令和 4年決特 歳入10/14西山議員
歳入確保・ふるさと納税
○西山陽介委員 それでは、歳入についてお伺いをさせていただきます。
初めに、令和3年度の歳入状況と特徴について伺います。
○木村財政課長 令和3年度の歳入総額といたしましては約1,490億円でありまして、対前年度比69億円の減、4.1%のマイナスとなったところでございます。収納率については93.3%で、前年度よりも0.8ポイント減少しているような状況でございます。
具体的に中身を見てみますと、まず歳入総額に占める一般財源の割合ということで見てみますと57.5%ということで、前年度よりも7ポイント一般財源の割合が上昇したような状況でございます。
一般財源の割合が増加した理由といたしましては、区民税が、特別区民税については前年度比で3億円の減少とはなったものの、特別区財政調整交付金が38億円の増、あるいは地方消費税交付金が7億円の増、またさらには財政調整基金等特別会計からの繰入金、こちら合わせて25億円の増となったことなどが考えられます。歳入総額で見ますと過去2番目の規模となっておりまして、また一般財源歳入だけを見ますと過去3番目の規模となっている状況でありまして、このような点が3年度の歳入の特徴ではないかと考えております。
○西山陽介委員 一方、特別区税は、前年度比3億円の減少しております。この原因の分析というのはどのようにされてるでしょうか。
○渡邉税務課長 特別区税でございます。特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税、令和3年度から始まりました入湯税を加えた法定4税のほかに豊島区独自の法定外税である狭小住戸集合住宅税を含めた5税目の合計というのが特別区税となっております。
なお、平成22年度以来11年ぶりに減少となりました特別区民税が約4.4億円の減少、さらに狭小住戸集合住宅税につきましても対象建築物の新築着工の減少によりまして8,000万円の減となってございます。
その一方、特別区たばこ税につきましては、令和2年度に緊急事態宣言の影響で大きく減少していたものが令和3年度につきましては、リモートワークやテレワークから復帰された方が多かったのかなというところもありまして、約2億円の増となってございます。最終的に特別区税につきましては、前年度比約3億円の減少となってございます。
○西山陽介委員 リモートワークすると喫煙が増える。本数が増えるのかな。喫煙者は増えないような気がするので。なるほど。分かりました。
今御説明ありましたけど、特別区民税にちょっと着目したいんですけども、11年ぶりに4億円の減少ということで、右肩上がりというか、増えてるときは、ああ、よかった、よかったという感じで思っていましたけども、この辺についての原因、また納税義務者に変化等はあったのか、なかったのか、その辺の分析はいかがでしょうか。
○渡邉税務課長 先ほどのたばこ税ですが、リモートワークとかで豊島区で買っていただけないと本数が増えなかったということで令和2年度は大きく減少したというところでございます。
○西山陽介委員 分かりました。
○渡邉税務課長 特別区民税でございます。総括質疑でも答弁はさせていただいたんですが、令和3年度の決算、収入で約4億円の減収となっております。このうち納税義務者数のお話でございますが、1,567人の減少でございました。この内訳なんですけれども、1,462人、約93%が外国籍の方の減少となってございます。
一方、収納率につきましては97.55%と過去最高、0.74ポイント上昇しておりますので、最終的に現年課税分の調定額の約6.5億円の減少が収入減につながったと分析をしております。調定額6.5億円の減少の内訳につきましては、ふるさと納税の影響で3.3億円、そのほかコロナ禍における日本人納税義務者の1人当たり課税額の減少で約2.3億円、外国人納税義務者数、先ほど申しました93%の方の減少で約0.9億円の影響があったと分析してございます。
○西山陽介委員 今も出ましたけども、この歳入に影響することでやはり気になる点が、ふるさと納税の影響額、これは看過できない数字だと思います。およそ16億円の影響額かと思っていますけども、まず、このふるさと納税の影響についてのその対策への取組というのはあるのかどうか、その辺についてお願いします。
○木村財政課長 ふるさと納税による区財政の影響というのは、非常に大きなものがあるところでございます。また、ただ、それに対して今現在有効な手だてが打てていないというのが実情ではないのかなと考えております。
解決策といたしましては、これまでも行ってきた活動とはなりますが、特別区が連携して国に要望することが必要であると考えております。本年も特別区長会におきましては、8月24日に国への要望活動を行っております。特別区長会会長あるいは副会長が総務省を訪問いたしまして、政務官と直接面会し、ふるさと納税をはじめとしたいわゆる不合理な税制改正について抜本的な見直しを行うことを要請してきたところでございます。
また、区長会事務局におきましても区民向けの冊子を作成して、区民に対してアピールをしてるところでございます。
また、本区においても毎年3月に「としまのお財布」というのを作成してございますが、そういった冊子、あるいは広報としま等におきまして区民の皆様に対してふるさと納税による本区への影響を周知しているところでございます。
○西山陽介委員 分かりました。
このふるさと納税についてですが、足立区では、返礼品を12から61品目に増やして、財源確保にかじを切ったのかなと見えました。
それから本区では、子ども若者応援基金などもそういった資金調達としては実績があろうかと思います。既に自治体版のクラウドファンディングという手法を使って導入もされています。
一方、文京区では、このクラウドファンディングの手法を使って950万円を調達して、子ども宅食の事業を展開されてるようでございます。施策に対するファンディングとなりますと、その範囲がやはりどうしても広くなってしまって、寄附をしようかなという区民や国民の皆様に対してはちょっと分かりづらい一面もあるのかなというちょっと印象を持っています。であるならば、もっと住民などの身近な課題解決のために対象事業をもっと絞ってみて、ふるさと納税の仕組み、クラウドファンディングの仕組みを活用するという考え方もあるんじゃないかと思いますけども、その辺についての御見解を伺いたいと思います。
○山野邊企画課長 御指摘があった本区で行ってございます子ども若者支援基金運用事業寄附金、これふるさと納税の一環として行っておりまして、現在3,400万程度の寄附をいただいているという状況になってございます。
御指摘のとおり、これは子ども、それから若者を対象とすることである程度一定の使い道をこちらでお示しした上で、具体的な施策については区がその対象の中で最も必要であると判断した事業を展開するということで、これはこれでかなり汎用性の高い仕組みだと思ってございます。
ただ、一方、御指摘いただいた身近な課題解決のために具体的な事業を指定して、目的額を設定して、実際に寄附をするということにつきましては、確かに寄附をする側からするとやはり分かりやすいというメリットがあると考えてございます。どちらの手法が寄附する側にとってニーズとして高いのか、あるいは区が実際に大切な寄附を活用するためにどちらが有効なのかということは今後、区といたしましてもしっかり検討を進めてまいりたいと思います。
○西山陽介委員 では、まとめさせていただきます。基本計画の中にも歳入確保の取組として、収納対策の強化、受益者負担の適正化、そして自主財源確保とあります。今後も新たな収入確保への取組を継続して進めていきたいと思います。
一方、財政構造の弾力性を示す経常比率、経常収支比率81.2%となっています。どん底の平成11年の99.5%から見ればどれほどの努力をされてこられたのか、積み上げてこられたのか、本当に評価されることだと思っています。
ただ、特別区の中では80%未満の区は、もう既に14区ございます。さらなる財政健全化の道を歩み続けなければならないとも思います。そうはいっても景気の動向は本当に読めない。引き続き持続可能な財政運営が求められることに変わりはないというふうに思います。この歳入確保の取組を一層磨いていただいて、今後の行財政運営の健全化に向けた展望を一言いただければありがたいと思います。
○木村財政課長 委員御指摘いただきましたとおり、経常収支比率81.2%ということでございます。本区の目標としては、80%以下ということを目標としてございますので、それを目指して今後も引き締めた財政運営はしていく必要があると考えております。本区は、これまで過去の財政破綻寸前の状況を教訓といたしまして、財政危機は二度と招かないという考え方の下、財政運営を行ってまいりました。この20年以上にわたる財政健全化に向けた取組の成果が3年度決算の数字に表れているものだと考えております。
ただ、委員御指摘のとおり、今後の歳入環境、景気の動向というのもなかなか読めないところでございます。やはり少しでも気を緩めるとかつてのような危機的な状況に陥ってしまうのではないかということをしっかりと肝に銘じて財政運営をしていく必要があるのではないかなと考えております。財政運営を今現在達成した本区でありますけれども、財政の健全性を維持、向上させる取組はまだまだ継続していかなければならないと考えております。
○奥島政策経営部長 一言だけ加えさせていただきます。先ほどクラウドファンディングという言葉がございました。直訳すると群集からの資金調達ということでありますけれども、今後の区政運営を考えていくと区が全ての事業費を支出してということではなくて、公と民が役割と負担を分任しながら進めていくと、これは財政健全化に対する取組と近いようなところがあって、区民の皆様方、企業、そういう多様な主体が連携しながらそういうコラボレーションして事業を進めていくと、その中でお金を生み出す、負担していただきながら我々も負担していくという関係性が非常に重要になってくると考えております。いわゆる区長がよく言っているオールとしまによる取組ということが、歳出面でも歳入面でもこれが力になってきて健全な財政運営につながっていくと考えておりますので、そういう取組を進めてまいりたいと思います。