公明党 島村高彦

「今を見つめて、未来を創造する街・豊島」

平成30年11月28日登壇

私は公明党豊島区議団を代表して「今を見つめて、未来を創造する街・豊島」と題し、第一に防災・減災対策について、第二に避難場所に指定されている染井霊園と周辺道路の整備について、第三に人と動物が共生できる社会について一般質問を行います。

今年は大阪北部地震をはじめ、230人に及ぶ方が亡くなった西日本豪雨被害、多くの人が熱中症となり、死亡者も発生した夏の酷暑、北海道全域での停電を引き起こし、最大震度7を記録した胆振東部地震、そして列島の至る所を襲撃した台風など、これまでにない自然災害が数多くの被害をもたらしました。幸いにして本区は大きな被害はなかったものの、今後については、地震、豪雨、突風、酷暑などの災害が同時に発生することも想定し、その対策を講じるべきであると痛感した次第であります。

そこで、第一に、そうした最大級の災害の発生を想定しての本区の防災・減災対策について、平成29年修正の地域防災計画を中心に、お尋ねいたします。過去、何度も防災対策の質問を取り上げてきましたが、そのたびに現状の実態と事実からかけ離れた答弁が繰り返されてきたと私自身は感じているところです。今回は、何卒、各地域の現場の実態を正確に掌握したうえで、お答えいただくよう切にお願い申し上げます。

まず、発災時の町会の初動対応要領ですが、地域集合場所、一時集合場所とも呼びますが、そこに集まり、班分けを行い、状況確認、消火活動、安否確認、人命救助などの活動の後に救援センターに避難することとなっております。実際の災害時に、こうした一連の動きが可能と思われる町会は現状、何割ほどであるとお考えになっているかお答えください。また、過去の質問で、地域集合場所、避難場所、救援センターや避難方法の区民の認知度をお尋ねいたしました。平成17年4定のときは、そうした調査は実施したことはないとのお答えでしたが、平成24年2定のときは、平成23年12月に実施し、防災訓練参加経験者15.2%、自分の避難する救援センターを知っている区民は35.5%とのことでした。現在の状況についてお聞かせください。そして、地域集合場所に集結後、町会災害対策本部、町会指揮本部とも言われておりますが、これを立ち上げ、町会長、防災部長を中心とした班分け、すなわち、あらかじめ定められている情報連絡班、消化班、救出救護班、避難誘導班、給食給水班がそれぞれの任務を被災した町内で果たすこととなっております。この役割についても、過去の質問で住民の認識度をお尋ねしました。現状では、どの程度の町会員が自分の役割を認識しているか、また、認識したうえで、実際に行動できる町会員はどれほどいるか、さらにこうした役割があることを知っている区民がどの程度いるとお考えか、お答えください。おそらく、実際の災害時には、役割を認識して訓練を積んだ町会以外、それがほとんどあると考えますが、役割を認識することなく、行動するのではないでしょうか。したがって今後は、すでに対応可能な町会を除き、あらかじめ役割を定めるのではなく、より多くの町会員に避難の際に必要な知識の習得と訓練に取り組んでもらうよう支援する方が効果的ではないでしょうか。ご認識と今後の方針についてお聞かせください。

次にこうした避難訓練も含めて防災訓練のあり方についてお尋ねいたします。現在、本区では発災対応型訓練に取り組みはじめておりますが、多くは従来通り、公園、児童遊園等の一定の場所での集合型の訓練が中心となっています。しかし地域防災計画には「街区を活用した発災対応型訓練」が盛り込まれております。この訓練により、町内の災害時における危険個所の認識が深まり、避難や延焼防止に必要な資器材の配備やその扱い方法を具体的に習得する機会になると考えます。以前の質問で取り上げたように、町会に配備されているD級ポンプも貯水槽のないところでは使用できないことも実感でき、必然的にスタンドパイプの扱い方の習得が必要であることも実感できることとなります。また、災害時要援護者の避難支援についても、これは名簿を保持している役員のみとなりますが、実際の居住状況の確認と避難方法を想定する訓練にもつながります。よって、今後の訓練は町内を移動しながらの訓練を、より多くの町会で徹底すべきと考えますが、ご認識をお聞かせください。

次に地域集合場所(一時集合場所)となっている、公園、児童遊園についてのお尋ねです。地域防災計画には「公園等に設置されたマンホールトイレやかまどベンチ等について、防災訓練を通じて使用方法を習得する」とあります。しかし、こうした設備が設置されている公園、児童遊園は何か所あるのでしょうか。ほとんどの中型以下の公園や児童遊園には設置はされていないと思われます。したがって、設備のある公園に移動しない限り、計画に定めた訓練の実施が、不可能な状況となっております。災害の状況により、長時間に渡り、地域集合場所に滞留することも想定されるのではないでしょうか。その時、慣れ親しんだ地域の公園、児童遊園に災害時に機能する設備が設置されていることは非常に重要なことと考えます。前回の質問では平常時における児童遊園の活用についてお尋ねしましたが、加えて、災害時に有効に活用できる公園、児童遊園の整備にも取り組むべきと考えます。なかんずく、児童遊園については都市公園法の縛りを受けないことから、費用面の課題もありますが、効果的な活用が期待できます。よって、小規模公園活用プロジェクトにも防災機能の整備充実を組み込むべきと考えますが、お考えと取組み方針をお示し願います。

次に、住民に対する災害情報伝達です。様々な伝達方法がある中で、最も速く、より多くの人に情報を伝えることができるのは、各地域の防災行政無線であると考えます。本区はこのデジタル化に取り組んでおりますが、これまで住民から、うるさい、聞き取れないなどの苦情もありましたが、デジタル化によってこうした課題は解決するのかお答えください。また、西日本豪雨災害における避難勧告・指示を呼びかけられた対象者863万人のうち、実際に避難所に避難した人は全体の0.5%未満とのことです。避難指示という言葉の緊迫性が伝わることなく、結果、多くの命が失われてしまいました。そこで、本区においては、勧告・指示の発令が必要である場合は「非常に危険なので早く避難」「命を失う危険があるので大至急避難」等の言葉に変えて呼びかけるべきと考えますが、いかかでしょうか。さらに、先ほどお聞きした避難訓練にも大きく関係していることですが、避難態勢における区の役割として地域防災計画には「平常時から一定の地域又は町会単位に、避難時における集団の形成や自主統制の状況について、地域の実情を把握するように努める。」とあります。非常に重要なことですが、具体的にどのように努めているのかお聞かせください。

次にこれまで長期間にわたり取り上げてきた、災害時要援護者・避難行動要支援者対策です。平成28年4定の答弁では「防災訓練等の機会に、町会の方々に災害時の要配慮者に対する支援をお願いしています。」とのことでしたが、私自身10年以上、町会の防災部長を務めておりますがお願いされたことはなく、また消防団員として複数の町会の防災訓練に参加しておりますが、お願いしている様子もうかがったことがありません。改めてお尋ねしますが、いくつの町会にお願いしたのか、合同防災訓練時の事例ではなく、単独町会単位でお答えください。また、これまで要援護者も参加しながらの防災訓練の実施をお願いしてきましたが、「要援護者ご自身が実動訓練に参加いただくことは、障害や病状など、体調管理の面から慎重にならざるを得」ないと後ろ向きの答弁でありましたが、地域防災計画には、いつの間にか、「避難行動要支援者等を含めた震災対策訓練の実施の指導」「防災訓練への参加の促進」と記載されております。これが行われている町会と取組み内容、事例について同じく単独町会単位でお聞かせください。そして、地域防災計画に「避難行動要支援者等の安否確認、援護体制が整備されるよう、区は、関係者による連絡会の設置・運営を検討する」とあります。検討状況、結果についてお聞かせください。さらに、「避難行動要支援者等の福祉ニーズを的確に把握するため、地域共有名簿等を活用し、また関係機関や地域住民等の協力を得て、地域福祉需要調査を実施する。」とあります。実施状況、結果についてお聞かせください。

次に救援センターについてお尋ねです。

まず、その開設期間は災害救助法により、発災から7日間と定めており、本区の設定も同様となっております。しかし、過去の大災害で全ての避難所が閉鎖されたのは、新潟中越地震で発災から2か月後、熊本地震は5か月後、東日本大震災7か月後、阪神淡路大震災では9か月後でありました。今年の北海道胆振東部地震で被災した札幌市では、約70人が避難しているにもかかわらず、1週間後、突然、避難所の閉鎖が通告され、避難者たちは、そのまま崩落した危険な自宅や、生活困窮者用のシェルターに身を寄せるなどして過ごしたとのことです。本区においてはけしてこのようなことはないと確信しているところですが、札幌市には避難所閉鎖の指針がなかったとのことです。地域防災計画には「状況により期間を延長する必要がある場合には、都知事の事前承認を受ける」とあります。発災7日後、避難者対策に追われる中、スムーズに期間延長することが求められておりますが、本区の体制が十分であるか、お聞かせください。

次に何度もお尋ねしている救援センターの鍵の開錠であります。門扉の開錠とセンター施設の開錠を立て分けて明確な答弁を願います。夜間、災害対策要員や担当職員が到着できない場合、まず、門扉の開錠について、救援センター開設マニュアルには、「地域防災組織で区が指定した者が開錠を行う」とあります。すなわち、全ての救援センターに指定された者がいるということになりますが、そのとおりになっているのか、現状の実態のまま、お答えください。次にセンター施設の開錠については、平成28年4定で「事前に決めておいた窓や扉のガラス等を破り、当該施設に入」るとの答弁をいただいております。各救援センターのどこのガラス窓を破るかについて、各地域のどなたがご存知なのか、お聞かせください。今年9月の台風21号により、避難所を開設した神戸市では、自治体職員がその運営を担うこととなっていますが、暴風雨のため、複数の学校に職員が行けないという事態が発生いたしました。昼間でもあり、学校を休校としたため、居合わせた教員数名で避難してくる市民に対応しました。時間によっては校長一人で対応した学校もあったとのことです。これが夜間であれば、避難者だけで開設、運営を担わなければならなかったのです。まして本区においては、救援センターの開設、運営は住民が中心となって行うこととなっているのです。そうした前提にもかかわらず、地域防災組織の防災部長である私自身、何も聞かされておりませんが、鍵の開錠等の具体的な内容については、大災害時の緊急事態にあるとき、各地域において複数名が対応できる状態となっていなければならないと痛感しております。ご見解をお聞かせください。

次にセンター開設時の課題についてお尋ねします。まず、避難者収容の際、本区では学校体育館の半数以上が2階以上に設置されていることから、階段の昇降が困難な要配慮者は1階に設置される福祉室に避難することとなります。その際は最小限の家族の同伴も認められておりますが、そのとき脚を負傷した人やたまたま病気で動けない人なども要配慮者となります。収容しきれない場合、福祉救援センターや補助救援センターがありますが、一般の避難者と交じり合い、混乱を極める中、マニュアルで定めておくだけでなく、誰がどのように対応するのか、あらかじめ関係機関同士による現場想定訓練と区民への周知が必要ではないかと考えます。同様に開設時に必要となる補助犬同伴室やペットスペース、汚物集積場などのスペースはそのときに決めるのではなく、平常時に学校関係者と町会で相互に確認し合っておく必要があると考えます。ご見解をお聞かせください。

次に、センター避難後の近隣火災発生時の対応についてお尋ねします。学校周辺に住宅が密集している本区では、余震の発生とともに十分に想定できる事態であります。地域防災計画では、「派遣された指定職員が学校班と協力して初期消火にあたる。」とあります。しかしながら、教育委員会に確認したところ、教員は学校配備のD級ポンプ等は基本的に扱ったことがないという回答でした。指定職員が出動できない、また遅れたとき、避難者の中にも扱うことができる人がいない場合は想定されているのでしょうか。救援センターの安全確保体制として、どう認識されているのか大災害を念頭において、お答え願います。

次に停電、都市ガス停止時の対策についてお尋ねです。平成24年2定において救援センターに災害時用の非常用電源を導入するよう要望いたしました。「順次、拡大」するとのことですが、経費面の課題からか、新設校数校を除き、導入されておりません。前定例会で全会派からの要望を受け、全校体育館に冷暖房機の設置が決定いたしました。しかし、せっかく設置しても、停電、都市ガス停止時に作動しなければ、今夏のような酷暑の中では、避難生活は困難を極めます。そこでLPガスを利用したガスヒートポンプエアコンを導入する自治体が増加しつつあります。省エネ性が高く、電気、ガス等の断絶時も独立して機能を果たします。災害時の避難所で、エアコンが機能した自治体とそうでない自治体でその後の評価も大きく分かれてしまいます。ましてや、招集あいさつでも述べられているように「セーフコミュニティの認証都市として、さらなる安全・安心なまちづくりを実現」するのであればなおさらのことと考えます。先日、全国LPガス協会のご提案をご案内申し上げましたが、導入の可否についてご見解をお示しください。また、本機導入とは別に災害時におけるプロパンガスの利便性が高いことから、全国LPガス協会との災害協定を締結する自治体も増えております。23区では6区が締結しておりますが、避難生活を効果的に支援するためにも連携を図るべきですが、方針をお聞かせください。

防災・減災対策の最後に、地域の防災力向上対策についてお尋ねです。これまで地域防災組織、すなわち町会を中心として地域防災力の向上に取り組んでまいりました。しかしながら、その取り組み状況はまちまちであります。地域防災組織は災害対策基本法で規定されてはおりますが、あくまで町会や住民の自主的な活動を期待しており、なんらの責任や義務も発生するものでないことからすれば、やむを得ないことであります。その一方で、災害で同じ襲撃を受けながら、被害が多い地域と少ない地域があることをこれまで事例として何度もご紹介してまいりました。今年の豪雨災害でも、多くの被害が発生した地域で、被害者ゼロの地区がありました。土砂災害を想定した声掛け訓練を行っていたこの地区は、避難指示が出される前に避難が完了していたのであります。被害を減らすためには、どうしても地域の防災力が必要です。そこで、町会だけにお願いするのでなく、しかし町会の十分な理解を得ることを前提に、それ以外の住民や区内勤務者等への働きかけが必要ではないかと考えますが、いかかでしょうか。岩手県盛岡市では、一般市民や市内勤務者を対象に災害や防災の知識を身に付ける講座を開催し、「盛岡市地域防災リーダー認定証」を交付する取組みを開始いたしました。また、新潟県長岡市では有志メンバーにより「中越市民防災安全士会」が立ち上げられ、各地域の実情に応じて、防災講演や事例発表会、応急救命訓練等に取り組んでおります。さらに葛飾区で防災まちづくりに取り組んでいる社団法人所属の女性ボランティアは全国で子供連れの若い母親対象に防災ママカフェを開催し、防災意識の低い層に対し、年々、多大な啓発を与えております。自治体に請われて開催することも多いとのことですが、こうした民間の活動家を活用することも区民の防災意識向上に大いに役立つと考えますが、いかかでしょうか。そして、地域の防災減災対策の裾野を広げていくためには、若い人への働きかけが最も重要であると考えます。愛媛県では災害時に自助、共助が主体的に発揮できる生徒を育成するために、中学生を対象に「ジュニア防災リーダー育成プログラム」を導入し、年次毎に10時間程度の防災教育を開始いたしました。災害の増加が想定される将来を見据えた重要な取り組みと考えますが、今後の地域の防災力向上に向けて、本区の取り組み方針をお示し願います。

第二に避難場所に指定されている染井霊園と周辺道路の整備について三度目となりますが、お尋ねいたします。

最初に霊園そのものについてです。平成14年6月、高野区長から都に対し雑司ヶ谷霊園と染井霊園の公園化の要望が提出され、平成23年7月、東京都建設局公園緑地部から区に対して、「染井霊園再生事業について」通知があり、平成25年度から実施設計を行い、平成26年度から整備に着手するということが同年7月15日の副都心開発調査特別委員会で発表されました。ところが翌平成24年5月30日、今度は東京都公園審議会から「染井霊園再生のあり方について」答申がまとまったとの発表があり、そこには平成26年度着手の記載はありませんでした。その発表の半月以上前の5月12日には霊園周辺の巣鴨五丁目の3町会から都と区に対して霊園の防災面の強化を要望する「染井霊園ならびに霊園周辺の再生のあり方について」の意見書が提出されております。いずれにしても、周辺住民は平成26年度からの整備を期待しておりましたが、未だ未整備のままであります。そうした中、本年6月には霊園再生事業の概要が発表され、内容は、お墓の返還の促進と立体式墓地の整備に着手するというものです。首都直下地震の発生が危惧される中、防災機能の確保についての要望は一体どうなっているのか。再生事業のために「測量が必要となった」とはお聞きしておりますが、この間の東京都の対応については、要望に応える姿勢を感じ取ることができないのであります。これまで「東京都と連携し、計画的な整備に努めて」いくとの区の答弁もいただいておりますが、本区としてどのように認識されているのかお答えください。

東日本大震災の直後、かなりの墓石が倒壊している染井霊園を見て愕然とし、ここが避難場所に指定されていることに怒りを感じた区民のお話はお伝えしたとおりです。それに対し区は「避難場所は大規模な火災から一時的に身を守る場所」であり、「避難所のように長期間にわたって生活する場所として想定されて」いないので、問題はないような答弁でありました。救援センターや補助救援センターが大規模災害により、何らかの事情で機能不全に陥ったとき、現状では避難場所がその代わりを果たさざるを得ず、また、一時的に避難する場合であっても、余震等により、さらなる墓石や他の構造物の倒壊や落下の恐れがあるならば、避難場所としてはふさわしくないと考えますが、いかかでしょうか。そして何より、地域防災計画にあるように、避難場所指定の定義として「震災時に避難者の安全を著しく損なう恐れのある施設が、避難場所内部に存在しない」こととなっております。現状、この定義にも反すると考えますが、いかかでしょうか。また、3町会合同意見書には、避難場所としての安全性を高めるため、霊園内の通路の拡幅や照明の整備、そして霊園入口の拡幅と増設を要望しておりますが、東京都からの回答はありません。この要望は避難場所として最低限の要件であることから、至急、整備計画に反映するよう都に申し入れすべきと考えますが、ご認識をお聞かせください。また、避難場所で一定期間生活せざるを得ない場合は、テントを活用して運営するとの答弁でした。確かに空地もありますが、今の染井霊園において、避難生活に耐えうるテントがいくつ設置できるのかお答え願います。さらに、一時的にせよ、大規模災害時において、現状の染井霊園に何名の避難者を受け入れる計画となっているのか、当然、安全性も考慮の上、お答え願います。次に避難場所におけるし尿処理として、地域防災計画には「区は、都下水道局との協議等により、下水道用マンホール直結型仮設トイレの設置を進める。」とあります。現状、染井霊園内に災害時に使用可能な、マンホール直結型仮設トイレがいくつ設置されているかお聞かせください。それ以外にも、避難場所に必要とされる機能は数多く求められますが、これまでの都の整備方針には防災機能の充実は示されておらず、現状のままでは避難場所として極めて不十分であると言わざるを得ません。何より、住民の多くが自発的にここに避難するとは考えられないのであります。また、今からお墓の返還に取り掛かるようでは、整備そのものが相当先となります。その間に大規模災害が発生しないと言い切れるのでしょうか。一方で、染井霊園のそばにある北区西ヶ原みんなの公園は、以前にもご案内したように数多くの災害用マンホールトイレやかまどベンチが設置されており、隣接して大型の福祉施設もあります。したがって、周辺の豊島区民も災害時には西ヶ原みんなの公園に避難していくと見込まれます。「西ヶ原みんなの公園は単独で避難場所に指定されるだけの面積はない」との答弁でしたが、避難時には、染井霊園よりはるかに多くの有効面積を保有しており、安全性も高いと考えますがいかかでしょうか。また、同じく過去の答弁で同公園を「染井墓地と一体とみなして避難場所の指定をするよう、東京都に要請している」とのことであり、3町会合同意見書でも「霊園とみんなの公園の連携による機能拡充」を要望しております。あれから6年以上が経過した現在、どのような結論となったのでしょうか。さらに、今後も染井霊園が長期間にわたり現在のままであるならば、避難場所としての指定を取り消し、西ヶ原みんなの公園を避難場所として指定するよう東京都に対し、強く要請すべきと考えますが、お考えをお示しください。

次にこのまま染井霊園を避難場所としていく場合の周辺整備についてお尋ねいたします。3町会合同意見書では、霊園周辺の狭隘道路の拡幅整備、霊園に至る在来道路と国道17号線の接合が要望されております。なお、この時点では、本区における木密不燃化10年プロジェクトが発表される直前であったことから、補助81号線の実現性も認識されていない状況であることをご承認ください。結論的には、国道17号線方面からの避難者とそれ以外の方角からの避難者がともに安全に霊園に避難できる道路の整備と霊園から補助81号線や国道17号線等の主要道路にすみやかに移動できる道路整備を要望しております。具体的には、霊園と豊島市場の間の道路から霊園にそって補助81号線に至る道路の拡幅であります。霊園側の敷地の一部を道路として整備することにより、民地にほとんど影響なく整備でき、災害時に安全な避難、移動が可能となります。地域防災計画にも、「新たな防災生活道路の指定」や「避難路の安全性の確保」、そして区道の整備として「救援消防活動に有効な地区レベルでの道路の整備を進め、地区道路網の形成を図る」等、数多くの計画が記載されております。当然、実現に至るには、墓の返還や墓石の移動など所有者の理解と協力に加えて、東京都との十分な協議が必要であり、かなりの長期計画になると見込まれますが、地域防災計画に定められている地震に強い社会づくりを実現する計画であると考えますが、霊園周辺道路の整備について、ご見解及び今後の方針についてお聞かせください。

第三に人と動物が共生できる社会についてお尋ねします。

動物愛護法は人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的としております。平成24年、同法の改正により、終生飼養の努力義務が明文化され、ペットの安易な引き取りを拒否できるようになったこともあり、全国的に動物の殺処分が大きく減少しています。しかし、それでも平成29年度中に全国で殺処分された猫は34,865匹おり、犬の8,362匹を大きく上回っております。本区において猫の殺処分はゼロでありますが、これは本区から愛護センターに持ち込まれた猫をNPO法人がすべて引き取っているからであります。現状、飼い主のいない猫は本区にも多く存在しております。これまで野良猫による糞尿、鳴き声、ごみの散乱等の地域住民に対する被害を防止するため、地域猫活動を事業の柱として取り組んできました。その事業を担ってきたのが、主に各町内に結成された地域協議会の活動家たちであります。平成19年に地域協議会が設立されて以来、猫の苦情件数も年々減少しており、平成18年度中に585件あった苦情件数は30年度は10月末で36件と実に大きな成果を収めております。担当課のご尽力もあり、今では地域猫活動に対する住民の理解も以前よりは進展しております。しかし、これまで、活動家たちは理解のない人たちから迷惑な餌やり人と思われ、暴言をあびせられたり、110番通報をされ、地域猫活動の知識のない警察官から激しく叱責され、区の巡回パトロールの警備員からも侮蔑するような言動を受けたり、また、町会パトロールの際、餌やり中の猫の耳元で拍子木を鳴らされるなどの嫌がらせを受けたこともありました。仕事の合間をぬって、自己負担で餌を購入し、区の事業を担っているこうした活動家たちをどのように認識されてきたのか、お聞かせください。

また現在、地域協議会は区内に36団体あり、最初は行政主導で立ち上げられたものの、平成22年以降はそのほとんどが、中核を担う数名の活動家たちの尽力により立ち上げられました。相当な労力を要しますが、このことについても、どう認識されているか、お聞かせください。

本年から不妊去勢手術費の助成金が増額され負担軽減が図られましたが、同時に申請方法が変わったことにより、殺処分を減らそうと活動しているメンバー、すなわち地域猫活動の中核メンバーたちと本区の方向性の違いが、課題となっております。たとえば、地域猫活動に加わらずに個人的に猫の世話をする方々による手術費助成の一般申請については、これまで単独で行うことができましたが、本年より協力者の連名による申請が義務付けられました。本来的に個人活動家は人と関わるのが苦手な人が多く、それゆえ地域協議会にも参加できないのであります。元々協力者のいない人たちに協力者の連名を求めることにより、当然ながら申請自体が重荷となり、避妊去勢されずに殺処分に向かうという結果につながってしまうのです。協力員を求めるのは、推進員の負担軽減のために判定制度を廃止したことによる代替措置とのことですが、飼い主のいない猫の判定については、当然、事前が望ましいが、日程が合わずに申請後となっても、推進員、協力員に判定を依頼すべきと考えます。その際、それ以外の猫を持ち込み申請したのであれば、助成金の返還請求を行い、以後の申請資格を取り消すことで再発防止とすれば済む話ではないでしょうか。中心メンバーたちは、自分たちの地域猫活動に加わらない個人の活動についても、殺処分を減らすために見守ってきたのであります。すなわち、地域猫活動は殺処分をゼロにする取組みであり、避妊去勢された猫が地域に害を及ぼさず、静かに余生を過ごし、それによって地域もそれを受け入れていくようになることが目標なのです。それ対し本区の飼い主のいない猫対策は、地域猫活動に関しての地域の周知、理解と、生活環境の静謐を図ることを目標としていると思われます。しかしながら、これまでの中心メンバーの活力を削いでしまえば、地域猫の網から逃れた猫、すなわち指定外の猫が激増し、生来の繁殖力を発揮し、結果、街は荒らされ、苦情も増加し、殺処分に向かう猫も増加するといった具合に、双方の目的から、かけ離れた状態となってしまうことをお考えになったことはあるのでしょうか。

飼い主のいない猫対策は地域の環境対策であるとともに、動物愛護社会の実現対策でもあると考えます。小池都知事は、「ペット殺処分ゼロ」の公約を掲げました。これを契機に「殺処分ゼロ」をスローガンとして掲げる自治体も増え、多くの犬や猫が動物愛護団体などに譲渡されるようになりました。結果、この愛護団体の負担が急激に増えているとのことですが、本区では、愛護団体やNPO法人とどのように関わっているのかお聞かせください。また、本区は東京都のように、殺処分ゼロを掲げておりませんが、これに対してのお考えをお示しください。

千代田区は行政側から、ボランティアを募集し「ちよだニャンとなる会」を発足させました。現在は一般社団法人となり、地域住民が主体的に地域猫の適正な管理が行えるように仕向け、 ボランティアは自分達しかできない捕獲や行政との連携、保護・譲渡活動に取り組むなど、協力住民との役割分担ができるようになっています。飼い主探しには、本区では行っていない、区と協働の譲渡会を年4-5回、開催しております。行政と区民ボランティアの協働が大きな成果を上げております。人と動物が共生できる社会を実現するためには、この「協働」が不可欠です。本区もボランティアとの信頼関係を深く築いた上で、その対策に取り組んでいただきたいと望んでおりますが、今後の取り組み方針についてお聞かせください。

以上で、私の一般質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

公明党 島村高彦議員 30年第四回定例会 一般質問 答弁

 

高野区長答弁

ただいまの、島村高彦議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

防災・減災対策についてのご質問のうち、まず、災害時に一連の初動体制が可能と思われる町会の割合についてのご質問にお答えいたします。

 現在、各地域本部の救援センターで行っております合同防災訓練では、災害時の町会の初動対応の要領にもとづいて訓練しており、町会としては、一連の行動は理解されていると考えます。

 次に、地域集合場所、避難場所、救援センターや避難方法の現在の区民の皆さんの認知度についてのご質問にお答えいたします。

 救援センター等の認知度に関する調査は平成24年度以降は実施しておりませんので、正確な割合は不明でございますが、広報、SNS等に加え、あらゆる手段を活用し、さらなる周知に努めてまいります。

 次に、災害時の自分の役割を認識している町会員、実際に行動できる町会員、役割があることを知っている区民の皆さんがそれぞれどの程度いるかについてのご質問にお答えいたします。

 現在、合同防災訓練において、情報連絡班等の各班を実際に設置し、訓練参加者に対して各班の役割について説明をしています。課題は、訓練に参加したことのない住民の皆さんが、救援センターの各班の役割を認識していないことです。

 今後、合同防災訓練、総合防災訓練等の更なる魅力化を図り、子どもを含む若い世帯など、多くの区民の皆さまが集まり、楽しく防災の知識を学べる場とすることで、合同防災訓練等への参加者の裾野の拡大を図ってまいります。

 次に、より多くの町会員に避難の際に必要な知識の習得と訓練への取り組みを支援することについてのご質問にお答えいたします。

 町会の皆さまに対して、あらかじめ役割を決めず、避難の際に必要な活動に関する知識を広く普及させることも一つの方法であり、今後、町会の状況に応じて、より多くの町会の皆さまに訓練に参加していただき、広く防災知識を習得していただくような訓練の在り方についても、あらためて検討してまいります。

 次に、町会を移動しながらの訓練の徹底についてのご質問にお答えいたします。

 実際に生活をしている場所から、避難を行う場所までを活用して訓練を行うことは極めて実践的であり、町会の皆さまの防災意識の向上にもつながるものと考えます。

 今後は、地域防災訓練において各町会のご意見も踏まえ、実施要領について検討してまいります。

次に、LPガスを利用したガスヒートポンプエアコンの導入の可否についてのご質問にお答えいたします。

 救援センターのうち、現在、都市ガスで冷暖房を行っている施設につきましては、切り替え装置の設置によりLPガスによる稼働も可能です。LPガス切り替え装置等のスペースの確保など、所要の条件を満たす施設につきましては、非常時にLPガスへ切り替えて冷暖房が行えるよう、検討してまいります。

 次に、全国LPガス協会との災害協定の締結についてのご質問にお答えいたします。

 災害時の都市ガスの代替手段として、LPガスは大変有効なエネルギーと考えております。他自治体の例を参考にしながら、協会との災害協定の締結を検討してまいります。

次に、地域防災力向上のための町会外の住民や区内勤務者等への働きかけについてのご質問にお答えいたします。

 ご指摘を踏まえ、区内企業や区民の皆さまが多く参加される総合防災訓練や帰宅困難者対策訓練等の機会を通じて、災害時に区内企業や、町会加入者以外の住民の皆さまが地域の防災活動に協力していただけるよう、ご理解とご協力をお願いしてまいります。

 次に、区民の防災意識向上のための民間の活動家の活用についてのご質問にお答えいたします。

 区は、合同防災訓練での図上訓練を、女性の防災リーダーの育成を行っています「減災と男女共同参画研修推進センター」と共同で実施しています。今後もこうした方々との連携を強化し、区民の皆さまの防災意識の向上に努めてまいります。

 次に、今後の地域防災力向上のための若い人への働きかけの取り組み方針についてのご質問にお答えいたします。

現在、区内の大学では学生が消防団員として消防団の活動に参加し、地域の防災力の向上に貢献しています。

また防災危機管理課では、区立小・中学校を対象した防災教室の開催や、都立高校において講話を盛り込んだ宿泊防災訓練を行うなど、毎年防災に関する事業を実施し、防災意識の向上に努めております。

さらに区立小・中学校におきましては、年間計画に基づき、あらゆる災害を想定した防災訓練・避難訓練を実施して、自助・共助の防災教育を進めております。

地域の防災力の向上のためには、若い世代への防災意識の啓発は非常に重要であり、今後とも教育委員会をはじめ、消防等の関係機関との連携を深め、地域の防災力の裾野の拡大に努めてまいります。

今回のご質問は防災・減災対策が大半です。まだ答弁の途中ですが、最前線で対応しております危機管理監に、さらには呉副区長より答弁いたします。その他の質問は齊藤副区長より答弁いたします。

防災・減災対策についてのご質問のうち、まず、災害対応の設備が設置されている公園、児童遊園の数についてのご質問にお答えいたします。

各町会の地域集合場所130か所の内、公園・児童遊園は91園となっております。そのうち非常用トイレは8園合計37基、かまどベンチは16園57基を設置しており、ご指摘のとおり中型以下の公園には少ない状況です。

次に、防災機能の設備充実を小規模公園プロジェクトに組み込むことについてのご質問にお答えいたします。

 地域の公園・児童遊園における防災機能の設備の充実についてのご指摘はごもっともな内容と受け止めております。

地域防災計画との整合を図りつつ、今後小規模公園活用プロジェクトの検討事項に加えることを含めまして、設備の充実に向けて取り組みを推進する方策を検討してまいります。

次に、避難場所に指定されている染井霊園と周辺道路の整備についてのご質問のうち、防災機能の確保の要望における都の姿勢に対する認識についてのご質問にお答えいたします。

染井霊園の整備について、東京都は、本年6月に染井霊園再生事業を発表し、それによれば、発災時に避難など防災に資する空間としての拠点広場の整備、災害時の避難経路としての機能に配慮した園路の整備、霊園入口の拡幅などを実施するとしています。

区としましては、今般、事業計画にあたる染井霊園再生事業が発表され、具体的な整備の内容や2026年度までと事業期間が示されたことから、東京都により、この整備事業の内容に沿って、防災機能にも配慮した整備が、今後実施されるものと認識しております。 

私からの答弁は以上でございます。

防災・減災対策についてのご質問のうち、まず、防災行政無線のデジタル化による課題解決及び避難勧告・指示の呼びかけについてのご質問にお答えいたします。

 同報系防災行政無線のデジタル化により、今まで以上に音の明瞭化が図られますとともに、各子局のスピーカーごとに音量調整が可能となります。従いまして、防災行政無線が設置されている各地域の状況に応じて、区民の皆さまの様々なご要望にきめ細かく対応できるものと考えております。

 また、災害発生に伴う避難勧告・避難指示を防災行政無線で呼びかける場合には、区民の皆さまが危険を認識し、適切な避難行動を取れることを念頭に、その表現について内容を検討してまいります。

次に、避難時における集団の形成や自主統制の状況の実情把握についてのご質問にお答えいたします。

 合同防災訓練において、各町会単位で地域の一時(いっとき)集合場所に参集後、人数等の把握を行ったうえで各町会長等のリーダーの指示に従って集団で行動する訓練を行っております。今後も合同防災訓練等の場を活用して、地域の実情を把握するよう努めてまいります。

次に、災害時の要配慮者に対する支援のお願いがなされた町会数についてのご質問にお答えいたします。

 区は、要支援者名簿を配布する際に、すべての町会長、民生委員の方々に、災害時に要支援者に対する支援をお願いしてまいりました。区内では、地図上に要支援者の住宅をプロットして周知している東目白自治会、要支援者名簿を活用して支援の可否等をアンケート調査している南池袋二三四(ふみよ)町会など、モデルケースとなる町会もあります。区としましては、このような活動が各町会に広がるよう紹介していくとともに、必要な支援について検討してまいります。

次に、「避難行動要支援者等を含めた震災対策訓練実施の指導」等がなされた町会と取り組み内容等についてのご質問にお答えいたします。

 現在、合同防災訓練等において、要支援者の方々が参加した実績はありません。しかし今年度の帰宅困難者対策訓練においては、聴覚障害者、視覚障害者の方々21名が訓練に参加していただき、有意義な訓練ができました。今後、合同防災訓練等への要支援者の方々の参加についても、豊島区障害者団体連合会等の関係機関と調整し、検討してまいります。

次に、避難行動要支援者等の安否確認等のための連絡会の設置・運営の検討状況、結果についてのご質問にお答えいたします。

 現在、区では、安否確認等のための連絡会は設置しておりませんが、モデルケースとなるような町会の活動状況等も踏まえ、設置・運営に関しての検討を行ってまいります。

次に、地域福祉需要調査の実施状況、結果についてのご質問にお答えいたします。

 地域防災計画における地域福祉需要調査は、災害の復旧・復興期において区が実施するものですが、現在、具体化はされておりません。今後、具体的な調査項目や調査方法等について、関係機関と検討を行ってまいります。

 次に、救援センター開設期間の延長の際の区の体制についてのご質問にお答えいたします。

 救援センターの期間延長については、災害対策本部が避難者数や応急仮設住宅等への避難者の受け入れ体制、学校教育の再開等、さまざまな状況を考慮し、救援センターの統廃合も含めて判断してまいります。

区といたしましては、被災者の生活再建支援を進めることで、避難者が救援センターから一刻も早く新たな生活へ移れるように努力いたしますとともに、救援センターの期間の延長が必要な場合には、先行的に都と調整を行い、支障なく期間の延長や運営ができるよう努めてまいります。

 次に、各救援センターの門扉の開錠を行う、地域防災組織から指定された者についてのご質問にお答えいたします。

 救援センター開設標準マニュアルでは、救援センターにおいて緊急を要する場合には、ご指摘のとおり地域防災組織で区が指定した者が開錠を行うことになっておりますが、現実にはセキュリティ上の課題や、区の災害対策要員以外の町会等の特定の方に開錠という重責をお願いすることが妥当なのかという議論があり、現時点で指定をおこなっている施設はございません。

 次に、各救援センターのどのガラス窓を破るか知っている地域住民についてのご質問にお答えいたします。

 先ほどご答弁申し上げましたとおり、現状では、地域防災組織の方に開錠をお願いしておりませんが、あらかじめ担当者が指定された場合には、施設側と事前に決めておいた窓や扉のガラスを破り、当該施設に入り、救援センターの開設を行っていただくことになります。

 次に、救援センターの開設・運営は複数名が対応できるようにしておくことについてのご質問にお答えいたします。

 救援センターによっては、地域配備職員が到着する前に、町会の皆さまが救援センターの開設運営を行う事態も想定されます。したがいまして、緊急時の施設開設のルールにつきましても救援センターごとに地域防災組織の必要最低限の方には周知しておくべきものと認識をしており、セキュリティ上の課題も含め、より良い方法を検討してまいります。

次に、災害時の要配慮者の対応における関係機関同士による現場想定訓練と区民への周知の必要性についてのご質問にお答えいたします。

現在、合同防災訓練では、具体的な被害想定のもと、住民の皆さまが救援センターの運営を検討していただく「図上訓練」を取り入れています。

この図上訓練では要支援者の方々への対応等も検討内容に入れており、後日行われる「振り返り」の中で、施設管理者とともに課題の検討を行っております。今後はこれらの検討の中で、要支援者の施策への対応を各救援センターの特性に応じてマニュアル化し、町会の皆さまへの周知に努めてまいります。

次に、ペットスペースや汚物集積場等に関して、平常時に学校と町会で確認し合っておく必要性についてのご質問にお答えいたします。

先ほど申し上げました図上訓練では、ペット同伴者の取り扱いやゴミ集積場の確保等についても、施設の平面図等を使いながら具体的に検討を行っております。要支援者の方々の受け入れのルールと同様に、訓練の成果を救援センターの特性に応じてマニュアル化し、町会の皆さまへの周知に努めてまいります。

 次に近隣火災発生時の救援センターの安全確保体制についてのご質問にお答えいたします。

 救援センターの近隣に火災が発生した場合には、消防が到着するまでの間は配備職員が避難者と協力しながら初期消火にあたります。同時に、区の災害対策本部、当該地域本部、消防等が協議し、火災の延焼等の状況を先行的に判断し、必要な場合は他の安全な救援センターへの避難を行います。この際、輸送手段の確保や要支援者への配慮等、万全の体制を整えてまいります。

次に、避難場所にしていされている染井霊園と周辺道路の整備についてのご質問のうち、まず、墓石や構造物の倒壊があった染井霊園は地域防災計画の「避難場所」としてふさわしくないことについてのご質問にお答えいたします。

 「避難場所」は、一定の安全基準を前提に東京都が指定をしているところです。オープンスペースが限られている本区の状況からは、染井霊園は決して望ましい環境とは言えませんが、余震による墓石の倒壊の危険のないスペースを活用し、引き続き避難場所として運用することはやむを得ない現状と考えます。

 次に、染井霊園内の通路拡幅などの整備を東京都に申し入れることについてのご質問にお答えいたします。

 東京都の染井霊園再生事業におきましては、園路の整備、霊園入口の拡幅、また、拠点広場、小広場の整備などが盛り込まれておりますので、これらの整備が推進されるよう、東京都に働きかけてまいります。

 次に、今の染井霊園における避難生活に耐えうるテントの設置可能数及び受入避難者の数についてのご質問にお答えいたします。

 現在の染井霊園において具体的にテントがいくつ設置できるかの把握はしておりません。また、避難者の受け入れ可能数につきましては、東京都の指定内容によれば、避難場所である「染井墓地・駒込中学校一帯」で69,122人となっております。

 次に、染井霊園内に設置されているマンホール直結型仮設トイレの数についてのご質問にお答えいたします。

 現在、染井霊園内には災害時に設置可能なマンホール直結型トイレは設置しておりませんが、霊園再生事業に関する東京都との協議の中で検討をしてまいります。

次に、染井霊園と比較した西ヶ原みんなの公園の避難有効面積や安全性についてのご質問にお答えいたします。

 北区の西ヶ原みんなの公園は、福祉施設を合わせた面積は約4万5千㎡(平方メートル)となっており、防災機能や安全性にも配慮した施設となっております。

 次に、東京都へ要請した「染井霊園と西ヶ原みんなの公園」の連携による機能拡充の要望に対する結論についてのご質問にお答えいたします。

 平成25年の東京都の避難場所の見直しにおいて、北区の西ヶ原みんなの公園は、「染井墓地・駒込中学校一帯」の一部として避難場所に指定されました。

 次に、染井霊園の避難場所指定を取消し、西ヶ原みんなの公園を避難場所に指定するよう、都へ強く要請することについてのご質問にお答えいたします。

 区といたしましては、染井霊園の再生事業の今後の進捗状況を確認したうえで判断してまいります。

 次に、染井霊園の周辺道路の整備についての見解及び今後の方針についてのご質問にお答えいたします。

 染井霊園周辺は、老朽木造住宅も密集し狭あい道路も多く、災害時の延焼拡大の危険性が高く、消防活動に必要な道路幅員(ふくいん)や安全な避難路の確保が求められています。

 区では、補助81号線から染井霊園に至る区間については、平成30年度からこの地区に導入した居住環境総合整備事業を活用して、現状4mの区道を8mに拡幅することを考えております。現在、沿道権利者と交渉を行い、3件の宅地を取得する予定であり、来年度以降についても丁寧に沿道権利者との交渉を進め、道路整備を実現したいと考えております。

 また、ご指摘の国道17号線から染井霊園と豊島市場の間を通る道路の拡幅につきましては、地域防災計画の趣旨と目的を踏まえつつ、今後の課題として捉えさせていただきます。

 私からの答弁は以上でございます。

人と動物が共生できる社会についてのご質問のうち、まず、自己負担で餌を購入し、区の事業を担っている活動家についてのご質問にお答えいたします。

 区では、野良猫による糞尿被害や不適切な餌やり、子猫の繁殖などを地域の環境問題としてとらえ、地域の問題解決の手法として、平成19年度よりボランティや地域住民の皆様と連携を深めながら、「地域猫活動」に取り組んでまいりました。

手さぐりの中で始まった事業であり、当初から関わって頂いたボランティアの方々の並々ならぬご苦労と熱心な活動に支えられた取り組みであると受け止めておりまして、敬意を表したいと思います。

 次に、地域協議会が 活動家の尽力により立ち上げられたことについてのご質問にお答えいたします。

 地域協議会の立ち上げには、その活動を理解し見守って いただく協力員を募り、町会の賛同を得ることが前提となります。

しかし、一部町会の賛同を得にくい場合もあり、地域協議会の立ち上げには、ご苦労も多かったと推察しております。

次に、飼い主のいない猫の判定は、不妊・去勢手術費用  助成金申請後となっても、推進員・協力員に依頼すべきであることについてのご質問にお答えいたします。

地域協議会のない地域での申請には、昨年までは飼い主のいない猫の判定を推進員にお願いしてまいりました。

猫の特性上、昼夜問わず依頼があり、これまで大変なご負担をお掛けしてきたところです。そこで今年度より、猫の活動圏のご近所の方にご協力を頂き、申請者自身で飼い主のいない猫であることを申し出てもらう事としました。

地域猫活動には、「時間を決めた餌やりと片付け」、「トイレ場の設置と清掃」「不妊・去勢手術の実施とリターン」という3つのルールがあります。

このうち、区では不妊・去勢手術に対し、費用の一部助成を行っております。不妊・去勢手術は、侵襲的(しんしゅうてき)、元には戻らない形で体に傷をつけるような処置であり、万が一間違って他人の飼い猫に処置を施すようなことがあれば、助成金の返還だけでは到底済まされない事態も想定されます。

したがいまして、飼い主のいない猫であることを、協力者と事前に確認のうえで、申請するよう徹底を図っているところであります。

 次に、これまでの地域猫活動 中心メンバーの活力を削いでしまえば指定外の猫が激増し、殺処分に向かう猫も増加することについてのご質問にお答えいたします。

 今年8月、地域猫活動の提唱者である獣医師をお招きし、広く区民の皆様に参加を呼びかけ、「地域猫活動セミナー」を実施いたしました。

セミナーの講師からは、「地域には、猫好きの人も、嫌いな人も、関心のない人もいるわけで、人間の一番身近にいるのら猫の問題解決は、いわば地域のコミュニケーションを豊かにするツールでもある」と話されていました。

区としても、こうした地域での活動を支援し、殺処分となる猫を減らすことにさらに貢献を深めてまいりたいと考えております。

また、今年度より「地域協議会」以外の方が申請する場合には、地域猫活動の講習会を受講していただくことにいたしました。既に4月から36名の方々に受講をいただいており、ボランティアの裾野の広がりを実感しているところです。

 次に、愛護団体やNPO法人と本区との関わりについてのご質問にお答えいたします。

 区内には、猫の愛護団体であるNPO法人が2つあり、いずれも区内の地域協議会の代表として活動されています。

そのうちの1団体は、「地域猫活動及び飼い主への援護(えんご)活動」において、区民活動推進事業補助金の対象団体となっております。

また、もう一つの団体は、附属の動物病院が、不妊・去勢手術の協力病院となっており、いずれも、区の地域猫活動の重要な役割を担っていただいているものと認識しています。

次に、殺処分ゼロを掲げていないことについてのご質問にお答えいたします。

東京都は、「動物愛護相談センター」を管轄し、動物の保護・収容と管理に係る業務を所管しており、「2020年に向けた実行プラン」において、ペットの殺処分ゼロを掲げています。

区はこれまで、ペットの飼い主に対する終生飼養(しゅうせいしよう)、寿命を迎えるまで責任を持って飼育すべきことの啓発や、飼い主のいない猫対策などに取り組んでまいりました。

ご指摘を踏まえまして、区としても「ペットの殺処分ゼロ」をあらためて掲げ、殺処分されるペットがなくなるよう努めてまいります。

次に、ボランティアとの信頼関係を深く築いたうえでの取り組み方針についてのご質問にお答えいたします。

区では、10月21日に「としま猫・未来のために」と題した、地域猫活動のPRイベントを実施いたしました。

イベント会場には、地域協議会のブースや区内NPO団体のブースを設置し、ミュージカルやあやつり人形劇などを実施する団体やボランティアの皆さんとともに、地域猫活動の紹介と普及啓発を行い、多くの子どもたちにも参加をいただきました。

イベントに参加された方の中には、実際に地域猫活動への参加を申し出ていただいた方もあり、予想以上の反響があったと感じております。

このように、区が進めている地域猫活動には、ボランティアの皆さんの力が必要不可欠であります。

今後も従来より活動されている方々のお力をお借りしながらボランティアとの協働を図り、人と動物が共生できる社会を目指して参りたいと思います。

以上をもちまして、島村高彦議員のご質問に対する答弁を終わります。