図書館事業をモデル事業として施策評価を中心に実施し、来年度においては、その対象を拡大して取り組むことを予定しておりますので、この試行の結果を踏まえて行政評価のシステムを確立してまいりたいと存じます。

次に、第二点目の区の情報化への取り組みについてのご質問にお答えをいたします。

第一番目の早期の災害情報等の提供についてでございますが、平成十一年十一月十五日に試行で開設した豊島区ホームページは、本年八月までに二万八千件を超えるアクセスがありました。現在、十一月の開設に向けて整備中でございますが、まず、ホームページの情報内容の充実が求められます。したがいまして、将来的には、防災情報として気象情報や災害情報などがリアルタイムでアクセスできるようなシステムを検討してまいりたいと存じます。

次に、第二番目の情報ボランティアについてでございますが、災害時においては、情報の提供は迅速かつ正確になされることが必要でありますが、情報が錯綜するとともに職員が十分に対応できないことも想定されます。また、平常時の生涯学習においても、すべて職員で対応することは困難なものもございます。したがいまして、ご指摘の情報ボランティアにつきましては、十分に研究させていただきたいと存じます。

次に、第三番目の豊島区情報政策についてでございます。

インターネットを初めとする、いわゆるIT革命による情報化が社会全般に浸透し、生活環境や社会環境が大きく変わりつつある現状にかんがみ、本区といたしましても、ご指摘のような包括的な情報政策を展開する必要があると考えております。現在検討しております庁内LANは、庁内における情報の共有・流通を促進して組織の意思決定を迅速化するだけでなく、インターネットの活用により、区民との情報共有と意見交換を促進するとともに、区民がいつでも、どこでも区政にアクセスすることができる情報基盤を整備しようとするものでございます。このような情報基盤を整備するためには、庁内LANの構築やインターネットの活用だけではなく、文書管理システム、電子決裁システム、電子申請システム等さまざまなシステムを構築する必要があり、厳しい財政状況のもとにおいて経費的に困難な面がございますけれども、将来を展望し、基盤整備を着実に推進するため、情報政策の検討を図ってまいりたいと存じます。

次に、区有施設の新たな有効活用についてのご質問のうち、第一点目の当面の区有施設の利用方法につきましてお答えをいたします。

旧平和小学校は、昨年三月末閉校した後、本年四月から西部区民事務所となっておりますが、施設開放事業も引き続き実施しております。開放している施設は、ご案内のとおり、校庭、体育館、特別教室ですが、利用状況につきましては、学校が開校していたときと比較いたしますと、利用団体及び利用者数ともにふえております。

第二点目の区有施設及び教育財産の民間への有料貸し出しにつきましてお答えをいたします。

旧平和小学校は昨年の八月から、学校を使用して撮影をしたいというプロダクションに有償でCMやドラマ撮影に貸し出しをしておりまして、十一年度には三十件、百五十八万円の収入がありました。西部区民事務所になりましても、撮影に使用したいという申し出があれば、区民事務所及び施設開放事業に支障のない範囲で使用を許可しており、既に昨年度を上回る収入を上げております。なお、使用許可手続の期間短縮につきましては、改善してまいりたいと考えます。

また、今後、区有施設の有効活用につきましては、ご提案の趣旨を踏まえまして、当該施設の使用目的に支障のない範囲で積極的に貸し出しをしてまいりたいと思います。

次に、新時代の公教育についてのご質問にお答えいたします。

第二点目の公共施設改修時の環境への配慮についてでございます。ご指摘のように、小・中学校を含めた公共施設は、小・中学生に対する環境教育はもとより、地域住民に対して環境問題についての意識啓発を図る観点からも、地域における環境教育の重要な拠点でありますので、従来から、できる限りの環境に配慮した施設整備を図ってきているところでございます。今後とも、学校を含めた公共施設の整備に当たっては、太陽光発電や雨水利用等環境に配慮したシステムを積極的に導入してまいりたいと考えております。

以上をもちまして、木下広議員のご質問に対する私の答弁を終わります。

〔教育長川島  滋君登壇〕

○教育長(川島  滋君) 引き続きまして、教育委員会の所管事項に関するご質問に対しまして、私より順次お答え申し上げます。

まず、第一点目の環境教育・エコスクールについてでございますが、新校舎建設に当たりましては、これまでにも、ご質問にございますように地球環境問題等を視野に入れ、環境に配慮した校舎建設を進めております。平成十六年四月開校を目指しております南池袋小学校建設に当たりましては、千登世橋中学校の取り組みを生かしまして、十分環境に配慮した学校施設づくりを目指し、現在基本設計を進めているところでございます。具体的には、新エネルギー活用型である太陽光発電設備をはじめ、中水利用システム、屋上緑化、ビオトープなど地球環境に配慮したエコスクールとしてのモデル校を目指すべく検討を進めているところでございます。なお、環境教育の目標、実施計画につきましては、それぞれの学校におきまして、文部省の示す新学習指導要領に基づき、各教科や総合的な学習の時間において、環境に着目した学習が取り上げられることになっておりますので、教職員への研修教育を行い対応してまいりたいと存じます。

また、二十一世紀の公的教育施設のあり方についてですが、先ほど区長からも申し上げましたが、今後、学校をはじめとした教育施設が順次建て替えの時期を迎えることになりますので、ご提言を踏まえ、個別具体的にその地域特性や環境に十分配慮するとともに、豊島区環境管理計画の理念に基づきまして推進してまいりたいと存じます。

第二点目の生涯学習の観点から見た情報格差の解消策等に関するご質問にお答え申し上げます。

教育委員会では、これまでインターネット等の情報技術の修得に対する区民の学習ニーズにこたえるため、小・中学校のパソコンを活用して、PTAを対象とした講習会や一般区民向けの学校公開講座に取り組んでまいりました。特に、学校公開講座については、平成九年度、十年度の一校から十一年度三校、十二年度六校での実施と、順次拡大に努めてきたところでございます。

さて、区立図書館にインターネットコーナーを設置する等の取り組みについてでございますが、いわゆるIT革命への対応は、図書館の緊急の課題であると認識しております。本区では、現行の図書館情報システムをインターネットにより蔵書検索が可能な新システムに早期に切り換えるなど、電算システムの整備と利用者端末の増設に優先的に取り組んでまいりたいと考えております。ご案内のとおり、本年六月に公表された国の生涯学習審議会の中間のまとめにおきまして、インターネットを活用した生涯学習の推進方策についてさまざまな提言がなされております。教育委員会といたしましても、区民の方々が情報機器に触れることのできる機会の拡大や情報ボランティアの育成につながるような新たなサービスの展開に向け、使用料の徴収や有害情報への対応をはじめとする問題点の整理や先進的な事例の調査研究に努めながら、急速に進む情報技術革命に立ちおくれることのないよう鋭意検討を進めてまいりたいと存じます。

以上をもちまして、木下広議員のご質問に対する私の答弁を終わります。