2019H31年予算① 総括質疑 高橋議員 3/1
行財政改革で健全化!子どもから高齢者まで優しいまちづく
○高橋佳代子委員 皆様、おはようございます。公明党の高橋佳代子でございます。
今回、私どもの予算委員といたしましては、木下委員、辻委員、また、根岸副議長、そして、私、高橋の4名で臨んでまいりますので、高野区長を初め、理事者の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、竹下委員長、村上副委員長におかれましては、9日間の長丁場でございまして、大変お世話になりますが、よろしくお願い申し上げます。
それでは、質疑に入りたいと思います。
平成31年度予算案につきましては、先日の辻幹事長の一般質問でも取り上げさせていただいたところであります。本日は、平成31年度当初予算案にかかわる総括質疑に加えて、今後5年間の予算の大枠についてもお伺いしたいと思ってございます。
平成31年度当初予算案については、1年前にお示しいただいた財政見通しでは、一般会計1,423億円と見込まれておりましたけれども、最終的には1,498億円となりました。まず、この差について、どういう理由によるものであるかということをお尋ねしたいと思います。
○三沢財政課長 まず、歳入から御説明申し上げます。区民税につきましては、これまで歳入をなるべくかたく見積もるようなことを心がけていたことから、当初予算を編成する際は、大体前年度に比べて2億から3億円ずつを上乗せするという推移を考えておりましたが、今回は、過去5年間の実績を改めて検査し直しましたところ、7億円近く伸びているという実績があることから、実績に近い見込みとしてふやしたものでございます。また、特別区財政調整交付金につきましても、区民税同様、伸びを低く抑えて見込むという習性が身についていたところでございますが、こちらにつきましても非常に堅調に推移している法人住民税、こちらの実績をもとに、直近の数字で将来の見通しを修正をかけたことによりまして、歳入が大きく伸びているという状況にございます。
一方で、歳出でございますが、まず、人件費につきましては、2020年度から、再来年度から始まります会計年度任用職員の導入による増、これは大体7.6億円を新たに見込んでおります歳出の増です。また、扶助費につきましては、この数年間、私立保育所等の誘致実績、積極的にやってきましたが、若干右肩上がりのラインが、勾配が低くなる傾向にございます。そうしたことから、一本調子で伸ばし続けるのではなくて、直近の実績に基づきまして、扶助費の伸びもこれに沿うような形で修正をかけております。
なお、投資的経費につきましては、学校の体育館の空調整備、体育館のトイレ整備、総合体育場の管理棟の建てかえといいました1年前には計上していなかったような投資事業につきましても、しっかり見込んでおります。そうしたことから、歳出がふえて、歳入とイコールフッティングになった結果、数字が大きくなったと考えてございます。
○高橋佳代子委員 当初見込んでいなかったようなものもいろんな需要もふえていて、そういったものも見込まれているというようなことも理解をいたしました。
続いて、先ほどから出ています貯金と借金のバランス、これも1年前にお示しいただいた財政見通しでは、平成31年度末の貯金に当たる基金残高が297億円、借金に当たる起債残高は433億円、その差、136億円のマイナスということで見込まれておりました。これが、今回の新しい財政見通しである予算の大枠では貯金、借金ともに大きく変動して、51億円のマイナスの見込みということになっておりますが、見通しについて、少々甘かったのか、1年でこれほどまでに大きく変動した理由について、まずお聞かせください。
○三沢財政課長 御指摘、申しわけございません。確かに見通しが甘かったというか、緩く見ていたような、前段申し上げましたような内容で、緩くなっていたものがバランスの差としてあらわれたものと考えております。
今回のこれほど大きく数字が変わった理由について御説明いたしますと、まず、貯金でございます。1年前の見通しでは、今年度末の基金残高は374億と見込んでおりましたが、最終的には441億円になる見込みでございます。
なお、この貯金につきましては、将来の財政需要を改めて今回見定めまして、30年度の一般会計4号補正におきまして必要な額を財調基金からそれぞれの特定目的基金への組みかえなども行わせていただきました。
また、借金でございます。1年前の見通しでは、平成30年度末の起債残高は310億円と見込んでおりましたが、最終的にはこれをはるかに下回る274億円になる見込みです。また、あわせまして、借金に当たるこの起債につきましては、利息が伴うこともありますので、将来の財政需要、運営を鑑みて、今回、新ホールに充当予定だった起債を取りやめるといったような見直しも行っております。
こういったことによりまして、1年前に297億円だった31年度末の基金残高は327億円とふえ、一方で、433億円だった起債残高は378億円まで圧縮を図ることが可能になり、その結果として、貯金と借金のバランスの差額が1年前、136億のマイナスと見込んでいたものが、51億のマイナスまで改善することができたものでございます。
○高橋佳代子委員 今後、ますますこの少子高齢社会が進展をいたしますし、行政が担うべき役割というのは、今後も拡大するということが予想されます。一方で、大都市を狙い撃ちした不合理な税制改正、経済のグローバル化、区の歳入動向は、ますます見通しが難しいというか、不透明感を増すというような状況にあるかと思います。こうした状況下で、なるべく早期に貯金と借金のバランスを改善して、4年後にはプラスに転じるという方向性については理解をできますが、その実現の可能性についてはいかがでしょうか。先ほども申し上げましたとおり、1年でも、かなりの差が出たこともあります。4年後にプラスにできるという、その根拠について、具体的数字でお聞かせください。
○三沢財政課長 まず、貯金に当たります基金でございますけれども、一般会計におきまして、現在、15基金がございます。これにつきましても、予算の大枠の見直しに伴いまして、全ての基金計画を改めて精査し直しました。また、財調基金につきましては、例年、前年度の決算剰余金をこれまで全額財調基金に積み立てておりましたが、予算上、20億円と見込んでおりましたが、直近5カ年の決算剰余金の平均額が25.4億円であることから、今回の予算の大枠では、20億から25億円と、毎年5億円ずつ積立額を増すような形をとってございます。
一方で、借金に当たります起債でございますが、まず一番最初に、平成30年度の発債予定額、あと31年度の起債予算額を、いずれも修正を行いました。無理のない範囲での修正を行ったものです。また、2020年度以降の起債につきましても、昨年、1年前にお示ししていた各年度の発債額ですが、先ほど御説明いたしましたとおり、この数年間、発債率が予算に対して6割程度しか発債してないという実績がございましたので、これに基づいて、発債の予算額も6割程度に見直したものでございます。こうしたことによりまして、基金残高がふえ、一方で、借金残高の減を図ることができたというものでございます。
今、机上でこう申し上げますと、本当にできるんだろうか、実現可能性はあるのかというふうな御質問になるだろうと思うんですけども、これらは全て直近の実績に基づいて出しておりますことから、決して架空の数字ではなく、今であれば、実現は十分可能性はあるという形で考えております。ただ、今後、経済が大きく変わるようなことがありましたら、その都度、最新の情報に修正をかけてまいりたいと考えております。
○高橋佳代子委員 その件については、今の状況の中では理解をいたしました。
1点、ちょっと話が変わりますけれども、私ども公明党といたしましては、幼児教育の無償化について、確認をしていきたいと思っております。公明党は、2006年に発表した少子社会トータルプランで幼児教育の無償化を掲げて、ひとり親世帯や多子世帯を中心に、財源を見つけながら、段階的に対象を拡大してまいりました。いよいよ10月から消費税率の引き上げによる増収分を活用して、3歳から5歳児を対象に、幼児教育・保育の無償化が実現をいたします。今回の無償化は、小学校、中学校9年間の普通教育無償化以来、70年ぶりの拡大というふうになります。さきのほかの議員の一般質問の答弁の中に、区の影響額は年間約3億円ということでありました。平成31年度は国が負担するということであり、この3億円は実質的には2020年度から予算にかかわってくるものであります。しかしながら、システム構築や事務手続等、あらかじめ必要なこともございまして、加えて、東京都独自で対象拡大をするというふうになっております。より事務が煩雑になるということは予想されます。子育て世帯にとっては、大きな期待のある事業でございます。この幼児教育の無償化が円滑に導入をされるためには、行政の役割が非常に重要でございます。このタイムスケジュールも含めて、区のお考えを確認しておきたいというふうに思います。
○田邉保育課長 幼児教育の無償化につきましては、ことしの10月から実施ということでございます。国のほうでは、ようやく昨年末に具体的な方針が示されているところでございます。法案も、ことしの2月に出されたところでございます。まだ決定してない段階でありますけども、10月の実施ということであると、第2回定例会には予算措置、条例改正等を行っていかなければならないと考えてございます。
○高橋佳代子委員 今、国の流れが非常に遅いので、区としては、ちょっとやきもきしているような状態だというふうに思いますけれども、スムーズにいくように、しっかり対応をお願いしたいというふうに思います。
前半の予算の大枠の質疑に戻りますけれども、今回、示された予算の大枠については、直近の実績に基づいて、先ほど、見通しをしたものであるという御説明をいただきました。ただ、貯金と借金のバランスの改善を図るばかりに、ほかの行政需要に影響を及ぼすことになることは、区民サービスの低下につながることになります。また、借金、すなわち起債を抑制するために、貯金である基金を取り崩し、いざというときには基金が枯渇しているような、そういう事態になるということも考えられるわけです。この先、予算編成と財政運営について、どのようにバランスをとっていかれるのか、改めて高野区長のお考えを伺いたいと思います。
○高野区長 ただいまは、特に借金と貯金のバランス等々について、さまざまな分野で財政運営についての御指摘をいただきました。5年前、消滅可能性都市と指摘された、これは区政の大きな転換期を迎えたと思っておりまして、5年たった今、持続発展都市へ大きな転換ができたのではないかと思っております。この間、東アジア文化都市の開催、あるいは国際アート・カルチャー都市を、将来の都市像として目指して、魅力あるまちをつくる。さらには、女性に優しいまちというようなまちづくりというような形の中で、子ども、あるいは働く女性を応援するための人に対しての投資もさまざまな分野で力を入れてまいったわけでありまして、このような魅力あるまちづくりを進めるための私は計画的、まさに投資ではないかと思っております。御指摘のように、こういう取り組みも大変重要である反面、まさに区民生活、これらに直結した対策もしっかり取り組むようにという御指摘でございます。
昨年の10月に、私は、平成31年度の予算編成に係る依命通達をいたしました。その中で、子育て、福祉、あるいは教育、防災といった区民生活を支えるさまざまな施策の充実を図って、引き続き財政の健全化を維持するということを全職員に周知徹底をいたしたことでございまして、あらゆる施策を俯瞰して、特定の行政需要にしわ寄せが及ばないようにしていかなければいけないと思っているわけでありまして、これまでどおりバランスのとれた行財政運営を進めてまいりたいと思っております。
そして、財政調整基金の残高の御指摘等々も踏まえながら、今回の新たな予算大枠にもお示ししておりますとおり、いざというときの備えとして、一定額の残高を確保していると思っているわけであります。昨年定めましたオルタナティブルールの中でも、特に標準財政規模の2割以上、これを目標としておりますことから、この財政規律に沿った運用を今後も徹底して、しっかりとこれらについて区政を進めてまいりたい。今回、31年度の予算編成、いろいろな御指摘を頂戴しながら、今おっしゃるように、財政のバランスをしっかり図っていかなければいけない。これは全ての基本だと思っておりますので、お答えしたとおり、大変、今年度の31年度の予算というものが、集中的な投資、これが突出しているわけでありますけど、これは必ずや将来へ向けて豊島区の大きな大きな発展の基礎にも基本にもなるのではないかと思っておりますので、これらについて、今予算委員会でもさまざまな議論を交わしながら、この31年がまた新たな豊島区への、豊島区の道を、将来をつくり上げていくという気持ちを持って進めてまいりたいと思います。以上です。
○高橋佳代子委員 まとめたいと思います。
これまで非常に長きにわたって行財政改革の末に区財政の健全化をなし遂げられて、さらに子どもから高齢者まで誰にでも優しいまちづくりを目指して、これまで取り組んでこられました。新年度予算案も6年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない予算編成となっているということは、私どもも高く評価をさせていただきます。今後とも事業評価や執行方法の効率化など、不断の見直しを図るとともに、引き続き身の丈に合った財政運営に努められるよう強く要望いたしまして、私からの質疑を終わらせていただきます。