○此島澄子委員  時間が少ないので、私、263ページの人と動物の共生事業経費について伺います。

地域猫活動の事業についてなんですけど、ここ数年の猫に関する苦情の相談数も含めて、地域猫活動の進捗状況とその成果をどのように評価しておられるのか伺います。

○樋口生活衛生課長  23年度の猫に関する苦情につきましては、158件ございました。22年度で比較しますと、約半分ぐらいに苦情の件数は減っております。

地域猫活動におきましては、個人で行っていただく活動と、町会単位でグループを組んでいただいて活動していただいている2種類の活動がございますが、23年度におきましては、その不妊・去勢手術の件数で申し上げますと、個人が151件に対して、そのグループをつくっている地域協議会と申し上げますけども、204件の手術の助成を行いました。計355件でございます。これは22年度と比較しますと、22年度は402件あったんですが、件数そのものは減っているんですけれども、グループでの活動がふえてございまして、23年度は8協議会、実は24年度につきましては12協議会で活動が進んでおります。

こういったことから、苦情の件数が減っているのは、こういったグループでの活動が活発に地域で行われているということから減っていると受けとめております。

 

○此島澄子委員  現在、今までかかわってくださった区の担当者がやめちゃったと伺っているんですけども、その区の対応はどのようになっておられるのか。

また、この猫に関しては、かつて池袋保健所ネズミ博士と言われた矢口さんっていましたけども、それと同じように、本当に猫の生態も把握したり、えさやりをやったことがない人には対応が難しいと推進員の方がおっしゃっておられまして、そういったことで区の対応としてはどうなんでしょうか。

○樋口生活衛生課長  苦情がありますと、大体今の体制としては、できるだけ現場へ行って苦情者の生の声を聞きながら、その現場の状況を確認した上でお話を、相談について一緒に解決する方法を考えております。その状況を把握した上で、保健所で手に負えない部分をボランティアにお伝えして御協力をいただいていると、そういう体制をとっております。

また、えさやり等について職員が把握していないんではないかということにつきましては、できるだけそういった現場に行ったときに、えさやりの状況、あるいはふん尿の状況等を見た上で、また、ボランティアの話を聞いた上で、できるだけ猫の生態等についても勉強しているつもりでおります。

○此島澄子委員  人がかわっちゃったということでありますけども、この地域猫活動に取り組んでおられる方々というのは、なかなかその周囲の方たちに理解されなくて、悪いことをしている加害者のように見られているという、とてもつらい思いをされている方がほとんどなんですね。ホームレス猫を捕まえて、去勢手術をするためにえさやりをして、捕獲して手術するんですけども、手術したんだから、もうえさをやらなくてもいいんじゃないとみんな思っていると言うんですね。だけども、えさをあげないとまたごみを結局あさって、ごみ置き場が散乱するから、えさやりはずっと続けるという方向なんですけども、そういう中で皆さん、朝早い方はもう5時、6時起きしてえさやりに、夜も11時過ぎとか、何で、猫はそんな遅い時間に食事するんですかと言ったら、そうじゃなくて、世間の目を考えると、えさやりを見た人が嫌がらせして、猫が虐待されないようにするためにひっそりとやるしかないんですということで、あえて世間との接触を避けるように頑張っている方たちが多いんですね。

その解決策なんですけども、区としては推進活動に取り組む方々をしっかり応援しなければならないと思うんですね。それで、そういう意味からしますと、地域猫対策メンバーであることが一目でわかるような、今、ネームカードか何かを、皆さん持っているみたいですけど、それではちょっとはたから見てわかりづらいので、一目でわかるように豊島区の緑のベストで、池袋保健所とか名前なんかが入っていればかなり明確にわかるかなと思うんですけども、いかがでしょうか。

○樋口生活衛生課長  委員御指摘のとおり、ボランティアの方々、動物が嫌いな方もいらっしゃるものですから、そういう方々にはその活動そのものをなかなか理解していただけない部分もございます。そういったときには、保健所としても地域に出向きまして、地域猫の活動はどういうものかということを説明しているところでございます。

また、一目でボランティアの活動がわかるようなものをということでございますが、実は以前、同じようなことをそのボランティアの方々に伺ったことがございます。もう数年前なんですけれども、そのときは、活動していることがはっきりわかるといろいろと苦情を言われてしまうので、できるだけひっそりとやりたいというようなことをおっしゃっていたことがございます。

しかしながら、これだけ地域協議会も膨らんでまいりましたので、地域への活動そのものも理解が深まってまいりました。そうしたことから、何かそういった活動が目につくようなものをということで、改めてボランティアの方々に御意見を聞いて考えていきたいと思います。

さらに、今年度におきましては、その活動を証明するということで、区からそのボランティアの方々を委嘱しておるわけでございますけれども、その身分を証明するものを、証明書をことしは発行して、活動していただいております。

○此島澄子委員  身分の証明が小さいからわからないということで、本来なら、地域のみんなで解決しなければならない問題を、皆さん、身を賭してやっているんだから、もう本当に地域の人たちも協力すべきなんですけども、脅迫の手紙を書かれたり、猫に針金つけて殺されたり、妨害されたりという本当にとんでもない状況が実際にあるということで、そういうことがあるから、さっき言ったような、目立つのを避ける、その気持ちはわかるんですけども、実際、世間の方たちって猫のことをよくわからなくて、私もわからなかったんですけども、猫は繁殖率が非常に高くて、一度の出産で3匹から5匹産んじゃうんですけど、1年間に2回から3回出産するということで、ほうっておくと。だから、もう本当に猫が好きだからとかじゃなくて、もう望まれない出産で生まれてくる猫を減らしていくにはそうするしかないということなんですね。

推進員が役割をしっかり発揮できるような能力とやる気を、やっぱりだれが指導、教育していくのかという部分が、今12グループですか、できたと思うんですけども、そういう部分で、現在のNPOの立ち上げに尽力されておられる方がいらっしゃるみたいなんです。なかなかそのNPOを立ち上げるのも大変で、素人過ぎてやっぱりそういう難航しているみたいなんですけど、それは御存じでしょうか。

○樋口生活衛生課長  ボランティアの方々、意識もいろいろでございまして、まず私たちからすると、一人でも多くの方にボランティアにかかわっていただきたいということで、今すそ野を広げることを第一の目的にしているわけでございます。

一方、御指摘のとおり、例えば捕獲そのものを余りやったことがないという方もボランティアにかかわりたいということでかかわっているわけでございますが、そういった方を育成していく手法というものが特にあるわけではございません。したがって、ベテランのボランティアの方々に講師になっていただくような、そういった仕組みづくりを考えていかなければいけないと認識しております。

○此島澄子委員  しっかり区がその立ち上げ等、応援をしていただきたいと思います。

それで、経費負担についてなんですけども、豊島区の助成額、決して多くないですね。多いところはすごい、お金のある区はそれなりに本当に負担がほとんどないような形で助成しているんですけども、それでも一度は休止したものを復活してくれたということで協力員は感謝していますけども、その現状は、推進員も活動家も自己負担している状態ですよね。せめて、その実費分の補償があるべきだと思いますけれども、区側からすれば、その補助金が支出する場合にはしかるべき受け皿となる団体が擁立していることが必要ということでございますので、今申し上げたそのNPOの支援については、しっかり区としても応援をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○樋口生活衛生課長  私たちからすると、やはりNPOのしっかりした組織のもとにこの地域猫対策をやっていただくことが望ましいのかなと思っております。したがいまして、そういった活動についての御相談がありましたら、ぜひとも協力するような方向で考えていきたいと思います。

○此島澄子委員  なかなかNPOを立ち上げるといっても、いろんなホームページも立ち上げて、相談に乗れるような仕組みを考えてとかって、パソコンが得意な人もいなきゃいけないとかとなると、本当にメンバーとしては大変な状況だと思うんですね。そういう部分で、いろんなところから応援がしていただけるとありがたいなと思います。

で、いずれにしても、前、「人と動物の共生をめざして」ということで8月11日に広報に載せていただきましたね。これを見たメンバーが本当にどんなに喜んだかわかりません。数年ぶりに載せていただいて、前は毎月のようにその助成金額とか載せるコーナーがあったというんで、今は何にも全くないということでね。

そういうことで、区のビジョンとしては、野良猫は殺処分から生かして、ふやさない施策ということを区民により一層アピールしていただきまして、もう本当にそういう形でメンバーが地域の方たちから変な目で見られないできちっと胸を張ってそういった活動が取り組めるように、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。

以上です。