平成26年決算委員会 1~9補足質疑(10月15日)
公衆浴場支援経費
○此島澄子委員 では、最後を飾りまして、話題の公衆浴場支援経費について伺います。先日から話題になっていますけれど、本区の公衆浴場の廃業というのは年々深刻になっているわけですけれども、地元長崎地域のおふろ屋さんがもう既に、5日前に張り紙があったその5日後に閉まっていると。もう1つ近くのところに残ってるところが、もうあすもしかしたら閉めるかもしれないというふうに聞いておりまして、2カ所も本当になくなっていくということで、近隣住民の方から行政で何とかなりませんかなんて言われて、住民も大変困惑している現状がありますので、それを踏まえて質問をさせていただきますけれども、公衆浴場は、皆さんからも話がありましたけれど、区民の公衆衛生の役割だけではなくて、地域コミュニティの場でもあり、健康増進、安らぎ、憩いの場としても必要不可欠の存在となっているわけですけれども、また、家におふろの設備があったとしても、ひとり暮らしの方は特に経費的な面も考えてももったいないし、使えば当然お掃除もしなきゃということで、トータルで面倒ということもありまして、高齢化が進むとさらにこの考え方が強くなって、内ぶろを使わないという人も多くなってきて、また、ひとり暮らしの高齢者だと、遠く離れている身内も、おふろで死んでしまっているということがかなり事件として多いもんですから、そういう部分からも公衆浴場に行ったほうがということで勧めているケースもあるんですけれど、そういうことで、公衆浴場がなくなってしまうのは大変困るという話になるわけだけれども、にもかかわらず、おふろ屋さんがなくなっていくという現状に対して、行政がどう立ち向かうかということは大変重要でございまして、本区のおふろ屋さんの先ほど自助努力という質問がございましたけれども、1日の利用人数がどのぐらいなのか、多いところと少ないところとちょっと教えていただけますか。
○田中生活産業課長 申しわけありません。1日の利用者数、ちょっと手持ちにございません。後でお示ししたいと思います。
○此島澄子委員 基本的な情報ですので、ぜひ掌握しておいていただきたいなというふうに思うんですけれども、おふろ屋さんの廃業が進んだ原因ははっきりしていて、もうからない上に、銭湯の仕事は朝早くて夜遅いと。しかも、かなりの重労働で経営側の高齢化もあるわけですけれども、この業種は水回りということで、また常に修繕費がかかるらしいんですね。さらに一度機械が壊れたら修繕費が1,000万を超すということで、本当に経営の圧迫につながっていて、そういうこともあって後継ぎもなかなか継ごうとしないと。高齢で本当にやむなしという形で廃業することになっていくと。そういった形があるわけですけれども、本当に廃業したとしてもローンが残るんだという厳しい状況なんですね。
で、地域の方が、では、かわりにやりますから、働きますからと言った人がいまして、手伝うから続けられないかという交渉はしましたけれども、とっても素人の方ができるほど簡単ではないんですよというふうに言われたんですね。ですので、1回廃業してしまうと、本当にその地域では困るという方向になります。
そこで、法律的には公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律というのがありまして、この中の第1条、3条、4条、6条にいわゆる公共団体がしなければならない事項ということがうたってございますけれども、一々読み上げませんけれども、本当に区としてもこれまでの取り組みは、その努力は大変承知しているわけでございますけれども、やはり公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律、これはやはり重くとらえていただきたいなというふうに思うんですね。
それで、提案になりますけれども、区が今後まちづくりとか、いろんなマンション建設とか、そういった情報が、建設確認申請とか、その前の看板設置とか、そういう形で知らされた場合に、ぜひ公衆浴場、あるいはミニ浴場設置、あるいは地域貢献施設ですか、そういったものを入れ込む場合には区としても助成しますよと、ぜひその助成を考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○栗原文化商工部長 昨日からたくさんの委員の方から公衆浴場に対しての御質問をいただいてございます。区といたしましても公衆浴場の重要性は本当に十分認識しております。これまでも苦しい財政状況の中で可能な限りの支援をしてまいってきたというふうに認識をしてございます。今、委員御提案の、やはり公衆浴場はなりわい、営業が成り立たないとこれは続いていきませんので、そうした行政のほうの指導で、例えばマンションとか大規模開発の中でそれを義務づけるようなことをやっていくというのはまことに難しいのかなというふうに思います。都内、今の現状の中で、例えば健康ランドのような形態は別にして、やはり一般的な浴場というのを新規で開業して、そこで利益を上げるというのは、これはまことに厳しいというふうに認識をしてございます。
区ではこれまでも、今の浴場さんが減らないように精いっぱい努力をしてきたつもりでございますけれども、やはり後継者の問題というのはまことに大きゅうございまして、やはり跡取りがいない、いらっしゃっても実はもうサラリーマンになっていらっしゃるという方もございます。したがいまして、昨日も浴場組合の組合長が区長のほうに要望書を提出をされ、私も陪席をさせていただきました。そうした幾つも提案いただいてございますけれども、重く受けとめて、今後、区として可能なことをやっていきたいというふうに考えてございます。
○此島澄子委員 この成果報告を見ましても、24年より25年、25年より26年と、区が努力している様子はしっかりと見ておりますけれども、やはり港区は区立のおふろをつくっていますよね。区立のおふろをつくれとは言いませんけれども、やはりそれだけの意義があると思うんですね。ですので、健康ランドだったらやっていけるという方向なんですけれど、つくり方にもよると思うんですね。その辺の工夫もぜひお考えいただきたいなというふうに思うんですね。
で、地元長崎地域に昭和36年ぐらいの古いアパートがありまして、10世帯ぐらいのところで、大家さんがそこに住んでいないんですけれども、そこに男性用、女性用というおふろをつくりまして、さらにそこの隣にみんなが懇談できるお部屋を、小さなキッチンつきの懇談できるお部屋をつくったんですね。それでもってその住民の方たちというのは非常に憩っているということがございますので、そのやりようというのはいろいろ考えられるんではないかなというふうに思うんですね。その点を考えていただきたい。
それから、民間がやるにしても、建築課のほうにそういった情報が寄せられたら、要項の中に、そういった地域貢献施設をやる場合には助成がありますよという、浴場組合の場合は助成できないというなら、それはあれですけれども、そういった要項を入れ込んでいただくということがすごく求められると思います。その辺もあわせてお願いしたいと思います。