平成26年決特 文化商工・教育費 此島(10月14日)

学校ICT教育支援

○此島澄子委員  私は、決算参考書367ページ、成果報告書99ページ、学校ICT環境整備事業について伺います。

 英語が得意な井上学校運営課長に対して恐縮でございます。Information and Communications Technologyということで、長いので学校ICTということで、情報通信技術ですけれども、文科省による学校施設改善事業の1つだと思うんですけれども、この決算参考書を見ますと、大体1億8,000万円という金額ですけれども、子どもたちが小・中学校で使用するこのパソコンの台数と先生方の使用するパソコンの台数と経費の内訳について教えてください。

○井上学校運営課長  子どもたちが使用いたしますパソコンは、学習用パソコンと呼んでおります。こちらにつきましては、小学校では1校当たり約70台、合計で1,544台、中学校で1校当たり同じく70台程度で、合計で560台、小・中合わせて2,104台でございます。

 賃借料、いわゆるリース料ですが、小学校では7,875万3,392円、中学校では2,702万143円で、合計で1億577万3,535円でございます。約1億円程度ということでございます。

 先生方が使うパソコンを校務用パソコンと呼んでおります。こちらは小学校で528台、中学校で235台で、合計で763台です。

 保守費用が、小学校では1,359万5,250円、中学校では490万800円で、合計で1,879万6,050円となっております。そのほかに周辺機器の購入経費ですとか、校舎移転に伴う機器の移設経費などで約5,630万円となっております。この合計が小・中合わせますと1億8,000万円ほどになります。

○此島澄子委員  学習用パソコン、昨年末リース切れになって、校務用はウィンドウズXPのサポート切れで切りかえをされたというふうに伺っておりますけれども、それでよろしいでしょうか。そしてまた、今度のはやはりリースですけれども、どのくらい持つんでしょうか。

○井上学校運営課長  委員おっしゃるとおりでございまして、学習用パソコンは本年の1月に小学校22校と、中学校では3校、タブレットパソコンに切りかえました。残りの中学校5校につきましても、来年の1月にタブレットパソコンを導入いたします。

 リース期間につきましては、中学校がちょっと1年ずれておりますので、通常5年のところ、来年1月に入れるところは4年くらいに短縮しまして、次の入れかえのときには、中学校全校一緒に入れかえられるような方法をとろうというふうに今考えております。

 また、公務用パソコンにつきましては、本年4月に一斉に切りかえを終了してございます。

○此島澄子委員  一部中学校が残っているということですけれども、学習用パソコンがハンディーなタブレットになっているようですけれども、これまでのデスクトップ型と比べて子どもたちの受け止めはどんな状況かなということと、それと、タブレットの活用が実際に学校でどんな感じで行われているのか具体的な状況と、それから、教育的な効果、そういったことについてあわせてお聞きしたいと思います。

○清野教育指導課長  このタブレットにつきましては、子どもたち大変高い関心を示して、授業の中でも積極的に活用してございます。先日、西巣鴨小学校に文部科学省の審議官外10名近い方が学校視察にまいりまして、タブレットを使った理科の授業ということで視察をいただきました。次期学習指導要領の改定の折には、アクティブラーニングというのが1つキーワードになっているんだそうですが、いわゆる主体的な学び、この1つのいいモデルになるということで御見学をいただいて、大変高い評価をいただいているとこでございます。

 具体的に、このタブレットの使い方でございますけれども、無線LAN環境が整備されておりますので、わからないことがあった場合にはタブレットでインターネット検索をして調べることができる。あるいは教室に配置されている電子黒板と連動させて、データをタブレットで共有をするという使い方。あるいはカメラ機能を使いまして、実際に写真や映像を撮る。そこに文字を書くことができるんですね。それを使って子どもたちはプレゼンテーションを行うというようなことで、座学だけではなかなか高い学習意欲を示すことがちょっと難しいという子も、タブレットを使って非常に生き生きと発表をしておりましたので、大変効果的だなというふうに考えております。

 今申し上げましたような、調べる、まとめるといった問題解決学習に大変有効だということで、今後、区全体の教育レベルも上がっていく1つの大きなきっかけになるのではないかと思って期待しているところでございます。

○此島澄子委員  他区の状況も、荒川区が40億かけたとか、品川区も全校とかという話は聞いているんですけれども、豊島区にそうやって視察が来られたということは、他区と比べて豊島区は進んでいるというふうに区民に言ってもいいんでしょうか。

○清野教育指導課長  台数自体は、もしかするともっと多い学校、区はあるかもしれませんけれども、使い方、その他教育効果という面では、十分他区に誇れるものであるのではないかなというふうに考えております。

○此島澄子委員  先日、目白小学校に落成式で行きましたところ、黒板のところに、黒板をスライドするようなプロジェクターつきで、どうやってやるんだろうなと思ったけれども、すごいな、本当に時代が全然違うんだなというふうに思いました。こうした機器と連携した授業というのはどんな感じでやるんでしょうか。

○清野教育指導課長  目白小のプロジェクターの特徴としては、教員が作成した板書計画に基づいて、黒板にどんな板書をするかというその計画に基づいて、画面の位置を、先日、委員にごらんいただいたときは教室の左側に配置をしていましたけれどもけれども、向かって右側に配置をしたり、あるいは場合によってはそれをはがして一面に板書したりというような形で、多様な使い方ができる。それから、スペースについても、これまでのプロジェクターと比べると非常に簡単に準備ができるというようなメリットがございます。タブレットのデータ等と連動させることによって、さまざまな学習が展開できるというふうに期待しているところでございます。

○此島澄子委員  先生方の習得状況といいますか、授業に格差が出てくるとよくないというふうに思います。時代とともに学校現場の教材も次々と変わって、先生方もいろんな研修を受けないといけなくなっていると思いますけれどもけれども、残業の量も、この間、常任委員会のほうで話題にしたんですが、半端ではなくて、主事さんとともに帰るような状況で、教員の多忙化の解消という部分を考えると、本当に配慮しなきゃいけないのではないかなというふうに思うんですけれども、その部分ではいかがでしょうか。

○清野教育指導課長  タブレットの活用によって効果的な授業づくりをするということで言いますと、むしろその負担が軽減できるという要素がかなりあろうかというふうに思っています。また、個人の格差ということにつきましては、今、私どもで先生方にお願いしているのは、完全に使いこなせるようなってから授業で使うということではなくて、子どもと一緒にタブレットを操作しながら、いろんな使い方を子どもと研究してみるというような視点でどんどん使ってくださいという話をしております。

 この夏も巣鴨小学校で実際に各校の先生方にお集まりをいただきまして、タブレットの活用研修を行いました。実際に児童役になってもらって、こんな使い方もできる、あんな使い方もできるというようなことを教室の中で研修いたしました。今後もこうした研修の充実、あるいは各学校での伝達研修、こういったものを充実させて、先生方の負担軽減にもつながるようなタブレットの活用を進めていきたいというふうに考えております。

○此島澄子委員  まとめます。これからの情報社会を生きる子どもたちのためには、最新の機器を使用しての学習というのは本当に大事だと思います。品川区では、幾つかの小・中学校で全員に自宅で学習するソフトをインストールして、タブレットパソコンを配付しているということですけれども、そのうち教科書も電子化されて要らなくなるのではという、そういう時代が来るのかもしれないというふうに考えるわけです。そのICT環境の整備で先生の情報の共有化とか有効活用で、今定例会でいじめ対策の条例が制定の運びでございますけれども、先生の仕事の効率化を図るということで、先生が生徒と向き合う時間といいますか、ゆとり、そういったものをつくるということがとても大事だと思いますので、職務能力を十分に発揮していただくためにも、その部分も含めて、さらに一層推進していただきたいことを要望して終わります。

○三田教育長  るる御説明いたしましたけれども、ICTの活用につきましては、本区の教育ビジョンの2つの柱、学校図書館の整備をして、読書をする子どもたちを育てると。それから、教師にとっては、校務を簡便にして、通知表とか学習指導要録、これらもデジタル化でやっていいということで、思い切って一歩踏み込みました。このことで相当な事務軽減ができるというふうに思いますし、中学校に至っては成績処理もできるということで、これがもう実際に活用されている。

 それから、子どもたちにとっては、学びのイノベーションといいますか、今、世界標準で求められているメタ認知といいますか、問題解決をきちんと系統的な思考によってつくり上げていく。こういう力を養うのに非常に大きな力を発揮するものというふうに私ども期待しております。

 昨年、全都の視聴覚の教育研究会がありまして、これは巣鴨小学校が会場になって、学校で授業公開しました。それから、先週は、私は、文科省に呼ばれて、このICTを中心とした学習のあり方について地域の学習資料の改定について、教育課程の専門家に呼ばれて、そうした豊島区の取り組みについても報告してきたということで、やはりそういう先端を行きつつあるのかなというふうに感じております。一生懸命頑張りたいと思います。