○区長(高野之夫君) 小倉秀雄議員は、十六年前、私が区議会に入った折、既に議会で大活躍をされ、今も当時と変わらぬ温厚篤実なご性格の中に強い信念と実行力をお持ちで、またその真摯な政治姿勢に心から尊敬申し上げる次第であります。ご信頼する小倉議員よりご激励、ご示唆を賜り、私自身心よりお礼を申し上げるとともに、緊張を持ってこの壇上に立たせていただいております。
それでは、ただいまの小倉議員のご質問に順次お答え申し上げます。
第一点目は、地下鉄十三号線の新駅設置の見通しに関するご質問でございます。これまで、区民や区議会の要望を踏まえて、営団と新駅設置につきまして鋭意協議を重ねてまいりました。しかしながら、新駅設置についての合意が得られないまま都市計画素案が作成されてしまう恐れがあることから、営団と確認書の締結をいたしました。このことによりまして、新駅の設置は条件が整えば工事に入ることが確実に担保されたものになったものでございます。
新駅設置に向けての今後の課題でございますが、課題の一つ目は、乗降客の増大が見込まれる時期の判断でございます。東池袋四丁目地区の市街地再開発事業の進捗を建設工事の着工が確実に見込まれる時点ととらえ、営団に対しましては、その時点で直ちに新駅の工事に取りかかるよう協議してまいりたいと思います。課題の二つ目は、営団の民営化について、その時期を含め不明瞭でありますが、今後、営団が民営化されてもこの確認書の内容が確実に継承されるよう、営団をはじめ、国、東京都に対しましてもさらに強く要請をしていく必要がございます。そのほか、駅の出入り口の位置や駐輪場の設置、環状五の一号線との一体的整備など多くの課題はございますが、鋭意取り組んでまいります。
今後のスケジュールでございますが、東京都では、本年八月ごろを目途に、環境アセスメントの手続きを含めた都市計画素案を示すため、住民説明会を予定するとのことでございます。日程等の詳細につきましては、今後情報が入り次第お知らせいたします。
第二点目の地下鉄十三号線の着工に伴う池袋副都心のさらなる活性化のための街づくりに関してのご質問でございますが、地下鉄十三号線の新駅は、グリーン大通りの地下部が予定されております。現在、地下鉄十三号線の着手が明確になり新駅設置の動きもあることから、グリーン大通りの地下空間の活用を真摯に検討し、さらなる池袋副都心の活性化を図る絶好の機会であると認識をしております。新駅が設置されることのみでは単なる通過駅ともなりかねませんので、この機会に駅前空間の再整備や駐車場など池袋副都心の地下空間の利用計画を含めた街づくりの提案を機会をとらえ積極的に示す必要があると考えております。ご指摘にございましたが、グリーン大通りは現在都道でございます。ただいま述べました街づくり計画の実現に当たりましては、道路の移管を受け取り組むことが重要でありますことから、東京都と移管について鋭意協議をしてまいります。
三点目は、将来計画として示されております環状五の一号線の地下四車線道路に関するご質問でございます。この地下四車線道路は、平成十三年度以降の第三期事業計画路線に位置づけられるか否か、東京都では、今後都市の骨格を形成する路線としてさまざまな角度から検討を加え、各区の意見も参考にしながら路線の決定をしていくものと思われます。本区といたしましては、地下四車線をそれに位置づけるべく強く要望してまいりたいと思います。
また、本年六月に環境影響評価法が施行されるとともに、これに伴い、東京都環境影響評価条例も同時に改正されております。しかし、地上部の二車線につきましては、従来どおり、法及び条例の適用を受けることはございません。将来、地下四車線でその延長が一キロメートル以上となった場合には、環境影響評価法の適用は受けませんが、東京都環境影響評価条例の対象事業となり、その条例に基づいた環境影響評価の手続きが行われることになります。
いずれにいたしましても、地下鉄十三号線の着手に伴う新駅の設置が、池袋副都心の街づくりや東池袋四丁目地区の市街地再開発事業にも大きなインパクトを与え、さらなる街の活性化への期待を担うものであると考えるものであります。今後とも、その実現に知恵を出し合い、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次に、外部監査制度についてのご質問にお答えいたします。地方分権の進捗に伴い、地方公共団体自らのチェック機能を拡充する必要性を踏まえまして、区政の透明性、信頼性をより高めるために監査制度の充実を図ることとし、包括外部監査及び個別外部監査を内容とする外部監査制度を導入いたします。制度の実施時期は平成十二年四月一日からとし、導入の条例につきましては、所信表明でも述べましたように、本年第三回定例会にご提案申し上げる予定でございます。
ご質問にありましたように、外部監査の実施に当たりましては、ふさわしい外部監査人をいかに得るかが重要なポイントの一つであります。外部監査契約締結に向けて、本年度より実施している都道府県・政令指定都市等の選定状況を参考にしながら、選定の準備を鋭意進めてまいりたいと考えております。
次に、池袋本町防災生活圏促進事業についてのお答えを申し上げます。
第一点目は、池袋清掃事業所用地の防災広場への転用についてでございます。これまで当該用地への対応につきましては、まず清掃移管の確定とそれに伴います清掃施設等の財産の取り扱い状況が定まることが必要であることから、清掃移管の動向を見守ってきたところでございます。清掃移管が決定し、現在、当該施設は清掃移管後も引き続き本区の運搬車両等の拠点として利用・活用することで、都区間において、他の清掃関連施設と合わせて財産の帰属についての協議を進めているところでございます。したがいまして、ご質問にありましたように、池袋本町四丁目地区が地域防災総合危険度の高いことや池袋清掃事業所に配置されている清掃車の通行等に課題があることは認識しておりますが、当該用地を防災広場に転用するためには、池袋清掃事業所の機能をほかに求めなければならず、早急に実現することは困難であると考えております。しかしながら、東京都において、清掃事業の効率的・効果的な運営を図る観点から、豊島清掃事務所・池袋清掃事業所の統合について検討しているとも聞いておりますので、清掃事業移管後、清掃施設のあり方についての調査・研究を進め、その中でご提言の防災広場への転用についても検討してまいりたいと考えております。
次に、二点目の旧国鉄清算事業団用地の跡地利用についての検討結果についてお答えをいたします。取得を予定しております池袋本町一丁目の清算事業団用地は四千七十一平方メートルと千九百四十二平方メートルの二カ所でありますが、この用地は地区全体の防災機能の向上と今後の街づくりを実現していくための重要な用地であると考えております。これまでの検討内容でございますが、面積の大きい約四千平方メートルの用地は、平常時には地域コミュニティの場として、また防災訓練等にも対応できる防災広場公園として使用し、災害時には避難場所として機能を果たすとともに、発災後の救助・消火活動の拠点・ライフラインの停止による給水や給食活動、また応急仮設住宅の建設用地としても利用可能な場所として整備を図ってまいりたいと考えております。一方、約二千平方メートルの用地は、地元池袋本町防災まちづくりの会と今後話し合いを進め、仮称地区防災センターの建設用地として活用していきたいと考えております。地区防災センターは、平常時には主に防災意識の啓発を図り防災訓練を実施するための施設として、また街づくりのための地域の集会所としての活用を考え、災害時には発災直後の救出、救護及びその後の避難所機能を合わせ持つ施設として整備してまいりたいと考えております。設備内容といたしましては、備蓄倉庫、自家発電装置、燃料庫、飲料用貯水槽、炊飯設備、シャワー、トイレ、救護室、多目的フロア、仮泊施設等を考えております。
今後の整備予定でございますが、防災広場公園は、平成十一年度に用地を取得し、十二年度は基本構想、十三年度に基本計画、十四年度に基本設計・実施設計を行い、十五年度に工事を行う予定になっております。また、地区防災センターは、平成十一年度から三カ年をかけて用地取得を行い、平成十二年度には基本構想、十三年度から基本設計に着手、十四年度に実施設計、十五年度に建設を行い、公園とセンターの同時竣工を予定しております。
三点目に、池袋本町二丁目区営住宅の建て替えについてのご質問にお答えいたします。池袋本町二丁目区営住宅は、昭和二十八年に建設され築後四十五年が経過し、老朽化が進み早急な建て替えが必要なことは理解しておりますが、財政状況が逼迫し、事業展開の具体化が遅れております。
こうした中、今年度から平成十三年度にかけて池袋本町一丁目にある清算事業団用地の取得が決まり、当該土地の用地活用についての地元協議会での検討過程で、取得予定の用地約二千平方メートルと区営住宅用地を交換し、現住宅用地を防災公園にしたらどうかとの考えが出されているということを聞いております。ご指摘のように、購入予定の清算事業団用地に地区防災センターと区営住宅とを併設できれば、区営住宅の跡地を防災公園として整備することが可能であると考えております。このような併設が可能かどうか、地区防災センター及び区営住宅の施設計画の内容について十分検討を行うとともに、防災まちづくりの会をはじめとする地元の方々や区営住宅の入居者等のご意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。
池袋本町二丁目区営住宅は、平成五年十一月に東京都から移管を受けたわけでありますから、二十年間用途指定期間があり、用途を変更する場合はあらかじめ東京都に対して書面による承認を得なければなりません。また、防災生活圏促進事業として都の補助を受けて購入する土地でありますので、区営住宅との併設が可能かどうか、今後、積極的に東京都と調整を図ってまいりたいと考えております。
最後に、オウム対策に関するご質問にお答えいたします。
初めに、この問題に対する私の思いの一端を申し述べさせていただきます。多くの尊い命を無残に奪った地下鉄サリン事件など、一連の前代未聞の凶悪な犯罪を犯したとされるオウム真理教の東京本部道場が本区に存在することは、誠に憂慮にたえません。晴風マンションにお住まいの皆様をはじめ近隣、地元の皆様の不安をお察ししますとともに、できるだけ早くこの不安を取り除くよう努力しなければならないと思っております。今、全国各地で多くの自治体がこの問題に悩み苦しんでおりますが、これは現行法令下で各自治体のとり得る対策が少ないからでもあると申せます。しかしながら、手をこまねいているわけにはまいりません。私は、一日も早く地域の皆様がこれまでのように心安らかな暮らしを取り戻せますよう、区民の皆様と心を合わせ、手を携えてこの問題に積極的に対応してまいる覚悟でございます。
まず第一に、池袋本町オウム対策協議会へ裁判も含め運動に対し支援をとのご要望につきましては、本区といたしまして可能な支援策はすべて実行すべく考えているところであります。具体的には、皆様の活動と歩調を合わせながらということになりますけれども、運動資金の助成等の支援を考えてまいりたいと思っております。
第二に、昨年十月に庁内に設置した豊島区池袋本町四丁目マンション対策プロジェクトチームの名称変更でございます。ご提案のとおり、皆様の活動に合わせて名称を改めることにいたします。
第三に、オウム対策の新しい法律制定を求める署名活動を行ってはどうかとのお尋ねでございますが、このような活動は区が直接呼びかけて行うということよりかは、むしろ区民の皆様のご発意で進める方がより効果的であるのではないかと考えるところでございますが、できる限り努力をしていきたいと思っております。
最後に、晴風マンション一階部分の競売が実施される際にマンション管理組合へ一定の支援等をとのご要望についてでございますが、必要な資金についての融資あっせん、貸し付け等を含め、法的に許される範囲内で、できる限りの積極的な支援を行ってまいりたいと思います。
以上をもちまして、小倉秀雄議員に対する答弁を終わらせていただきます。