令和 3年決算委員会 議会、政策経営、総務費10月 7日

女性相談事業・アンガーマネジメント・デートDV予防教室

○ふまミチ委員  本日からの款別審査よろしくお願いいたします。

私からは男女平等推進費についてお伺いをいたします。

性別による役割分担意識等を解消し、男女共同参画社会形成を図るための様々な事業を推進していただいていますが、決算参考書222ページでは、執行率が80.7%でございます。今回もコロナ禍でイベント等が未実施などの要因があるかと思いますが、本区の御見解をお聞かせください。

○佐々木男女平等推進センター所長  令和2年度につきましては、委員御指摘のとおり、コロナにおきまして実施できなかった講座等がございまして、講師料等をお支払いできなかった事例もございます。

また現在、第5次プランを策定中でございますが、そのプラン策定に2か年かかるということで、昨年支払わずに今年度支払う分があるということで、執行率が低くなっているという状況でございます。

○ふまミチ委員  分かりました。それで、今、新型コロナウイルス感染拡大が、特に女性の雇用や生活面に大きな影響をもたらしていると言われています。男女平等推進センターが行っている女性相談事業にも、相談者の方がたくさん来られているかと思っております。特にDVについては、全国的にそうだと思うんですけども、DV相談がこのコロナ禍にとても増加をしていると聞いております。このDV相談、また一般相談の国の令和元年度、あと2年度の相談件数と、また本区の相談件数を教えていただければと思います。

○佐々木男女平等推進センター所長  DVにつきましてでございます。全国に配偶者暴力相談支援センターがあるわけでございますが、その相談件数でございますが、昨年度、令和2年度につきましては19万30件ということで、その前の年、令和元年度と比較いたしまして、1.6倍に増加をしたところでございます。

本区の状況でございますが、2か所の配偶者暴力支援センターの相談件数でございますが、令和2年度が716件、令和元年度が535件という状況でございましたので、1.3倍程度というところで、全国ほどの伸びではございませんが、それにしてもDVの相談件数が増加したという状況でございます。

○ふまミチ委員  一般相談のほうはどのようになっているか教えていただけますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  大変失礼いたしました。男女平等推進センターにおける一般相談の件数でございますが、こちらのほうが伸びが大きくなっておりまして、昨年度が2,307件、その前の令和元年度が1,885件ということで、400件以上、相談件数が増えているという状況でございます。

○ふまミチ委員  それぞれ、やはり増えているということでございますので、この相談をしっかりまた充実をしていかなくてはならないかなと考えております。

以前から御要望させていただいた、SNSを活用した相談事業とか、また、相談をここでやってますよという周知がなかなか行き届いていないのではないかということも御指摘させていただきましたけれども、その辺のちょっと進捗状況があれば教えていただけますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  相談場所の周知についてでございますが、やはりなかなか伸びていないというところが現状ではございます。

しかしながら、少しずつではございますが、相談件数の増加にも表れているとおり、周知は少しずつ進んでいるものと思っております。昨年度は、町会掲示板あるいは区民ひろばにDVの相談の場所を周知するポスターを掲示させていただいたところでございます。

しかしながら、まだまだ相談場所を御存じない方がいらっしゃいます。毎年、協働のまちづくりに関する区民意識調査というものを実施しておりますが、それにつきましても周知されているというふうにお答えになっている方が9.8%ということで、1割に満たないという状況でございますので、これから、さらなる周知活動が必要だということは認識しております。

○ふまミチ委員  SNSの状況とかは。

○佐々木男女平等推進センター所長  度々失礼しました。SNSにつきましては、やはり、なかなか区で実施するのは難しい状況でございます。民間の支援団体の方ともお話をさせていただきましたが、そういったSNSを活用する、いわゆる若年の方々でございますが、行政に相談するのは、なかなかハードルが高いという、まずもって相談に至る、行政に相談をすることが難しいという状況でございますので、周知といたしましては、東京都等で行っているSNS関係のそういった場所の周知はしておりますが、区で直接実施というところは、まだ至ってない状況でございます。

○ふまミチ委員  なかなか難しいということではございますが、やはり今、若い方はSNSが必要なのかなというふうに思います。でも、東京都のほうでやっているので、そちらのほうにどう流していくか。そしてまた、区のほうではできることがあれば、考えていただきたいというふうに思っております。

また、内閣府で取り組む課題として、加害者プログラムの試行実施が昨年から掲げられております。私も以前、委員会で加害者のための教育を行うべきということも要望をさせていただきました。本区としまして、この加害者に向けた取組が何かあれば教えていただけますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  加害者の方に対する直接の取組ということは、なかなか難しいところがございます。DVについての講座等を開催するとしても、そういった方がDVについてということで講座にお越しになるとは、当然考えにくいところでございます。区といたしましては、まずは加害者を生まないためにということで取組をいたしまして、昨年度でございますが、男性の方を対象にということで、アンガーマネジメント講座を開催させていただきました。まずは怒りの原因とか、怒りの解消法、そういったところを学んでいただいて、仕事でも使えますよということで広報させていただいて、その根っこに、そこからDVの予防にもつながるということで開催をしたところでございます。

○ふまミチ委員  アンガーマネジメント講座をされたということでございます。一応、男性対象ということでお伺いしましたけども、私もそうですけども、女性が聞いても、とてもいい講座なのではないかなというふうに思っております。こういったことを、また引き続きやっていただけたらなと思っております。

現在、日本ではDV加害者に対する法的な枠組みとして、保護命令しかないというふうに聞いてます。これに違反したときに、初めて刑事罰の対象になると。裁判所の命令によっての加害者プログラムの実施は、先進国では多く行われているけども、日本ではなかなか進んでいない状況だと、先ほど所長が言われたとおり、そういうことだと思います。しかしながら、欧米ではその加害者プログラムを実施されたところでは、その前後での身体的暴力ではありますけれども、発生頻度の低下が多く報告されていると。子どもの暴力とか、そういうのはちょっとあんまり変わってないようなんですが、そういうふうに言われているというふうに聞きました。

このアンガーマネジメント講座は、加害者プログラムではないかと思っております。こうやって間口を広げていただくことによって、予防という部分ではとても有効なんだなというふうに思っています。この加害者プログラムというのに関して、DVの加害者の更生に関する批判とか疑念というのも何かあるというふうに聞いておりますけども、そういったところ、どのような声があるか、分かれば教えていただけますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  直接の声としては、承知はいたしておりませんが、実際に加害者プログラムを実施している民間支援団体の方にお聞きしますと、まず相手が悪くて自分に非があるわけではないというところから入るということですので、参加自体をためらわれるというか、嫌がる方が多いということを聞いております。東京都でもまだ実施してない、調査段階だというふうに聞いておりますので、今後の取組というふうに考えております。

○ふまミチ委員  分かりました。様々あるようでございます。加害者に対応するより、DV被害者の援助に社会資源を費やすべきだとか、いろんな声があるかと思いますが、しっかりと、ちょっとこれもまた検討していただいて、進めていただけたらというふうに思います。

先ほどから言っている予防なんですけれども、DVの加害者、または被害者は傍観者にならないための教育が肝要ということで、本区でもデートDVの実施をしていただいております、予防教室を実施しておりますけども、現在、どのような取組になっているかお聞かせ願えますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  デートDV予防教室につきましては、公立の中学校で、全て8校で実施をしております。昨年、一昨年度につきましては、コロナの関係で一部実施できなかったところもございますが、一応、全学校で実施している状況でございます。また、加えまして、昨年度は都立学校でも1校実施をしたところでございます。また、障害者の方の通所施設でございますが、そういったところからも御要望を受けて実施をしている状況でございます。

○ふまミチ委員  区立の中学校ですかね、あと、また区内の高校等、専門学校等もやっていただいてるようですけども、先ほど障害者の施設もということでお話があったということでしていただいていることを、今、確認させていただきました。

この暴力や性被害に遭いやすいと言われている特別支援学級の児童とか生徒にも、ぜひ予防教室が開催できたらと思いますが、教育委員会の話もあると思いますが、一応、男女平等推進センターのほうからも検討課題として取り上げていただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。

○佐々木男女平等推進センター所長  特別支援学級の生徒の方につきましては、8校のうち1校のみ、当該学年の生徒を交えて実施しているという状況で、7校におきましては特別支援学級のお子さんたちには対象としていないという状況でございます。

委員おっしゃられたとおり、教育委員会との調整等が必要となってまいりますが、やはり特別支援学級のお子さんでも必要な知識というふうに認識しておりますので、今後、教育委員会とも、各学校ということになるかもしれないんですけれども、必要性も含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○ふまミチ委員  分かりました。では、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 

【職員の育児休業取得推進】

○ふまミチ委員  また、今定例会の私の一般質問で、職員の育児休業取得推進の要望を行いました。その中で、社会の模範となるよう取り組んでいくという御答弁もいただいております。

しかしながら、民間では、なかなか育児休業を取得するというのは難しいという報道もあります。大手と言われる企業とかは推進をしていただけるかと思うんですけども、なかなか中小企業には難しいところがあるかと思います。男女平等推進センターでも積極的に区内の事業者にそのような推進をしていただいているかと思うんですけれども、今後、こういったさらなる育児休業取得に対して、どのような取組をしていくか教えていただけますか。

○佐々木男女平等推進センター所長  委員おっしゃるとおり、男性の育児休暇取得につきましては、まだまだ低い状況でございます。令和元年度の数字になりますけども、男性では、まだまだ7.48%の取得率にとどまっている状況でございます。

男女平等推進センターにおきましては、ワーク・ライフ・バランスの推進を進めております。認定企業制度という制度がございまして、現在は育休につきまして、従業員への周知というものを必須チェック項目としておりますが、来年度、男性の育児休業制度につきましては、法改正もございますので、こういった認定企業のチェック項目の中に加えていくのかどうか、その辺は今後、検討させていただければというふうに思っております。

○ふまミチ委員  分かりました。ぜひとも、そこのこともよろしくお願いいたします。

最後ですけども、昨日、連合の会長に芳野友子さんが選出されました。女性の会長の就任は初めてということでございます。新会長は、ジェンダー平等の視点を入れていくことが私の役割ともいうふうに言われておりました。本区におきましても、男女平等推進センターが中心となり、男女共同参画の施策を力強く推進していただきますよう要望して、この質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。