令和 4年予特委員会 3月 7日④環境清掃・都市整備費 島村議員

私有敷地内の樹木等迷惑行為対策

○島村高彦委員  それでは、居住生活環境の保全という観点から、建物敷地及び空き地の樹木、造作物、放置物に対する本区の対応方法の変遷についてお尋ねをいたしますが、話を分かりやすくするために、今回は敷地内の、私有敷地内の樹木という点に限ってお尋ねをいたします。

議員になった当初から、私有地に置かれたごみや、あるいはお隣の樹木の成長に伴ういろんな問題が寄せられておりました、今も寄せられております。当時は今のような管理条例も、また、特措法もしかれていない時代でございました。特に困ったのが、空き地の敷地に植えられた樹木、これがどんどん伸びてきて、しまいには隣のおうちの窓ガラスのところまで樹木が伸びております。それで、もうこれはもう切るしかないですね、窓ガラスを守るために。ところが、当時相談をいたしました担当課長さん、いやいや、樹木の所有者しか切れないんですよと、その人は切っちゃ駄目なんですよということで言われました。そんなばかなと思いましたが、そのとおりに相談者にお話をしました。むちゃくちゃ言われまして、おまえ、もう議員の資格はないというふうに言われました。

それでも、課長の言うことは間違っておりませんで、民法233条第1項、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者にその枝を切除させることができる。読み返りますと、所有者が切除しないだったら、ほかの人は勝手に切っちゃ駄目ですよと。その空き地は所有者がなかなか分かんなかったんです。ほんでもって、謄本に記載してある住所地まで私自身が行ってみました。だけど、もはやそこに住んではおりませんでした。そんな感じで、長い間、誰がその空き地の所有者であるのか分からないと。そういうふうに分からない場合にはもうどうにもできないんですよということでございました。そのまま枝が伸びて、窓ガラスを割って、夏には虫やゴキブリがいっぱい入ってくると。ゲリラ豪雨の雨もいっぱい入ってくると。また、冬は冷たい風が割った窓ガラスを通して入ってくると。それでもその木を切ることはできないということでございました。

ということで、私はもう課長に言うのは諦めまして、弁護士や国会議員にもこの法律はおかしいんじゃないか、こういうふうに訴えてきました。皆さん、おかしいと思いませんかね。

○野島建築担当部長  委員のおっしゃることはごもっともでございまして、そういったような声がやはり国のほうにも届いているみたいでございまして、国のほうとしましては、民法を改正して対応するというような方針を示されております。その法律自身はもう交付されておりまして、令和5年4月に施行されます。

どんな内容かと申しますと、樹木を伐採してくださいよと隣地の方に申しつける、申しつけた後に対応していただけなければ、土地の所有者が伐採できるというような内容になったものでございます。

○島村高彦委員  長い年月の声がやっと届いたということでございます。もともとこの民法は、第2項では根っこだったら勝手に切っていいよというふうになっているんですね。これを一般の区民に説明しても、いまだかつて理解されたことは一度もございません。そのように法律がこれから変わってくるということなんですけど、令和5年4月ということで、まだ1年以上こういった不条理を受けていかなければいけないんですが、その前に、豊島区としては平成26年7月、建物の適正な維持管理を推進する条例を施行しました。また、国も、本当は国のほうが先にやんなきゃいけないのに、国がその後、翌年2月に空家対策推進特別措置法、これを施行いたしました。この平成26年と27年、この条例と法律ができたことで、やっと長年の問題が解決するんだと喜んだんですが、一向にこの問題は解決しないということが分かりました。固定資産税の課税情報というのは利用できるようになったんですが、それ以外は窓を突き破るような樹木があっても、そのまま放置されていても解決されないということで、一般質問で指摘をさせていただきました。

具体的には、2つございます。その樹木が、居住者がいる場合、建物があって居住者がいる場合どうなんだというと、まず、空家等対策特別措置法では、人が住んでいるので、特定空家には指定できない。したがって、効力は及ばない。それから本区の条例、そもそも敷地内の樹木というものに関しては、一切の規制はございませんでした。また、今度は空き地です。特措法によりますと、いや、空き地で建物が存在しないんで、そもそもこの法律の対象外ですよというのが1つ。それから、本区の条例、これは先ほどと同じく、空き地に対する指導、規制を定めたものは存在しないと。せっかく条例と法律が施行されても、こういう状態だったんですね。これで間違いないでしょうか。

○野島建築担当部長  おっしゃるとおりでございます。

○島村高彦委員  それはおかしいぞということで、対応できるように、せめて条例のほうは変えるべきだということを2回質問いたしました。

最初の答弁が、まあ、課題もありますし、一定の見直しが必要ですねと、今後も検討を進めて、なるべく早い時期に結論を出したいと、このような答弁をいただきました。だけど、1年以上待っても、何も音沙汰がないんですね。

また質問しまして、早い時期に結論出すと言っていたんですけど、どうだったというふうに尋ねました。区としては、私有財産に強制執行を行うことについては、訴訟リスクを含めて、いろんな課題があると。だけど、東京弁護士会の協力を得て、慎重に検討を進めている最中ですよというふうに言っていただきました。

ようやく平成30年4月、この適正管理推進条例が改正をされました。これによりまして、居住している建物の敷地も空き地も、両方ともこの助言、指導、勧告、命令の対象とようやくなりまして、やろうと思えば行政代執行も可能という状態になったわけでございます。

それで、この間のこの条例の活用実績なんですが、代執行の実績というのはない、どうもないようなんですけども、これまでのせっかくできたこの新しい条例の活用実績と、また、代執行の実行を待つまでもなく、問題が解決したんでしょうかということについてお答え願えればと思います。

○野島建築審査担当課長  適正管理条例でございますけれども、平成27年度から令和2年度まででございますけれども、まず、助言が68件、指導が12件、勧告、命令はございません。ちなみに、特措法に基づく勧告は2件出しております。

○島村高彦委員  いや、そうではなくて、それは資料に書いてあるんですけど、それだけで、いわゆる今ある問題というのが、いろんな区民さんが納得するように解決したんでしょうかという質問。

○野島建築審査担当課長  失礼いたしました。

先ほど特措法で勧告が2件ありますよというお話をさせていただきました。特措法で勧告をいたしますと、固定資産税が6倍、それから都市計画税が3倍に膨れ上がります。住宅用地としての特例が使えなくなるということで、それだけ上がってまいります。そういたしますと、大体、その2件とも、1件は対応していただいて、もう1件は応急処置をしてもらって、危険性を回避したというところで、代執行までは行っておりません。

○島村高彦委員  いろいろな問題があるかと思いますが、本当に区民がやはり、区民もいろいろと日頃からの近隣関係を深めていただきたいというのはあるんですが、そういったものに加えて、行政のほうも、やはり区民の目から見て、一生懸命対応してくださっているというふうなことを示すような対応の仕方をお願いしたいと思います。

ところで、先ほど部長がお話しした、民法が改正するということで、この改正が管理推進条例だとか特措法に何らかの影響を及ぼすということはあるんでしょうか。

○野島建築審査担当課長  あれは、民法に基づくものですんで、当然対応してもらえることが多くなるというふうには考えております。区のほうからも申入れをして、それから、迷惑を被っている方に民法の御説明をして対応が取れるようになりますんで、解決する数が多くなるんじゃないかなというふうには思ってございます。

○島村高彦委員  より解決の幅が広がったということで解釈をしたいと思います。

都市整備委員会でも発表がございました、今回、空き家の活用も含めた空き家等対策計画、これを改定するということでございますが、改めてその意義と目的についてお聞かせください。

○野島建築審査担当課長  ここ2年ほど、大変区民からの苦情、樹木等に関する苦情が増加傾向にございました。そのため、この計画を区民に分かりやすく、そして、内容を充実させる必要があると判断しまして、今回全面改定を行ったものでございます。

○島村高彦委員  もっと具体的にお聞かせ願いたかったんですが、いずれにいたしましても、この問題というのは本当に尽きないわけでございます。したがって、本当にこの豊島区内で暮らしやすいと、生活しやすいと、移動しやすいというような、そういったまちづくりを目指して、引き続きこの法律、この条例を適切に運用していただくことをお願いいたしまして、終わりとさせていただきます。

○野島建築審査担当課長  空き家が管理不全となりますと、建物が倒壊する可能性も増えてまいりますし、また、そうでなくても、害虫が発生したり、樹木が繁茂して居住環境を悪化させることにつながってきます。今後、人口減社会に突入していく中で、委員の御指摘のとおり、条例に沿った対応を強化する必要を強く感じておるところでございます。