平成26年決算委員会 此島 10月 9日 福祉衛生費

がん対策・がん先進医療利子補給事業

○此島澄子委員 あとがん対策について伺います。豊島区はいち早くがんの推進条例をつくっていただきまして、がん教育も行いながらがん対策に取り組んでこられましたけれども、始めたころに推進条例ができたころには年間豊島区内で720人ぐらいの方が亡くなられておられたんです。本当に大勢の人が亡くなっているんだなという実感をしていたわけですけれども、この近年はいかがでしょうか。

○佐野健康担当部長  がんによる死亡者のデータでございますけれども、まず25年度につきましてはがんで亡くなられた区民の皆様は679人でございます。以下、直近数年を申し上げますと、24年度が692人、23年度が669人ということで、過去5年間で平均688人の死亡数という状況でございます。

○此島澄子委員  依然として700人近い方が毎年亡くなられているということは本当に嘆かわしいことだなというふうに思います。子宮頸がん予防ワクチン接種の助成については、この年度は予防接種勧奨を差し控えたということで、その委託料の実績残ということで前年度に比べて大幅に減となっているということがございますけれども、積極的勧奨を控えた結果、命を落とすような女性がふえたら困るなという、そういった声も多いわけですけれども、厚労省の安全性担保ということで、それを受けて豊島区もというものがあるかと思うのですけれども、最近の厚労省の動きとか、豊島区としてのお考えとかあればお聞かせください。

○尾本健康推進課長  最近の国の動きについて申し上げます。いつ再開するかというのが一番の焦点に昨年度はなっておりましたが、その後、国の会議の状況を見ておりますと、再開についての検討ももちろん重ねながらですけれども、その副反応について、その判定をどうするかという検討、それから副反応かどうかという医学的な証明はありませんけれども、実際にワクチン接種後に体の症状を訴えておられる方への救済というところで今進んでおります。その成果としましては、相談をする医療機関をふやしている。また、その医療機関に対するガイドラインを作成しようとしている。相談窓口の整備。ワクチンを受ける前に十分に副反応と思われるようなものについても理解をした上で受けていただくようにと、政府のほうでも広報に努めているところでございます。

○此島澄子委員  引き続いてよろしくお願いします。

 あと最後に269ページ17番のがん先進医療利子補給事業経費、新規事業でやっていただきましたけれど、この事業結果について当局ではどのようにお考えでしょうか。

○佐野健康担当部長  25年度の実績がゼロという状況でございまして、区といたしましては、当初から多くの申請件数はないというふうには認識をしておりましたが、実績がゼロ、活用していただけないというのは大変残念だと思っております。ただ、これは必要とする方がいた場合の受け皿ということで、区ががん対策推進計画で標榜しておりますがん検診の推進、普及啓発、それから患者と家族の支援というこの3つの柱の中で患者と家族の支援の大きなメニューとしては実績ありなしにかかわらず用意しておくメニューだと考えておりますので、初年度はこういう結果になりましたけれども、今後、先進医療の普及に伴って区民でもこの事業を活用していただける方が出てくるというふうに期待をしております。

○此島澄子委員  まだまだこの先進医療技術を得意とする医者が少ないと思うんです。なので、やはり患者は医者が得意とする切開手術とか、そういう形の中で進められるがままにやられる方が多いと思うのですけれども、本当にそういう部分で先進医療技術というのがもっともっと広まるといいなと思いますけれど、切らずに外来で仕事をしながら治療できるという形で、陽子線治療とか粒子線治療とか、今度は中性子線といって、今までは腸とか胃とか動いてしまうと絶対当てられないという放射線でしたけれども、どこにできても大丈夫という、それを今つくっておりまして、間もなく国の予算措置もあって、今できるところが1カ所しかないですけれども、そこがやっておりますので、そういったことも含めて山中教授のiPS細胞、再生医療についても先進医療ですし、本当にそういった医療技術が進んでいる、先進医療もいろいろなのができている、けれども、いざとなったら高額で受けられないというのは大変不幸なことになってしまいますので、より一層その先進医療についてはPRをお願いしたいと思います。この申請が発生しない限り区の負担というのはチラシの印刷代ぐらいだと思うのですけれども、すてきなチラシもつくっていただきましたけれども、そのぐらいの負担で発生したときには当然利子補給という形になりますけれど、そういうことですので、ぜひ引き続いてお願いをしたいと思います。

○佐野健康担当部長  がんの利子補給の事業につきましては、現在全国を見ても市区町村レベルでこの制度を設置しているのは名古屋市とそれから佐賀県鳥栖市というところが最近始めたのですけれども、それとうちと3区市しかございません。これはうちを全体から見るとかなり早期にメニューを用意したという格好になっております。先進医療自体もやはり高額の先進医療といいますと一般的には重粒子線とそれから陽子線でございます。これは一般に300万以上かかるような治療というふうに言われておりますけれども、そうした高額治療を受けるような事例がやはり全国でもまだ3,000程度ということですので、区民の方でそうした治療を受けられて、こうした事業を必要とする方というのは、現状ではそれほどいないという状況ですので、先進医療の普及に伴ってこの事業が生きてくるものだと思いますので、そうした認識でおりますので、今後もこの事業を活用していただくようにもちろんPRはあらゆる場、媒体を通じてやりますし、それからもうちょっと活用していただきやすい内容に見直しも検討していきたいというふうに思っております。