消費税10%引き上げに関する請願の不採択とする賛成討論

平成26年 10月23日

公明党豊島区議団 木下 広

 

私は、ただいま議題とされております26請願第11号「消費税10%引き上げの中止を求める意見書」提出を求める請願につきまして、不採択とすることに賛成する立場から討論をいたします。

 

平成24年「社会保障の安定財源の確保を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税率を今年4月に8%に、来年10月に10%に変更する法律が可決されました。

そして、10%への税制改正をするかどうかを年内に総理大臣が判断する事になっており、いやがおうでも難しい政治判断が下されます。

この法律には、附則18条第三項には「・・施行前に経済状況の好転について、様々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含めて所要の措置を講ずる」と明記されています。

正に、今年の年末にかけて安倍政権の難しい判断が迫られるところであります。

 誰しも税負担は少ない方がいいいに決まっています。許されるなら、税金をかけないでいくことは、子どもでもわかります。

しかし、日本の少子高齢化は、ますます進み、2025年には段階の世代が75歳を迎え、超高齢時代がすぐそこまできています。少子化のなか、生産人口の減少、子育て支援策は待ったなしであります。年金、医療、介護などに支払われた社会保障給付費が、2010年度に初めて100兆円を突破したことが、明らかになりました。
 毎年、約1兆円ずつ増えていく社会保障給付費の国の負担分をどう賄うか。国政の大きな課題となり、また、多くの国民の皆さんが社会保障制度の持続可能な制度設計を望んでおられます。

 公明党は、この法案については、「社会保障を置き去りにした増税先行は許さない」という立場から、消費増税に際して(1)消費税の使途を社会保障に限定(2)景気回復が前提(3)行政のムダ排除――など5条件に、低所得者対策を盛り込んだ「5条件+1」を主張。仮に政権が交代しても、政府の責務として実施するよう09年の改正所得税法の付則にも盛り込みました。
 その結果、政権交代後、民主党が「消費税10%」で自民党と歩調を合わせるようになっても、「5条件+1」が安易な消費増税を許さない歯止めになりました。
 こうした諸条件を徹底するため、公明党は2012年、6月の民主、自民との3党協議に参加。粘り強い交渉が実を結び、8月に成立した社会保障と税の一体改革関連法に反映させ、年金医療介護の社会保障制度の安定的な財源確保としての消費税の税率改正の決断をしました。低所得者に負担が重くかかることから、8%の段階では、簡易な給付処置を実現しました。

更に、今後は、食料品など日常生活品の税率を下げる、軽減税率導入に向け、鋭意努力しているところであります。

私どもは、多くの国民の安全、安心のための判断として、確実に広く負担をお願いする消費税税率改正の道を選択し、一方では低所得者の方々への支援をセットとして様々な修正を加えて、合意形成を図り法律の成立までこぎつけました。

 委員会でも、「毎年1兆円づつ増加していく社会保障給付費をどうまかなっていくのか?今後の大きな課題であり、消費税に代わるいい方法があれば、ぜひ教えてほしい」発言しました。消費税を反対する方からは、「大企業に重く課税をすれば、消費税にたよらなくても大丈夫」と繰り返し発言されていました。

 

日本は民主主義の国家であります。様々な意見の国民がおられるなかで、それぞれの考えの方の代表を選挙選び、議会で議論します。したがって、選挙民は自分が応援した政治家が公約した政策をどのように実現させ、暮らしをよくする政治活動をすることを見ています。政治は結果が大切であると考えます。消費税にたよることなく、将来に亘って、社会保障の安定な財源にふさわしいという方法があれば、そのように合意形成をはかる努力を、多数の賛成者で法律の成立をめざすべきです。

自分たちの考え、主張を、より多数の意見をとる努力をするのことが政治家の大切な仕事ではないでしょうか?

「自分たちの考えだけが正しくて、それに賛成しない人が悪い」と、何度も同じことをくりかえしていても、生産性があるとは思えません。

できもしないことを何度も繰り返し言っているより、より実現性の高い提案を行っていき、合意形成の努力に汗を流すのが政治の役割と考えます。

何度も言います。「政治は結果」が大切であり、どういう法律を作り国民生活をよくしてきたのか?が勝負と我々は考えています。消費税導入に反対して、消費税8%に反対して、消費税10%に反対、大企業への課税は一向に実現されるかけらすら見えません。

政治家は、公約を実現することこそ、国民への責任をはたすこと、区民への責任を果たすことになるのではないでしょうか。どんなに崇高な理想も、より多くの方に支持されなければ、「絵に描いた餅」です。より現実的により多くの方が合意できる合意形成努力こそが政治家の最大の仕事ではないかと感じます。

従いまして、本請願、26請願第11号「消費税10%引き上げの中止を求める意見書」提出を求める請願の趣旨には添い難く、不採択とすることに賛成をするものであります。

 

 加えて、委員会の運営について一言述べさせていただきます。今定例会では、豊島区議会史上初の請願代表者の意見陳述がモデル的に実施されました。総務委員会でも、26請願第11号「消費税10%引き上げの中止を求める意見書」提出を求める請願の請願代表者の意見陳述までは粛々と進みましたが、いざ審議となると、この請願と同じ考え方の傍聴者が、私、公明党木下広の発言中だけに、発言を封じるかのような口汚い品のない「やじ」をとばし、私の発言の邪魔をしました。

竹下委員長から、傍聴者の方の発言は禁じられており、もう一度おなじことがあれば、退場を宣言する可能性もあるので、審議の邪魔をしないように、あらかじめ言い渡し、審議が再開しましたが、その傍聴者は驚くことに、再び、私、公明党の木下広が意見を述べているときに、恫喝するような大きな声で暴言をはき、私の発言を2度にわたり妨害するとい暴挙に出たのであります。

正式な委員会での委員の発言を罵声という暴挙で言論を封じるが如くの蛮行です。委員長から、先に注意をしたにも関わらず、委員の発言中に暴言をはくことは、正常な委員会の運営ができないとのご判断から、傍聴者に退場を宣告しました。

すると傍聴者は、これも驚いたことに、なかなか、委員長の指示に従おうとせず、事務局職員の再三の促しに「もうやじはとばさないから傍聴をできるように委員長に話せ」ととんでもない乱暴なことをいって委員会を混乱に落しいれる重大な事件になってしまいました。そもそも悪いのは、傍聴者であり、その傍聴者は、委員長の退席指示になかなか応じることなく委員会を混乱に導いたことはゆるされるものではありません。委員会では、前代未聞の傍聴者に対する委員長の退席指示はすべての委員から了とされました。

 この事件に関して、私の発言の時だけに傍聴席からの妨害の恫喝的怒号があったことから、委員長と総務委員でもある本橋議長に「この前代未聞の大事件の真相が解明されなううちの請願代表者の意見陳述は当面控えてほしい」むね要望しました。なぜかならば、私の発言の時だけ、傍聴者から、発言を封じるがごとくの暴言、恫喝があり、他の委員さんの発言の時には、そういう妨害がない。今後も、公明党の発言をやめさせるがごとき恐れが払拭されない以上、この制度は慎重にあつかっていただきたくおねがいしたところです。

請願者の生の声を聴くことは、審議を深める上では、重要であると考え、私ども公明党も議会改革の一環として推進してきました。しかしながら、万が一の備えをしていくことも、今回の審議を通して痛感した次第です。

ひとえに悪いのは、総務委員会で私の発言中に暴言を吐き、恫喝した人が悪いのです。

 残念ながら、今定例会の都市整備委員会でもコミニティバスに関する請願・陳情の審議の時には、掛け声、拍手が出て委員会が騒然となった残念な傍聴者の非常識な言動があったそうです。委員長として、委員として委員会の運営がどうであったのか反省すべきであると指摘をしておきます。

 豊島区議会では、過去にも、議員定数削減の陳情請願の審議の時や、保育園の民営化に関する陳情請願のさいには、委員会が大変混乱した歴史があります。私の記憶では、議員定数削減の審議では、傍聴者である削減反対の議員が傍聴席から立って「委員長!そんな運営はおかしいぞ!」と委員会を混乱させている姿が目に焼き付いてはなれません。

保育園廃園の審議の時には、傍聴者が各委員の似顔絵とその委員の評価を書いたチラシを傍聴者に配り、委員会室に入る委員に、委員に聞こえるように「公明党が入っていった」などと圧力をかけたり、異常な状態で委員会が開かれた歴史が思い起こされます

私は、そのような委員会の混乱の歴史があった上で、今回の請願代表者の意見陳述であるところから、まず、大前提として、正常な委員会運営ができるかどうかをしっかり見極めた上で、意見陳述など改革を進め、本格実施をすべきであると考えています。

 また、委員会審査終了後と、昨日、10月23日に、議会報告会の報告案件についての総務委員会の打ち合わせ会では、この請願の紹介議員になられた、日本共産党の委員が、このような大事件が起こった請願の報告をすべきであると、繰り返し発言しました。執拗に言われるのはいいのですが、私は、その一連の発言のなかで、「やじは、都議会でも、国会でも、区議会の他の委員会でもあった。」と盛んに、繰り返し、繰り返し、繰り返し発言した姿が非常に印象的でした。

議会では、正式な会議、委員会では、議長、委員長の許可なく発言することを「不規則発言」といいます。これは、常識です。「やじ」は、委員長の許可なく声を発することであり、やってはならない行為なのです。

「やじ」は「不規則発言」であり、やってはならない行為なのです。

委員会や本会議で議員が勝手に言いたいことを言い出したら、勝手放題したら、議会がなりたたない、委員会が成り立たないのは、小学生が考えてもわかります。意にそわないことがあれば、挙手をして、指名をうけて、意見を述べるのが、議会の常識であり、社会人としての常識です。

 それを、これみよがしに、「やじは、都議会でも、国会でも、区議会の他の委員会でもあった。」と、正式な豊島区議会の総務委員会で何度も力説する、方々がこの豊島区議会にいることに驚くいと共に、これは、小学生や、中学生、にはみせられないなと思うのは私一人ではないと思います。

本会議場での議長の指名にには返事をせず、やじは国会でも都議会でもやっていると・・・政治家としての常識、品格、を我々は、記憶に留めて、対処していかざるを得ません。残念なことです。

 そういえば、議員定数削減の議会運営委員会のときにも、委員会を混乱する不規則発言を繰り返した方々の姿が昨日のように思い起こされます。

正副議長さんにおかれましては、このような過去の様々な議会の不幸な歴史と事実を十分に勘案され、新しい庁舎、議会施設にふさわしい、適正な議会運営の要として、ご尽力いただきますことを切にねがうものであります。

 26請願第11号「消費税10%引き上げの中止を求める意見書」提出を求める請願につきまして、不採択とすることに賛成し、豊島区議会議員のすべての議員さんが、議会のルールに基づいて、常識的な、正常な言動、運営をこころがけて頂き、決して不規則発言をやってもいいということのないように、していただくことをお願いして、討論を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。