令和 3年決算特別委員会10月12日環境清掃・都市整備費

私道舗装助成

○島村高彦委員  それでは、恒例の私道についてお尋ねをいたします。

今までもさんざんやってまいりましたが、豊島区には、非常に多くの私道がございます。一見これは私道だと分からないような道、道路で、多くの人が利用している、多くの人の生活の役に立っている、こうした道路が数多くあるわけでございます。

こうした道路、私道の中に、今言ったような幅員の非常に広い私道もあるわけでございます。こうした私道について、やはりその沿道の所有者さん等にとっては、不特定多数の人や自転車や車が通行することによって道路が非常に傷むと。そういったことによって修理をする段になりますと、日頃、不特定多数の人に利益を供与しているにもかかわらず、負担は私有財産ということで自分が負担をしなければいけないということで、非常に疑問を感じているということを常々申し上げてまいりました。

そうした中で、区としてはこの私道の補修に関しまして助成を行っているわけでございますが、そういった不特定多数の人のために私費を出費する負担を少しでも軽くするために、これまで助成金の拡大につきましてもずっと要望してまいりました。結果として9割ほどの支援になったわけでございますが、23区の中には100%支援をする区も5つほどあるわけでございます。そういったところについては、まさに今お話ししたような私道、すなわち不特定多数の人が利用するような私道については公道として扱っていると言っても過言ではない状況になっております。

そういった中におきまして、あくまで私有財産であるという自覚を持っていただくために、あえて100%にしないんだというふうに御答弁をいただきました。お役人としては非常に優れた答弁だなというふうに思いました。たしか宮川さんが課長の頃だったかね、優れた人だなと思いました。

しかしながら、やはり何度も繰り返しますように、もう自らの財産でありながら、公共に提供してしまっているわけです。そこから何らかの利益をもらっているわけではないんです。まあ、固定資産税はかかんないという利益はあるんですが、それ以外の利益もなく、もはや公道としての実態がそこに存在するわけです。

そうした中で、じゃあそういったことをおっしゃるんだったら、私有財産としてしっかりと認識できるような管理をやはり区民のほうに意識づけなきゃいけないんではないかということで、私道に対する管理を進めて、それに対して区が支援をすると、こういう形の制度をつくったらどうかと。そうしましたら、そんなことはできませんよという、やはりこれ宮川さんだったかね、そういったお答えも頂戴したわけでございます。私有財産なんでね、なかなかできないということは分かるんですが、今この相談が非常に多いわけですね、これは私以外の議員もそうでしょうけども、この私道に関する相談は非常に多いです。相談されてもいろんな条件が基でなかなかできないという中で、やはり私道に対する意識を、意識の向上のための制度及びそうした支援はできないという、その考えに変わりはないんでしょうね。

○小堤道路整備課長  委員おっしゃるとおり、今までやはり私有財産というか、財産というふうなことで、一定、一部の負担をしていただくというふうな下で助成金、助成額、割合ですね、決めさせていただいています。先ほど、23区の話出ましたけれども、ならすと大体私どものほうの90%ぐらい、新宿区、世田谷区なんかは80%というふうなところもございます。

ただ、うちのほうとすると、ほかの他区に比べて非常に小規模な工事でありますとか、条件も場所によってはワンスパンやらないと助成の対象になりませんよというふうなことでいうと、割りとその助成を受けやすいように、これまでの諸先輩方がやってきて今に至っているというふうなところでございますので、50%の時代も長く続いたわけでございますけれども、29年からは90%ということで上げさせていただきましたので、今の考え方については変わらないというふうなところでございます。

○島村高彦委員  いや、変わらないと一言言ってくれればそれでいいんですよ。

それで、現実の問題に戻りますと、現状、いろんな条件があるわけです、私道の補正をもらうためにですね。建築を起因とした工事ではないこと、開発行為を起因とした工事ではないこと、それから、これが最も大きなネックとなっているんですが、沿道居住者全員の合意形成がされ、1名でも反対者がいないこと、これがなかなか調わずに工事ができずにそのままになっているケースがございます。あるいは、皆さんが助成も受けずに費用を出し合って直すと。特にこういったそのままになっているというのは、我々を通してだけじゃなく、区に直接相談があった中でも、今までこういったことがあったかと思うんですが、そういった場合は、やはりどうにもできないということで、そのままそれを、何だ、見てるというか、放置というか、そのままにしていらっしゃるんでしょうけども、そういったことは特に何か感じるようなことは、何も感じることはないんでしょうか。

小堤課長さんは本当にいい人で、日頃お世話になっているんで、こういうことは聞きたくないんですが、現実に何ら手を出すことができず危険な状態で放置をされている。そうすると、その私道の所有者じゃない人まで我々のところに、おい、危ないだろう、早く直せよと言ってくるんですね、それが何人も言ってくるわけです。何でおまえは放置しているんだと怒られるわけですね。そういった中で、そういった状況がある中で、そういったものはやはり致し方がないということですよね。

○小堤道路整備課長  決していいんだというふうな考えはなくて、どうにかやはり同じ区内の中で、区道、私道ありますけれども、危険の回避というふうなことも考えて対応していきたいというふうに思ってございます。

先ほど言いました、所有者全員の承諾がないとなかなかできないという、やはり土地の所有者、何人もいらっしゃる場合もありまして、それが難しい場合もあります。遠方にいられる方とかというのがありますけれども、できる限り、私どものほうは助成の対象にしたいというふうなことで、所有者の方と相談して、決してそれをやらないというようなことでなく、どうしたらやっていけるんだろうかというふうなことで相談は今までも聞いてきたわけでございまして、また、危険、穴が空いてて、非常にその日に危ないというふうなことであれば、私どものほう、最低限でございますけれども、カラーコーンを置くなり土のうで埋めるなりとかというふうなところの対応はさせていただいているといったような状況でございます。

○島村高彦委員  現実に、今までもなかなかどうにもならずに、コンクリートを扱える人が自らやってきて、お金は要らないよといってやってくれたケースもございました。そういった中で対応しているのが現実の私道の対応の実態でございます。

それで、この件につきましては、去年の予算委員会で、私がそっち座っていてできなかったんで、根岸委員にいわゆるやってもらったんですが、ここのケースにおきましては、区の補助が33%、地元負担が66%、最初、この人には9割でできますよと言っちゃってから、なかなかそういう実態じゃなくて、この工事もやはり区のほうではなく、住民が自ら処置をいたしました。そういった実態があるということを知っておいていただければと思います。

この原因といたしましては、区が算定した工事費の総額と請負者の作成の工事費の見積書、どちらか安いほうの9割という条件になっちゃっているんですね。で、こういった事態が起こるんです。

それともう一点は、助成除外の、助成対象外の工事が中に入っていますと、それも除外されてしまいます。それで、合計としては本来9割だって言った相手が66%負担しなきゃいけないと、こういった実態があるんですが、この辺のいろんな諸条件の見直しというのは何とかできないもんでしょうか、道路を造るためのいろんな見積りであって、その中から、これは助成対象外だと除いてしまうと、本当にどんどんどんどん自己負担が上がってしまうので、この辺の考え方を調整していただけないもんでしょうかというお願いでございます。

○小堤道路整備課長  私どもも先ほど言いましたように、できる限り区民の方にこの事業を使っていただきたいというふうに思ってございます。先ほど言いました9割に至らない場合というふうなこと、駒込七丁目の件だと思ってございますけれども、調査だったり清掃だったりというふうなことは、その工事の対象ではないというふうなことがそのときにはあったのかなというふうに思ってございますけれども、できる限り負担のないように、この事業を活用していきたいというふうに思ってございますので、御理解のほどをよろしくお願いします。