令和 3年決算委員会 議会、政策経営、総務費10月 7日自由質疑

災害時要援護者対策

○島村高彦委員  集中しちゃって申し訳ないんですけど、防災対策ということで、災害時要援護者対策についてお尋ねします。

先ほども出ましたけれども、誰一人取り残さないという意味では、この災害弱者をどうやって救出するかという観点から、非常に大切な取組だと思います。

これについては、昨日調べましたら、過去7回ほど一般質問を行わせていただいております。最初が平成17年ですね、16年前なんですけども、このときに初めて取り上げさせていただきました。平成17年に初めて取り上げたんですけど、運悪くというか、タイミング悪くというか、このときに行政機関の個人情報保護法が施行されまして、個人情報という点で非常に厳しいものが行政機関にも求められてしまいまして、当時、保健福祉部の情報を防災課が所有することすら許されなかったと。そんな時代があったんですね、御存じですかね。

人の生命や身体の安全の確保については共有していいんだと、私が言い続けて、何とか共有したんですね。保健福祉部の情報を防災課が所有したということで、これが一般紙に取り上げられたんですね。豊島区が非常に珍しいことをやりましたといって。これを区民の人に話したら、私が言って、防災課でも名簿を共有したんだよと言ったら、そんなの当たり前じゃないかと言われまして、区民からすれば、そんなのは役所の人がどこの部署であれ、そういった困った人の情報を所有してるというのは当然なことであるというのが当時の区民の当たり前の感覚でございました。

そんなところからスタートしまして、ようやく手挙げ方式で名簿の作成が始まったんですけども、これがまた遅々として進まず、平成24年のときに、この災害時要援護者名簿作成について条例化を私のほうで提案をさせていただきました。翌年の平成25年に防災対策基本条例、これに条例が組み込まれまして、ようやく、手挙げ方式ではなく、手下げ方式で名簿が作成できるようになり、それで各町会に配付が開始されたと。こういった過去の流れがあったわけでございます。

今回、災害対策基本法が本年の5月ですか、改正になりまして、個別避難計画の作成が努力義務として各区市町村に課されたわけなんですが、それより以前に、平成18年3月、これも一般質問でもやったんですけども、中央防災会議で、この避難支援ガイドというのが示されて、具体的な避難支援計画の策定が、当時、区市町村に要請されたんですね。このとき避難支援プランという名前で各区市町村に要請されたわけなんです。

当然、本区にもそういった要請が来たと思うんですが、このときに、平成18年ですよね。15年ほど前なんですが、このときに本区として、これをどうやって受け止めて、どういう取組が始まったのかというのを、一言でお答えいただければと。

○有村防災危機管理課長  この平成18年の中央防災会議からの個別避難計画、プランの作成の要請についてなんですけれども、当時、私もいなかったこともあって、どうやって受け止めたか、やはり、もし私もいたとしても、その個人情報の話とかもあって、なかなか進まなかったのかなと考えてます。

ただ、今は、令和3年、今年の5月に災害対策基本法が改正されまして、個別避難計画を市町村に努力義務で作成するというのもありますので、今後は、保健福祉部と一緒になって検討して、どんどん進めていきたいと考えております。

○島村高彦委員  防災課長もどんどこ替わってしまいまして、本当になかなか大変だと思います。

それで、今後進めるに当たって、例えば平成17年当時、その当時に既にもう荒川区ではこの災害時要援護者名簿を災害時地域たすけあい名簿、このように呼んでやっているんですね。住民の人が、区民の人がやはり親しみやすい、なじみやすい、取っかかりやすい、こういった名称自体が非常にスタート時点で必要なんじゃないかと私は思ってるんですけども、そういったお考えはありますでしょうかね。

○有村防災危機管理課長  先行してやられてる区などのいい事例などを参考にして、今後、そういう名称の変更等も踏まえて、検討していきたいと思います。

○島村高彦委員  事例については、これまでも何度も何度も申し上げてきたんですが、なかなか事例を申し上げても、何らそれを利用したりというのは全く見られなかったもんで、新たに、今回、災害基本対策法の改正に伴ってやる、取り組むということであれば、ぜひ、これまで言ったあの事例も参考にしていただきたいと。中でも、豊島区内でも先駆的にやっているところもございます。こんな個別計画とか、難しいことを言わないで、自主的に今まで取り組んできた町会が豊島区でも、またほかの区でもあるわけですね。そういったところというのは、そんな国の制度だとか、方針なんていうのは頭になくて、日頃やはり地域の安全を保とうとして自主的にやっているとこです。

それで、先ほどもちょっとありましたけれども、これを進めるに当たって、大切なのは、町会長だけ、あるいは区政連絡会だけで話をしても、決して広がりません。会長の中には、何でうちらに何でもかんでも押しつけんだと言っているような会長もおります。そういった気持ちもよく分かります。したがいまして、これまでどおり、区政連絡会、町会長というのは考えを改めて、その町会の中で、もちろん町会長とは相談するんですが、その町会の中で、やはり核となる人を皆様がつかまえないといけないんですね。そうしない限りは、絶対にこれは広がっていかないと。

この作業をどういうふうにやるかというところが一番ポイントなんですけども、当然ながら、できるところから始めると。区がやると、どうしても一律の行動になってしまうんですね。この一律の行動というのを、もう完全にやめて、各町会ごとにやっていくというふうなことを考えていただきたいと。もう本当に町会の中に、行政側の人間という意識も捨てて、入り込んでいかないと、なかなか理解してもらえないです。これは、区がやっているんだろ、区のやつなんだよなという、そういうのがどこまでも続いていきますので、その辺をちょっと、今の段階で何か考えてるかと言っても難しいかとは思いますが、そういったことをぜひ考えていただきたいんですが、その辺はいかがでしょうかね。

○有村防災危機管理課長  今、この要支援者対策部会でも、いきなり全員の個別避難計画をつくったり、支援の方法だとか、安否確認というのは、いきなり全員の計画を立てるというのは難しいので、島村委員がおっしゃったとおり、まず、できるところからやっていこうという話はもう検討しています。そういう各町会ごとの先進事例もそうですけれども、自主的にやっているところはどんどん伸ばしていっていただいて、まだあまりやってないようなところについては、少しずつやっていけるように検討していきたいと思います。

○島村高彦委員  これまでも何度も言ってますけれども、地域の核となる、地域防災リーダーという言葉しか出てこないんですけども、そういった核となる人が必ず町会の中におります。そういった人たちをぜひつかまえて、少しずつ進んでいってもらいたいと。国に言われて区がやってんでしょうみたいな、そういう考え方ではなく、あくまで自分自身を、皆さん方がいざというときに本当に助け合えるようなまちをつくりたいんだということを強く表に出しながら取り組んでいっていただきたいと思います。