第3回定例会一般質問 ふまミチ

人がつながり、支えあい、ともに暮らす街 としま

令和3年9月24日登壇

私は公明党豊島区議団を代表致しまして「人がつながり、支えあい、ともに暮らす街 としま」と題し、
1. 福祉施策について
2.食品ロス削減について
3. 男性職員の育休について
4.特別支援教育について
5.子どもたちの文化・芸術体験について
6.その他として区営住宅千早4丁目アパート大規模改修について一般質問を行います。

 

1項目の福祉施策について伺います。

はじめに、認知症に関する検診についてです。

認知症は誰でもなりうることから、認知症になってもならなくても同じ社会で尊厳と希望を持ってともに生きるという意味の社会を創っていくことが重要となります。

また、認知症のように普段の生活に支障をきたすほどではなくても、記憶などの能力が低下し、正常とも認知症ともいえない状態のことを「軽度認知障害」と言いますが、軽度認知障害の方の約半数は5年以内に認知症に移行するといわれています。軽度認知障害の方のうち、すべてが認知症になるわけではありませんが、この段階から運動などの予防的活動を開始することで、認知症の進行を遅らせることが期待されています。
認知症ではなさそうでも、以前よりもの忘れが増えている、もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、念のために専門医を受診することが早期発見・早期対応につながります。

東京都は認知症の早期治療を支援するため、様々な取り組みをおこなっておりますが、本区ではどのような取り組みをおこなっているかお聞かせください。 

本区でも検診事業が始まりますと案内が通知されます。普及啓発資料やホームページに表記される表題に「認知症検診」という直接的な文言ではなく文京区のように「脳の健康度測定」というような伝え方も有効と考えます。

ナッジ理論をふまえた伝え方の工夫などにより、多くの区民の皆さまが効果的な選択ができるよう努めていただくよう求めますがお考えをお聞かせください。

また、文京区では55歳から75歳まで5歳刻みで実施されていますが、早期発見・早期対応のために、本区の対象年齢も70歳と75歳だけではなく、もう少し若い年代に対象を拡大するよう望みますが、いかがでしょうか。

さらに、認知症に関する検診は、受診を進めるには困難なことが多く早期の受診に繋がりにくいとの声をお聞きします。千葉県の八千代市では、人口知能による高齢者認知症の早期発見や健康管理につなげるため専用アプリが導入されました。声で認知機能の衰えなどをチェックできるアプリで、声の具合から20秒で認知症の疑いの有無を判断できるということです。確定診断は専門の医師がする必要がありますが、早期発見・早期対応につながる取り組みと思います。このような誰も簡易にチェックができ健診に結びつけられるような仕組みがあれば、認知症に係る健診のハードルが下がり抵抗感の減少がはかられると考えますが、本区のお考えをお聞かせください。 

次に乳児院・児童養護施設についてお伺いいたします。

先日、町田市にある乳児院にヒアリングを行いました。そこの乳児院は定員12名で10名の乳幼児が生活をし、ショートステイも受け入れています。子どもが生活するお部屋をホームといい、そのホームには、玄関・キッチン・浴室・トイレが設置されています。また職員ひとりひとりが決められた3名ほどの乳幼児の担当になり、より家庭的な養育の場になっていました。昨年の一般質問で、区の児童相談所の開設に伴い、子どもの最善の利益を保証するために、一時保護から家庭復帰や社会的自立にいたるまでを視野に入れ、社会的養護が必要な子どもの生活圏を保障し切れ目なく総合的に支援できる乳児院・児童養護施設の早期設置を要望したところ、高野区長からは「コロナ禍の影響による児童虐待対応件数の増加に伴い、今後、社会的養護を必要とする子どもも多く見込まれることから、児童養護施設等の整備については、できるだけ早期に進めていかなければならない」との前向きなご答弁をいただいております。

現在の進捗状況についてお聞かせください。

平成から令和へと時代背景が変わる状況の中、家族の形も常に変化を続けております。中でも核家族化はますます進むとともに、離婚率や共働き家庭の割合も高い状況で推移しており、子育てをする家庭は、育児に対して不安や疲れを感じながらも休まず養育を続けなければなりません。不安や疲れは、親子関係の中で不適切な関係を生む要因になる可能性があり、不適切な関係性が継続されると「虐待」が発生し、そのことが児童相談所の介入による保護・親子分離へとつながります。

特別区では2020年から先行3区江戸川区、世田谷区、荒川区で児童相談所が設置され本年4月より港区でも開設業務が始まりました。来年2月には中野区も開設予定です。元々乳児院が設置されているのは江戸川区、港区、中野区。養護施設は世田谷区、江戸川区、中野区に設置されています。荒川区も養護施設が令和5年に開設される予定ですが、本区は、乳児院も養護施設も区内には設置がされておらず、計画もまだありません。

児童養護施設は地域の中にあってこそ、その存在意義があります。子どもが遠い施設に入居している場合は、親等が面会に行くときの交通費がかさみ躊躇することもあるとうかがいました。また、区で認可した施設であれば、優先的に入所枠を確保しやすくなります。さらに乳幼児に関しては一時保護所での受け入れができないため乳児院の設置は必須です。たとえば、旧高松第一保育園跡地等の活用を検討するなど、地域に密着した「子育て支援施設」である乳児院・児童養護施設の早期設置を改めて強く求めますが、ご見解をお聞かせください。

2項目として食品ロス削減についてお伺いします。

公明党は、2015年に党内にPTを立ち上げ、食品ロス問題を学びからはじめて食品の生産・製造・流通・小売り・そしてフードバンクなど多様な関係者から現場の声をお聞きしながら、一貫して食品ロス削減に取り組み、2019年に施行された食品ロス削減推進法に繋げ、フードバンク活動の支援強化などを盛り込みました。

本区でも、我ども公明党区議団が国と同時期に区民とともに食品ロスとは何かを学習し、区に様々な施策を提案してまいりました。現在本区ではフードドライブやフードパントリー・フードシエアリング・食べきり協力店等の推進に取り組んでおりますが、現状をお聞かせください。

 

フードドライブや食べきり協力店等については、本区内の多くの事業者に協力願えるようさらに拡大していただきたいと考えますがいかがでしょうか。

食品ロス削減は、企業も社会的責任が問われるようになり、「自社だけが儲かれば良い」という姿勢では今後確実に淘汰されていきます。

環境省の食品ロスポータルサイトにホテルメトロポリタンエドモントの料理長のインタビューが掲載されています。料理長は『「3010運動」の展開や、どの工程で食品ロスが発生するのかとの考察とその対策などの取組によって、食品ロス削減に一定の効果が出ている。』

また、『持ち帰れるものがあれば持ち帰っていただきたい、流れとしてそうありたいと思いますが、行政・事業者が連携しお客さまの理解も含めて、相互に協力しなければ効果は出ません。』と言われております。

先日、ファミリーレストランのガストで食事をした折、メニュー表や卓上タブレット、テーブルにも「食べきれない料理のお持ち帰り容器をご用意しております」とドギーバッグが推奨されておりました。

他の飲食店でも持ち帰りを推奨している企業もあるようです。

持ち帰りを考えるときに、⼀番クリアしなければいけない課題は衛生管理ですが、⾏政、企業、消費者がそれぞれ理解でき、線引きが明確になればクリアに対応ができると考えます。環境省などは、外食での食べ残しを持ち帰る仕組みが検討されていますが、本区でも「食べ切りや持ち帰りの推奨キャンペーン」や、「ドギーバッグの配布・持ち帰り運動の展開」というような食品ロス削減のさらなる取り組みを望みますが本区のご見解をお伺いいたします。

公明党食品ロス削減推進プロジェクトチームが中心となり、困窮家庭の支援と未利用食品の有効活用を両立させる仕組みづくりを推進し、賞味期限が近づいた政府の災害用備蓄食品や、新型コロナウイルスの影響で需要が減り出荷先に困った生産者の農林水産物を生活困窮者の支援に活用する試みが現在広がっています。
また、国では、府省庁の災害用備蓄食品を無償提供する取り組みが拡大し、2019年末に農林水産省が初めて、福祉団体などに寄贈して以降、内閣府が本年7~8月、五目ご飯などレトルト食品約5000個を提供。金融庁は今月中旬までに焼き鳥の缶詰など約4100個。防衛省も今月をめどにドライカレーなど約2500個を寄贈する予定です。

本区でも、我が党の要望で困窮している若年女性の支援として防災備蓄品の生理用品の配布をいち早く決定し、自治体初の取り組みになりました。その生理用品配布時に防災備蓄の食料品の配布もあり困窮者支援に繋がったことを高く評価しております。また、本区として今後防災備蓄品をどのように活用されるかもお示しください。

農水省は5月、各府省庁の提供情報を一括で閲覧できる「国の災害用備蓄食品の提供ポータルサイト」を開設し、国の備蓄食品の多くが5年で賞味期限を迎えることを念頭に、あらかじめ寄贈日程や品目、個数をインターネット上で公表しています。サイトを利用できるのは、困窮家庭に食事や食品を提供している福祉団体やフードバンク団体で、府省庁ごとに申し込みを受け付けています。

本区での防災備蓄品も、寄贈スケジュールを困窮者支援団体等にお示しできる仕組があれば、必要な時に必要な方に届けられます。本区のお考えをお示しください。

3項目は男性職員の育児休業について伺います。

第5次男女共同参画基本計画には、公明党の男性の育休取得推進の主張が大きく反映されました。国の育児・介護休業法の改正が本年6月に公布され来年2022年4月より順次施行されます。

改正の概要は、男性の育児休業取得促進のため子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得することができ、また2回に分けて取得することも可能になります。

たとえば、出産直後と里帰りから帰宅される際に2回に分けて取得することにより、きめ細やかな母子へのケアが促進できます。

さらに勤務先への申し出は、現行1か月前からでしたが、原則休業の2週間前までとなり、利用しやすくなりました。

また2023年度から1000人以上の事業者に対し、育児休業の取得状況の公表が義務化され、女性の活躍を本気で実現するためには、男性も含めて職場全体の意識を変える必要があり、男性の育児休業はそのための施策と考えます。

厚生労働省は本年7月、雇用均等基本調査を発表。2020年度に育児休業を取得した男性は12.65%で初めて1割を超え、過去最高を記録しましたが、政府目標の13%には届きませんでした。

コロナウイルスの猛威により体調的にも経済的にも大変な中の出産・育児は想像をはるかに超えています。親族等の応援がある人ばかりではないため、一番身近のパートナーが職場に気兼ねなく育休を取得し、共に育児に携わる事によって女性も安心して育児ができると思います。

国では令和2年度から、子どもが生まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に育児に伴う休暇・休業を取得できることを目指し、政府一丸となって取組を進めています。

内閣府人事局調査では、2020年4~6月に子どもが生まれた男性の国家公務員のうち、ほぼ全員にあたる99%が育児休暇・休業を取得しました。平均取得日数は50日で、取得者の88・8%が政府の目標とする「1カ月」以上になります。

調査対象は一般職国家公務員防衛省の特別職の2929人で、このうち出生後1年以内に育児休暇・休業を取得したのは2900人でした。

そこで、本区の男性職員の育児休暇・休業の取得状況についてお聞かせください。

本区での取得が進むよう、所属長が日頃から相談しやすい雰囲気を醸成し、積極的に相談にのり、育休取得の勧奨を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

また、本区独自の「育児に係る休暇・休業取得プラン」などを作成して所属長と面談し充実した育休になるよう推進していただきたい。

また、休業取得に伴う申請手続きの簡素化や業務の協力体制の構築など、すべての職員が働きやすい環境を整えることを望みますがご見解をうかがいます。

さらに、自治体が模範をしめし民間企業へ育休取得を推進するための第一歩として、「男性職員の育休100%」を公言し男性職員の育休をすすめるべきであると考えますがいかがでしょうか。

次に、特別支援教育について伺います。

特別支援教育の目的は、発達障がいを含む障がいのある児童・生徒1人1人の能力を最大限に伸ばすため、乳幼児期から学校卒業までを見通した多様な教育を展開し、社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きる力を培い、共生社会の実現に寄与するものです。

東京都第3次特別支援教育推進計画では、特に情緒障がいの子どもたちが増加する事を推計しており、その予測通り現在も増加が続いております。

加えて、特別支援学校だけではなく、全ての小・中学校で専門的な教育を受ける事ができる教育環境の充実に努めると推進計画にあり、本区では平成28年度から区立全小学校に、平成31年度には区立全中学校に特別支援教室が設置されました。教職員が巡回するというものですが、現在の状況はいかがでしょうか。また、対象となる児童生徒の増加に加え、一人一人のニーズに合わせた十分な教育が行われているのか、教職員体制や授業時間等の検証が行われているのかを伺います。

私ども公明党区議団の提案で、平成29年に「自閉症・情緒障害特別支援学級」である「けやき学級」が、南池袋小学校に開設されました。開設当時、区議団で視察もさせて頂きましたが、あらゆるところに教育的配慮がなされており、大変勉強になりました。

そのけやき学級が、現在8名定員のところ空きがないとの事で、教育委員会に確認すると空きが出た場合に限り募集するとの事でした。現在、既にこのクラスを希望したい児童がいても、希望できない事になり、ニーズに対応できなくなります。他区を調査すると、1校に複数学級が設置されている自治体や、複数校に1クラスずつ設置されている自治体があり、1校単学級のみは豊島区ぐらいです。

そこで、生徒たちのニーズに合わせた特別支援教育充実のため、「自閉症・情緒障害特別支援学級」の設置拡充を求めますがいかがでしょうか。

私ども公明党豊島区議団は8月25日に金子教育長に対し、「区立中学校への自閉症・情緒障害特別支援学級設置について」要望を行いました。現在「けやき学級」で学んだ生徒が区立中学校へ進学する場合、知的に遅れがないこの生徒たちは、普通学級への進学となります。しかしながら現状は、生活や友人とのコミュニケーションに困難さを抱え、不登校になっている生徒もいる状況です。保護者からも、区立中学校への「自閉症・情緒障害特別支援学級」設置の要望があり、子どもの選択肢を増やし、ニーズにあった特別支援教育を実践していくにも、大変有効であると考えます。他区では既に開設が始まっている区立中学校への「自閉症・情緒障害特別支援学級」を本区にも早期設置を求めますが、教育長のお考えを伺います。

また、高校進学については、生徒一人ひとりの障がい特性に応じた適切な進学指導が求められます。現在も行われているとは思いますが、より丁寧に実施されるよう特段の配慮を求めますが、お考えを伺います。

特別支援教育推進について、様々な自治体が独自の推進計画を策定しております。共生社会の実現に向けてすべての子どもたちが共に学ぶ事に配慮しつつ、自立と社会参加に向けて一人一人の教育的ニーズに応じた連続性のある多様な学びの場を提供するためにも、「豊島区特別支援教育推進計画」を策定するよう求めますが、いかがでしょうか。積極的な取り組みを期待いたします。

次に、子どもたちの文化・芸術体験について伺います。

豊島区は、高野区長が区長に就任されました時は、財政破綻寸前の状況でしたが、徹底した行財政改革を断行し、財政健全化を果たしてきました。

この財政破綻のピンチを文化によるまちづくりで立て直してきたというのが豊島区であります。

文化とは、人間の自然との関りや風土の中で生まれ、育ち、暮らし等、およそ人間と人間の生活に関わる総体を意味するものです。

財政が厳しい時、「文化でまちづくりを」との区長の決意に、「文化で飯が食えるか」と揶揄した会派もありましたが、私ども公明党は高野区長と共に、文化によるまちづくりを推進し、日本を代表して「東アジア文化都市2019」も大成功に終え、文化の発信拠点「Hareza池袋」も竣工し、ついに豊島区は名実ともに文化都市に成長しました。

これからは、その文化・芸術の担い手をどのように育成していくのか。また、豊島区に住めば幼少期から文化・芸術に親しむ事ができるという魅力的な施策の展開が、まちの価値を高めると考えます。

本区では、「子どものための文化体験事業」が平成19年11園の保育園でスタートし、令和2年度には20園で展開されるようになっております。また、幼稚園では「次世代文化の担い手育成事業」が平成17年から実施されているところです。このような幼少期からアーティストに触れ、創造性を膨らませていく事は、情操教育にとっても重要です。この「子どものための文化体験事業」・「次世代文化の担い手育成事業」について、区としてどのような評価をされているのか。また、子どもたちの声や現場の保育士・幼稚園教諭、保護者からの声をお聞かせください。

現在は、待機児童対策で私立保育園数も増えているため、豊島区の特色ある事業として拡充する事を要望致しますが、いかがでしょうか。さらに、対象は現在ほとんどが4・5歳児ですが、内容を吟味して小さい子どもたちを対象としたプログラムも研究して頂きたいと考えますが、お考えを伺います。

子どもは、お母さんのお腹にいる時から、家族の声を聞き、まちの音を聞き、音楽を聴きながら育っています。生まれてから目にするもの、耳にする音、その全てが刺激となり、心や体が育っていくのです。素敵なアーティストとの出会いが、より幼少期からできるようご検討をお願い致します。

次に、「ぞうしがやこどもステーション」について伺います。

平成29年度から千登世橋地域文化創造館で実施されている「ぞうしがやこどもステーション」ですが、平成30年度からは区民ひろばへの出張もスタートされています。今でも予約が取れない等の声を頂く大人気の事業ですが、区としての評価はどのようにお考えですか。また、この事業の拡充についてお考えを伺います。

子どもたちが本物の芸術に触れる機会として、第2回定例会で高橋議員から提案のあった「子ども文化芸術活動支援事業」について伺います。

公明党文化芸術振興会議議長の浮島智子衆議院議員は「コロナ禍だからこそ、子どもたちの心を豊かにし、元気にする本物の芸術に触れる機会を」と文化庁に強く要望し、18歳以下の子どもが無料で鑑賞できるよう補助金の制度を作りました。議会でも、子どもたちが魂をゆさぶられる体験をするという事は、とてつもない宝物になると、豊島区も申請するよう提案をしましたが、その後どのようになったのかを伺います。

本区では、幼児教育無償化に伴い、区立幼稚園の園児が減少している事態を受け、認定こども園が検討されていると認識しております。保育と教育が行われる保護者の希望に叶う制度でありますが、保育園も幼稚園も区内や隣接区に多数あり、認定こども園を開設するには区民に選ばれる特色が必要であると考えます。

フィンランドには伝統的な音楽学校の制度があり,幼児から成人まで音楽を学ぶシステムがあります。そのプログラムの一つに 0歳~6歳を対象とする「音楽プレイスクール」 があり,それが幼児たちの教育、保育サービスの一つとして役割を果たしており、ヘルシンキ市では、本区と同じように芸術家が保育園に派遣されるシステムがあります。

また、北イタリアのレッジョ・エミリア市から始まった「レッジョ・エミリア幼児教育」は、アートの創造的経験によって子どもの潜在的可能性を最大限に引き出すのが特徴です。0歳から6歳までの子どもたちが、アトリエリスタと芸術を通して、創造力や自主性を育てています。

さらにフランスでは、まだ歩かない乳児から保育所で芸術家による芸術活動が行われています。様々な素材や用具の発見と取り扱い,知覚的,創造的な潜在力の開発。素材の持つ触覚,感覚の多様性に敏感になることで,子どもが多様多彩な感覚を自主的に躊躇 なく求めて行き、自己意識を形成し思考力をつけるという事が行われています。また、学校には専属のアーティストが常駐し、アトリエも与えられ、子どもたちの文化芸術活動を支援しながら、自身の創作活動も行える制度があります。

このような取り組みは国内にも広がっており、脳科学の分野では、芸術・文化活動が子どもの心身の発達に積極的な役割を担うとする研究成果も出ており,「生涯にわたる人格形成の基礎を培う」幼児教育において、文化・芸術が果たす役割は世界各国の取り組みが証明しています。

国内にも、このような芸術家による文化・芸術活動を柱にしている乳幼児施設がありますが、公立ではまだありません。

2001年に文化芸術振興基本法が制定され、以来、次代を担う子どもたちに豊かな芸術体験を提供していくことは、文化政策の重要課題の一つとなっています。ぜひ、文化都市である豊島区が設置される認定こども園は、全国初となる芸術家による文化・芸術体験を特色とした園になるよう要望致しますが、ご見解を伺います。また、そのような認定こども園が1日も早く設置されるよう求めますが、お考えを伺います。

最後にその他として、区営住宅千早4丁目アパートの大規模改修についてお伺いします。

東京都では新築の3階建て都営住宅にはエレベータの設置がされています。また既設の都営住宅60棟程には後付けでエレベータが設置されたと確認しました。このたび千早4丁目アパートの改修時にエレベータの設置がされないとお聞きしましたが、ご高齢者や子育て世代の方また障がいをお持ちの入居者にとっては、エレベータの設置は切実な願いです。大規模改修をされるのであれば、「誰一人取り残さない」SDGsの精神からいってもぜひともエレベータの設置を要望いたしますが、ご見解をおたずねいたします。

また、改修時の移転等についての相談や要望には、寄り添い親切、丁寧な対応をよろしくお願いいたします。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

公明党 ふまミチ議員 令和3年第3回定例会 一般質問答弁

 

【高野区長】

ただいまの、ふまミチ議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

 

福祉施策についてのご質問のうち、まず、認知症を早期治療するための区の取組についてのご質問にお答えいたします。

本区では、もの忘れが心配な高齢者やその家族を対象に、「もの忘れ相談事業」を実施しています。この事業は、豊島区医師会の「認知症かかりつけ医」が、区民の皆さんに身近な高齢者総合相談センターで相談を受けるもので、認知症の早期発見とご家族など関係者への啓発を図っています。

また、認知症が疑われるものの、医療や介護に結びついていない方を対象に「認知症初期集中支援事業」を実施しています。在宅で生活している認知症が疑われる方に対して、

認知症対応に精通した医師である「認知症サポート医」を中心とした医療・介護など多職種の専門職で構成するチームが訪問し、生活の工夫や認知症対応のアドバイスとともに、医療や介護サービスの利用に繋げる支援を行なうもので、毎年、約30件の実績を上げています。

さらに、今年度から、70歳と75歳の方を対象に「認知症検診」を実施します。

こうした取組を通じ、これまで以上に認知症の早期発見に努め、早期治療等の支援に繋げてまいります。

 

次に、ナッジ理論をふまえた認知症検診事業の伝え方の工夫についてのご質問にお答えいたします。

認知症検診は、認知症に対する普及啓発と、認知症の早期発見・早期対応を目的に実施するものです。

この事業は、「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」をもとに、ご自身の状況を確認していただき、そのうえでご不安があれば、専門医の検診を受けていただくものです。

検診の名称については、ご指摘のように、多くの皆さんが気軽に受診できるよう工夫が必要と考えていますが、医師会との協議の結果、区民の皆さんにとってわかりやすい表記は、「認知症検診」ではないかとの結論に至りました。

なお、検診のご案内にあたっては、ご心配な方に気軽に受けていただけるよう、お伝えの仕方を十分工夫してまいります。

 

次に、早期発見・早期対応のために検診の対象年齢を若い世代に拡大することについてのご質問にお答えいたします。

認知症検診の対象年齢につきましては、医師会の介護保険部と協議を重ね、検診の目的から、認知症に対し関心を持ち始める年齢の70歳と、認知症の有病率が高まる年齢である75歳に設定しました。

他の自治体についても、同様に概ね70歳から75歳を中心に設定しています。

本区の認知症検診は、約5,000名が対象となりますが、認知症の診断のみならず、支援が必要な方には、区や高齢者総合相談センターの職員が連携し、継続した支援に繋げていきます。

今後は、検診の結果を踏まえ、受診率なども考慮しながら、他の年代への拡大の必要性についても検討してまいります。

 

次に、認知症に関し、誰もが簡易にチェックができ、検診に結びつけられるような仕組みについてのご質問にお答えいたします。

認知症検診の目的の一つである早期発見・早期対応を実現するためには、受診率の向上が求められます。そのため、できるかぎり受診のハードルが下がるよう、認知症のセルフチェックリストを活用した普及啓発を行なうなど、様々な取組が必要であると考えています。

お話にある千葉県八千代市の専用アプリを活用した事例など、先行自治体の取組については、その実施状況を確認し、今後の検討の参考にしていきたいと考えております。

まずは、本年度からスタートする認知症検診について、医師会との連携を緊密にするとともに、検診をより身近に感じていただき、受診に繋がるよう普及啓発に取り組んでまいります。

 

次に、乳児院・児童養護施設整備の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

虐待や養育困難などの様々な理由で、保護者と生活することができない子どもにとって、社会的養護は重要な役割を担っております。

児童養護施設については、発達課題を抱えた児童が増加しており、都内児童養護施設の入所率は90%以上と高いものの、ここ数年、横ばいで推移しております。

一方、乳児院も、疾患や障害のある児童が増加しておりますが、里親家庭への移行や一時保護委託の増加など、利用ニーズの変化に伴い、都内乳児院の入所率は減少傾向にあります。

また、国の調査では、乳児院に入所している子どもの4割、児童養護施設に入所している児童の6割が被虐児として報告されている状況です。

こうした現状も踏まえ、施設整備の検討にあたっては、施設で生活する子どもの状況や、必要とされる機能などについて、都内の乳児院・児童養護施設の施設長とヒアリングを行うなど、検討を進めております。

 

次に、旧高松第一保育園跡地の活用を検討するなど、地域に密着した乳児院・児童養護施設の早期設置についてのご質問にお答えいたします。

本区には約100名の子どもが社会的養護のもとで生活しており、7割が乳児院や児童養護施設に入所しております。

この社会的養護が果たす役割は、子どもの家庭復帰を可能な限り迅速に進め、自立した社会生活が送れるよう、子どもの未来に直結する取組として大変重要なものとなっております。

また、児童養護施設等は、経験豊富な子育て相談員による専門相談や一時保育などの子育て支援事業を行うことで、地域の子育てサービスの充実に繋がります。

区としましては、こうした状況を踏まえ、できるだけ早期に児童養護施設等を誘致してまいりたいと考えております。

なお、施設誘致にあたっては、区有地を活用することが有効であると考えております。

区有地の活用については、施設に必要な条件などを整理し、いくつかの区有地の中から、適地となる場所を選択することになりますが、お話しのあった旧高松第一保育園跡地は、その候補のひとつになるものと考えます。

今後も社会的養護を必要とする子どもが多く見込まれることから、児童養護施設等の整備に向け、引き続き検討してまいります。

 

次に、子どもたちの文化・芸術体験についてのご質問のうち、まず、「子どものための文化体験事業」に対する評価及び現場の声についてのご質問にお答えいたします。

当該事業は、各保育園の保育方針や園児の様子を見ながら、きめ細かに内容や方法を決めているため、普段の保育では見ることがない園児の姿があらわれるなど、高い効果がうまれています。また、事業実施により、子どもたちの文化芸術体験のみならず、その後の日々の保育の中での活用や保育士の保育技術の向上といった効果も生まれ、保育の質の向上に直接寄与することから、一過性のものではない、実践的なプログラムであると私は認識しております。

そして、事業に参加した保育園のすべてから満足の声をいただき、保育士からも「保育の中に取り入れてみたいと思った」など高い評価を受け、子どもたちも、主体的に、のびのびと参加している様子が見受けられ、「またやりたい」などの感想がありました。そして、保護者からも、家に帰ってから子どもたちが自分で経験したことを伝えていた様子をうかがい、よい効果がうまれていました。

 

次に、「子どものための文化体験事業」の拡充及び小さい子どもたちに対象を広げることについてのご質問にお答えいたします。

毎年度、各保育園に事業実施の希望調査を行っております。令和3年度は29園の希望があり、9園のお断りをするなど人気の高い事業となっております。実施園の拡大につきましては、ご提案を踏まえて、検討してまいります。

対象については、現在は各保育園からの希望もあり、4歳児と5歳児のクラスを対象に事業展開しております。今後、各保育園から3歳児以下のクラスを対象にしたいという希望が出てきた際は、委託事業者と園とワークショップのプログラムの内容を調整し、園の希望に柔軟に対応してまいります。

 

次に、「ぞうしがやこどもステーション」に対する評価及び事業の拡充についてのご質問にお答えいたします。

主に0歳から小学校低学年を対象として歌やダンス、絵本の読み聞かせ等のプログラムやワークショップを行う本事業は、昨年度延べ623人の参加があり、募集と共に予約が埋まるという、大変好評を博している事業でございます。

申込者の70%以上がリピーターであることからも、一度参加したらまた来たくなるという非常に魅力的で質の高いプログラムが開催されており、文化芸術を次世代へ継承していくという区の使命を、しっかりと果たしていると評価しております。

昨年度より、新型コロナウイルス対策として定員を半数にしての実施や、一部のプログラムではオンライン配信も取り入れて、子どもたちへ文化芸術に触れる機会を提供しており、これに加え、今後、区民ひろばでの出張プログラムの回数を増やすなど、こどもステーションに来られない親子に、多くのプログラムを提供してまいります。

また、広い会場では体をたくさん動かすプログラムにする、楽器が置いてある会場では生の演奏を取り入れるなど、各会場の特徴を活かしたものにするなど、各区民ひろばや実施主体であるNPO法人と検討を重ねながら、より子どもたちにとって有益な文化体験を提供できるよう回数、内容ともに拡充を図ってまいります。

 

次に、「子ども文化芸術活動支援事業」に対する進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

第二回定例会でご答弁したとおり、11月の5日、6日のとしま文化推進期間に、公益財団法人としま未来文化財団が、区立芸術文化劇場での開催を企画していたライブ「Visca!! IKEBUKURO」、カクルルライブを主体として、支援対象事業として検討をいたしました。

本事業が若者をターゲットとしていること、一般席の最高額が8千円以上のものであること、そして芸術文化劇場が

舞台公演の専用ホールを有する劇場であること等、支援事業の応募要件に合致したことから、7月3日に文化庁へ応募し、審査を経て8月19日に無事採択をいただきました。ご質問いただきましたように、公明党の文化振興会議長であります、浮島とも子議員から、このコロナ禍だからこそ、子どもたちの心を豊かにするために、本物の芸術に触れるという、大変すばらしい趣旨を生かした取り組みでございます。

8月22日から芸術文化劇場の公式サイトで、豊島区の在勤、在住の方々を対象に、18歳以下の無料ご招待、各々100名の受付を開始しております。状況を見て、より多くの子どもたちにお声がけをしてまいりたいと思います。9月17日にはプレスリリース、ホームページ、併せてSNSによる発信も開始するなど、また、さらにはポスターもできあがってまいりましたので、積極的なPRを展開してまいります。豊島区は、文化芸術劇場の杮落としに、宝塚、中学2年生全員をお呼びし、実際の鑑賞体験もしていただきました。これからも、多くの子どもたちに、質の高い文化芸術の鑑賞機会を提供してまいりたいと思っております。

 

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、両副区長並びに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

【斉藤副区長】

男性職員の育休についてのご質問のうち、まず、男性職員の育児休暇・休業の取得状況についてのご質問にお答えいたします。

令和2年度に家庭で子どもが生まれた男性職員は23人おります。そのうち、育児休業を取得したのは12人であり、その取得率は52.2%となりました。これは昨年度までの国の目標である13%を超え、令和7年度までの国の第5次男女共同参画基本計画の目標値30%も超える状況です。また、個人差はありますが、取得日数は平均で142日間です。

また、出産支援休暇など、育児休業以外の男性の育児支援に関する休暇制度を合わせた場合の、育休制度全体の取得率は95.7%となります。近年の育休取得者には、係長級の職員もおり、育児休業制度の利用は、確実に職場に定着しつつあると考えています。

 

次に、育休取得が進むような所属長による職場環境づくりについてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり、性別にかかわらず、育休を取得しやすくするには、管理職のリーダーシップと働きやすい環境づくりが最も重要であると考えております。

昨年度の厚生労働省が実施したアンケートによると、男性の育休取得を阻む要因として、収入の減少を除けば、「職場が取得しづらい雰囲気であったこと」や「取得への企業や管理職の理解がないこと」が主な理由として挙げられています。

日頃から、仕事と家庭生活の両立についてオープンに相談できる関係性を築くとともに、取得を迷っている男性職員には、管理職から取得に向けた働きかけを行うなど、育児と仕事の両立がしやすい環境を引き続き整備してまいります。

また、管理職の意識改革を促す研修や、実際に育休を取得した男性職員の体験の共有をすることによりまして、男性職員の育休取得が当たり前になるように、組織風土を築いてまいります。

 

次に、区独自の取得プランなどを作成し、充実した育休になるよう推進すること、並びに申請手続きの簡素化や業務の協力体制の構築など働きやすい環境を整えることについてのご質問にお答えいたします。

育休を取得する男性職員が、「何をやっていいかわからない」ということのないよう、他自治体や国家公務員、企業等の取組を参考として、家庭内の子育て・家事分担の取り決めに役立つような「家族ミーティングシート」ですとか、育休を取得した際の収入を具体的にシミュレーションできるようなシートについて、現在検討を進めておりまして、そういったものを、職員向けの「としまパパママハンドブック」に盛り込みたいと考えております。

今後とも、育休に対する不明な点をクリアにし、実際の育休期間の生活をイメージしやすくすることで、育休取得へのハードルを下げ、充実した育休となるよう支援してまいります。

申請手続きについても、現在もシステム上で簡便な環境を整えております。また、業務体制についても、職員の育休取得を職場全体で前向きに受け止め、チームとして柔軟に支え合う体制を管理職が中心となって整えてまいります。

さらに、少人数の職場など、育休の取得しづらい職場に対しては、育休代替として別途職員を加配することも検討してまいります。

 

次に、男性職員の育休100%を公言し、男性職員の育休をすすめることについてのご質問にお答えいたします。

本区の「特定事業主行動計画」では、「男性の育児休業取得率50%以上」を目標に掲げておりますが、令和2年度の取得率が52.2%となったことを踏まえ、今後は100%を明確に計画として掲げて進めてまいります。

男性の育児参画は、SDGsの観点からも大変重要な取り組みであります。今後も、率先して男性職員の育児参画を推し進め、職場や社会全体で子どもたちの成長を支えることが当たり前となる社会の模範となるよう、取り組んでまいります。

 

次に、区営住宅千早4丁目アパートの大規模改修についてのご質問のうち、まず、改修時にエレベータを設置することについてのご質問にお答えいたします。

現在、つつじ苑以外の区営住宅のエレベータは、11団地15棟のうち、階数が4階以上の区営住宅3棟に設置されております。

残る、3階建て以下の12棟の区営住宅には、物理的にエレベータの設置が困難な建物もあり、大規模改修工事等でもエレベータの設置は計画しておりませんでした。

しかしご指摘の通り、東京都や他区では、3階建ての区営住宅にエレベータを設置した改修工事もございます。高齢社会を見据えれば、従来の基準にこだわることなく、エレベータ設置の可能性を探る必要があると考えます。

したがいまして、改修工事に向けまして、エレベータを設置することを前提として、まず、建築基準法令上の敷地の形状や建物の構造上の問題など、技術的な課題をしっかりと検証してまいります。

 

次に、改修時の移転等に関する相談や要望に対し、寄り添い親切、丁寧な対応をすることについてのご質問にお答えいたします。

今回の大規模改修計画は、すべての入居者に転居をお願いする工事であり、まず、移転計画を中心とした説明会を、9月初旬に延べ5回に分けて実施いたしました。

説明会では、移転先候補の区営住宅等の内容や引越しの時期などに対するご意見も多数あり、ご不安に思われている入居者が多いことは、十分認識しております。

こうしたことから、説明会終了後、各世帯のご意見・ご要望を改めて詳細にお聞きするために、転居に関するアンケートを実施いたしました。

今後実施を予定する個別相談では、入居者お一人おひとりのご意向やご要望を十分におうかがいし、丁寧に対応してまいります。

 

私からの答弁は以上でございます。

食品ロス削減についてのご質問のうち、まず、現在の食品ロス削減推進の取組状況についてのご質問にお答えいたします。

本区が実施しているフードドライブでは、本年8月末時点で210名の方から600kgの食品を提供いただき、既に昨年度1年の実績である232名、671kgに迫る数となっております。また、民間企業との連携としては、池袋マルイと共同で計7日間実施し、顧客や社員の方々計90名から188kgの食品を提供いただきました。

提供いただいた食品は、NPO等が主催するフードパントリー等を通じて、就学援助を受けている方や外国籍の方などに提供しております。8月には豊島清掃事務所を会場に、お好きな食品を選んでいただく形でお渡ししました。

また、本年3月に連携協定を締結した株式会社コークッキングが提供するフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」の区内店舗における購入実績は、3月の395点から、8月は769点と2倍近くに伸びております。

さらに、食べきり協力店につきましては、7月に西武池袋本店「ダイニングパーク池袋」26店舗を、商業施設のレストラン街としては区内で初めて登録いたしました。これにより、区内での登録店舗は49店舗となっております。

昨年度以降、区の公式ツイッター等も活用し、区民の皆様への普及啓発を積極的に行っていることなどから、食品ロス削減についての認知が広がってきていると実感しております。

 

次に、フードドライブや食べきり協力店等の事業者を拡大することについてのご質問にお答えいたします。

今年度に入り、SDGsに取り組む企業から、食品ロスの削減に関する取組についての相談が多く寄せられるようになっております。これに対し、区では、フードドライブのノウハウの提供、食品の提供先の紹介、SNS等での企業の取組みの紹介などを行っております。引き続き、企業との協力を積極的に行うとともに、食べきり協力店についても、多くの飲食店がある本区の特性を生かし、登録を広く呼びかけてまいります。

 

次に、食べ残しを持ち帰る仕組みづくりなどの食品ロス削減のさらなる取組についてのご質問にお答えいたします。

持ち帰りは、外食時の食品ロス削減に有効な手段であると認識しております。国は、令和元年5月に「外食時のおいしく『食べきり』ガイド」を作成し、衛生上の留意点等を示しておりますので、まずは、本ガイドを区のホームページに掲載して周知を図ってまいります。あわせて、今後、イケ・サンパークのファーマーズマーケット開催時には、環境啓発のため、ブースを設置する予定でありまして、その際には、食べきりや持ち帰りをテーマとしたキャンペーンを実施してまいりたいと考えております。

 

私からの答弁は以上でございます。

【高際副区長】

食品ロス削減についてのご質問のうち、まず、今後の防災備蓄品の活用方法についてのご質問にお答えいたします。

防災備蓄品については、水、アルファ化米、クラッカーなどの食料品をはじめ、生理用ナプキンやおむつなどの衛生用品などがございます。それらは賞味期限がおおむね5年のものが多いため備蓄して4年目に入ると新品を購入し入れ替えを行うといった計画で管理しております。

賞味期限の近いアルファ化米等の防災備蓄品を生活困窮者等へ配付することについては、「食品ロス削減」の観点から、昨年の第三定例会で公明党豊島区議団からのご指摘を踏まえ実施してまいりました。

具体的には、昨年11月以降現在までの間に、賞味期限の近い防災備蓄品であるアルファ化米やクラッカー等を、生活困窮者へ配布するため、社会福祉協議会へ1,490食分、保健福祉部自立促進支援窓口へ640食分を送付したところでございます。

さらに、本年度はコロナ罹患者のうち、食材を買いに行くことが困難である自宅療養している方に対して、宅配食として、賞味期限の近い防災備蓄品であるアルファ化米やクラッカー等をお届けするため、社会福祉協議会へ710食分送付したところでございます。

今後とも、入れ替えを行う防災備蓄品の種類と数量などの情報を社会福祉協議会に提供するなど、賞味期限の近い防災備蓄品を有効活用できるよう努めてまいります。

 

次に、賞味期限を踏まえた備蓄食品の寄贈スケジュールを公表する仕組みづくりについてのご質問にお答えいたします。

区ではこれまで、賞味期限が近くなった防災備蓄品については、主に、防災訓練の参加者などにお配りしていたところでありますが、昨年はコロナ禍の影響でほとんどの訓練が実施できず、賞味期限が近くなった防災備蓄品の配付先を検討しておりました。

そうした中、先ほどお話しいたしましたとおり、生活困窮者等への配付に加え、本年は、新型コロナウイルス感染症に感染した自宅療養者への配付などを行ってまいりました。

また、防災危機管理課では、賞味期限が近くなった防災備蓄品の種別や数量などを常時、把握・管理しております。

そこで、新型コロナウイルスの感染状況をみながら、今後、各種訓練が再開できた場合に必要となる参加者へ配付する防災備蓄品の種別・数量等の予測を立てるとともに、昨年11月から配付を開始した、生活困窮者への配付物資の種別や数量などを基に、今後どの程度の防災備蓄品の配付が可能であるかなどを見極めてまいりたいと考えております。

そして、配付可能な数量がある程度予測できる状況となれば、その情報をごみ減量推進課や社会福祉協議会と共有し、寄贈スケジュールなどがお示しできる仕組みも考えてまいりたいと思います。

 

私からの答弁は以上でございます。

【金子教育長】

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

特別支援教育についてのご質問のうち、まず、特別支援教室の現状並びにニーズに合わせた十分な教育及び教職員体制や授業時間等に関する検証の実施についてのご質問にお答えいたします。

本区におきましては、第二期の東京都特別支援教育推進計画・第一次実施計画に基づき、平成28年4月より、まず

小学校全校で特別支援教室巡回指導を開始しました。中学校については、東京都の設置期限より2年前倒しして、平成31年4月より開始し発達障害教育を着実に進めてまいりました。

教員が巡回するという特別支援教室のシステムにより、子どもの移動時間と保護者の付き添いをなくすとともに、在籍校の学習時間を削らずに参加できることから、子ども・保護者双方に受け入れられ、その結果が、利用児童・生徒数の増加にもつながっているととらえております。

拠点校ごとの巡回教員の配置数は、東京都教育委員会の規定により定められておりますが、各学校への巡回教員の派遣数は、個別の支援計画・指導計画、さらには子供の実態に応じて調整を図っております。また、授業時間につきましては、児童・生徒一人一人が抱える課題の程度に応じて、個別指導の時間を可能なかぎり確保したり、小集団指導を取り入れることにより時間の枠を増やしたりするなどの対応を図っております。

来年度より、教員定数が減少されることが見込まれていることもあり、児童・生徒一人一人のニーズに合わせた対応を、さらにきめ細かく行えるように、今後も指導の仕方や授業時間の確保策について、より一層工夫してまいります。

 

次に、「自閉症・情緒障害特別支援学級」の設置拡充及び区立中学校への早期設置についてのご質問にお答えいたします。

本区におきましては、小学校の巡回指導の開始にあわせて「けやき学級」を開設以降、小・中学校ともに、巡回指導の希望者並びに「けやき学級」の入級希望者は年々増加しております。本件につきましては、8月25日にご要望を受けたところでございますけれども、中でも小学校で「けやき学級」に在籍していた児童が、中学校でも固定した学級で指導を継続して受けたいというご要望は、大変切実なものであります。

「自閉症・情緒障害特別支援学級」の小学校での設置拡充及び中学校への新設につきましては、来年度、拡充と新設の両方を視野にいれた検討委員会を設置し、これまでの成果と課題を検証しつつ、早期設置に向けて具体的に検討してまいります。

 

次に、生徒一人ひとりの障害特性に応じた適切な高校への進学指導についてのご質問にお答えいたします。

令和3年度より、都立高校に在籍する発達障害のある生徒は、自校で通級指導を受けることが可能になりました。この都立高校の通級指導の導入により、発達障害のある生徒の進路選択の幅が広がり、進学後の不安が一部解消されました。

現在、知的固定学級に在籍する生徒につきましても、特別支援学校高等部をはじめ、都立・私立を問わず、生徒の持つ力を伸長できる上級学校を選択し進学をしております。

今後も引き続きまして、障害の有無に関係なく、生徒の進路希望に寄り添い、一人一人の特性に応じた、より丁寧な指導を行うよう、各中学校を指導してまいります。

 

次に、「豊島区特別支援教育推進計画」を策定することについてのご質問にお答えいたします。

学校は、令和元年度策定の現行の「教育ビジョン」の中での基本施策「特別支援教育の充実」に基づき、子どもの教育的ニーズを的確に把握し、自立や社会参加するために必要な力を培う教育を充実してまいりました。これまでも、困り感を抱える児童・生徒やその保護者に寄り添うことを第一に現場を重視した実践により、成果もあげてきていると感じております。

しかしながら、共生社会の実現に向けたSDGsの理念を受け、今後の豊島区としての特別支援教育の方向性を定めることが、急務であるとの認識のもとで、本年4月より「豊島区特別支援教育検討委員会」を設置し、現状の課題改善だけでなく、今後の本区の特別支援教育の指針となる推進計画の策定に向けて現在、協議を進めております。

本区の子どもの実態に則した、豊島区版のインクルーシブ教育システムの構築に向け、今年度末の計画策定を目指して作業を進めてまいります。

 

次に、子どもたちの文化・芸術体験についてのご質問のうち、まず、「次世代文化の担い手育成事業」に対する評価及び現場の声についてのご質問にお答えいたします。

本事業は、幼児・児童・生徒が、区内NPO法人から派遣されたプロの芸術家たちと一緒に芸術活動をすることを通じて、豊かな感性や創造性を育むことを目的に実施しております。

幼稚園におきましては、身体表現やリズム遊び・造形あそびに取り組んでおります。プロの芸術家から伝えられることに、幼児は素直に楽しさや喜びを表現し、教員や保護者からは、日常とは違う活動の中で、子供の新たな一面を見出すきっかけとなったとの好意的な意見が寄せられております。

教育委員会といたしましては、こうした声を受け止め、今後も幼少期から、創造性や個性を伸ばし、感受性豊かな子供たちを育てる教育を充実してまいります。

 

次に、文化・芸術体験を特色とした認定こども園の早期設置についてのご質問にお答えいたします。

令和元年10月に幼児教育無償化が実施され、待機児童対策に一定の目途がつきつつある中で、幼保を問わず、今後、ますます質の高い幼児教育が求められていくと考えております。

現在、本区初の区立認定こども園の早期設置にむけて、鋭意検討を始めていますが、本区においても、区民に選ばれる認定こども園とするためには、質の高い幼児教育とは何かを今まで以上に探求していく必要があると考えています。

ご指摘の通り、諸外国では文化・芸術を取り込んだ教育実践事例が多数あり、幼児期からの一貫性・継続性を重視した教育政策の充実も図られております。

先ほどご指摘のあった「次世代文化の担い手育成事業」は、本区において平成17年度に始まりました。特に区立幼稚園3園は10年以上にわたり、積極的・継続的に参加して参りましたので、認定こども園の検討にあたっては、文化・芸術を特色とすることも含め、質の高い幼児教育の内容を積極的に検討してまいりたいと思います。また、認定こども園の設置にあたり、一体的なハード整備を待つだけでなく、分園型を検討することで、一日も早い設置に向けて、準備をすすめてまいります。教育の分野では、他にも、中学2年生の宝塚公演、あるいはコロナ禍のもとでも、区立芸術文化劇場において、中学校演劇部の合同発表会も実施いたしました。今後、就学前教育にとどまらず、幼小保や小中連携も視野に入れ、国際アート・カルチャー都市を目指す本区にふさわしい教育の1つの特色となるよう、文化芸術のもつ教育効果を体系的に研究・検討してまいりたいと思います。

 

以上をもちまして、ふまミチ議員のご質問に対する答弁を終わります。