平成26年決算委員会 全部の補足質疑(10月17日)

教育現場での防災対策

○此島澄子委員  どうやったら防災訓練の参加者をふやしていくかというのが一つの課題だと思うんですけども、防災運動会というのを全国でやられているんですけど、御存じかなというふうに思うんですけど、簡単に御紹介しますと、防災を楽しく学ぶことが運動会の目的の一つということで、兵庫県の姫路市では毎年9月1日に行っていた市民防災の集いを運動会形式の訓練に切りかえて担架作成、搬送リレーや水バケツリレーなど大人と小学生以下の子どもの混合チームの参加、今後は家屋の倒壊を想定した救助競技なども加えるとか、それと岐阜県のある市では8年前から盲学校で開催していて、視覚障害者を初め、知的や重度の障害を抱える障害児者が主体の防災運動会を開催している。毎回地域住民や企業から約200人ぐらいが参加して、災害時における避難や避難所などでどんな助けを必要とするのかを理解し合いながら、年齢や障害のあるなしも関係なくチームを編成して、毛布と青竹でつくる担架で人を運んだり、非常食準備運動などさまざまな競技を行って、早さだけじゃなくて安全性やチーム内の協力などを競い合うという、みんなが防災意識を養いながら日ごろから地域が一体となる交流が進められていると。あと大分県の別府のほうでも他文化交流の場として、災害時に備えた日本人と外国人の防災運動会を開いているということなんですけども、本区でこれを提案したらどうなのかなというふうに考えたんですけど、なかなか防災運動会としてやっても集まる人は決まっているかもしれないなというふうに思いまして、ちょっと教育委員会にお伺いしたいなと思うんですけど、本区は千川中学校の生徒がD級ポンプ操法というものをされたということが話題になったんですけども、学校の運動会の競技種目というのもいろいろ考えられて行われているというふうに思うんですけども、ここには地域の多くの皆様が結集するわけでございますので、そこで学校教育における運動会の中に地域の方々の参加も含め、こうした防災の視点を取り入れた、取り込んだ競技を入れていただくということが可能かどうか、その辺を伺いたいんですが。

○清野教育指導課長  今、委員御指摘ございました本区で千川中学校で防災経験をする研究を進めてまいりました。運動会の中には、いわゆる早さを競う競技の種目とともにダンスであったり、あるいは組み体操であったり、いわゆるきれいさを皆様にアピールする、そういった演技の種目もございます。こうした演技の種目の中で、例えばD級ポンプを非常に見事に使う中学生の姿を地域の皆様に見ていただいたり、あるいはバケツ等を活用して火災の折にこうした水を使って消火活動の一端を担うというようなことを地域の皆様に見ていただくということが一つ大きな意義のある取り組みではないかなというふうに考えております。こうしたことをぜひ区内の中学校のほうにもちょっと働きかけて、ぜひ実現させる方向で検討してまいりたいというふうに考えております。

○此島澄子委員  地域の消防団の方も消防団ポンプ操法の発表会も本当に見に来ている方が少ないから、こんなにみんな頑張っているというのがよくわかってないんじゃないかなというふうに思うんです。ぜひそういった方々の姿も見せてあげたいなというふうに思いますし、ある学校の校長先生に話したところ、本当に大変重要なことなので、ぜひ取り入れた運動会がやりたいものですねということも言っていただきましたので、今後、前向きにその辺に取り組んでいただきたいということを要望しまして終わります。

○三田教育長  大変大事な御指摘かと思いますが、まずはやはり根本的には住民が防災意識をどのように高めて、実際にこの防災訓練にどう参加するのかということを大前提にしながら学校の役割ということを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。これが自己目的化されてしまうと学校教育の目的や機能を逸脱してしまうこともあるのかなというふうに思いますが、私も3.11以後、地域の防災訓練には特に中学生、小学生も保護者と一緒に参加してほしいということで、拠点でやっている防災訓練にはかなり子どもたちが参加するようになってまいりました。これは3.11以前とは大分大きな変化が出てきているというふうに思います。千中の取り組みというのはそうした流れの中で生まれてきた1つのアイデアだと思いますが、いつも感じることは子どもたちがいろんな防災活動、消火活動とか、三角巾の活動とか、そういうのを安全対策も含めて体験活動させていただいているんですが、大事なことは子どもたちも含めて、地域の若い世代も含めて、お父さんたちお母さんたちそれに当たるわけですけども、そういう世代がそこに参加して、どんな役割を住民のために果たせるのか、それから自分が安全に避難するためにどういうことをしなきゃいけないのかということをもう少しグレードアップして役割分担を明確にして呼びかけていくということをしていく必要があるのかなというふうに非常に強く感じております。今の御提案も含めて中学校長会ともぜひ率直に今後の防災教育どうしたらいいかというようなことの流れの中でいろんなアイデアを出して、文字どおり防災の主体になり得るんだと、子どもたちがなっていかなきゃいけないんだということも教育委員会としてしっかり防災課とも連携しながら受けとめてやってまいりたいと思います。