令和2年度予算案に対する公明党ふま議員意見開陳

令和2年3月16日

公明党の夫馬三知でございます。私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、令和2年度豊島区一般会計予算並びに国民健康保険事業会計、後期高齢者事業会計、介護保険事業会計の3特別会計を可決することに賛成する立場から意見開陳を行います。
予算審議に当たって、私ども公明党は、1、区民目線に立った行政運営となっているのか、2、時代の変化に的確に対応した事業展開となっているか、3、セーフコミュニティの視点から安全・安心のまちづくりの取り組みがなされているか、4、持続可能な財政運営並びに区民生活向上のため、我が党の予算要望に応えられているかなどを主眼に慎重かつ厳正に審査に臨みました。

令和2年度の予算の特徴は「100年に一度の大変革」と位置付けた元年度の集中投資を経て、それら投資の成果を結実するメリハリのある予算として編成されており、これまで計画を着実に実現する一方で、「共働き・子育てしやすいまち」「高齢者にやさしいまち」といった区民生活の基盤に軸足を置いた施策を積極的に展開し「としま新時代」を切り開く予算になっています。

また、待機児童対策や高齢化への対応、子どもの虐待・貧困対策など喫緊の行政課題が山積する中、国による不合理な税制改正の影響は、年々拡大し厳しい歳入環境が続いています。こうした状況の中、7年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない健全な予算になっており、また、基金残高、起債残高の安定的なバランスを見据えた持続可能な予算編成になったことを高く評価いたします。

総括質疑においては、当初予算案に加え、計画的投資、今後5年間の予算の大枠について質疑を行い、最後にコロナウイルス感染拡大の対策について区民へ丁寧な説明と迅速な対応を要望いたしました。 大型事業投資については、将来の財政負担にならないよう連続して行わないことに理解を示しますが、引き続き「計画的投資」を堅持していただけますよう望みます。令和2年度の貯金と借金のバランスについては、63億円の貯金超過額であり、この先の「貯金」「借金」のバランは良好な状態を維持するものと見込んでいます。しかしながら不合理な税制改正や不透明な歳入環境の中にあって住民目線に立った施策を戦略的に展開し、引き続き持続可能な地域経営を行っていくことが確認できました。また普段から基金への積み立てを心がけることで不測の事態に備えていくとの姿勢も伺いました。本区は、これまで長きにわたって行財政改革の末、区財政の健全化をなし遂げ、誰にも優しいまちづくりを目指してまいりました。今後も、事業評価や執行方法の効率化など、不断の見直しを図るとともに、身の丈に合った財政運営に努めるよう強く要望いたします。

以下、款別に意見を述べさせていただきます。
初めに、議会費、政策経営費、総務費についてであります。
「SDGs」については誰一人取り残さない自治体経営、SDGsを基軸に後期基本計画を策定するよう要望いたします。

庁舎駐輪場混雑緩和対策については、増員される駐輪場管理人を含め管理人の安全確保と駐輪場の適切な運営を望みます。

安全安心防犯パトロールについては、犬の散歩やウオーキング
またランニングなどをしながらのパトロールの推進を要望いたします。

防災対策については、飲料用コップの確保、給水ポイントから要配慮者へは玄関先までの配布、非常用電源確保、IKEBUSの電源活用を身近な防災訓練で実施することを望みます。区議会災害対策本部の訓練実施を要望します。

としま生活ガイドについては、掲載内容と配布方法の見直しを望みます。

魅力ある街としまの情報発信として、4つの公園とそれを回遊するIKEBUKUSの活用や職員全員が広報マンとなり区の魅力発信に取り組むよう要望します。

次に、区民費、福祉費、衛生費について述べます。

窓口業務については、新型コロナウイルス対策の徹底と繁忙期の無事故の対応をお願いいたします。

窓口サービス向上については、待ち時間解消のためAIを利用したサービスの充実を要望いたします。
亡くなった方の諸々の手続きを纏めて案内する「おくやみ案内コーナー」設置を本区でも検討していますが、利用しやすい場所の確保を望みます。
女性の健康支援については、若いがん患者の支援である妊孕性温存治療の調査研究及び東京都への働きかけを要望します。
保健所の本移転を見据えて乳がん・子宮頸がん検診等もできる女性健康支援センターの設置を強く望みます。

新型コロナウイルスの対策については、相談件数が増加しているので、不安を除く正確な情報提供を望みます。

認知症高齢者対策については、認知症検診事業の推進を望みます。

フレイル対策推進として、フレイル対策の全区展開と周知を要望します。

区民交通傷害保険については、周知と年度途中での加入が可能となることを要望します。

区功労表彰事業については、基準と内規の整合性を図りより公平かつ柔軟な対応を望みます。

次に、環境清掃費、都市整備費について述べます。
食品ロス削減については、SDGsにも食品ロスを半減する目標がありますが、 目標設定するにあたり、現状の掌握が必要であるため、食品ロス量の調査を行っていただけますよう要望いたします

安全対策につきましては、歩きながら、また自転車に乗りながら携帯・スマートフォンを操作することによる事故が、多発しているため、「歩きスマホ禁止条例」をすでに施行している京都府を参考に、通信業者や警察等関係機関と協力し、より一層の安全対策を進めることを要望いたします。

土砂災害警戒区域等の対策及び南大塚治水対策としての千川増強幹線工事の着実な推進を望みます。
大塚駅北口整備では緑を残し、より魅力ある街づくりを要望します。

路面下空洞調査は災害時の緊急輸送道路の確保や安全の区道整備に活用されています。さらに「無電柱化」にこのデジタル地下空洞化調査が力を発揮しているため、引き続き、空洞調査の推進を望みます。
地域公共バス運行支援事業については、国際興行池07バスは、西側地域の住民の大切な足としての存続と新たなバス停の設置を要望いたします。

次に、文化商工費、子ども家庭費、教育費について述べます。

オリジン電気跡地の大規模マンションの待機児童対策については、
高南保育園の改築のため仮園舎の地代をマンション建築主が負担することを評価いたします。さらに新規私立保育園の誘致等で、高田地域の待機児童解消に取り組むことを望みます。
更に老朽化した巣鴨第一保育園の改修も強く要望いたします。

第20回アシテジ世界大会開催支援については、3年に一度開催される同大会は、児童青少年のための国際会議と舞台芸術フェスティバルであり、今までの文化施策の推進により、国際アートカルチャー都市構想が認知された結果、本区が選ばれたことを高く評価いたします。また教育プログラムとの連携するかたちで、区立小学校全学年の児童を招待し未来の豊島を担う子どもたちの育成と文化によるまちづくりを区内外に発信するよう望みます。

コロナウイルス対策については、学校休校により実施している学童クラブへの応援体制として、区民ひろば、教員、ジャンプ職員などの活用を評価いたします。また卒業式については、落ち着いた時期に思い出の会等の開催を望みます。
また、区民ひろばの利用休止で、子育て広場に来れない親子の相談等、可能な限りの支援を望みます。

部活動における指導員の充実については、外部指導員の一層の活用と部活動指導員による生徒への体制支援及び教員の働き方改革へ効果が及ぶことを要望します。

オリンピックパラリンピック教育として実施される園児・児童生徒の競技観戦は、無事故の引率と暑さ対策を望みます。

スポーツ施策については、心身の健康増進につながる体育施設や公園での運動施設の整備拡充を望みます。

次に、歳入について述べます。

消費税率の引き上げ分が社会保障の伸びに追いついていない状況に対しては、少子高齢化や景気の動向に加えて、清算基準の見直し、不条理な税制改正による影響があります。国に対して断固解消を要望します。とまた、コロナウイルスによる今後の影響にも注視することを望みます。

次に、3特別会計について述べます。

特定健康診査、特定保健指導の充実については、
健診率の向上のために、健診機会の更なる確保やがん検診との同時受診、個別の勧奨など医療費削減に資するために更なる取り組みを要望します。
「当日保健指導」は、受診率向上に有効と考えます。データヘルス計画のもと医師会など関係機関と協議を進めて、重症化にならないよう健診、保健指導の取り組みを望みます。

以上、一般会計及び特別会計について、私たち会派の意見、要望を述べさせていただきました。私たち公明党は、生活者の視点で区民の生活と暮らしを守り、住み続けたい安全・安心の文化都市を推進しております。令和2年度予算は、まさに持続発展都市の実現に向けた事業が実を結び、さらに、福祉と区民サービスの充実を図るとともに、安全・安心の都市づくりに重点的に取り組むとされ、豊島区のさらなる将来への飛躍と発展に向かうための予算であると評価できるものであります。
以上のことから、本委員会に付託されました令和2年度豊島区一般会計予算並びに国民健康保険事業会計、後期高齢者事業会計、介護保険事業会計の3特別会計の原案を可決すべきものと判断をいたします。
最後に、円滑、公平な運営に努められました村上宇一委員長、高橋佳代子副委員長の労に深く感謝を申し上げます。
また、理事者の皆様には、資料要求を初め、事前の勉強会や調査に快く応じていただき、私どもの質問に対して、その意を酌まれ、丁寧に御答弁いただきましたことに心から感謝を申し上げます。
また、今月で豊島区を離れる呉副区長はじめ定年を迎えられます管理職の皆さまにおかれましては、さまざま大変お世話になりました。これまでの区政への御貢献に深く感謝を申し上げますとともに、引き続き、豊島区政に対するお力添えをお願い申し上げます。
また、ほかにも、今年度で定年を迎えられます係長を初め、職員の皆様に心から感謝を申し上げます。長い間ありがとうございました。
以上をもちまして、意見開陳を終わります。御清聴ありがとうございました。