18H30年予算特 議会総務費 西山議員( 3月 5日)
多文化共生の推進-外国人
○西山陽介委員 西山です。よろしくお願いします。きょうはちょっとお聞き苦しい声で御容赦いただきたいと思います。
さて、私のほうからは、多文化共生の推進に向けてお伺いをさせていただきたいと存じます。
今年度、豊島区の人口から外国人住民の比率も1割を超えたということがあります。地域の方も知っている方はそこまで来たかという思いがあるかと思います。区のほうでは昨年、協働のまちづくりに関する区民意識調査をされていらっしゃいます。その中で地域に外国人の住民が多いと感じるかなどの外国人に対する日本人住民の意識を調査された結果を見させていただいております。外国人住民が多いというふうに感じていらっしゃる方はもう実に7割います。そういう中で、御近所に外国人がお住まいになることについてどう感じるかという設問もあるんですけども、ごみの出し方ですとか、また部屋からの大きな声ですとか、また日本語としてのコミュニケーションがとれない外国人がいらっしゃるとか、どちらかというと心配だというようなお声が大体4割以上、平均。逆に外国のことに関心を持てるようになるとか、それから外国語になれるとか、外国の文化に触れる機会がふえるとか、そういった肯定的な声はおよそ2割を切るぐらいというような結果が出ているところでございます。
そういう中で、私たち日本にお住まいの住民の皆さんは、なかなか外国人の方々と知り合ったり、またはコミュニケーションをとれるような日々があったりとかということが結構少ないような感じもしているところでございます。そういう状況の中で、今年度、外国人の方々に対するヒアリング調査を実施されてきたかと思いますけど、まずどういう実態が見えてきたのかどうか、この点についてからお伺いさせていただきたいと思います。
○渡邉多文化共生推進担当課長 平成27年に実施いたしました外国人区民意識調査のアンケート調査を補完する目的で、今年度、外国籍区民が抱える課題や展望などについてヒアリング調査を60名に対して実施いたしました。その中で先日の総務委員会でも御報告をさせていただいたんですけれども、外国人の方、主な意見としては日本語についてやはり難しい、日本語能力が御自身に十分にないという御意見ですとか、情報発信、区からの情報発信について情報があるんだけれども、外国人としては情報収集が難しいという御意見、またごみの分別や保険等の手続やルール、マナーがよくわからないという意見ですとか、あと地域や外国人同時のコミュニティー、交流する機会というのが少ないですとか、情報が不足している、そういったような御意見がございました。
○西山陽介委員 そういう実態を踏まえた上で、多文化共生推進基本方針を策定するための委員会も開かれているかと思います。もう2回か3回ぐらいやられたんでしょうか。この検討委員会での趣旨ですとか、またどのように今話し合われつつあるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○渡邉多文化共生推進担当課長 30年度に多文化共生推進基本方針を策定するために、現在、学識経験者の方、地域関係団体、公募区民の方などを委員とした会議体を立ち上げて、現在、課題や目標、あるべき姿などについての意見交換を行っているところでございます。基本方針に向けていろいろな意見の交換を、現在まで第2回まで行って、来週第3回を行いますが、検討をしているところでございます。
○西山陽介委員 基本方針を策定するための委員会ということで、これからいろいろ具体的な内容が御議論されていくんだろうというふうに思います。
委員構成の中で外国人の方とのかかわり方ということが大きなテーマだと思うんですけども、この委員さんの中に外国人という方はいらっしゃるんですか。
○渡邉多文化共生推進担当課長 公募区民や行政も含めて全部で9人の委員の中で4人の方が外国籍の方でございます。
○西山陽介委員 それぞれの御意見やお考え方あるかと思いますので、積極的な御議論を期待させていただきたいというふうに思います。
そして、先ほどの意識調査のところでも外国人の方々とのかかわりの中でお尋ねがあります。同じ地域で外国人と生活していく上で大切なことはどんなことかという設問がございまして、これは生活習慣の相互理解、これが60%、それからあいさつや言葉を交わしていく、価値観の違いを知っていく、これ非常に肯定的な意見として抽出されていることは、非常に喜ばしいことじゃないかなというふうに考えられます。
一住民として一体この多文化共生のまちづくりのためにどういったことができるかということのお尋ねもあるんですけども、気軽に日常的に声をかけ合うとか、また気軽に話をしていくことですとか、そしてその方のお国の文化を知っていくとか学んでいくと、そういった、こちらも非常に前向きな御回答として発信をされているというふうに思います。
そういった中、区が考えていらっしゃるこの多文化共生の推進に向けた方向性については、どのようにお考えいただいているのかお伺いしたいと思います。
○渡邉多文化共生推進担当課長 基本計画のほうに多様性を尊重し、より活力ある選ばれるまちの実現と多様性を生かした施策の推進というものが必要になるというふうに書いてございます。このことから今回、基本方針を策定し、多文化共生の進む方向性を明らかにいたしまして、これまでの多文化共生施策の整理を行いながら、選ばれるまち国際アート・カルチャー都市の実現をさせていきたいというふうに考えてございます。
○西山陽介委員 30年度予算、新規事業としてこの取り組みが進められようとしているわけでございますけども、もう一つは、この外国人の住民の皆様のために行政情報をわかりやすくしていこうということで、そういった取り組みも考えられているかと聞いております。この動画を制作し配信していく、この辺のところについて概要、目的や方法などについてお知らせいただきたいと思います。
○渡邉多文化共生推進担当課長 30年度の多文化共生推進事業経費の中で一つが多文化共生推進基本方針策定、もう一つが行政情報の動画作成というのが今委員御指摘のとおりございます。その動画の作成でございますが、ルールや健康保険、ごみや交通などの10テーマほどを考えているんですが、こちらの基本的な生活情報の動画を各テーマ1分程度のものでございますが、6カ国の字幕つきで制作をしようと考えてございます。この動画を配信しながら、区役所の待合の場所のテレビで流したりですとか、日本語学校などにもDVDを配布することによって、広く豊島区としての制度やマナーについて知ってもらう契機としたいということで、こちらのほうを考えてございます。
○西山陽介委員 この動画が有効に働いて、まずは外国人の方々が日本にいらっしゃっている状態の中で、どういった生活上の日本のルールがあるのか、また行政情報の中でも税に関することやまた保険に関することなども取り上げられていくことだと思います。そういった理解を促す意味で効果的な内容と、それからその配信先、お届け先といいましょうか、見ていただくところの先についても十分に御検討いただいて、つなげていただきたいなというふうに思っているところでございます。
そういう中で、外国人の方々が御来庁される際には日本語でコミュニケーションがとれればいいわけですけども、そうとは限らない状態が大変多くなっているというふうに聞こえてきます。窓口での対応も中国語ですとか、主たる外国が通訳としていらっしゃって、その対応もしていらっしゃると思いますけども、30年度の予算ではテレビ電話による多言語通訳サービスという、そういうものを委託しながらやっていこうというふうに聞き及んでいますけども、まずこの事業、どういうような内容で、現在の外国人の対応というのはどういうふうになっているのか、その辺についてお聞かせいただけますか。
○渡邉多文化共生推進担当課長 事業内容について私のほうから説明させていただきます。
事業内容でございますが、タブレット端末から電話をかけまして、通訳オペレーターが待機するコールセンターと電話機能を利用して回線をつなぎまして、区の通訳が必要な相談者の方と職員、そしてコールセンターのほうの通訳者の方の3者で会話をするものでございます。30年度は試行実施ということで、本年の6月から利用ニーズの高い3階の総合窓口課と国民健康保険課、そして4階の子育て支援課に合計3台を配置する予定でございます。なお、中国語と英語については従来どおり、総合窓口課で今雇用、配置している通訳者の方を活用しまして、このシステムと並行して対応をする予定でございます。
○西山陽介委員 現在の外国人の対応についてもお伺いしましたけども、今、通訳の方が常駐されて対応されているんだろうというふうに思います。時間もちょっとあれですので、次に入りたいと思います。
この多文化共生の基本方針を次年度定めていくということでありますけども、一体このテレビ電話による多言語通訳サービス、このハード面に頼っていくという部分があるというふうに見えるわけですけども、この基本方針の策定とこの事業とのかかわりというのはどういうふうな考え方に基づいている、それについてはいかがですか。
○渡邉多文化共生推進担当課長 外国人住民の方が今1割を超えていまして、ベトナムやミャンマー、ネパールの国籍を持つ方も急増しております。窓口での手続のときに正確な情報を提供するために、今回多言語対応のツールが必要というふうにも考えまして、早急にということでコミュニケーションツールの整備を先に進めることといたしました。
○西山陽介委員 タブレット端末を用意されて、その先のコールセンター等とつないでやりとりをしていくんだと思うんですけども、ちょっと費用面についてなんですけども、どのぐらいの事業に対する予算を組まれていて、その費用の積算の仕方、それはどういうふうに考えていくのか。その辺についてはいかがですか。
○渡邉多文化共生推進担当課長 経費でございますが、3台で280万円。1台につき1人15分会話をしたときに月に12人ぐらいの対応が可能ということで、経費のほうを積算しております。また、対応言語でございますが、少数言語というわけではございませんが、豊島区としては外国人の方が多いベトナム語ですとかネパールの方の国籍にも対応していただけるような業者を今考えてございます。
○西山陽介委員 言語がそれだけ多くなれば人を配置すると人件費の費用もかさんでいくと思いますので、そういった工夫の一つとしてこのタブレット端末を使いながら、効果を上げていこうというふうに理解をさせていただきたいというふうに思います。移動性もタブレットですとありますので、とりあえずの基本に設置する課はお決めいただくんでしょうけども、いざというときにハンディーで動かせるという利点もあるかというふうに思います。このように、さまざまな形でハード面を使ったりとか、また地域住民の皆様と外国人住民の皆様との共生をどのように図っていくかということについては、やはりこれから豊島区ならではの課せられたというか、そういった大きな課題の一つじゃないかというふうに思います。
私も地域の方と対話をいたしますと、最近本当に外国人が多くなって、次は心配だわという、どちらかというと心配だという懸念というものを、やっぱり地域の方はお持ちなのかなと、そういう印象を私は受けます。今後は多文化の共生ですので、多文化は外国人の方だけではないというふうに思いますけども、まずは1割を突破した外国人住民の方、そして国際アート・カルチャー都市を目指す本区としても、来年は東アジア文化都市としてのさまざまな事業を控えています。そういう中でますます外国や外国人の方々とのかかわり、そこに文化という規定があって、日本の文化、それから海外の文化、どちらも相互に理解し合いながら生きていこう。そしてそれがひいては安全・安心な地域づくりにつながっていく、そういった思いが込められた方向性というものをぜひ次年度に向けてスタートを切っていただきたいというふうに思います。
多文化共生の社会は、国籍とか民族とかというものを乗り越えて、互いの文化は違うかもしれないけど、お互いにそれを認め合いながら、日本人もお近くにいらっしゃる外国人や外国のことを理解して、そしてその地域の中で一緒に暮らして生きていきましょうと、そういう社会だということが問われているというふうに思います。ぜひ豊島区としてもこの多文化の共生、こういうものについて大きな宣言をするぐらいのお気持ちで、外国人、また海外、外国とのかかわりをいい形で醸成していっていただきたいという思いを述べさせていただきまして、私からの質疑を終了させていただきます。
○高野区長 大変多文化共生についてのお話、御意見も承りまして、特に西山委員のお住まいのところは外国人も非常に多いところですから、いろんな面で細かくいろんな感じたこともあるし、また問題点も指摘をいただいたわけであります。実は3日前、私、金沢市で東アジアの開会式にお邪魔して、その後レセプションがございました。中国とそれから韓国の方々が、開会式にはさまざまなお国自慢というか、そういう御披露があった後、レセプションではかなり大勢の方が両国から参加をして、そしていろいろな交流をしておりました。ただ一番のやっぱり壁は言葉ですよね。なかなか言葉がやはりすぐお隣のといっても違いますから、その辺が大変言葉がなかなかなじめないというか、10日前にもありましたけど、改めて来年この豊島区が東アジアやるに当たっては、今言ったような本当に多文化共生というか、世界へ文化を発信していくというようなことではないかと思いますので、大変勉強になりましたけど、今おっしゃっているように、まさにそういう時代が刻々とやってきているということを常に考えながら、やはり多文化共生の社会をつくり上げていかなきゃいけないということも、改めて強く感じたわけであります。大変時がどんどんどんどんやっぱり変わってきているな、本当にグローバルな、そういうような社会になってきているということを実感もいたしましたし、また今お話しのように、大変重要な課題として捉えて、これからも多文化共生の事業についてはしっかりと対応をしていかなければいけない。また、他の自治体の見本になるぐらいの意気込みで取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。