令和 7年予算委員会 清掃環境・都市整備~教育費の補足( 3月11日)
いじめ対策
○島村高彦委員 それでは、教育費ということで、いじめの対策について伺います。
ある自治体の取組みを通してを聞いていただいて、本区のいじめ対策の考え方をお尋ねしたいと思います。
人口22万6,000人の大阪寝屋川市、これは行政情報誌に載っていたので、皆さんも御覧になったと思いますけれども、従来、寝屋川ではいじめが起こったときには、子どもの人間関係を修復することを重要視して対策を行っていたということです。だけど、それだと問題が長期化、複雑化して、当事者にとってもかなり苦痛で、また教職員の負担も非常に大きいということで方針を変えまして、いじめ対応専門の監察課を市長部局に置いたそうでございます。いじめが発生すると、危機管理部の監察課の職員が学校に飛んでいって、被害者、加害者をその場で特定をして、加害者に対して、被害者が嫌な思いをしているということを認識させ、被害者の気持ちに共感しろというふうに助言をして、しかも謝罪を見届けると、その後、3カ月間、継続的に被害者の安全確認を行うということだとそうです。また加害者がいじめをやめない場合、学校に対して出席停止やクラス替えを勧告できて、さらにはその後、民事訴訟や転校の費用を支援するような制度も用意してあると。それで、全ての児童・生徒に対して情報提供を求めておりまして、いじめを見たらどんどん連絡くださいねということで、いじめ通報促進チラシというのを配布して、それが直接監察課に届くようになっているそうでございます。相談や通報件数はどんどん増えていると。ということで、現在では全県のいじめが集結しているそうでございます。
少しいいところもあるかと思うんですが、いろいろ問題点も感じるんですけど、この対策について教育部としてはどのように思われますか。
○丸山指導課長 寝屋川の取組みに関しましては、私たちも研究をさせていただいているところです。現在は学校と指導課、それから外部としてはスクールロイヤーですとか、その他人権に関わる方ですとか、いろいろな方と関わりながらいじめの対策をしていっているところです。
○島村高彦委員 いや、今のどういうところがどうだったということを聞きたかったんですけど。
私が思うに教員の負担が減るというのは非常にいいことだと思うんですね。現状、非常に多くの業務に追われて大変な思いをしている中で、一々このいじめがあるかないかとかね、そういうふうにずっと見ているというのも、なかなか現実はできないだろうというところで、教員の負担が減るというのは非常にいいことだというふうには思います。
さらに、この児童・生徒に対して一定の緊張感を持ってもらえると。いじめというのは、本当にいじめるほうが悪いんだという定義がございます。そうした中で、やはり教育関係者以外の人が子どものところに来るというのは、子どもにしたらかなりの緊張があるんではないかというふうに思うんですね。
そういう観点から、この取組みはいいところもあるかと思うんですが、まずいい部分について何か感じるものがありましたら。なければいいんですけど。
○丸山指導課長 教員の負担ということに関して言いますと、ほかの方も一緒に見ていただけるということはありがたいなと思います。ただし、いじめが何か起きたらすぐそこに放り投げるようなことがあると、教員としての指導ということに関してはまた問題が出てくるかなと思いますので、いいところと悪いところがあるかなと思います。
○島村高彦委員 分かりました。確かに教員自身もそういったことに関わることによって成長していくということがあると思います。
それと、もう一点心配なのは、この加害者と被害者を明確に区分けをして、加害者に対して大変に厳しい対応をするということで、加害者もいろんな課題があって結局いじめに至ってしまっているという部分もあるかと思うんですね。そういう部分をこの対策は考慮しているんだろうかということで疑問に思うんですが、その点はいかが感じますか。
○丸山指導課長 加害、被害に関しても、私たちもとても慎重に扱うところです。加害者のバックグランドがどうであるかということは、非常に調査しなければいけないことです。被害者とされる方に関しても、どうしてそこに至ったかということ、両方の側に立って調査というか、調べて対応することが大切だと思います。
○島村高彦委員 両方の側に立ってくださるということで、大変安心をいたしました。
それともう一点、これなかなか言われないことなんですけども、いじめは確かにいじめるほうが悪いんですが、同時にいじめられてもそれを乗り越えていく、そういう学習指導、教育方針が必要じゃないかと思うんですね。実際、世の中に出てもいじめはあるわけでございます。まして大人の社会のほうがもっと目に見えない陰湿ないじめがあるのは皆さん感じているとおりでございます。本当にひどいと。いじめというのは、誰から見ても分からないいじめってありますよね。結局そういうところで追いつめられて大変な思いをしている大人というのはたくさんいると思うんですよね。したがって、自分たちが社会に出たときに、そういったもっと厳しいいじめがあるんだということをやっぱり教えていかなければいけないと思うんですね。それを乗り越えて多くの人間が日々、活躍しているんだよというようなことが必要かと思うんですけど、このいじめを乗り越えていく教育というのは、本区教育部、教育委員会としてはどのように考えて、どのように実践をされているか、最後にお聞かせください。
○丸山指導課長 いじめとは、もう心理的、物理的な影響を受けて心身の苦痛を感じているとなったら、もう全ていじめというふうに私たち認知しております。その際に、やはり、嫌だったイコールいじめではなくて、その苦痛が起きたときにどう嫌だということを発信して解決できるか、折り合いをつけられるかということも教育の中では必要になってくると思います。ただし苦痛を受けたことに関しては受け止める、それから解決に向けての指導をするということをきちっと整理してやっていきたいと思います。
○島村高彦委員 昨日やった、生きる力を本当の意味で養う教育、これが今一番求められているというふうに主張してまいりました。このいじめに関しましても、やはりそれを乗り越えて、それを受け入れられるぐらいの器をつくっていくということが社会に出たらどうしても求められていくんだというところを、やっぱり子どものうちから少しずつ伝えていってあげたらいいかと思います。 以上、終わります。