令和 2年予算委員会 3月13日全部の補足質疑ふま議員

【防災教育】

○ふまミチ委員  おはようございます。お願いいたします。

教育費のうち生活指導・進路指導対策費についてお伺いをいたします。

教育は教科に重きを置きがちでございますけれども、本区では生活指導や進路指導など、教科以外にも予算をとってさまざまな取組みをしていただいていることを評価をしております。教科として位置づけられていない防災の教育についてお伺いをいたします。

自然災害が激甚化、頻発化する中で、防災教育の必要性が高まっています。この4月に小学校から順次実施される新たな学習指導要領では、社会の変化や課題に対応する力を育む教育として、防災安全教育の充実が図られております。災害の教訓を踏まえ、防災教育に関する内容が重視をされています。本区として防災に関する教育の意義をどのようにお考えなのか、お聞かせください。

○佐藤指導課長  もともと防災教育以前に安全教育として身につける力として、危険を予測し回避する能力と他者や社会の安全に貢献できる資質や能力の育成が必要であるというふうに感じております。その中でもとりわけ防災教育においては想定できない自然災害や、また、人災による災害等、子どもが小さいうちからそのさまざまな災害を想定しながら力を育んでいくことが必要だというふうに考えております。児童生徒が自らの命を守るために必要な自助の能力を身につけさせ、あわせて防災に関する知識の向上を図り、助け合いや社会貢献などの共助の精神を育んで、人間としてのあり方、生き方を考えていくことが本区の防災教育のあり方というふうに考えております。

○ふまミチ委員  わかりました。それで、また、本区の防災に関する教育の取組みがあればお聞かせ願えますか。

○佐藤指導課長  まず、各校におきましては月1回以上、小・中学校においては避難訓練等をして常に災害から身を守ることの大切さ、そして災害がいつ来るか忘れないということを体験させております。

具体的な取組みの例として申し上げますと、例えば千川中学校においては地域の消防団の方々のお力をおかりして、防災ジュニアスタッフ訓練というのを年5回やっております。消防団の方々や、またあわせて池袋消防車の方々からD級小型消防ポンプやAEDの使い方を学ぶ訓練をしております。このような実際に地域の方々からお力をかりることによって、子どもたちは自分たち学校だけでは防災教育は学べない、地域の方々が連携することが必要だということを体験、身につけているようです。

○ふまミチ委員  わかりました。

運動会でもバケツリレーがあったりとか、いろいろそういうのもさまざまやっていただいているところもあるかと思います。阪神大震災や東日本大震災をはじめ、昨今においても災害が相次いでおります。その中、災害の危険を理解し、いかに備え、命を守れるかを教えることが、学校の使命はとても大きいと思っています。多面的な防災の教育の重要性がますます高まっていくというふうに今、思っておりますけれども。ある地域では、子どもたちが学校で習った防災実践が家庭や地域に与える影響は少なくなく、足腰の弱い御高齢者を避難させるときに子どもたちが支えるという体験をしたところがあるというふうに伺っています。そして、地域の防災訓練への参加率向上にもつながったという事例もあるということをお伺いをいたしました。

本区でもこのように児童生徒が防災訓練に参加してくださることによって、地域の方たちの訓練が盛り上がると思いますし、また子どもたちにとっては自分自身が社会の一員として地域の安全・安心に貢献できる自己有用感を高められることができると思っています。

しかしながら、実際、中学生や小学生、高学年になりますと子どもたちは塾や習い事、また、部活などで大変に多忙かと思います。まず、子どもたちの現状をお聞かせ願えますか。

○佐藤指導課長  委員のおっしゃるとおりでございまして、実際に地域の方々からも多く声をいただいているところでございます。どうしてもやはり休日に地域の防災訓練が実施されることによって、子どもたちの参加数は少ないというのが現状でございます。小学校高学年ぐらいになりますと、やはり委員のおっしゃっていたとおりでして、習い事や塾、また中学生は部活の試合がやはり土日に組まれているということを考えると、参加するように学校からも周知啓発をしているところではございますけれども、実際には参加が少ないというのが現状でございます。

○ふまミチ委員  本当に忙しいということは、本当によくわかりました。来ていただくよりも、本当に地域の方、町会の方たちやまた保護者の皆さんが出向いて学校での防災実践を支えていくということも必要なのかなというふうに感じたところでございます。

地域によっては訓練だけではなく、既に地域と学校が綿密に連携をし、防災に関する取組みをされているところがあるかと思いますが、あれば教えていただけますか。

○佐藤指導課長  その例もふやしていかなくてはいけないというところではあるんですけれども、例えばでございますが、明豊中学校においては防災訓練をするときに全校の生徒が防災訓練に入れるようにということで、地域の方に学校の訓練のときに来ていただいてやっているというような実践事例もございます。今後このような例を広く周知していく必要性があるというふうに考えております。

○ふまミチ委員  わかりました。

それで、また教員自身も災害に関する知識や命を守ることへの知見を高めていく視点が欠かせないというふうに思っております。教員として最低限どのような知識や能力を身につける必要があるかを具体的に整理をして、教員の防災力の底上げを図ることが必要なのかなと思っておりますが、本区で教員への指導、研修などを行う予定があるのか、お聞かせ願えますか。

○佐藤指導課長  どうしても地域の連携というと副校長が窓口になりがちだなというところを教育委員会としても反省しているところでございます。教員自身が地域とどうやって連携したらいいのかということを若手教員のうちからできるようにということで、来年度から若手教員、特に初任者に対してですが、地域の方々が講師となって、また、消防団の方が講師となった防災を中心とした研修を構成していく予定でございます。

○ふまミチ委員  この実践の研修があるということで、本当に頼もしいなというふうに思っております。

まとめます。ともあれ、教員の方は本当に忙しいです、働き方改革とかもしなくてはいけません。その中で防災教育は何か難しいというものとして捉えるのではなく、実践することで子どもたちが、また地域が変わったと語る教員がふえてくれるとうれしいなというふうに思っております。そして地域と学校の連携でともに生き抜く力を育んでいきたいと思いますが、最後にお考えをお伺いして終了いたします。

○佐藤指導課長  最初の御質問のところでお答えさせていただきましたけれども、まさに助け合いや社会貢献などの共助の精神は心と心が住みついた地域社会が存在するからこそできるものだというふうに考えております。豊島区の地域の力をかりながら、防災教育だけでなく教育全体が地域と連携した形で取組みを進められたらというふうに考えております。

○金子教育長  地域と教育の連携、これを重視してまいりたいと思っております。こういうことをきっかけとしてセーフコミュニティ、あるいはコミュニティ・スクールという発展を考えてまいりたいと思います。