「誰もが安心して暮らし続けられる 魅力ある豊島に」
令和元年6月25日登壇 高橋佳代子
公明党の高橋佳代子でございます。
私は、公明党豊島区議団を代表して、「誰もが安心して暮らし続けられる 魅力ある豊島に」と題し、1.安全対策について 2.子ども・若者施策について 3.食品ロス削減について、4.住宅施策について 5.その他として、木造密集地域の不燃化事業についてと、受動喫煙防止対策について一般質問を行います。
4月に行われました豊島区議会議員選挙におきまして、区民の皆様から真心のご支援を賜り、5期目の当選を果たさせて頂きました。「大衆と共に」との公明党の立党精神を生命に刻み、より一層区民のため、豊島区の発展のために働いて参ります事をお誓い申し上げまして質問に入ります。
始めに1項目めとして「安全対策について」伺います。
去る4月19日、区内で発生しました自動車事故は、区民お2人の尊い生命を奪いました。心からご冥福をお祈り申し上げると共に、被害にあわれましたg皆様にお見舞い申し上げます。
先日、現場で実況見分が行われ、ブレーキとアクセルの踏み間違いの可能性も出てきたとの報道もありました。
選挙後、私たち公明党豊島区議団は、4月25日に高野区長宛てに、また26日には国土交通省に伺い、石井国土交通大臣あてに安全対策の緊急要望書を提出いたしました。区内のより一層の安全対策の強化と、高齢ドライバー等に向けての対策であります。
要望書にもあります通り、高齢ドライバー等の免許返納を促進していくために、あのような大きな事故が発生した本区として関係団体と連携し、独自の特典等を検討されるよう要望いたしますが、その後の検討状況をお聞かせ下さい。
特に高齢ドライバーや運転に自信のないドライバーの免許返納の促進や交通安全について、意識を高める取り組みや区としても相談等を実施されるよう要望いたしますが、お考えを伺います。
また、高齢者等が安心して歩いて暮らせるまちづくりを推進するため、今後運行予定のイケバスの高齢者向け割引を実施し、更なる路線拡大と、その他の高齢者等の移動支援についても、是非検討されるよう望みますが、お考えをお聞かせください。
6月11日の都議会公明党の代表質問に対し、小池都知事は「都として自動車の安全運転を確保するための緊急対策として、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐなど、事故の防止に効果的な装置の補助事業を実施することといたし、補助の受付開始後1年間は、高齢者の方に、より早急に対応していただくために、費用の1割程度の自己負担で装着できるように、今年度の予備費での対応も含めて、支援を行っていく」との答弁がありました。補助事業の開始時期や対象等はまだ未定ではありますが、私は事故が発生した豊島区がどこよりも率先してこの対策に取り組む必要があると考えます。東京都の補助事業開始と合わせて、区が残りの1割の補助を実施し、実質自己負担ゼロで設置必要な車全てに設置を推進し、事故防止に取り組まれるよう望みますが、いかがでしょうか。
次に、園外保育の安全対策について伺います。
5月8日、大津市で散歩途中の保育園児らの列に自動車が衝突し、園児ら16人が死傷する大きな事故が発生しました。私ども公明党豊島区議団は高野区長に対し「通園・園外保育の安全対策に関する要望書」を提出いたしました。
その後も6月13日に西宮市で17人の散歩中の園児の列に乗用車が衝突して2人のけが人が出るなど、全国的にも事故が続いている状況です。
そこで伺います。全保育施設における散歩ルートの安全確保のため、早急に安全総点検を実施されるよう要望致しましたが、結果はどのような状況であったのでしょうか。お聞かせください。
また、これまで小学校等の通学路については学校やPTA,警察署、区役所を含む会議体ができておりましたが、保育施設についてはありませんでした。散歩ルートの危険個所については、警察署等関係機関と連携をとり、安全対策に必要な整備を早急に進められるよう求めますが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。
さらに、私ども区議団は、区が主導し各園における園外保育マニュアル等の点検見直しを行い、マニュアルに沿った安全対策を求めておりますが、この点については招集挨拶の中で取り上げられておりましたが、今後の取り組みについてお聞かせください。
また、園児らの交通安全についての意識を高めるための交通安全教室を全保育施設で実施されるよう望みますが、お考えを伺います。
池袋での大事故以来、高齢者運転による事故が続いております。警察庁によりますと、75歳以上の高齢運転者は、この10年で2倍近くに増え、事故率も75歳未満の2倍以上になっています。高齢運転者の事故要因で、アクセルとブレーキの踏み間違いは75歳未満の8倍近くに達しております。区民の生命を守る安全対策は、国や警察署等の役割も重要でありますが、区民に一番身近な自治体としても、出来うることにしっかりと取り組んで頂くよう重ねてお願いいたします。
また、安全・安心のまちづくりのためには、まちの照度についても重要であります。区内の街路灯については、LED化が進んで参りました。しかしながら、町会の防犯灯については照度も低く、LED化をすれば区が助成している電気代が少なくて済むようになると考えます。以前、この問題を取り上げさせて頂きましたが、その後の検討状況についてお聞かせ下さい。
さらに、防犯カメラの保守・点検費用助成について伺います。町会によっては、設置より4年が経過し、保守・点検の時期を迎えております。東京都では、本年3月より保守点検の費用助成を始めており、本区においても併せて費用助成を実施するよう要望致します。ご見解をお聞かせください。
次に2項目めとして「子ども・若者支援施策について」伺います。
始めに幼児教育無償化についてであります。
幼児教育・保育を無償化する「子ども・子育て支援法改正案」が5月10日参議院本会議で賛成多数により成立しました。これは、公明党が長年取り上げてきた幼児教育無償化を実現するもので、小学校・中学校9年間の普通教育無償化以来、70年ぶりの大改革となるものです。しかしながら、副食費については無償後も自己負担となるがゆえに、現場での混乱は避けられないものと考えます。
私ども公明党豊島区議団は、5月17日にいち早く保護者負担の更なる軽減を求める要望書を提出し、公明党豊島総支部女性委員会としても1,663名の署名を高野区長に提出いたしました。自己負担となる副食費の公費助成に加え、幼稚園においても相当の保護者負担軽減に取り組まれるよう求めますが、区長のお考えをお聞かせください。
次に児童虐待防止対策の強化について伺います。
児童虐待対策が全国的に取り組まれている中で、最近でも、札幌市の2歳の娘をネグレクトで衰弱死に至らしめた事件や、静岡県富士市の1歳8か月の娘への暴行死。長岡では授乳で眠らないとして、生後3か月の長女を床に落として殺害するという痛ましい事件が連続して起こっております。
私ども公明党は、本年2月、体罰一掃に向けた法整備や民法の「懲戒権」のあり方の見直しなどを求める緊急提言を政府に申し入れ、多くの内容が改正案に反映されております。これらの児童虐待防止の強化に向けた改正児童福祉法等が、19日に参議院本会議において全会一致で可決、成立しました。児童相談所の体制強化も内容に含まれており、本区が設置予定の児童相談所の計画の中で、弁護士が常時指導助言できる体制や医師と保健師を配置する等、改正に伴い区の対応も必要になる事項が出てくると考えますが、いかがでしょうか。
また、体罰の禁止が明記され、保護者や児童福祉施設の施設長等による「しつけ」を理由にした体罰を禁止しております。明年4月の施行という事ですが、保護者への意識啓発をどのように行っていかれるのか、お考えを伺います。
また、児童虐待対策は、防止対策の推進が重要であります。子育て力を高め、身近な相談体制が充実している事。また、乳幼児健診の未受診者の現認や、子どもの権利の意識啓発等、総合的に推進していく事が必要であります。今後の取り組みについて、本区のご所見をお伺いします。
次に、子どもの貧困対策について伺います。
子どもの貧困対策に関する計画策定の努力義務を都道府県だけでなく、市町村に広げる事などを柱とする改正子どもの貧困対策推進法が6月12日の参議院本会議において全会一致で可決、成立いたしました。改正法は、法の目的や基本理念に子どもの権利の尊重を追加し、国の対策大綱で定める指標として「ひとり親世帯の貧困率」や「生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率」等が位置付けられました。今回の法改正では、市町村での対策計画の策定が努力義務となりましたが、これまで区内で実施されている子どもの貧困対策等をしっかりと取りまとめて計画として策定をし、事業内容も検証していく必要があると考えますが、本区のお考えをお聞かせください。
さらに、ひきこもりについて伺います。
内閣府は本年3月29日に、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40歳から64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表されました。7割以上が男性で、ひきこもり期間は7年以上が半数を占めております。また、15歳から39歳の推計54万1千人を上回り、ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になりました。高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めてであり、ひきこもりになった年齢は60歳から64歳が17%で最も多く、20歳から24歳も13%との結果が出ております。
ひきこもりの問題はこれまで議会で何度も取り上げて参りましたが、東京都の支援事業へ繋ぎ、区としての相談窓口を明確に設置するよう要望させて頂き、23区ではじめてとなるひきこもりや不登校、家庭内暴力等にお悩みの方々の相談窓口として「アシスとしま」が設置されました。このような問題には窓口で待っているだけではなく、アウトリーチを行う重要性も訴えさせて頂き、訪問相談も行われております。区内の相談と対応状況等についてお聞かせください。
これまでは、子ども・若者支援推進法により対象年齢はおよそ39歳とされてきましたが、内閣府の調査によりますと、高年層のひきこもりも大きな社会的問題である事が明らかになっております。このような高年層のひきこもりの方々に対し、区としてどのように支援されていくのかお考えを伺います。
ひきこもりの長期化、高齢化が浮き彫りになっておりますが、訪問相談から就労支援までの切れめのない相談・支援体制を確立する事が重要であります。和歌山県田辺市では、全国に先駆けて専門相談窓口を設置されました。「ひきこもり検討会」を設置し、官民で支援ネットワークを構築し、医療、福祉、教育、就労などの知識を持ちより、ひきこもりの段階に応じた適切な提案を行っております。実際に18年間ひきこもっていた方が就労に繋がった例もあるようですが、このような切れ目のない支援の取り組みについて、本区のお考えをお聞かせください。
次に3項目めとして食品ロス削減について伺います。
まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の削減については、これまで区議団としても先駆的に取り上げてきました。日本では年間643万トンの食品ロスが発生しており、日本人は1日あたりに換算すると毎日茶碗1杯分のご飯を捨てていることに相当します。また、スーパーやコンビニで、期間限定で販売する恵方巻やクリスマスケーキが大量に廃棄される事が社会問題にもなっています。一方で、国内では7人に1人の子どもが貧困と言われており、対策は急務であります。
このような食品ロス削減に取り組む「食品ロス削減推進法」が5月24日の参議院本会議において全会一致で可決、成立いたしました。同法は、政府や自治体、企業の責務や消費者の役割を定め、「国民運動」として問題解決に取り組むよう求めております。
私ども公明党は、食品ロス削減推進プロジェクトチームを立ち上げ、法案を作成するなど法整備をリードして参りました。法施行は半年以内としておりますが、食品ロス削減推進法は政府に対し、食品ロス削減推進の基本方針を定めることを義務付け、都道府県と市町村に削減推進計画を策定するよう努力義務を課しております。本区でもこれまで、私ども公明党区議団の提案で区民への意識啓発事業やフードドライブ等を実施して頂いてきましたが、食品ロス削減推進法成立に伴い、本区として今後どのように対応されていくのか、お考えを伺います。
フードドライブについては、清掃事務所で実施して頂いておりますが、実績が上がらないと伺っております。清掃事務所に区民が直接行かれる事は、少ないかと思われます。以前も提案しましたように、本庁舎内で実施をし、できれば東西の区民事務所でも実施する等、区民の目に触れる場所で実施し、意識啓発を行っていく事が大切であると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。
また、私が以前提案をいたしました「食べきり協力店」事業については、第一号として女子栄養大学の松柏軒が第1号として登録されたと伺いました。松柏軒の取り組みと、今後どのように「食べきり協力店」の登録を推進し、取り組んでいかれるのかをお伺いします。
さらに、食品ロス削減推進法では、食品ロス削減に関する理解を深めるため、毎年10月を食品ロス削減月間とする規定も盛り込まれておりますが、本区としての取り組みについて、お聞かせください。
先日のG20でも食品ロス削減については、各国で足並みを揃えて推進していくよう協議されました。区民の皆様が食品ロス削減について、理解と関心をさらに高めていけるよう、更なる取り組みを期待いたします。
次に4項目めとして、住宅施策について伺います。
新たな豊島区住宅マスタープランが3月に策定されました。私も住宅対策審議会の委員として携わって参りましたが、基本目標の柱の1つとして「住宅セーフティネット機能の充実による居住の安定」が掲げられた事は、非常に大きな意義があると考えております。住まいは生活の根幹である事から、私は住宅セーフティネット法が改正される前から、セーフティネット住宅について取り上げて参りましたが、本区ではセーフティネット住宅の登録数がなかなか伸びない状況にありました。6月の副都心特別委員会では、登録住宅数が伸びたとの報告がありましたが、そもそもこの住宅セーフティネット法は、住宅にお困りで、なかなか住宅を借りることが困難な住宅確保要配慮者を対象としており、空き家や空き室を活用して、このような方々の入居を促進するための制度であります。実態としてこのような方々が入居できる住宅はどのくらいあるのでしょうか。また、登録住宅数の促進について、今後どのように取り組まれていくのか、お伺います。
さらに、昨今は高齢者の住まいの確保がより困難になってきております。特に、本区は高齢者の独居率が23区で1番高い状況にあり、本腰を入れて対策を講じる必要があります。住宅マスタープランにも福祉施策との連携がうたわれており、区長の招集挨拶にもありましたが、以前、私どもが提案した京都市の居住支援協議会で実施されている見守り等のサービスをセットや、身寄りのない方が亡くなった時の家財道具を処分するための保険加入等、高齢者等に家主が貸しやすくするための方策を早急に検討すべきであると考えます。今後の取り組みについて、伺います。
また、安心住まいについては、区内の取り壊しや立ち退きの問題も増えており、ご相談が増えている状況にあります。しかしながら、安心住まいの借り上げ住宅については区内に偏在しており、住まいの環境の変化が大きな負担になる高齢者には、過度な負担になる事もあり改善が求められます。今後の安心住まい事業についてのお考えを伺います。
最後のその他として、「木造密集地域の不燃化事業」と「受動喫煙防止対策について」伺います。
はじめに、木造密集地域の不燃化事業についてうかがいます。東京都は、市街地の延焼を遮断し、避難や救援活動の空間ともなる、都市計画道路を特定整備路線に指定し、関係権利者に対して生活再建等のための特別な支援を行い、不燃化10年プロジェクトとして平成32年度までの整備を目標に事業を進めています。豊島区内では、5路線7区間が特定整備路線に指定されそれぞれの地域で進められています。また、豊島区としても、木造密集地域の危険な街を安全安心の街とする絶好のチャンスとして、不燃化プロジェクトに加えて、地域住民の皆さんと木密解消の安全街づくりの勉強会等を進めています。
そこでうかがいます、まず、東京都が進める5路線7区間の進捗状況と主な課題についてお聞かせください。
今定例会の高野区長の招集挨拶では長崎地域の街づくりについて、補助172号線整備に加えてUR都市機構との間で協定を締結して広場空間確保等防災性の向上をより強力に推進していく新たな共同化の掘り起こし等の支援を行っていくと言及されています。
補助172号線及び駅周辺整備の現状認識と新たな取り組みについてどのような内容なのか概要をお示しください。更に、共同化に向けた制度が一般の区民には非常に分かりづらく、高齢の地権者が判断するには時間と労力を要します。関係住民への制度理解についてどのように取り組んでいかれるのかお示しください。いずれにしても、本区の特徴である木造住宅密集地域の不燃化は街づくりの最重要課題であり、その中でも西武池袋線椎名町駅北口、東長崎駅北口地域の皆様にとっても燃えない街づくりは長年の悲願でもあります。豊島区としても安全の街づくりにしっかりバックアップしていただけますようお願いするものであります。
最後に、受動喫煙防止対策について伺います。
2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日より全面施行されます。本法律により、事業者だけではなく国民の皆様におかれても、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、マナ―からルールへと変わる事になります。
私も1期目の時代から歩行喫煙の防止等を訴え、池袋駅周辺に指定喫煙所の設置を提案して参りました。当時は歩行喫煙を防止する事が優先され、受動喫煙という点はまだ弱かったと認識しております。
私の所に、グリーン大通りにある私立学校の保護者から陳情がございました。内容は、通学する途中、お子さんが信号待ち等でタバコの匂いに悩まされているとの事でした。特に池袋東口五差路にある2か所の喫煙所は、通学時間帯は通勤前の一服のために多くの方々が喫煙をされており、囲いがあるものの煙の量は囲いを超え、風向き等で学生達を煙が直撃しているとの事で、気分を悪くされている学生もいるとのお訴えでありました。この五差路の指定喫煙所は、駅前の通りの中州にある大型の喫煙所が設置される前に設置されてものであります。しかしながら、グリーン大通りを挟んで両側の歩道にあり、学生の皆さんはいずれも喫煙所の横を通らねばなりません。厚生労働省の受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会の報告書では、「今後の受動喫煙防止対策は、基本的な方向として、多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである。特に子どもが利用する学校や医療機関などの施設をはじめ、屋外であっても、公園、遊園地や通学路などの空間においては、子どもたちへの受動喫煙の被害を防止する措置を講ずる事が求められる。そのためには、国や地方公共団体はもちろんのこと、様々な分野の者や団体が取り組みに参画し、努力する必要がある。」とあります。池袋駅東口五差路はまさに通学路でもあり、学生たちの受動喫煙防止対策を考えれば、いずれか1つの喫煙所を廃止し、喫煙所の横を通らなくても学校へ登校できる通学路の確保に努めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
以上で、私の一般質問を終了いたします。ご清聴、ありがとうございました。
高橋佳代子議員 一般質問の答弁
【高野区長答弁】
ただいまの、高橋佳代子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。
先般、公明党豊島区議団の皆さまから園外保育の安全対策に関する要望書をいただきました。要望書の趣旨をしっかりと受け止め、安全安心な保育活動が行えるよう対策に万全を期して参ります。
安全対策についてのご質問のうち、まず、高齢ドライバー等の免許返納を促進するための区独自の特典等の検討状況についてのご質問にお答えいたします。
衝撃的な交通事故が発生した本区といたしましては、免許証の自主返納を促進するために、免許返納のきっかけになるような特典は大変重要であり、緊急かつ速やかに実施する必要があると認識しております。
自主返納した高齢者への区独自の特典につきましては、他自治体でも、交通系ICカードやバス回数券、タクシー券などの交付を行っている事例があります。本区におきましても早急に準備に取り掛かり、区民の免許返納後の移動を支援する観点から区独自の特典を提供してまいります。
また、警視庁は、免許を自主返納して運転経歴証明書を提示した高齢者が受けられる各種特典をホームページに掲載しておりますので、区のホームページや広報を通して運転経歴証明書のメリットを広く周知してまいります。
次に、免許返納の促進や交通安全に関しての意識を高める取り組みと相談等の実施についてのご質問にお答えいたします。
区はこれまでも、区民ひろばで実施している、高齢者と子育て世代の親を対象とした交通安全研修会などにおいて、免許返納の促進や交通安全についての啓発を行ってきました。
現在、警視庁では「運転適性相談窓口」を設けて自主返納等についての相談に応じていますが、運転免許センターまで出向く必要があり、手軽であるとは言えません。そこで、より身近な区役所等に、自主返納制度の仕組みや、公的な身分証明書となる運転経歴証明書とその特典に関する区民の皆さんからの質問等に対応できる簡易的な案内窓口を設けることができれば、免許返納の促進に効果的であると考えますので、その設置を検討してまいります。
また、警察と連携して、イベントにおける臨時の運転適性相談窓口の設置やチラシの配布など、様々な機会を捉えて、積極的に区民の皆様への意識啓発を行ってまいります。
次に、イケバスの高齢者向け割引の実施と更なる路線拡大及びその他の高齢者等の移動支援の検討についてのご質問にお答えいたします。
11月に運行開始を予定しているイケバスは、地理に不慣れな観光客や高齢者など交通弱者が安心して移動できる新たなサービスとして、4つの公園を基本として回遊する、乗り合いバスとして導入するものです。その上で、区民の皆さんの移動手段としても多くの方々に利用されることは、この事業が区民の皆さんに長く愛されるために大変重要な要素であると考えております。現在、11月の運行開始に向けて、認可申請に必要な運行ルート、間隔、料金についての検討が最終段階に来ております。今回のご提案を踏まえ、区民利用、特に区内高齢者の利用料金につきまして、料金の収受方法を含め運行事業者であるウィラー株式会社と協議し認可申請へと進めてまいります。
路線の拡大につきましては、本年11月の運行開始後、評価委員会を設置し、事業評価を実施してまいりますので、その結果を勘案しながら検討してまいります。
また、交通安全対策という視点からも、造幣局跡地に整備する「キッズパーク」へ区内幼稚園、保育園の園児の皆さんを安全に、楽しくこの真っ赤な電気バスで送り迎えする計画も考えております。
その他高齢者の移動手段につきましては、現在、東京都の事業としてシルバーパス事業がございますが、高齢者の免許返納を促す施策という観点から、国や東京都の動きを注視しつつ、他自治体の取り組みについても情報収集を行い、区民の安全を一番に考えて検討してまいります。
次に、事故防止に効果的な装置への都の補助事業に合わせた区の補助についてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のように東京都が進めている緊急対策の1つとして、高齢者が自動車に事故防止に効果的な装置を設置することは、交通事故の減少につながるものと評価しており、都と一体となって本装置の普及を積極的に図っていきたいと考えております。
東京都は、装着費用の10分の9を補助することを示しており、区としましては東京都の補助と連携し、区民の自己負担分10分の1、残りの10%について、区からの補助を行うよう準備を進めてまいります。
次に、全保育施設における散歩ルートの安全点検の実施結果についてのご質問にお答えいたします。
区では、5月10日に公立保育所、5月14日に私立保育所へ注意喚起を行うとともに、園外での活動の際に留意するマニュアルの再確認及び移動経路の点検と報告を支持いたしました。
全ての保育所で経路の点検が行われ、約120の危険な箇所の指摘がありました。
そのなかには、生活道路にも関わらず車の交通量の多い園舎周辺の道路や路上駐車など、交通安全上危険な箇所ばかりでなく、歩道に店舗の看板やごみの集積場所等の障害物があるため、それを避けるため子どもを乗せたバギーが車道を通らなければならないといった園外保育ならではの危険箇所がありました。
次に、散歩ルートの危険個所における安全対策に必要な整備の状況と今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
報告のあった危険箇所は、順次、区立園長経験のある職員が現場を確認し、引率の際の留意点や目的地での見守り体制など、園外保育活動全般に関し指導や助言を行っている状況です。
今後、全ての保育所の園外保育の移動経路や危険箇所を地図に落とし込み、警察等関係機関へ情報提供や改善等の申入れを行っていく予定です。
次に、園外保育マニュアル等の点検見直しについてのご質問にお答えいたします。
厚生労働省が定める保育所保育指針には、園外の活動については移動も含め安全に十分に配慮することが示されており、各保育所においてマニュアルを整備し、事故防止及び安全対策に取り組んでおります。
しかしながら、現在のマニュアルでは、目的地までの地図や危険な箇所を明記していないなど内容が十分でない例もあるため、現在、区立保育所のマニュアルを見直しているところです。これらが整い次第、私立保育所にも情報提供し、区内同一水準のマニュアルを整備してまいります。
また、今年度と来年度の指導検査では、安全対策を重点検査項目としており、2か年で全ての保育施設のマニュアルの内容を点検する予定です。
あわせて、抜き打ちの巡回訪問で、日々の園外保育がマニュアル通り適切に行われているかを確認のうえ、安全対策の徹底が図られるよう指導して参ります。
次に、全保育施設での交通安全教室の実施についてのご質問にお答えいたします。
現在も各保育所では日常的に様々な交通安全教育を行っており、例えば、区立高松第二保育園では、毎年3月に年長児を対象に就学前の交通安全指導を警察に依頼して実施しています。その際には近隣の保育所にも声をかけ、参加を募っております。
今後は、各地域で区立保育所を中心とした同様の交通安全教室の実施を検討するなど、少なくとも全ての就学前の年長児が教室に参加する機会を設けてまいります。
次に、町会の防犯灯のLED化への助成についてのご質問にお答えいたします。
町会の防犯灯につきましては私有地に634灯あり、町会の所有でありますが電気代の全額である約300万円は区が支出しております。
委員会でご指摘のとおり、LED化することにより電気料金が半額程度に抑えられることから、LED化にすることは電気代の減少や環境面からも有効であると考えております。
しかし、器具の所有者は町会であることから、受益者負担の考え方も検討しつつ、他区の状況を調査しながら検討してまいります。
次に、町会の防犯カメラの保守・点検費用助成についてのご質問にお答えいたします。
本区では、町会が設置した街頭防犯カメラのランニングコストのうち、電柱等の使用料については独自にその費用の全額を補助しております。他方、保守点検の費用については、街頭防犯カメラを新設した多くの町会がカメラ設置業者から無償保証を受けていることから、現在、費用の助成は行っていません。しかしながら、今後、無償保証の期間が終了する町会も出てまいりますので、各町会の実情等を踏まえながら、保守・点検費用の助成等の実施に向けて検討していきたいと思います。
次に、子ども・若者支援施策についてのご質問のうち、まず、幼児教育無償化における副食費の公費助成及び幼稚園における保護者負担軽減への取り組みについてのご質問にお答えいたします。
公明党豊島区議団からは、特にこの問題に対して強い要望書を提出いただきました。
ご指摘のとおり、幼児教育無償化が実施されても給食食材料費についての国の方針は、年収360万円未満相当の世帯のすべての子どもと全所得階層の第3子以降の子どもを除き、保護者の負担としております。
本区としては、子育て支援の観点から、保護者が「無償化」を実感できるよう保育所に通う園児の給食食材料費について、全額区の負担とすることといたしました。
一方、幼稚園は、区立と私立、認定こども園の支給認定区分の違いなどにより、給食やお弁当の実施方法、提供回数が利用施設ごとに取り扱いが異なるため、統一的な対応が難しい状況となっております。
しかしながら、幼児教育無償化の制度がすべての3歳から5歳を対象としているにもかかわらず、保育所と幼稚園が異なる対応を行うと不公平感が生じることとなります。
子育てしやすいまちナンバーワンを目指す本区としては、幼稚園におきましても保育所と同様に、保護者が「無償化」を実感できるよう保護者負担軽減について、早急に検討してまいります。
次に、区が設置予定の児童相談所の計画における児童福祉法等改正への対応についてのご質問にお答えいたします。
本区においても虐待対応件数が増加する中、児童の緊急保護に関わる保護者対応については、法的な対応を含め、躊躇なく子どもを安全に保護する職員体制が確保されていなければなりません。
そのため、児童相談所の運営において、弁護士の役割が極めて重要になることから、必要な指導・助言が常時行うことができる複数配置に向け検討を進めてまいります。
また、医師につきましても、緊急保護児童の医療的ケアが求められる場合もあることから、弁護士と同様に常時相談できる体制を確保するため、区内医療機関との連携も視野に入れながら、適正な人員配置を検討してまいります。
さらに、保健師につきましては、児童相談所において欠かせない医療連携をはじめ、乳児検診等を通じて、虐待の早期発見・早期対応等に関わる専門職として配置してまいります。
今後も国の動きや法改正に着目しながら、すべての子どもが生まれた場所で安心して成長できるよう、児童相談体制の充実を目指し、鋭意準備を進めてまいります。
子ども・若者支援施策についてのご質問のうち、まず、法改正により規定される体罰禁止に関する保護者への意識啓発についてのご質問にお答えいたします。
児童虐待相談の対応件数は、年々増加を続けており、児童への「しつけ」に名を借りた深刻な虐待事案も後を絶ちません。
先般、改正された児童虐待防止法において、「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」ことが明確に規定されたことを受け、区としても、保護者に対する意識啓発活動をこれまで以上に強化してまいります。
保健や福祉、子育てなど、各分野で実施しているイベントや講演会、講座をはじめ、広報やホームページ等の活用など、虐待防止に向けた普及啓発のあらゆる機会をとらえ、広く区民の皆様への周知と意識啓発に努めてまいります。
次に、児童虐待防止対策を総合的に推進するための今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
本区では、「子ども家庭支援センター」を中心に、関係行政機関や、病院、学校、警察、さらには「民生委員・児童委員」等で構成される「要保護児童対策地域協議会」のネットワークを構築し、虐待の未然防止に取り組んでまいりました。
今後も、これまで築いてきた庁内連携や地域連携の仕組みを一層、緊密かつ強固なものとすることで、虐待の早期発見・未然防止に努めてまいります。
ご指摘いただきました、国が実施している「居所不明児童 調査」における、乳幼児健診等の未受診児童につきましても、関係機関と連携し、目視による児童の安全確認を徹底いたします。
また、「児童の意見表明権を保障する仕組みの構築」についても、現在活動している、本区の「子どもの権利委員会」において、具体的な研究テーマとして取り上げてまいります。
次に、子どもの貧困対策等に関する計画の策定及び事業内容の検証についてのご質問にお答えします。
本区では、「子ども・若者計画」に基づき、生活困窮世帯やひとり親家庭等に向けて、子育て・教育・生活・就労に関する相談を行うとともに、経済的な自立支援から社会参加に至るまで、包括的な支援を行ってまいりました。
ご指摘のとおり、改正された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」では、「子どもの貧困対策計画」の策定が、区市町村の努力義務とされました。
豊島区においても、法改正を受けまして、今年度末に策定を予定している「仮称 子ども・若者総合計画」において、生活実態を踏まえた貧困対策を盛り込みつつ、一体的に策定したいと考えております。
また、一連の貧困対策事業につきましては、「子ども・若者総合計画」に基づく事業として、定期的に検証及び進捗管理を行い、成果やニーズの変化を勘案しつつ、貧困対策の充実に努めてまいります。
次に、「アシスとしま」における区内の相談と対応状況等についてのご質問にお答えいたします。
平成30年7月に開設した「アシスとしま」の相談対応状況ですが、平成30年度中の相談者数は99名、相談件数は延べ551件でございます。なお、相談者99名の年齢の内訳といたしましては、18歳未満が46名、18歳以上が53名となっています。
相談内容といたしましては、家庭内暴力を含む問題行動、就労、ひきこもり等の相談が多く、困難を抱えるご本人よりも、ご家族や、ご本人が利用されている施設の方からの相談が多い状況です。
相談は、非常勤職員である「子ども若者支援ワーカー」2名と委託事業者が、窓口での面談、電話、メール、さらには、ご自宅や利用されている施設等への訪問などの方法で対応しています。
また、相談の内容に応じ、「教育センター」、東・西の「子ども家庭支援センター」、「くらし・しごと相談支援センター」などと連携するとともに、必要に応じて、住所変更等の手続きや、ハローワーク、学校などへの同行支援も行っております。
次に、高年層のひきこもりの方々への支援についてのご質問にお答えいたします。
今年3月に国が発表した40歳から64歳までの引きこもり調査の結果は、大変ショッキングなものであり、本区においても、中高年層の引きこもり支援のあり方について、改めて検討を深める必要性を強く感じました。
内閣府の引きこもり調査における割合を本区の中高年人口にあてはめますと、約1,400人もの方が該当する可能性があることとなり、対応の必要性を改めて認識したところであります。
豊島区では、若年層の引きこもり支援については、先進的な取り組みを展開してまいりましたが、中高年層については、「高齢者総合相談センター」に近隣からの相談等があった場合や、ひきこもりの方のご家族からの相談で課題が顕在化した場合に、見守り支援員やCSWが支援するかたちにとどまっているのが現状です。
まずは、このような方々の実態を把握していくことが必要であり、たいへん難しいことではありますが、国や他自治体での実態把握方法を研究するとともに、「アシスとしま」で得た経験を踏まえ、様々な支援のあり方を検討してまいります。
次に、訪問相談から就労支援までの切れ目のない取り組みに対する見解についてのご質問にお答えいたします。
ご提案いただきました、「年齢制限がない専門相談窓口の設置」や、「段階に応じた適切な提案による切れ目のない支援」については、たいへん効果的な取り組みであると考えております。
本区においても、民生委員・児童委員や青少年育成委員、保護司、高齢者総合相談センターなどの関係機関、さらにはNPOなどの地域活動団体やCSWとの連携を深めることで、包括的な相談支援体制を構築してまいります。ご指摘いただいたような、切れ目のない支援になるよう努力してまいります。
食品ロス削減についてのご質問のうち、まず、食品ロス削減推進法成立に伴う今後の対応についてのご質問にお答えいたします。
法の前文にあるとおり、国、地方公共団体、事業者、消費者等の多様な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進していくことが重要であります。
区は、区民の皆様や事業者等が食品ロスの削減について理解と関心を深め、それぞれの立場からの取組みを促進するため、区民向け講座、リーフレット、ホームページ等を充実させ、あらゆる機会を捉えて普及啓発をさらに推進してまいります。
また、食品ロス削減推進計画につきましては、今後策定される政府の基本方針を踏まえ、他の市区町村に先駆けて策定できるよう準備してまいります。
次に、フードドライブを本庁舎内や東西区民事務所など区民の目に触れる場所で実施し、意識啓発を行っていくことについてのご質問にお答えいたします。
昨年12月1日より、豊島清掃事務所内にフードドライブ常設窓口を設置いたしました。これに加えて、区民の皆様がより提供しやすいよう、本庁舎6階の環境清掃部に8月までに窓口を設置できるよう準備を進めております。さらに、本庁舎での実施状況を踏まえ、東西区民事務所を含めてより便利な場所での設置についても検討してまいります。
次に、女子栄養大学の松柏軒(しょうはくけん)における「食べきり協力店」の取り組み状況及び今後の登録推進についてのご質問にお答えいたします。
松柏軒(しょうはくけん)では、区が作成したポスターやステッカー等を掲示し、食べ残し削減の呼びかけを積極的に実践いただいております。また、松柏軒(しょうはくけん)以外の学内の食堂においても同様にポスターやステッカー等を掲示いただくなど、学内全体に幅広く呼び掛けていただいております。
今後は、商店街や百貨店、他の大学などに「食べきり協力店」への登録を働きかけていくとともに、保健所とも連携して、食品衛生講習会等の機会を捉えて呼びかけるなど、さらに登録店を増やしてまいります。
次に、食品ロス削減月間の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
昨年8月、食品ロスをテーマにした区民の集いを初めて開催し、多くの区民の皆様に食品ロスの現状及び削減の重要性についてご理解いただけたと考えております。今後は、区民の集いを10月に開催してまいります。あわせて、10月に行われる他のイベントにおいてもフードドライブを実施するなど、食品ロス削減月間である10月を、多くの区民の皆様に対し、幅広い機会を捉えて、食品ロス削減についての理解を深める契機にしてまいりたいと考えております。
次に、住宅施策についてのご質問のうち、まず、住宅確保要配慮者が入居できる住宅の実態及び登録住宅数の促進に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。
区内のセーフティネット住宅の登録戸数は、制度開始以来「ゼロ」という状況でありましたが、本年2月に1戸、6月に68戸の登録がなされ、現在、69戸となっております。しかしながら、その物件の多くは、家賃水準が高めとなっている実態があります。
今後は、入居しやすい家賃の住宅登録が進むよう、引き続き、地元の不動産団体との意見交換などを継続し、有効な方策の検討を行うとともに、国や東京都の補助制度のさらなる活用について検討してまいります。
次に、高齢者等に家主が貸しやすくするための今後の方策についてのご質問にお答えいたします。
本年3月に策定した「豊島区住宅マスタープラン」では、「住宅施策と福祉施策の連携による安心居住の推進」を新たな計画の「視点」に掲げ、重点的に取り組んでいくこととしております。
また、現在、区を挙げて取り組んでおります高齢社会への総合的な対策の中で、単身高齢者が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、居住支援法人のアイデアや、ご提案いただきました京都市居住支援協議会における見守りサービスなどの情報収集を行いながら、どのようなサービス提供が豊島区に適したものになるのか、スピード感を意識しながら検討を進めております。
今後は、夏頃までに、区として一定の方向をとりまとめ、専門家のご意見もお聞きした上で、できるだけ早い時期に高齢社会に対応した新たな対策を打ち出したいと考えております。
次に、今後の安心住まい提供事業についてのご質問にお答えいたします。
現在、安心住まい提供事業は、階段を上る必要がある2階などの住戸の空き室や、借上げている住戸の地域的な偏在などの課題があります。
今後は、このような課題を解消していくため、借上げ住戸数は維持しつつも、長期間空き室となっている住戸については、返還を選択肢として物件オーナーとの交渉を進めるとともに、地域的なバランスも十分に考慮しながら、新たに住戸を借り上げるなど、ニーズに対応した良質な住宅の確保を進めてまいります。
次に、木造密集地域の不燃化事業についてのご質問のうち、まず、特定整備路線5路線7区間の進捗状況と主な課題についてのご質問にお答えいたします。
特定整備路線の進捗状況は、平成31年3月末時点の用地買収率について見ますと、最も高い路線は、補助26号線千早区間の約70%、最も低い路線は、補助81号線巣鴨区間が約19%となっております。後段で取り上げる補助172号線は、約42%となっています。
課題といたしましては、特定整備路線の必要性について、さらにご理解を深めていただくことや補助172号線では沿道商店街の対策が挙げられると考えています。
次に、補助172号線及び駅周辺整備の現状認識と新たな取り組み概要についてのご質問にお答えいたします。
長崎地域は、駅周辺の共同化事業協議会等が活発に行われまちづくり機運が高まっている一方、補助172号線権利者の転居先確保や残地・代替地等の取得について課題があると考えています。そこで、区は、6月18日にUR都市機構と「木密エリア不燃化促進事業」の協定を締結いたしました。この新たな取り組みにより、用地取得の一層の促進を図り、効果的に木密地域の改善を展開してまいります。
今後、区・東京都・UR都市機構の3者による取り組みの相乗効果を発揮させ、区民の皆様のご期待に応えてまいります。
次に、共同化制度の関係住民への理解促進に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のとおり、共同化の制度は、都市計画の内容や権利変換の仕組みなどを含むものであり、分かりづらいところもあると認識しております。このような制度理解の促進につきましては、他地区の具体的な事例等を分かりやすくお示しすることやワークショップ・個別相談会を通じて、区民の皆様にご理解いただけるように努めています。
椎名町駅北口、東長崎駅北口地域をはじめ、区内に広がる木造密集地域におきまして、今後も、引き続き、燃えない、燃え広がらない街となるよう、地域の皆様と一体となって取り組んでまいります。
次に、受動喫煙対策についてのご質問のうち、池袋駅東口五差路にある喫煙所の1つを廃止し、喫煙所の横を通らない通学路を確保することについてのご質問にお答えいたします。
池袋駅東口五差路の喫煙所は、植栽のみで囲いがなかったことから、喫煙者と非喫煙者の分煙対策として日本たばこ産業株式会社が、整備後5年間使用することを条件にパネル型喫煙所を整備しております。
パネルの整備時期は、南池袋側が平成26年12月、同じく東池袋側が平成27年8月であり、いずれも、まだ5年が経過しておりません。また、池袋西口では、西口公園内の喫煙所廃止後のタバコのポイ捨てが増加しており、街の美化が損なわれております。このようなことから池袋駅五差路にある喫煙所を今すぐ廃止することは困難であると認識しております。
しかしながら、喫煙所利用状況を見てみると多くの喫煙者はルールを守り喫煙所内で喫煙していますが、一部の喫煙者が路上にはみ出して喫煙している状況が見受けられます。学生を含めた非喫煙者の方々に迷惑が掛からないようパトロールを強化し、適正に利用されるよう指導を行いマナーとルールの周知に努めてまいります。
また、喫煙所に対して様々なご意見があることは認識しております。東口の喫煙所のあり方について、東口五差路の喫煙所整備後5年を経過する来年度を目途に、受動喫煙対策の重要性を踏まえつつ、検討を行ってまいりたいと考えております。
以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。