平成30年第1回定例会  高橋佳代子

「誰もが暮らしやすい 魅力ある豊島をめざして」

平成30年2月21日登壇

私は公明党豊島区議団を代表して、「誰もが暮らしやすい 魅力ある豊島をめざして」と題し、1.東アジア文化都市について 2.防災対策について 3.子ども施策について 4.まちづくりについて 5.その他として、家賃助成について 一般質問を行います。

はじめに1項目めとして、東アジア文化都市につてお伺い致します。

2017年11月、京都市での東アジア文化都市が閉幕を迎えました。閉幕式典では、中国の長沙市、韓国の大邱広域市の芸能団とともに3都市の芸能団による文化交流公演が行われ、フィナーレでは、東アジア文化都市のテーマソングである「わたしは未来」を京都市の中学生と参加者全員で合唱し、感動的なフィナーレであったと伺いました。

本年2018年は日本では5番目の開催都市として金沢市、そして中国からは人口1千万人を超えるハルビン市、韓国からも人口3百万人を超える釜山広域市が開催都市であります。翌2019年には、奈良、京都、金沢のような歴史的文化資源を有する都市に続き、そして中韓の巨大都市を相手に、私たち豊島区がこの事業を担うということは、期待に胸が膨らむ一方で、身の引き締まる思いでもあります。

これまでの各都市がつないできたバトンを受け継ぐだけでなく、この事業にどのように新たな価値を生み出し、貢献していくかということが、豊島区が代表の座を射止めた要因であったとお聞きしております。

そこで伺います。これまでの都市では素晴らしいプロモーション映像を作成しておりますが、本区では、東アジア文化都市事業の認知度を高めていくために、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、スケジュールも含めてお聞かせ下さい。

また、本区ではコンパクトな都市空間の中で、祝祭性を生み出しながら区民と一体となって、オールとしまで東アジア文化都市事業を盛り上げていくと掲げておりますが、区民参加の手法について、お考えをお聞かせください。

さらに豊島区では、マンガ・アニメ、舞台芸術、祭事・芸能の3つを柱に、事業を展開していくとのことであります。わが会派も視察にうかがった京都市では、二条城を中心に現代アート展が行われ、他の開催都市でも大規模な美術展が行われていたとの事であります。このような展示は、舞台や祭事等のイベントとは異なり、一定期間いつ訪れても楽しむ事ができます。また、食をテーマにしている都市もあるようです。これまでの開催都市の事業の柱と、豊島区の3つの柱、また、それ以外の事業の実施に向けての区のお考えを伺います。

2019年秋には池袋西口公園の野外劇場やハレザの新ホールがオープンいたしますが、それまでは特に、様々なイベント会場となっていた池袋西口公園では大規模な野外劇場へと変貌を遂げるための改修工事が行われます。2019年2月の芸術劇場でのオープニングイベント以降どのように事業を展開され、盛り上げていくのか、区のお考えをお聞かせください。 

東アジア文化都市とオリンピック・パラリンピック文化プログラム、この2つの国家的イベントを相互に連携させることで、競技会場のない豊島区が文化の面で東京をリードする先導役を担っていくことを期待しております。

オリンピック・パラリンピックの気運醸成には、認証制度など様々なメニューがありますが、東アジア文化都市で行うイベントにおいてもこのメニューを十分に活用していくべきだと考えます。お考えを伺います。

開幕まで1年を切り、実施に向けた準備も本格化していくことになります。準備を万端に整えていただき、成功に導けるよう、我が党としても全力で応援してまいりたいと思います。

 

次に2項目めとして、防災対策について伺います。

1点目は災害時の受援応援体制についてです。

平成29年第1回定例会の私の一般質問において、熊本地震の支援にあたられた大分県への防災・震災対策調査特別委員会の視察に基づき、広域支援の在り方、受援体制整備について質問させて頂きましたが、この度「東京都災害時受援応援計画」が本年1月に策定されました。東京都と区市町村の受援応援に係る役割分担や連絡窓口、応援要請や受け入れ手順等の具体的ルール、体制等をより明確にしておく必要があります。この計画には、東京都の危機管理体制、救出救助機関からの受援、人的受援応援、物的受援応援、海外からの支援、都外被災自治体への応援等について、示されております。この「東京都災害時受援応援計画」は、被害情報を収集する現地機動班制度やカウンターパート団体等、熊本地震の教訓が活かされた内容となっておりますが、示された東京都と連携した受援応援計画を実行するうえで、今後の本区の取り組みと課題について伺います。

次に、女性視点の防災ハンドブックについて伺います。

東京都では27年度、「東京防災」が全戸配布されましたが、よりきめ細かな女性視点の防災ハンドブック配布を公明党都議団が提案をし、いよいよ配布が開始されます。先に全戸配布された「東京防災」と同じサイズで、ページ数はおよそ半分ほど、避難所での授乳の仕方や着替えのノウハウ、また東京防災に掲載されなかったペットの防災対策などが、イラスト付きで掲載されているとの事です。東京都は、ぜひ「東京防災」と「東京くらし防災」をセットで、ご自宅に備えて頂きたいとの事でありますが、今回は全戸配布ではなく各区市町村の公共施設のほか、百貨店、地下鉄、銀行など民間企業の協力のもとさまざまな場所に設置される予定であり、東京都防災ホームページで順次、民間の設置場所が掲載される予定であります。「東京くらし防災」をまず手に取って頂く事が、防災の意識啓発に繋がると考えます。女性に優しいまちづくりを標榜する本区としても、集客施設やスーパー、コンビニ等、区民が気軽に手に取れるよう、民間事業者への広報、設置推進に積極的に取り組むよう求めますが、いかがでしょうか。

 

次に、女性防災リーダーの育成について伺います。

私ども公明党は、これまでの震災の経験を踏まえ、女性の視点の防災対策の重要性を全国で訴えて参りました。東京都も過去の震災において、地域の中で大きな役割を果たしてきた女性の力を、防災分野に活かしていく事が重要であるとし、「女性の視点からみる防災人材の育成検討会議」を設置し、女性防災リーダーの育成を具体的に検討されてきました。平成30年度は防災の基礎知識を学ぶ「防災ウーマンセミナー」と、リーダー的人材を育てる「防災コーディネーター育成研修会」が実施される予定であります。検討会では、事業の受講者募集や実施会場等、区市町村に協力を依頼するとともに、希望する区市町村には本事業のプログラム・テキスト等を提供する事も議論されてきております。

東京都では、女性の防災人材育成のキックオフイベントとして、「防災ひな祭り」が3月3日に東京ミッドタウンで開催されます。東京の女性が一歩踏み出す日として、女性視点の防災イベントが計画されており、参加者全員に女性視点の防災ブック「東京くらし防災」が配布されます。今後、女性防災リーダーの育成は広く展開されていく事業であり、地域防災を所管する本区における取り組みがとりわけ重要であります。このような地域の女性防災リーダーの裾野を広げ、必要な知識や行動を習得する人材の育成について、本区としても積極的に取り組む必要があると考えますが、お考えを伺います。

 

次に3項目めとして、子ども施策について伺います。

はじめに、保育について伺います。

本区は昨年4月に待機児童ゼロを1年前倒しで達成し、共働き子育てしやすいまち 全国1位に選出された理由の1つとなっております。現在、30年4月の入園の選考時期でありますが、おおむねどのような傾向にあるのか。また、待機児童ゼロが持続できるかが気になるところでありますが、現在の状況をお聞かせください。

また、平成30年4月の新設園は西側地域に多い傾向があり、東側地域の0歳1歳の入園が困難な状況にあるように感じます。このように、地域によって区民の希望と定員枠にズレが生じる事は、できる限り避けなければなりません。本区において保育所入園希望者の将来推計をどのように捉え、保育所の設置を検討されているのでしょうか。入園希望者を入園申請よりもできるだけ早くニーズ調査をし、それに沿った保育所整備計画となるよう求めますが、今後の取り組みについて伺います。

また、区内では、既に区立保育園の大規模改修が実施されておりますが、私の地元の高南保育園は、昭和40年の開園であり、築50年以上を経過しながら大規模改修の計画がありません。仮園舎の問題等もありますが、園舎が老朽化すればするほど、入れ替わり立ち替わり工事が入るような状況になり、園庭の一部が使えない等子どもたちに不自由な思いをさせる事にもなりかねません。今後、高南保育園の大規模改修について、どのようにお考えなのか。合わせて、今後の区立保育園の改修計画についてのお考えをお示し下さい。

今後は特に、保育の定員枠の量的拡大と、質の向上を両輪に考え、保育政策を進めていかなければなりません。昨年の私の一般質問で、多様な事業主体による保育の質を確保するため「豊島区保育の質ガイドライン」の策定を提案しましたが、指導・監督の立場である区の役割と責任は益々重大であります。今後どのように保育の質の確保に取り組まれるのか、お考えを伺います。

また、区立・私立保育園の紙オムツを保護者に持ち帰ってもらう園が多い中で、「なんとかして欲しい」との保護者のご要望が寄せられ、公明党区議団が保護者負担軽減のため、園での紙オムツ廃棄を要望して参りました。この度、新たに平成30年度予算の新規事業として、紙オムツの処理委託事業が計上されておりますが、事業の概要についてお聞かせ下さい。 

次に、子どもスキップについて伺います。

全国的にも高い評価を頂いている「子どもスキップ」ですが、導入当初は多くの反対がありました。私ども公明党区議団は、各区の放課後対策を視察調査し、子どもたちの安全と遊びを確保するため、これまで一貫して子どもスキップの全校実施を推進して参りました。現在、全22校で実施されておりますが、利用状況を確認するといくつか利用者数の多い大規模スキップがあります。コアスペース、セカンドスペースと、学校によってはサードスペースがありますが、それでも雨天時等は十分なスペースとは言い難い状況です。昨年から教育委員会に所管が移り、学校と連携した柔軟な対応が可能になったと考えますが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。

 

また、子どもスキップの利用者数が多くなり、過ごす部屋や場所が多くなればなるほど、職員の配置が必要となります。現在、利用者数も増加傾向にある中で、職員の適正配置の見直しは欠かせません。加えて、現在非常勤職員を募集しても、なかなか集まらない状況との事です。待機児童対策の施策として、保育士確保のための様々な支援策がありますが、放課後対策の人員確保のためにも、思い切った施策が必要であると考えます。子どもたちの安全と、充実した放課後対策のために、子どもスキップの今後の職員体制と職員確保について本区のお考えをお示し下さい。

さらに、区立小学校の児童数も増加傾向にあり、現在でも特別教室等を普通教室に改修している学校もあります。今後区内には大規模なマンション建設が予定されている地域もあり、児童数が増えると普通教室も必要になり、加えて子どもスキップの利用者数も増加するようになります。今後の教育環境の確保と充分なスペースでの子どもスキップ事業の展開について、本区のお考えを伺います。

次に、4項目めとしてまちづくりについて伺います。

近年の豊島区は、かつてない注目を浴びていると強く実感しております。区長が力強く牽引してきた文化と都市再生とともに、消滅可能性都市の指摘を契機として取り組んできた女性にやさしいまちづくり、子育て環境の整備が高く評価され、今まさに豊島区に、我が国、ひいては世界の目が向いているものと考えます。

なかでも、池袋副都心は、国際アート・カルチャー都市の拠点として、2019年の東アジア文化都市、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向け、大きく羽ばたこうとしております。昨年9月に東京都が策定した『都市づくりのグランドデザイン』では、今後、副都心という概念がなくなり、各拠点がオンリーワンの都市として、個性を際立たせていく方向性が述べられております。この方針は、池袋のことを語っているといっても過言ではありません。

副都心として、東京都心部の業務機能を受け持つサブ的な存在から脱却して、国際アート・カルチャー都市として、池袋の持てる個性を存分に発揮し、これまで比較されてきた新宿や渋谷とは、ひと味もふた味も違った発展をしていくことが、手に取るように見えてまいりました。こうした観点から、これからの池袋が個性を活かしながらどのように発展していくのかについて、幾つか質問いたします。

まず、グリーン大通りについてであります。

グリーン大通りでは、平成26年からオープンカフェの社会実験をはじめ、平成28年からは国家戦略特区の特例を活用した道路占用事業適用区域の認定を受けて、グリーン大通りエリアマネジメント協議会による活動が続いております。南池袋

公園でのイベントと連携した取り組みも行われておりますが、グリーン大通りの活性化には、まだもう一歩という思いが致します。東京オリンピック・パラりンピックの際、選手村とスタジアムを結ぶ新虎通りでは、飲食店などを常設して、地域を挙げた活動がマスコミなどにも取り上げられております。グリーン大通りでも、こうした事例を参考にして工夫をすれば、さらに地域の活性化につながるのではないかと考えます。グリーン大通りのオープンカフェなどのイベントをさらに効果的に展開する施設整備についてお考えをお聞かせください。

また、電気バスの運行が計画されておりますが、このバス停の整備とグリーン大通りの賑わいを連携させる方策も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

次に、4つの公園構想とアート・カルチャー・ハブについてであります。

2月1日に開催された都市計画審議会で報告があり、本定例会初日の議員協議会でも策定に向けてパブリックコメントを実施することについて報告のあった『池袋駅周辺地域基盤整備方針(案)』では、アート・カルチャー・ハブという考え方が盛り込まれております。4つの公園構想に位置づけられている池袋西口公園、中池袋公園、南池袋公園、造幣局地区防災公園とその周辺の民間施設との連携により、交流、表現、発信の舞台であり、アート・カルチャー活動の拠点となるアートカルチャーハブを育成していくということであります。

池袋には、新宿や渋谷にない特徴として、駅至近に本格的な文化芸術の拠点である東京芸術劇場があり、またグリーン大通りがあります。さらに、それほど規模は大きくありませんが、駅周辺に、適度な間隔で4つの公園が配置されております。こうした特徴は、池袋の個性でもあり、都市再生を進める中で活かしていくことが重要な視点ではないでしょうか。

アート・カルチャー・ハブという考え方は、まさしく池袋の個性を際立たせる仕掛けではないかと考えます。そこで、アート・カルチャー・ハブの具体的なイメージについてお聞かせ下さい。また、池袋の都市再生を進めていく中でアート・カルチャー・ハブの役割をお示し下さい

最後に5項目めとして、家賃助成について伺います。

現在、住み替え家賃補助制度は、高齢者世帯、障がい者世帯、18歳未満の子どもを養育している世帯、および低所得の方を対象として実施されております。月額1万5千円で助成期間5年でありますが、本区は住宅セーフティネット法の住宅確保要配慮者にも、同様の助成を行うとしております。しかしながら、昨日の島村議員の質問でもありましたように、改正住宅セーフティネット法では家賃助成は最大月額4万円、助成期間も10年と、区の制度とは大きな隔たりがあります。本区の住み替え家賃補助を国並みに拡充するよう求めますが、いかがでしょうか。

また、本区では子育てファミリー世帯の定住化が大きな課題であります。近隣区の家賃と比べ、本区は約2万円高いとのデータがあり、住宅対策審議会で議論になりました。これまでも子育てファミリー世帯家賃助成の拡充について質問で取り上げ、対象者や助成期間を拡充をしてきておりますが、本気で子育てファミリー世帯が暮らしやすい豊島区を目指すのであれば、メリハリのある大胆な施策の展開が必要であります。ファミリー世帯の家賃助成の大胆な拡充について、区のお考えを伺います。

以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

高野之夫答弁

○区長(高野之夫) ただいまの高橋佳代子議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。

東アジア文化都市についての御質問のうち、まず、来年の実施に向けた準備組織、体制及びスケジュールについての御質問にお答えをいたします。

2019年の開催に向けて、既に区を代表する文化、経済、観光分野等の関係者による準備委員会を立ち上げ、準備を進めております。開催都市として、正式決定後には、国際アート・カルチャー都市チーフプロデューサー、懇話会の正副会長、特命大使代表幹事などの方々にも御参加をいただき、実行委員会へ改編する予定となっております。

さらに、オールとしまによる実施体制を構築するため、国際アート・カルチャー特命大使の顧問、幹事の皆さんを中心に、区内のあらゆる分野で中核となって活躍をされている皆さんに漏れなく御参加をいただく東アジア文化都市2019豊島推進協議会を来月の17日に開催をいたしたいと思います。推進協議会では、情報共有を図るとともに、広報連携事業や自主事業の企画、実施などについて検討をいただきますが、地域のリーダーである皆さんに東アジア文化都市を地域の方々に広く浸透させていただくことを期待をしているところでございます。

今後の大まかなスケジュールでございますけど、11月上旬にイベントプログラムの公表を兼ねたシンポジウムの開催、来年の2月1日に東京芸術劇場で開幕式典、11月24日にハレザ池袋新ホールで閉幕式典を行う予定となっております。

次に、区内の大学や専門学校等との連携についての御質問にお答えをいたします。

区内7大学の連携につきましては、先ほどの準備委員会以外に、大学連携部会を設置いたしました。昨年12月に初めてとなる会合を開催し、学生ボランティアの活動状況や留学生の状況、さらに利用可能な大学施設等に関して情報を共有したところでございます。今後は、こうした情報を基に、さらに具体的な検討を進めていく予定となっております。また、北京語言大学や日本語専門学校等につきましても、留学生を初めとした在校生の状況等について伺っているところでございまして、今後はさらに踏み込んでイベント等への参加依頼や運営などへのお力添えなど、個別にヒアリングを行いながら、具体的にお願いをする内容を詰めてまいりたいと考えております。

次に、区内の小中学校で、中国や韓国についての理解を深める取組みを行うことについての御質問にお答えをいたします。

文化庁、宮田長官の発案で作成されました「わたしは未来」は、子どもたちが未来に期待を持ち、国境を越えて夢をかなえてほしいという願いが込められ、3カ国語の短い歌詞があることから、この曲を通じて、中韓の言葉や文化に興味を持ってもらうきっかけになるのではないかと考えております。既に区立小中学校に対しましては、教育委員会を通じて「わたしは未来」の音源や楽譜を配布し、各学校での取組みを始めているところでございます。もう既にこの「わたしは未来」は、いろいろなところで放送しておりますので、当区の区民の歌「としま未来」に劣らず、大変歌いやすいし、また、元気の出るすてきな歌ではないかと思っております。ぜひ歌を通じて盛り上げていきたいと思っております。

また、区内の小学3年生から中学3年生までの全児童生徒に対しましては、ロゴアンケートの投票を通して、東アジア文化都市事業に関する周知を図っております。さらに、3都市間相互派遣や事業に関連した交流ワークショップ、区内小・中学生の鑑賞支援など、子どもたちの理解力や状況に応じて交流事業に取り組むなど、次世代を担う人材の育成にも努めてまいりたいと思います。

次に、ボランティア募集についての御質問にお答えをいたします。

これまでの開催都市では、観光、交通案内から制作、展示に関するサポートやイベントの運営などまでボランティアを活用しております。中国、韓国の方々へ区を挙げてのおもてなしを行うには、言語に堪能な方たちの応援いただくことが不可欠でございます。例えば7大学学生による語学ボランティアの募集や区内既存事業におけるボランティア活動と連携を図りながら、東京オリンピック・パラリンピック運営を視野に入れたボランティア人材の育成を行いたいと考えております。

次に、誰もが安心して豊島区を訪れることができる体制整備についての御質問にお答えをいたします。

今後、東アジア文化都市2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などのビッグイベントの開催やハレザ池袋、池袋西口公園の野外劇場オープンなどには一層多くの外国人、障害者、高齢者など、観光客として東京及び豊島区に訪れることが見込まれるわけであります。そこで、御提案をいただきました誰もが安心・安全、楽しめる旅行は、観光庁が掲げるユニバーサルツーリズムの考え方でございまして、豊島区の観光施策を進める中でも、重要な視点と捉えております。

今後の取組みといたしましては、駅や街中におけるわかりやすい観光案内標識の整備や、高齢者、障害者に向けての磁気ループシステムの導入やデジタルサイネージでの文字情報の提供、さらには接遇マニュアルの整備、観光ボランティアの育成などで対応してまいりたいと思います。また、観光施設での車椅子やベビーカーレンタルの状況、宿泊施設や飲食店等のバリアフリー対応等々について、情報発信を行ってまいりたいと思います。

さらには、豊島区観光協会が主催をしております外国人おもてなし情報交換会では、先日の大阪北部地震でも課題となりました災害弱者となり得る外国人、高齢者、障害者等の観光客への避難誘導、アナウンスのあり方などを警察、民間事業者の参画を得て、検討する予定でございまして、区も積極的に安全・安心に配慮した観光対策を進めてまいりたいと思います。

次に、全世界から来街者を迎えるためのユニバーサルマナーの取組みについての御質問にお答えをいたします。

既に区では、本年3月に、日本財団パラリンピックサポートセンターと連携し、あすチャレ!Academyを区職員を対象に実施をしております。この講座は、視覚障害、聴覚障害者、肢体不自由の障害のある講師から直接聞き、学び、一緒に考え、日常で実践できる内容となっております。今年度は、区民の皆さん対象に区民ひろばにおいて、開催をする予定となっております。また、観光協会へ情報提供し、民間事業者にも広めてまいりたいと思います。

次に、女性健康支援についての御質問のうち、まず、池袋保健所の移転に伴い女性健康支援センターを開設することにつきましての御質問にお答えをいたしたいと思います。

日本全体が本格的な少子高齢化社会を迎える中で、これからの保健所には、これまで以上に区民の皆さんの健康と医療を支える拠点としての役割が求められているわけであります。そうした中で、これまでも女性の健康にかかわる事業については、女性のための専門相談や骨太健診など、各種健診、女性のライフプランセミナー・ミニ講座など、年間を通じて、様々な事業を実施してまいりました。

女性にやさしいまちづくりを掲げる豊島区として、御質問にありました女性健康支援センターの設置については、ライフステージに応じた女性が抱く不安の解消にもつながるような、トータルサポートを提供できる健康支援の拠点として、その必要性は強く認識をしております。今後、この夏には、保健所移転に向けた機能拡充のあり方を検討していくあり方検討会を設置いたしますので、その中で具体的な機能、役割についても検討してまいりたいと思います。

次に、専門相談に関する今後の取組みについての御質問にお答えをいたします。

移転先の仮庁舎においては、東池袋駅からアクセスが確保され、各フロア面積も拡大することから、現在より利便性が向上すると見込んでおります。現在、池袋保健所では、平成26年度より女性の健康に関する総合相談、女性のための専門相談を実施しております。移転後は、専門相談のための個別相談室や健康教育や体操を行う講堂の拡張を図り、さらなる区民サービスの向上を図ってまいります。また、女性の健康を守るための情報もこれまで以上に発信をしてまいりたいと思います。本庁舎に近づくことによりまして、子育て部門や高齢者部門との連携もより円滑に行うことができることから、現在行っております相談事業やサービス提供体制についても関係部署と調整をしつつ、生涯を通じた女性の健康を支える施設の充実を図ってまいりたいと思います。

次に、排泄ケアの今後の取組みについての御質問にお答えをいたします。

女性は、生涯を通じ、排泄の調整に関係する骨盤底筋群に負担がかかることが多く、尿漏れは女性特有の健康問題の一つとされております。その原因については、ライフステージごとに異なることから状況に応じた指導、支援が重要となります。高齢期については、身体機能の低下に関連し、排泄ケアも重要となってまいるわけであります。そのため、介護予防事業の運動プログラムにおいても、骨盤底筋群を鍛える運動を実施いたしまして、尿失禁予防についても周知をしております。また、今年度は、高田の介護予防センターにおきまして、女性の尿失禁対策講座を実施の予定でもあります。若年層については、妊娠、出産や中年期の筋力低下により尿漏れを生じることがございます。そのため、保健所では、女性のための専門相談時や骨太健診時に、個別相談とは別に、助産婦による骨盤のメンテナンス体操を実施しております。

尿漏れは、医療機関に相談しにくい悩みの一つでもございます。また、自分でできる体操で改善する可能性もあることから、保健所の移転をきっかけといたしまして、さらなる排泄ケア相談の充実と予防体操の普及啓発に取り組んでまいりたいと思います。

次に、女性特有のがんを罹患された方の支え合う場ときっかけづくりについての御質問にお答えをいたします。

国の第3期がん対策推進基本計画においても、がんとの共生が目標の柱の一つとなっており、がん体験者や患者同士が交流し、支え合う場の重要性は区としても認識をしております。現在、池袋保健所では、鬼子母神plusのオープンスペースを利用して、がん患者を対象としたピアサポートや患者同士の交流などがNPO主催で行われております。今後は、既に活動しているNPO団体等とも連携を図り、女性健康支援センターの機能として取り入れて、患者同士の支え合いの場の実施に向けて検討をしてまいりたいと思います。

次に、多くの女性の生涯にわたる健康をサポートするための女性の健康手帳の作成、配布についての御質問にお答えをいたします。

区は、健康診査の記録、そのほか生涯にわたる健康の保持のため必要な事項を記載し、自らの健康管理と適切な医療確保に資するため、健康手帳を配布しております。特に骨太健診や女性のための専門相談においては、健康手帳とともに、女性の心と体の変化や頻度の高い病気や症状について記載した女性のための健康ガイドを配布いたし、内容に合わせた健康教育も行っております。近年は、自分の健康は自分で守るといった意識も健康寿命延伸のためには重要と言われておりまして、区民の皆さんがより健康的生活スタイルを身に付けることができるよう、知識の普及に努めてまいります。今後も幅広い世代の女性の方々の御活用いただける健康手帳となるよう、最新の知見を踏まえて、内容や形式等を検討してまいりたいと思います。

いろいろ御質問をいただきました女性の健康支援センターについて、いろいろな形での御例示を含めて御提案をいただきました。今やどんどん社会も変革し、区民の要望も変わっていく中で、大変、保健所の役割も多岐にわたって対応しなければならないわけでございます。特に、先ほど来お話ししておりますように、女性の健康を守り、そして、サービスの向上施策として、今後、このたびの池袋保健所の移転がまさにチャンスとして捉え、女性健康支援センターの併設等々も視野に入れ、また、この機会に健康診査センターの今後のあり方等も考えるよいときではないかと思っております。将来的には区民の皆様の健康を守るための総合的な拠点として、池袋の保健所の移転に伴って、これらを十分に検討して、よりよいものをつくり上げてまいりたいと思っております。

次に、子ども施策についての御質問のうち、目黒区の児童虐待事件をどのように捉えて、児童虐待対策をどのように強化をしていくかについての御質問にお答えをいたします。

本年3月、目黒区で虐待を受けた女子が死亡するという大変痛ましい事件が発生をいたしました。こうした痛ましい事件を豊島区で起こさないためにも、まず、東部子ども家庭支援センターを中心に、3警察署、新宿の東京都児童相談センター、民生・児童委員等で構成する要保護児童対策地域協議会の取組み等を通じて、関係機関との連絡体制を一層強化をしなければならないと思っております。区は、これまでも東部子ども家庭支援センターにおいて、専門のチームを設けまして、積極的に児童虐待に対応してまいりました。しかし、児童保護の最終的な判断権限がないなど、区といたしましても対応には限界があるわけであります。

そこで、豊島区の子どもは豊島区が守るという強い決意の下、児童相談所の設置を決断いたしたわけであります。現在、2022年1月の開設に向けて、長崎健康相談所の改築にあわせて、児童相談所の設置準備を進めております。人材育成の面でも他自治体の児童相談所等に現在5名の職員を派遣いたしまして、専門知識とスキルの習得に努めており、開設時から即戦力となる職員の育成に力を入れております。今後も基礎自治体ならではの地域に根差したきめ細やかな対応や支援を行って、児童虐待防止に全力を尽くしてまいりたいと思います。

次に、防災対策についての質問のうち、大阪府北部の大地震発生に伴う安全確保の要望に関するその後の対応についての御質問にお答えをいたします。

小中学校の安全対策等についての御質問ですが、6月18日に発生した大阪府北部地震を踏まえて、直ちに区立の小中学校、幼稚園におけるブロック塀等の調査を行いました。現在のところ、被害に遭った高槻市の小学校と同様に高いブロック塀等で、そで壁が設置をされてなかったり、危険性が高いと考えられる小学校4校については、ブロック塀を早急に取り壊すよう指示をいたしました。また、他の小中学校、幼稚園等のブロック塀についても、順次対応を図ってまいりたいと思います。

私からの答弁は以上でございますが、そのほかに関しましては、両副区長並びに危機管理監より答弁を申し上げたいと思います。

 

○齊藤雅人副区長

子ども施策についての御質問のうち、まず、十分な発達支援が行える体制づくりに関する今後の取組みについての御質問にお答えいたします。

親子による発達支援は、子ども自身が幼稚園や小学校等の集団生活に慣れるという観点に加え、保護者にとってもお子さんの理解を深める機会となることから大変重要な取組みであると認識しております。現在、西部子ども家庭支援センターでは、通所される親子6組を1グループといたしまして、週2回、発達指導を行っております。御指摘のとおり、この親子通所は年々増加傾向にございまして、御要望に対して、十分にお応えできない状況にございました。そこで、昨年度より、これまで1グループ6組であったところを2グループ12組まで対応できるよう改善いたしまして、現在では、ほぼニーズにお応えができる状況となってございます。しかし、今後もニーズが増え続けることも予想されますので、引き続き、親子通所ができる体制の充実に努めてまいります。

次に、保護者フォローの現状と今後の取組みについての御質問にお答えいたします。

御指摘のとおり、発達に課題のある子どもを養育する保護者に対しては、養育に関するストレスや不安、孤立感などに寄り添い、心理面を含めた手厚い支援が必要でございます。これまで、先輩の保護者と語る学習会などを実施してまいりましたが、保護者の不安や孤立感をさらに和らげるためには、同じ悩みを抱える保護者の目線で語り合うことが大変重要であると考えております。そこで、昨年度より、発達に課題のあるお子さんを育てた経験を持つ保護者が相互に寄り添いながら悩みを共有するペアレントメンター事業をスタートいたしました。参加者からのアンケートでは、今後への期待が大きかったことから、今年度は、昨年度の1回から5回へと開催を増やすとともに、心理専門の職員も加わることで、さらに適切なアドバイスができる環境を整備したところでございます。

次に、個別指導が不足し、区民ニーズに十分対応できない現状の認識及び今後の取組みについての御質問にお答えいたします。

区内には、発達相談に対応する民間児童発達支援事業所が9カ所ございます。しかし、言語療法、理学療法、作業療法の専門相談を実施している事業所は1カ所にとどまっているため、西部子ども家庭支援センターには、区内唯一の公立児童発達支援事業所として、相談が集中しておりまして、同センターへの一般的な発達相談と専門相談を合わせた相談件数は、平成25年度の2,358件から、平成29年度の4,573件へと約2倍に増加しております。これまでも専門相談員や子ども家庭支援ワーカーを増員してまいりましたが、御指摘のとおり、物理的、人的での両面からニーズに十分対応できない状況でございます。今後の対策といたしましては、当面、地域区民ひろばにおける出張発達相談を拡充するとともに、西部子ども家庭支援センターの相談室の増設について検討を進めてまいります。

次に、新たな池袋保健所等の施設への子ども発達支援センターの設置についての御質問にお答えいたします。

発達に課題のあるお子さんに対しては、未就学期から学齢期まで、切れ目のない、きめ細かな支援を提供していく必要がございます。近隣自治体では、練馬区に小学校跡地を活用し、18歳までを対象とする子ども発達支援センターをNPO法人に委託する形で運営している例がございます。このような施設を視察し、運営方法を研究しておりますが、障害福祉部門や教育センター、民間事業者との連携など、実現に向けて様々な課題もございます。御提案の子ども発達支援センターの設置につきましては、障害福祉施設としての性格や西部子ども家庭支援センターを含む施設のあり方など、様々な課題を整理しつつ、今回の池袋保健所移転に当たっての保健所機能向上の検討と並行して実現に向けた検討を進めてまいります。

次に、偏食を抱える子どもに対する取組みの検討についての御質問にお答えいたします。

発達障害のあるお子さんには、味覚や臭覚が大変敏感なことから偏食傾向が見られる場合がございます。そのため、特定の食べ物の味やにおい、舌ざわりを不快に感じ、食事が偏ってしまうと言われております。自閉症等のお子さんの偏食問題への対応につきましては、現在、西部子ども家庭支援センターにおいて、保護者向けの学習会を実施しており、区立保育園でも調理職員、栄養士、看護師が連携をとりながら、個別に対応しているところでございます。また、区立小中学校では、特別支援学級の担任により、個々の状況に合わせたきめ細かな対応を行っております。心身の発達時期における偏食の問題は、大変重要な課題と考えておりますので、さらに調査研究を重ね、できる限り取組みを拡充してまいりたいと考えております。

次に、3月から実施されている妊娠届時の保育需要調査についての現在の状況についての御質問にお答えいたします。

国の保育ニーズ調査は、5年に一度であり、調査から公表までに一定のタイムラグがあることから保育需要にふさわしい施設整備が追いつかない状況でございました。そこで、豊島区では独自に、今年3月1日から妊娠届時のアンケート調査をスタートいたしました。6月15日現在、妊娠届を出された方は875名で、そのうち630名、72%の方から御回答をいただいており、現段階では471名に入園希望があることが確認できております。つまり、御回答をいただいた妊婦さんの75%が入園の希望をお持ちであり、ゼロ歳児の保育需要の高さを裏づける結果となっております。この全ての方が保育園に入園希望を出されるとは限りませんが、保育需要を判断する際の重要なデータとなるものであり、さらに、今後、保育を開始する乳幼児の年齢、居住地、保育利用を希望する地域などを組み合わせた分析を進めてまいりたいと考えております。

次に、妊娠届時の保育需要調査の協力者に対する追跡調査の手法についての御質問にお答えいたします。

妊娠届時のアンケートで、保育園の入園を希望していても、その後の勤務先や家庭の変化、また、出産後の状況等により、結果として、入園を希望されない方もおられると思います。そこで、今後、御承諾をいただいた方につきましては、郵送で再度アンケート調査をお願いすることや、保健所と連携して赤ちゃん訪問の際に保育ニーズの変化を確認することなどを考えております。今年度は、アンケート調査の初年度ということもあり、追跡調査については、具体的な手法を検討している段階でございます。現在集計しております妊娠届時のアンケート結果の全容を御報告する際には、御質問いただきました追跡調査の具体的な案についてもあわせて御報告したいと考えております。

次に、調査結果の保育所整備計画への反映についての御質問にお答えいたします。

これまで保育所整備計画は、過去の保育需要をもとに次年度以降の需要数を確認し、区全体で必要となる新規施設数を予測する形で策定していたため、地域別に見ますと、保育サービスの需要と供給に偏りが生じるなどの課題がございました。今回の独自アンケート調査を活用することで、地域ごとに、より正確な保育需要の把握が可能となりますので、その分析結果を保育所整備計画に反映させることで、待機児童ゼロを今後も堅持してまいりたいと考えております。

次に、現在の豊島区子どもの権利委員会の活動状況についての御質問にお答えいたします。

平成28年の児童福祉法の改正により、児童の権利に関する条約の精神が理念として法に明記されたことを踏まえまして、本区においても、改めて条例の趣旨を具現化すべく、このたび、子どもの権利推進委員会を設置いたしました。既に3月と5月に委員会を開催し、子どもの権利に関する意識調査の実施に向けた検討を進めているところでございます。今後、年度内に6回程度の委員会を開催し、平成31年度中には、子どもの権利推進計画を策定する予定でございます。

次に、子どもたちへのアンケート調査の実施方法についての御質問にお答えいたします。

アンケート調査は、住民基本台帳から無作為に抽出した子どもや保護者、8,250件に郵送調査を行うとともに、子どもに関連する施設職員や地域団体で活動する約600人の方々にも御協力をいただいて、実施する予定でございます。特に配慮が必要な子どもやその保護者に対しては、直接ヒアリングを実施することで、紙面によるアンケート調査では把握しにくい声を丁寧に聴き取り、計画に反映させてまいります。

次に、子どもの権利の普及に関する今後の取組みについての御質問にお答えいたします。

子どもの権利の普及については、子ども自身と子どもを育む社会的責任を担う大人の双方に向けて啓発活動を行う必要がございます。これまでは、リーフレットを作成し、小中学校の入学時や子どもに関連するイベントで配布する形の活動を行ってまいりましたが、今後は御指摘も踏まえまして、単に配布して読んでいただくだけではなく、教材として学べるものに改めまして、研修や学習会での活用を促進してまいります。また、としま子ども月間である11月には、地域の団体や施設と連携いたしまして、条例の普及啓発を目的としたイベントを実施したいと考えております。今後も日常生活の中に子どもの権利に関する意識が根づいていくよう、あらゆる機会を捉えて、普及啓発活動を続けてまいります。

次に、子どもの意見表明と参加の手法についての御質問にお答えいたします。

御指摘の子どもたちの意見表明と参加につきましては、日ごろから自分の考えを述べる場が学校、家庭、地域において保障されることが大切であり、その中で培った能力が社会の中で発揮されているものと考えております。そのため、学校でのアクティブ・ラーニングを用いた学習活動の充実や中高生センタージャンプ、子どもスキップにおける放課後活動において、子どもの意見で決めた事業を実施してまいりました。

海外の事例になりますが、子どもの権利保障の先進国であるドイツのミュンヘンでは、「こどものまち」という、子どもだけで運営する小さな仮想都市づくりが20年以上前から行われております。子どもたちが意見を出し合いながら、仮想の店舗や役所をつくっていくなど、遊びを通して、意見表明と参加を学ぶ取組みとして、日本国内でも広がりを見せ始めております。本区においても、今年4月、NPO法人の主催で、区が後援した類似のイベントが開催され、大変好評でございました。現在職員の自主研究会において、豊島区ならではのこどものまちの実施方法を研究しておりまして、子どもの意見表明と参加を進める象徴的な事業の一つとして事業化に向けた検討を進めているところでございます。

 私からの答弁は以上でございます。

宿本尚吾副区長

○副区長(宿本尚吾) まちづくりについての御質問のうち、まず、グリーン大通りの豊富な緑とオープンカフェでにぎわう人々の活動をどのように雑司が谷につなげていくのかについての御質問にお答えをいたします。

雑司が谷地域は、雑司が谷鬼子母神御会式や大鳥神社の酉の市など、地域で受け継がれてきた伝統、雑司ケ谷霊園、雑司が谷旧宣教師館、法明寺などの歴史や文化を感じられる地域資源などが多く存在する地域であります。平成28年2月、雑司が谷・南池袋まちづくりの会から提出をされましたまちづくり提言の中で、雑司が谷地域において、雑司ケ谷霊園、大門ケヤキ並木など、緑の拠点をつなぐ歩きやすい道、気持ちがよい街並みが続く緑のルートを整備する構想が提案され、現在区において、その実現を目指して検討をしているところです。

グリーン大通りの人々のにぎわいと雑司が谷地域の伝統や地域資源との交流を強化するためには、この緑のルート構想に基づき、緑のネットワークを面的に広げていくことが重要であると考えております。具体的には、都市計画決定されました南池袋二丁目C地区の再開発事業により整備される緑地帯や、現在整備が進められております補助81号線の街路樹などの整備が急がれるところです。また、ハード面だけではなく、月1回定期的に開催をしておりますグリーン大通りのマルシェやオープンカフェなどのイベントは、雑司が谷地区で展開をする手創り市やみちくさ市などの手づくり感のある地域のイベントとも連携をしており、これもまたグリーン大通りと雑司が谷をつなぐ役割を果たしていると考えております。

次に、寺町プロジェクトとして計画をしている南池袋公園周辺区道の整備スケジュールとイメージについての御質問にお答えをいたします。

南池袋公園周辺区道の整備は、本年9月から工事に着手をいたしまして、2021年度に事業を完了する予定にしております。豊島区では、平成27年3月に策定をされました豊島区都市づくりビジョンの中で、「南池袋公園周辺は、寺院が多く立地する静寂な雰囲気を生かしながら、周辺区道や緑地帯を整備し、地区の個性を高めます」との方針を示しております。今般、このような整備方針を踏まえ、樹木や草花を効果的に配置しながら、植栽帯をリニューアルするとともに、道路の両側に新しく歩道を設置し、石畳風のブロックを並べることで、花薫る和の寺町をイメージした歩きやすい空間を創出する予定としております。また、車道部はコミュニティ道路のように、速度抑制を促す道路線形として、安全性を向上させるとともに、道路表面は遮熱性舗装とすることで、温度上昇を抑制し、環境にも配慮した道路整備を推進してまいります。

次に、雑司が谷の個性を壊さないまちづくりの進め方についての御質問にお答えをいたします。

雑司が谷地域につきましては、先ほど申し上げましたまちづくり提言の基本理念が示すとおり、この地域で長年にわたり伝えられ、育まれた環境や生活の営みを大切にしたまちづくりを実現したいとの思いが大変強い地域であると認識をしております。このため、この地区のまちづくりは、面的な一体開発を行うのではなく、街並み誘導のルールを策定した上で、不燃化特区制度を活用して個別の建替えを促進する、いわば修復型のまちづくりが有効であると考えております。現在、雑司が谷・南池袋まちづくりの会との協働で、この地域のよさを残しながら、敷地の細分化抑制など、まちの課題を解決するための有効なルールとなる地区計画の内容を検討しているところです。内容が固まり次第、地元の権利者の皆様の合意を得ながら、地区計画を策定していきたいと考えております。今後とも地域の声を丁寧に拾い上げ、雑司が谷らしさを継承できるまちづくりを実現してまいりたいと考えております。

○危機管理監(今浦勇紀) 防災対策についての御質問のうち、大阪府北部の大地震発生に伴う安全確保の要望に関するその後の対応についての御質問にお答えいたします。

区内全域の安全対策等についての御質問ですが、学校を除くその他の区施設におきましても、地震発生の翌日に施設整備課が各施設の所管課に緊急点検を指示し、ブロック塀の有無や老朽化の状況等につき調査を行いました。これらの調査結果を踏まえ、今後速やかに危険性の有無の判断を行い、改修の方針を決定した上で、順次改修を進めてまいります。さらに、通学路等に倒壊する危険のある区内の民有地におけるブロック塀に関する調査は、東日本大震災の際に調査しました72件を対象に即刻行いました。その結果、倒壊の可能性がある塀の所有者に対しては、書面での注意喚起とあわせ、危険なブロック塀の撤去や基準に合うフェンス等を設置する場合の助成金の活用を進めてまいります。加えて、改善に向けた実効性を高めていけるよう、建築士等の専門家の派遣制度を創設するなどの対応を早急に検討してまいります。

次に、家具転倒防止器具設置の補助事業の再実施についての御質問にお答えいたします。

今回の地震では、平素から災害に備えておくことの重要性を改めて認識する機会となりました。御指摘のとおり、区では、家具の転倒防止器具や取付け費用を負担する減災対策器具設置事業を平成25年度まで実施し、現在は区内の防災器具を取り扱う業者のあっせんという形に切り替えております。この機会に改めて区内の家具転倒防止器具の普及状況等を確認した上で、事業の再実施の必要性の有無に関して判断させていただきたいと存じます。

以上をもちまして、高橋佳代子議員の御質問に対する答弁を終わります。