平成26年決算特別委員会此島10月 7日 議会・総務費

緊急雇用創出事業不適正執行

○此島澄子委員  私は決算参考書159ページの18番目、法規事務及び訴訟関係経費について触れさせていただきたいと思います。

 この事案の概要について、改めて区民にわかりやすく、1分以内で報告してください。

○鈴木総務課長  区ではさまざまな法規関係の事務がございまして、主に申し上げますと、区が訴えられる、あるいは区が訴えるという訴訟事務を中心に取り扱っているものでございます。

○此島澄子委員  今回の緊急雇用創出事業不適正執行について簡潔にお願いします。

○鈴木総務課長  緊急雇用創出事業の受託金返還請求事件と申し上げておりますが、緊急雇用創出事業の補助金がもらえるという前提で受託を受けた事業者が、その資格を満たさなかったということで、受託金を東京都へ返還するということがございまして、その損失分、また契約の違約金について事業者に対して請求をしたものでございます。

○此島澄子委員  あわせて、区の損失は幾らになるのでしょうか。

○鈴木総務課長  今回の和解の議案をお認めいただいたと仮定いたしますと、調停に対しての欠損額が4,900万余となります。

○此島澄子委員  莫大な金額でございますけれども、そのほかに、この問題の解明に向けて多くの労力が費やされたことと思います。この不祥事について、議会に最初は平成25年1月15日にありまして、ホームページに翌日16日にアップされたわけでございますけれども、この委託契約における労働関係法令遵守の手続、これを受けて、公明党は前から、やはり区職員だけの調査ではなかなか限界があるからということで、社会保険労務士による調査を要望していたわけでございますが、このような形で今回もされたと思いますけれど、具体的なその取り組みについてお伺いします。

○秋山契約課長  まず、この事件を受けまして、平成24年度中に委託契約における労働関係法令遵守の確認等に関する要綱を定めました。平成25年度の委託契約の一部になりますけれども、労働関係法令の遵守に関する報告書、契約のときに報告書を出してもらっています。具体的には、例えば労働者名簿、賃金台帳等を整備しているか、はい、いいえをチェックする内容ですけれども、そういったものを出してもらえるようにしておりました。ただ、それを出していただくだけではやはり実効性というのはなかなか確保することが難しかったので、この機会に、社会保険労務士を活用しまして、実際に事業者の中に入っていって調査をして実効性を高めるとしているものであります。

○此島澄子委員  議会に報告がありましたときに、平成21年から平成23年までの3年間にこの緊急雇用創出事業が134もあって、これらすべてを再点検することになって、そうした報告もあわせて報告するということで時間もたくさんかかったと思いますけれども、そういう中で、区は適切な調査をして解明したという説明責任と告知義務があると思います。今後、ホームページへのアップも含めて、今後、区民への対応はどのようにされる方向なのか、お伺いします。

○永田総務部長  この事件に関しましては、最終日に職員の処分等も議会に御報告すると申し上げております。その辺がすべて終わりまして、本会議で和解の議決をいただいた時点で、ホームページ等でこの事件について区民に御報告をしたいという考えてございます。

○此島澄子委員  職員への処分がまだこれからみたいですが、総務委員会で聞いたんですけれども、もう終わったんですか。

○金子人事課長(人材育成担当課長)  まだ終わってございません。事実関係の調査等は終わっております。総務委員会での審議等も、委員の皆様からも、どういう形で区民の声が反映されているかもはっきりと踏まえさせていただきまして、それも踏まえて懲戒分限の審査委員会がございまして、そちらで審査の上、処分を決定するという運びになっております。で、先ほど永田総務部長が申したとおりでございますけれども、最終日に改めまして議員協議会で報告させていただきたいと思っております。

○此島澄子委員  最終日に間に合うようにということだから、その間に審査委員会もあるということですね。この事業は、仕事につけない人のために、国も緊急雇用対策として失業者を緊急的に雇用する目的の事業でございました。その基本的な手続となるハローワークを通じて仕事を求めている人という、そういった証明を取りつけるということが、区の行うべき最初の条件だったと思うんですけれども、そのチェック体制の甘さを知った区民からは、本当に信じられない手続状態だ、そういったあきれたというお声も拝聴したわけでございますけれども、ここでもってその手続を挙げていったら切りがないので、ここでは申し上げませんけれども、この株式会社辰巳という受託者の適格性を考えたときに、他区でも停止処分を受けていたという話もあった中で、2、3年前ぐらい前にも株式会社辰巳の業務実態について告発があったときに、区も調査した経緯があったけれども、その際の結果報告は、告発内容は全く当たらない、問題ないという報告があったとお聞きしました。

 区民からすれば、これだけ長期にわたって区からの仕事を受注しているところを見ますと、この受注者がもともと豊島区役所の職員で、豊島区労働組合の委員長ですか、幹部ですか。労働組合といっても2つあるわけですけれども、どういう関係かはともかくも、区が適切な対応をせずに済ましたのではないかと、そのように区民としては疑ってしまうということなんですね。そのかかわり合いに不信感が持たれても仕方がないと思うんですけれども、その部分ではどのように区としては受けとめられていますでしょうか。

○水島副区長  御指摘ございましたように、内部告発があったときに、もう少し切り口を変えるというか、視点を変えて、突っ込んでおけばよかったと実は思っております。内部告発がありましたときには、かなり詳細にわたりまして指摘があったのですが、それを読んでみますと、つまり、仕事をやっていない、定められた人数でやっていないという書きっぷりだったんです。ですからやっていないことはない。やっているかやっていないかの確認ばっかりだったんです。

 実はそれが緊急雇用創出事業を財源としました事業ということで、そういう見方で見ていれば、つまり、実際に失業者を雇っていることでやっているのかどうか、そこのところの突っ込みが実は全然なされていなかった。ですから、契約どおり仕事をやっています、それを事業者にも確認して、それで終わってしまったんですね。そこのところは、非常に今考えると残念でした。もう少しきちっとそこのところをやっておけば、あの時点でまた別な対応ができたのではないかと思っております。深く反省しております。

 ただ、組合の職員であった、あるいは豊島区の職員であったから手加減をしたのではないかとおっしゃっていると思いませんけれども、それは決してございません。それだけははっきりと申し上げたいと思います。

○此島澄子委員  区民の中には、そう受け取っている方もおられるわけですけれども、とにかく、失業者を救うという目的の国民の大切な税金が適正に活用されないで、一企業の食い物にされるということは、本当に許せないと思います。