2019H31年予算 ⑧ 全部の補足質疑 高橋議員( 3月14日)
発達障害支援・オーダーメードの支援
○高橋佳代子委員 よろしくお願いいたします。
私からは、私のライフワークでもあります発達支援についてお伺いをしたいというふうに思います。
この発達支援は、児童虐待の防止にもつながるものというふうに思ってございますので、今、非常にこの発達支援が必要なお子さんを含め、大人もふえているような状況ございますので、よろしくお願いいたします。
区内には幾つも発達相談を受けている相談窓口が設置をされているんですけれども、その状況を順にお聞きしたいと思いますが、初めに西部子ども家庭支援センターの状況について伺います。
○時田子育て支援課長 西部子ども家庭支援センターにおける発達相談の件数でございます。
御案内のとおり、平成25年度の2,358件から平成29年度、4,573件と、約2倍に増加してございます。今年度も1月末現在でございますが4,144件と、昨年の同時期と比べて795件増加し、過去最多を更新する見込みでございます。
○高橋佳代子委員 ありがとうございます。
次に、教育センターについても多分、御相談あるかと思いますが、ちょっと状況について、お伺いします。
○鮫島教育センター所長 本教育センターの教育相談でも発達障害の御相談はたくさんあります。その割合としては、全体の大体33%が発達障害について、子育てについてのお悩みでございます。同様に、区立の幼稚園にもスクールカウンセラーを派遣しております。そこでの相談においても、半数が発達障害の御相談でございます。
○高橋佳代子委員 あと、区役所の中にでもあらゆる年齢層からの発達障害の相談を受ける窓口が設置をされました。そちらの状況について伺います。
○菊池障害福祉サービス担当課長 委員おっしゃいますとおり、昨年4月1日から本庁舎4階の障害福祉課内に新たに発達障害者の相談窓口を設置してございます。職員体制は3名ということでございますけれども、昨年4月から昨年12月末までの状況でございますが、相談実績といたしまして、相談者数は実数で101名、延べ数では、重なる部分ございますので234件、面接相談が55件、電話相談が83件、そういったような状況でございます。
○高橋佳代子委員 こういった多様な窓口が区内には存在して、それぞれの御相談を担っていただいているような状況でございます。早期発見、早期療育の有効性は、ここで申し上げることでもございませんけれども、やはり、いかに早く発見をして療育を行っていくかということが、その子たちの生涯にわたって、非常に重要なことになってくるというようなことであります。決算特別委員会でも西部子ども家庭支援センター、私ども区議団で視察させていただいて、個別のそういった療育のニーズに応え切れていないというような実態を指摘させていただきました。平成31年度予算では、子ども家庭支援ワーカーを3名、増員をしていただいて、専門相談、発達専門相談の拡充をするというふうに上げておりますけれども、そのことについて具体的にお伺いいたします。
○時田子育て支援課長 これまでも専門相談員ですとか、心理職員等を増員して対応してまいりましたけれども、やはりちょっと人的面からもニーズには十分対応し切れてないというところがございました。
来年度につきましても、今、委員のおっしゃるとおり、非常勤職員と作業療法士の回数増ということで対応してきますけれども、なかなか、これでもやはり、今度は施設の物理面からも、やはりなかなか対応できてないというようなところがございます。今年度、2月の下旬から3月の上旬にかけて、2階の一部の改修工事を行って、あと1階部分につきましても、可動式のパーティションを設置いたしまして、簡易な相談室を2室設ける予定で準備をしているところでございます。この簡易な相談室を設けることで、これは、まだ試算なんですけれども、新たに1カ月15ケースぐらいは相談に対応できるんではないかと見込んでございます。
○高橋佳代子委員 それでも、ちょっと対応し切れないような数かなというようなことは思います。一方で、大人の発達障害が今、いろんなところでも取り上げられているわけでございますけれども、大人になって発見される例というのは、比較的それまで社会でも比較的適応してきた部分もございますので、軽度な場合も多いかというふうに思います。しかしながら、子どものころからというような方も、ずっとこう大人になられて、大人になると、逆に二次障害を起こしていて、非常にそういう併発を起こしていて、非常によりちょっと高度な支援が必要な場合が出てくるんですけれども、そちらの場合の支援については区ではどのようにされているでしょうか。
○菊池障害福祉サービス担当課長 大人になってからの発達障害に関する御相談の幾つかの事例でございますけれども、今、委員おっしゃったとおり、例えば困っていらっしゃる内容としては、家にひきこもりをしてしまうですとか、あるいは仕事がうまくいかないですとか、ミスが多いとか、そういったようなことが相談の中でございました。そういった御相談を受けまして、私ども障害福祉のほうの窓口では、例えばですが、保健所ですとか、あるいは、成人の方ですと東京都の発達障害者の相談支援センター、あるいは民間の事業所などなどに、医療機関も含めまして、つないでいくといったようなことを行っております。
○高橋佳代子委員 大人になると比較的就労支援の色が濃くなるというふうに思います。ただ、しかしながら、ソーシャルスキルトレーニングが必要な場合、どちらかというと10代といいますか、子どものときは非常にそういった支援の種類があるんです。ただ大人になると、もう就労支援になってしまうので、比較的そういった特性に対するトレーニングというのはなくなってくるというような状況があります。しかしながら、そういったものがあれば、だんだんと就労支援に移行できるような方も中にはいらっしゃるので、ぜひ大人に対してもソーシャルスキルトレーニングが望まれるというふうに思うんですけれども、民間とかもありますけれども、そういった体制については、区はどのようにお考えでしょう。
○常松保健福祉部長 1つの方法として、今、4階にくらし・しごと相談支援センターがございまして、そこで今、委員おっしゃったように、どうしても就労支援に、まだ寄りがちでございますけれども、今、御意見のありましたような、さまざまな民間のところを御紹介するといったようなことも今後必要なのかなというふうに思っております。お子様、学生のころまで御自身が発達障害だと、あるいは保護者のほうも含めてお認めにならなかった方が、社会に出ていく中で、今、発達障害の概念も広がってきておりますので、そういったところで、そういう自覚をお持ちになって、新たな一歩を踏み出していきやすいような、そういう仕組みづくりを、ちょっとこれから模索してまいりたいというふうに存じます。
○高橋佳代子委員 ぜひよろしくお願いいたします。
先ほどこの発達相談、複数の窓口が区内に存在するというふうに取り上げさせていただきましたけれども、結局、この複数の窓口を調整し、さらに保健や福祉、教育、就労、医療機関等の多数の関係機関、こことしっかり連携を図って、個人のオーダーメードの支援をしていくということは、一言で言うとこうなんですけれど、本当大変な作業であるというふうに思います。なので、どこがその司令塔をやるのか、この制度をしっかり回していくのかということが、非常に重要なポイントなんです。年齢によって、窓口がまた変わっていく、しかし、支援はずっと生涯にわたって続いていくわけですね。そういったことで、どこが本区でいわゆる支援の、発達支援の司令塔を担っていくのかということについて、お伺いをしたいというふうに思います。
○高田子ども家庭部長 今、委員御指摘をいただきましたように、未就学児については子ども家庭部、それから、小・中学生になると教育センターと、大人になると福祉部門ということで、現在は、それぞれ連携はとっておりますけれども、なかなか区民の立場から見るとわかりづらいという点がございます。
そういう中で、小・中学生の6.5%の方、クラスに2人ぐらいは発達障害の可能性があるという報道もあるところでございます。そして、この発達障害があるゆえに育てづらい、これが虐待につながる、そういう悪循環が生じているという状況が、さまざまな児童養護施設や痴呆症の方々の視察のところに行って御意見を聞くと、そういう状況もよくわかっておりますので。
今、御指摘のとおり、西部子ども家庭支援センター、非常に老朽化をしておりまして、雨漏りをしたり、非常に壁紙が剥がれたりしておりますので、現在、子ども家庭部と、それから施設計画部門で何かいい建てかえの場所がないかということも検討しております。
その中で、未就学児から少なくとも18歳ぐらいまで、一貫した発達障害が、発達障害の方を保護者も含めて御相談を承れるような場所を、ぜひ将来的には検討していきたいということで、今、庁内検討しております。その中で、例えば高校生相当の方については、就労支援なども視野に入れて検討していければと思っておりますし、そういう総合的な発達障害の支援センターというものを福祉部と連携をしながら、ワンストップの窓口がつくれるように検討していきたいと思います。
ですから、司令塔はどこかと言われれば、当然、保健福祉部、子ども家庭部が中心となって、連携をしながら、そういう総合的な発達障害の方の御相談に乗れるような場所を全庁的に検討していきたいというふうに思っております。
○三田教育長 今、子ども家庭部長からもお話ありましたけれども、教育委員会も、その発達の段階の中での一つの大きなプロセスを踏んでいるということで、虐待等の問題についても、やはり連携が極めて重要だという認識に立っております。したがいまして、そうした全庁的な課題についてどうしていくのかということは大きな問題意識を持って、しっかりと区の大きな課題として今後、検討してまいりたいというふうに思っております。
○高橋佳代子委員 今、高田子ども家庭部長が御答弁をいただいたように、やはり西部子ども家庭支援センター、非常に老朽化しておりまして、今、先ほど課長も増員を、人の増員をしてくださるとおっしゃいましたけども、もう場所的に、相談件数を見たって、倍になっていますから、5年前に比べて、もうはっきり言ってパンクするような世界だと思います。十分にそういった、一人一人に対しての十分な療育が行われないと、やはり、そういった大人になってから、じゃあどうするのかとか、また、虐待等にもつながる可能性も出てくるということを考えますと、やはり、これはもう本当、喫緊の課題であるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
また、西部子ども家庭支援センターの位置が非常に端にあって、東の方からすると非常に通いにくいというようなこともあって、今後、位置についても、ぜひ御検討いただきたいということと、また、そういったセンター機能、ここに行けば相談できるという、それこそ先ほどおっしゃった福祉と就労もそうだし、さらには教育ともつながりながらしっかりと連携できる、そういった発達支援センター機能をしっかりと区内につくっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。