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2020年第1回定例会高橋質問

「誰ひとり取り残さない 持続可能な豊島へ」

 

令和2年2月19日登壇

 私は公明党豊島区議団を代表致しまして「誰ひとり取り残さない 持続可能な豊島へ」と題し、1.SDGsの取り組みについて 2.福祉施策について 3.教育について 4.まちづくりについて 5.その他として高田地域の風水害対策について一般質問を行います。

はじめに1項目めとして「SDGsの取り組みについて」伺います。

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された「誰ひとり取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための2030年を年限とする17の国際目標の事であり、その下に「貧困状態にある全ての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる」等の169の具体的なターゲットと232の指標が定められております。

私ども公明党の外交部会とSDGs推進委員会は、2019年6月13日に政府に提言書を提出。政府はその提言書を踏まえ、2019年12月20日に気候変動問題に対して緊急性を持って取り組む方針を明記し、女性活躍などジェンダー平等についても、分野横断的課題として取り組みを進めるとしました。また、地方自治体は、SDGs達成へ向けた取り組みをさらに加速させるとともに、各地域の優良事例を国内外に一層積極的に発信、共有していくことが期待されており、今後はより多くの地方自治体において、更なるSDGsの浸透を目指し、多様なステークホルダーに対してアプローチすることが期待されます。

これまで自治体におけるSDGsは、2018年から約30の自治体を「SDGs未来都市」と選定し、そのうちの10事業が「自治体SDGsモデル事業」として選ばれております。これまでは地方創生の原動力としての意味合いが強く、地方都市が圧倒的に多い傾向にありました。しかしながら、先日伺った内閣府の担当者からは、今後は都市ならではの取り組みが期待されるとのお話もありました。まさに、23区で唯一の消滅可能性都市と名指しされた「豊島区」こそが、誰ひとり取り残さない 持続可能なSDGsのモデルとして未来都市に名乗りを上げるべきであり、全国模範の取り組みができると確信いたしますが、いかがでしょうか。高野区長のご見解を伺います。

既に本区で実施している事業でも、十分に提案できるものであり、2020年度の提出締め切りは迫っておりますが、来年も事業が継続されると伺っておりますので、ぜひ積極的に取り組まれるよう強く要望致します。

また、令和3年度は基本計画の改定時期を迎えます。そのために、令和2年度は是非SDGsの17の目標に区の事業を当てはめて精査した上で、政策的に薄い部分は厚くする等、SDGsを基軸に基本計画策定に向けて取り組まれるよう求めますが、お考えを伺います。

SDGsと言っても、大切なのは「今、私ができる事」という意識啓発です。これまでに、区でも取り組んで頂いている食品ロスの問題については、毎日1人につきお茶碗1杯の食品を食べられるのに棄ててしまっているという事が、世界規模で大きな問題になっています。また、日本は世界第3位の廃プラスチックの輸出大国であり、2017年は143万トンの廃プラスチックを輸出しています。2017年までは、日本の廃プラスチックの主な輸出先は中国であり、年間輸出量の半分を輸出していましたが、中国が2017年末から主に生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止すると、日本の廃プラスチックは東南アジアや台湾へ輸出されるようになりましたが、これらの国・地域も次々に輸入規制を導入しているため、日本国内で処理される廃プラスチック量が増加しており、日本の廃プラスチックは行き場を失い、廃プラスチックを取り巻く環境が変化する中、新たな輸出先を探すだけでなく、プラスチックに対する従来の発想を改めていくという事も、個人でできる事の1つであると考えます。この様な区民へのSDGsに由来する意識啓発については、今後はより大事な事業になると考えます。身近なSDGsの取り組みについて、区のお考えを伺います。 

次に2項目めとして、福祉施策について伺います。

始めに、保育についてです。

本区はこれまで強力に待機児童対策を進めてこられ、私どもも様々な施策の提案をして参りました。昨年4月は残念ながら待機児童が発生しましたが、今定例会初日の区長所信表明で、4月も待機児童ゼロになる見込みとの話がありました。しかしながら、待機児童対策として今後も引き続き新たな園を設置していく予定でありますが、今後の配置のバランス等はどのように決定されるのか、また、毎年の設置数等のお考えをお聞かせください。

区立保育園については、順次大規模改修等が実施されておりますが、私の卒園した地元の高南保育園は、昭和40年12月の竣工で既に53年が経過しております。途中平成17年に隣接の児童遊園を園庭に加え、多くの子どもたちが毎日元気に過ごしており、地域にはなくてはならない園となっております。加えて、高田のオリジン電気跡地に建設されるファミリー向けマンションの保育需要数は約30人と想定されており、現状では待機児童が発生する恐れがあります。マンションに保育園をとの意見もありますが、既に着工されており現実的には厳しい状況です。そこで、地元の高南保育園を建て替え、受け入れ枠を拡大することによりこれらのマンション建設で発生が予想される待機児童対策を少しでも行うよう強く要望致しますが、お考えをお示しください。

幼児教育無償化が導入されるにあたり、給食費については保護者負担と国が決定したところを、私ども公明党区議団は更なる保護者負担軽減について要望書と署名を昨年5月17日に提出いたしました。その結果、保育園の3歳児から5歳児の給食無償化を区が決断され、私立幼稚園の給食費についても一歩踏み込んだ負担軽減を打ち出されたところであります。保育園の給食費補助には保護者の所得制限はないものの、一方で私立幼稚園の給食費補助については所得制限があり、しかも給食のない園も存在します。保育園も私立幼稚園も同等の保護者負担軽減が求められるところでありますが、本区として、保育園と比較した私立幼稚園保護者負担軽減についてのご見解をお示しください。

 

次に障がい者の工賃について伺います。

就労継続支援B型事業所の賃金については、これまでも特に低い数値が続いており、障がい者の経済的自立には程遠いのが現状であります。これまで東京都も工賃向上計画を策定して取り組んでこられましたが、さほど状況が変わったようには思えません。本区の障がい者賃金については非常に低く、東京都の平均以下であります。都内の平均賃金が高い施設の資料を見ると、100位以内に入っている区内のB型事業所はたった1か所しかありません。このような状況の中で、区は障がい者の自立をどのようにお考えなのか。また、B型作業所の賃金向上について、どのように取り組んでいかれるのか、お考えを伺います。

古くから地域で管工業を営んでおられる方々が、地域の障がい者の賃金向上のためにと心を砕かれ、グレーチングに小石を接着させ水だけを通すものを考えられました。蚊の発生を抑制し、鍵等を落とす事もなくなり、落ち葉の清掃も楽になります。これまでの作業と比較して破格の工賃を提示されており、こうした集中作業に向いている障がい者の方も多くいらっしゃると各事業所からは伺っております。また、本区の公園課からは、障がい者の事業所で作られたものであれば、試しに区内の公園に設置しても良いとの話まであり、区内の作業所が取り組まれるのであれば、設置を検討される私立学校も出てきているところであります。

障がい者にとっては大変良い事業であると考えますが、どこの事業所も場所の問題がネックとなり、大変残念な事にこの作業導入を断念されてしまいます。障がい者の工賃向上のために考案された事業であるのに、日本一人口密度の高い本区においては、障がい者が新たな作業を手掛ける場所の確保がそれを妨げているのです。私も様々思案しましたが、この場所の問題は区が関り突破口を開いていくしかないと声を大にして申し上げます。区の立場は重々承知しておりますが、東京都の平均よりも低い区内障がい者の工賃向上のために、また、この取り組みを豊島区発として広げていくためにも、ぜひ、作業場所確保の協力を要望いたしますが、お考えをお示し下さい。

次に、発達障がい者支援について伺います。発達障害者支援法が平成16年12月に成立してから早16年になりなります。理解も深まる一方で、一人ひとりの障がいも多様で支援は複雑さを極めております。私の提案で相談窓口も設置して頂きましたが、多様なニーズに応えきれていない状況ではないのでしょうか。

今後の発達障がい者相談事業について、現在の課題と今後の取り組みについてお聞かせください。

これまで何度も申し上げて参りましたが、発達障がいについては早期発見と早期療育が、今後の社会生活で重要な意味を持ちます。専門医や専門医療機関の不足、西部子ども家庭支援センターで実施されている療育や個別支援等は、行政が腹を据えて取り組むべき重要な課題であります。以前から提案している「子ども発達支援センター」の設置についての進捗状況についてお聞かせください。

次に、女性の健康支援について伺います。

私ども公明党区議団から要望しております「女性健康支援センター」の設置でありますが、保健所設置の柱の1つとして女性の健康支援があげられておりました。仮設とはいえ立派な池袋保健所が設置されておりますが、以前の池袋保健所と違い、現在どのように女性の健康支援に力を入れられておられるのかお答えください。また、女性健康支援センターの設置について、進捗状況をお示し下さい。

次に、福祉としての住宅施策について伺います。

高齢者等がなかなか部屋を借りられないという実態を打開するために、週2回の安否確認と利用者が亡くなられた時の部屋の現状回復、事故対応、葬儀費用の保障をセットにした「見守っTELプラス」というサービスが導入されるようになりました。これは、公明党区議団が京都市の居住支援協議会が行っていた事業を議会で提案し、導入を推進してきたものであります。既に利用者がいらっしゃるとの事ですが、家主にこの制度をいかにしてよく理解して頂くかが、この制度の肝であります。今後の取り組みについて伺います。 

また、住宅セーフティネット事業については、高齢者や障がい者等の住宅確保要配慮者が円滑に入居できるようにするための制度であります。空家、空室を活用してセーフティネット住宅と指定するだけで、改修費補助や家賃補助も活用できるようになります。区内でセーフティネット住宅の登録が71件あるものの、家賃低廉化補助が1件も活用されていないのは、本来の住宅確保要配慮者が入居されているとは考えにくいという事であります。空家率の高い本区の中で、本来入居に困っている人のための住宅セーフティネット事業が実現できるよう区の取り組みを求めますがいかがでしょうか。お考えを伺います。

次に3項目めとして「教育について」伺います。

令和2年1月5日に金子智雄新教育長が就任され、新たな豊島の教育がスタート致しました。新教育長の誕生を喜ぶ一方で、様々課題も抱えており、これから教育長としてどのように取り組まれていくのか、考えをお示し頂きたいと思います。

はじめに、教育活動全体を通して児童・生徒への人権教育を行う事は、自尊感情や自己肯定感を高め、友人を尊重する意識を養うためにも欠かすことはできません。特に本区には「子どもの権利に関する条例」が制定されており、同条例の普及・啓発について、どのように取り組まれていくのか、お考えをお聞かせください。

次に、全国の小中高校などで平成30年のいじめ認知件数が、54万件を上回り過去最多となりました。本区においては「豊島区いじめ防止対策推進条例」が更に強化され、様々な施策が展開されているところでありますが、いじめ根絶に向けた取り組みについて、また、いじめをさせない取り組みについてお考えを伺います。

さらに、不登校が長引くと学習が遅れ、進路においても将来の選択肢を狭めてしまう事が危惧されます。柚子の木教室に通える児童・生徒については学習支援が行われておりますが、柚子の木教室にさえ

通う事もできない児童・生徒に対して、義務教育の観点から教育委員会としてどのような支援をされていくのか、お考えをお聞かせください。

また、特別支援教育は、特別な支援を必要とする全ての児童・生徒が、その持てる力を最大限に伸ばし、自立と社会参加を実現できるよう、一人ひとりのニーズに応じた特別支援の充実が求められます。各校への巡回指導等が実施されておりますが、限られた教員体制の中で多様なニーズに応えるために、特別支援教育をどのように推進されていくのかお考えをお示し下さい。

更に、子どもスキップは、安全な環境の中で子どもの放課後のあそびを確保する意味でも、大きな役割を果たしています。全校実施が実現しましたが、一層の環境充実と人材の確保について、お考えを伺います

「最大の教育環境は教師自身である」と言われる通り、教員の資質・能力の向上は、児童・生徒の人間形成に大きな影響を与えます。金子智雄教育長に大いに期待をしておりますので、豊島の教育を宜しくお願い致します。

次に、4項目めとしてまちづくりについて伺います。

本定例会初日の区長の所信表明では、今後のまちづくりをけん引する区の使命が示されました。区が「都市のプロデューサー」として将来都市像を適切に更新しながら、明確なメッセージを発信すること、そして区は実現の仕組みを創り、必要な投資を堅実に行うことで、公と民の役割分担と連携を強力に進めること、こうして民間のノウハウとスピーディーな行動力、資力を最大に活かして、誰もが主役になれる劇場都市を発展させていく、これがこれからの区の使命だということを示されました。

池袋をはじめ、豊島区に注目する多様な主体に対して、豊島区のまちづくりに参画しようと思わせる力強いメッセージになると考えます。

民間主導によるまちづくりを活発に進めていくためには、その街に魅力と将来の可能性が必要であると考えます。こうした意味で、区が、国際アート・カルチャー都市という明確な将来像を提示し、積極的な公共投資により、池袋の拠点的な魅力を創り上げてきたことで、「これからの池袋は変わる、何かが起こる」と感じさせている今があるのだと思います。

そこに、民間活力を求める、先の区長メッセージが効果的につながってきます。

文化による賑わい創出については、Hareza池袋や池袋西口公園グローバルリングをはじめとして、民間による活動が勢いよく展開されています。都市開発の面でも、南池袋二丁目C地区や東池袋一丁目地区、池袋西口地区など、民間主導の再開発が進んできています。

これからは、こうした文化事業や拠点開発をつなぎ、池袋の街を面的に更新していく仕組みが重要になってきます。

池袋は、渋谷や新宿のように都市開発を先導するデベロッパーの色がついていない中で、区が仕組みをつくり、民間がその仕組みを活用して魅力的な市街地更新を果たしていくことが、今後のまちづくりでは重要になってくると思います

そこで伺います。

現在、区では、池袋駅周辺・主要街路沿道エリア地区計画の変更手続きを進めています。今回の変更では、区域を拡大し、その中を7つに区分することがメインとなっていますが、次年度以降は、各地区で、規制と緩和を組み合わせたまちづくりの誘導方策を検討すると聞いております。

地区計画という都市計画手法を駆使して、まちづくりを誘導していくことは、民間の活力を生かしながら区が目指す将来都市像を実現する効果的な手段であると考えます。

民間活力によるまちづくりを効果的に進める池袋駅周辺の地区計画の方策について、現時点のお考えをお聞かせください

次に、不燃化のまちづくりについて伺います。

上池袋地域は特定整備路線補助81号線沿道の上池袋2丁目から4丁目までは、不燃化特区に指定されております。上池袋1丁目のみがこの指定から除外され、指定から除かれた理由として、東側の豊成小学校や巣鴨学園、上池袋東公園、上池袋中央公園と広い空間領域が存在しております。しかし一方で、西側地域は道路幅も狭く狭隘敷地が密集しており、接道していない建て直しができない家も多く並んでおります。上池袋1丁目全体では不燃化領域率75%と高く燃えにくい街のように思えますが、木密の西側だけを見ればいまだ不燃化領域率は40%にも満たない状況であると思います。
これまでも、何度も議会で取り上げておりますが、区は住民の意向を調査するためアンケートを取ると答弁をされましたが、その後、どのように取り組まれたのかお伺いします。

不燃化特区に入ると、補助金の制度が格段に違います。これまでの不燃化特区制度では丁目ごとに指定されるため、このような密集エリアが残されてしまうことになるのです。新たな指定なしでは、この地域を安全なまちに変えていくことは非常に困難であります。不燃化特区に追加する等、今後の上池袋1丁目のまちづくりについて、区のお考えをお示しください。

最後のその他として、「高田地域の風水害対策について」伺います。

昨年の台風19号では、高田地域は神田川を有する地域でありながら、土砂崩れ等の危険があるとされ、高南小学校も千登世橋中学校も救援センターの開設はされませんでした。古くから高田に住む方々は、神田川の氾濫を忘れた事はありません。昔は川の水位を見に行かれた方々が、何人も帰らぬ人になりました。私の子どもの頃も雨の度に氾濫し、次の日に学校へ行くと浸水した家の手伝いをするために多くの友人が学校を欠席している状況でした。

昨年の台風では、目白小学校では遠くて逃げられないとのお声を多くの方々から頂きました。あのような激しい雨の中では、高齢者が逃げる事も困難であります。その意味では、今後千登世橋中学校は風水害の時でも開設ができるとの事でありますが、地震時の運営とは利用する町会や人も違ってきます。今後の高田地域の風水害対策について、開設する救援センターの周知と、運営や訓練を含めた今後の取り組みについてお考えを伺います。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

【公明党 高橋佳代子議員 令和2年第1回定例会 一般質問答弁】

ただいまの 高橋佳代子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

SDGsの取り組みについてのご質問のうち、まず、「豊島区」がSDGs未来都市に名乗りを上げることについてのご質問にお答えいたします。

SDGsは、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための、2030年を年限とする17の国際目標であります。23区で唯一の消滅可能性都市と指摘された本区が、この目標に取り組むことには、大きな意義があるものと認識しております。

モデル都市の基軸となる分野としては、「環境」があげられますが、SDGsの目標は、健康と福祉、ジェンダー平等、働き方など多岐に及んでいることから、とりわけ政策経営部門と環境清掃部門が連携しながら、横断的に事業に取り組んでいくことが必要となります。

このように、「SDGsモデル都市」は全庁を挙げた大きなプロジェクトとなることから、その応募については十分な準備期間と丁寧な調整が必要となりますので、令和3年度の応募に向けて、今後、前向きに検討してまいります。

私も、この施策に向けては、満を持してやっていきたいと思っていますので、是非ご期待ください。

次に、SDGsを基軸にして基本計画策定に取り組むことについてのご質問にお答えいたします。

SDGsは、絡み合う課題を同時かつ根本的に解決し、持続可能な未来を示す羅針盤の役割を果たすものであり、国や東京都も積極的に推進しているものです。

令和2年度に改訂する後期・基本計画では、区独自の魅力ある政策や施策に、SDGsの17の目標を具体的に対応させることによって、SDGsを基軸にしたものとしていきたいと考えております。

また、本区の政策等に、国際社会共通の目標であるSDGsの目標に照らすことは、ご指摘のとおり、政策的な弱みを知る機会となります。このようなプロセスを通じて本区の施策をさらに充実しながら、区民サービスのさらなる向上に向けて取り組んでまいります。

次に、区民の皆さんへの意識啓発を含めた、身近なSDGsの取組に対する区の考えについてのご質問にお答えいたします。

昨年3月に環境基本計画を改定し、施策の方向に関連するSDGsの目標を掲載したところです。

今後は、事業実施にあたって、パンフレットやチラシにSDGsのアイコンを表示するなど、区民の皆さんにSDGsについて、身近に感じていただけるようにしたいと考えております。

また、環境の分野に留まらず、これからの区政運営の全般において、改めてSDGsを自らの目標として位置付け、自らの取り組みを評価し直しつつ、効果的な情報発信についても工夫してまいります。

次に、福祉施策についてのご質問のうち、まず、新たな保育園の配置バランスがどのように決定されるのか及び毎年の設置数等の考えについてのご質問にお答えいたします。

これまでの積極的な施設整備により、保育需要が充足する地域もでてきているため、新たな保育園の配置バランスは、需要が定員を大きく上回る大塚・巣鴨・駒込地域を中心に、再開発等で需要が見込まれる新たな地域も含めて決定しています。

また、近年の保育需要数の状況をみると、毎年約500人の増であることから、当面の整備目標数は、年間6園程度の計画としました。

しかしながら、整備を予定する地域内であっても、必要以上の施設配置とならないよう、既存施設の定員の弾力化による対策も検討したうえで、慎重に整備を進めていく必要があると考えております。

次に、高南保育園を建て直し、児童の受け入れ枠を拡大することについてのご質問にお答えします。

オリジン電気跡地におけるマンション建設に伴う新たな保育需要の対応については、昨年12月に要請を受けまして、東京建物の野村社長に直接申し入れを行いました。

現時点では、対応についての結論は出ていませんが、保育行政の立場から積極的に協議を続けていきたいと考えております。

これまでのマンション建設を参考に保育需要の発生率を試算すると、戸数に対して約5%となっており、これを整備予定のマンションに当てはめた場合の需要数は、約23人となります。

高南保育園の増改築は、現在92人の定員のところ20人前後の増員が可能であると考えており、待機児童対策として有効な方策であります。

しかしながら、同程度の広さの仮園舎用地の確保が大きな課題でありますので、今後も積極的に適地を見つける努力を続けてまいります。

次に、保育園と比較した私立幼稚園児保護者負担軽減に対する区の考え方についてのご質問にお答えいたします。

昨年10月から、幼児教育・保育の無償化が始まりました。保育園は、保護者が就労等により保育を必要とする乳幼児を預かる施設で、全ての園で給食を実施しており、給食は保育の一環とされています。このため、給食費については、無償化施行前より主食費は全額、副食費は保育料に含まれる形で、区が負担してまいりました。

こうしたことから、国が有償とした子どもの給食費について、保育園では3歳以上のすべての子どもの給食費について引き続き区が負担することとしています。

一方、私立幼稚園は就学前の児童を教育する施設で、園の方針でお弁当や給食の実施が決まり、給食費については無償化施行前より保護者が負担しております。このことから、私立幼稚園の場合、給食費を徴収されている家庭だけが恩恵を受けるというのは難しい状況であります。

しかしながら、本区における保育園の給食費の取り扱いや他区の状況などを慎重に判断した結果、国の基準である低所得世帯及び多子世帯の子どもの副食費の補助に加えて、区独自の加算として主食費についても補助することといたしました。さらに、4月からは給食費補助の対象を年収360万円未満相当から年収680万円未満相当の世帯にまで拡大いたします。

また、無償化の施行に伴い、区独自の保育料補助の減額あるいは廃止をする区があります。本区は園の形態に関わらず区独自の保育料補助を継続することで、給食の実施がない園に通園している家庭にまで広く恩恵が受けられると考えております。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

福祉施策についてのご質問のうち、まず、障がい者の自立に対する区の考え方及びB型作業所の賃金向上に向け、どう取り組むかについてのご質問にお答えいたします。

障がい者の自立については、ご本人の選択の機会が確保されることを重視しつつ、障害の状態やご本人の考え方を尊重しながら支援することが、基本的な考え方として重要であります。

現在区内には、16のB型事業所があります。生活習慣の獲得や余暇活動に重きを置く事業所や、工賃向上をめざす事業所など、その運営方針もそれぞれであり、様々な方を受け入れることが出来る状況にあります。

もちろん、福祉的就労であっても、工賃の向上は生産意欲の向上を図り、生きる力となる大事な要素であることに変わりはありません。

平成30年度の都内平均工賃が16,077円であるのに対し、区の平均工賃は13,163円となっており、工賃の向上も大きな課題であると考えております。

区はこれまでにも、障害者優先調達指針による取り組みや、障害者施設のネットワークである“はあとの木”に加入する事業所の商品開発や、販路拡大に向けた支援に取り組んでまいりました。

また、豊島区障害者地域支援協議会の「就労支援部会」では、受注に関する学習会を実施するなど区内事業所の共同体制づくりに取り組んでいます。

引き続き、「事業所連絡会」等の機会を通じて東京都共同受注窓口からの受注情報を提供するなど、区内事業所の特性を生かしつつ、安定した事業運営を図るため今後も一層の支援に努めてまいります。

次に、障がい者が新たな作業を手掛ける場所の確保に対する区の協力についてのご質問にお答えいたします。

区内企業から、今回お声掛けいただいたグレーチング作業については、たいへん有難い申し出であり、区内事業所の皆様にも丁寧に紹介させていただきました。

複数の事業所が実際に見学をされましたが、資材置き場や搬入・作業時の安全確保、職員体制、現行の受注作業の振り分けなど様々な課題があり、直ぐには受けることは難しいと伺っております。

区といたしましては、グレーチング作業を受注する上での課題を具体的に明らかにしつつ、事業所と意見交換を重ねるとともに、作業場所の確保につきましても、引き続きあらゆる選択肢を模索しながら前向きに検討してまいります。

次に、発達障がい者相談事業の現在の課題と今後の取組についてのご質問にお答えいたします。

発達障害者相談窓口における平成30年度の相談実績は、延べ312件、関係機関との連携実績は延べ153件となっており、相談件数等は、今後も増加していくものと考えております。

発達障害を抱える方には、専門的かつ多角的な支援が必要であり、関係機関等との連携強化に努めているところです。しかし、相談内容によっては、より高度な医療的対応等が求められる状況もある中で、現状では専門機関が少なく、また、支援のネットワークをさらに強化することが課題であると認識しております。

こうした状況を踏まえ、令和2年度の新たな取り組みとして、毎月1回、医師による専門相談を実施し、支援を受けながら医療・教育・福祉等につなげる取り組みを開始いたします。

また、月1回程度、発達障害者支援方針会議を開催することといたしました。会議では、さまざまな職種の関係者が専門家のアドバイスを受けながら、支援の行き詰まりを打開する方策を協議します。この会議は、関係機関のネットワーク拠点としての役割を果たすことを目指しております。

さらに、発達障害と思われる特性を持ちながら、検査費用を負担することが経済的に困難な方を対象として、区が費用を負担して専門機関に検査を委託し、適切な支援につなげる取り組みも新たに開始いたしたいと思います。

引き続き、発達障害の当事者やご家族、相談者の方の困っている状況を改善し、発達障害者の方の地域生活の安定と自立を促進してまいります。

次に、子ども発達支援センターの設置の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

西部子ども家庭支援センターにおける児童発達支援事業は、施設の老朽化や相談スペースの不足等により、施設の移転を含めた検討を始めました。

その際には、18歳未満を対象とした発達支援の拠点を設置し、未就学児から学齢期の児童まで、切れ目のないきめ細かな支援を行いたいと考えています。

現在、教育センターとの連携や統合を見据え、千登世橋教育文化センターや他の区有施設活用の可能性も探りながら、児童発達支援事業の移転による教育センターとの連携と、子ども発達支援センター設置の両面で検討を行っているところです。

先月には、文京区教育センター内に併設されている子ども発達支援センターを視察しました。今後は、そうした他自治体の例を踏まえて、教育や福祉の垣根をこえた児童の発達支援体制を構築するため、必要な機能や課題等を整理するとともに、障害福祉あるいは教育部門等と協議・調整しながら、さらに具体的な検討を重ねてまいります。

 

次に、現在どのように女性の健康支援に力をいれているかについてのご質問にお答えいたします。

昨年10月の池袋保健所の移転を機に、女性のライフプラン形成のため、20代から40代の女性を対象に行っている「女性のための専門相談」について、更年期など40代から50代の女性を含む、より幅広い年代も対象とし、専門職による個別相談も実施しております。

また、女性に多い悩みの一つである尿漏れ予防については、産後の方を対象とした「メンテナンス体操」に加え、65歳までの方を対象とした「尿漏れ予防教室」を、3回シリーズで実施し、ご好評をいただいております。

さらに、都立大塚病院の「女性生涯医療外来」と連携し、池袋保健所を会場として、大塚病院公開講座「男性と女性のプレコンセプションケア」を、1月25日に実施いたしました。

その他、女性を対象とした健康教室においては、体操指導員による運動指導や、皮膚科医師によるスキンケア講座、栄養士によるお手軽レシピの紹介など、多彩な講座を展開しています。 その中では、西武百貨店池袋本店とのFF協定に基づく、30代の働く女性をターゲットとした「育休復帰セミナー」なども実施しており、今後も、内容の充実に努めてまいります。

次に、女性健康支援センター設置の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

これからの保健所は、ライフステージに応じて、女性が抱く不安を解消できるような、トータルサポートを提供する健康支援の拠点として、整備していく必要があると考えています。

そこで、昨年10月の移転後、幅広い年齢層の女性を対象とするため、数々の事業の拡充も行ってきております。

さらに、本移転を見据えて、ハード面での検討も並行して進めており、ソフト・ハードの両面から、様々な可能性を検討しているところです。

今後、これまで以上に、都立大塚病院などの医療機関との連携事業や、FF協定に基づく企業との共同企画など、広く他機関との連携協働を中心に据えた、豊島区版ともいえる「女性健康支援センター」の実現に向け、体制の整備を進めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

福祉施策についてのご質問のうち、まず、「見(み)守(まも)っ(っ)TEL(てる)プラス」というサービスを家主に理解してもらうための今後の取組についてのご質問にお答えいたします。

これまで区は、高齢者等が入居するにあたり、家主の不安を取り除く効果的な仕組みを構築するため、不動産団体や居住支援法人に対して、ヒアリングを行うなどの検討を重ねてまいりました。

その結果、昨年12月19日、区は、区内の不動産団体及び居住支援法人ホームネット株式会社それぞれと連携協定を締結いたしました。ホームネット株式会社の「見(み)守(まも)っ(っ)TEL(てる)プラス」が提供する、週2回の安否確認と入居者死亡後に係る経費を100万円まで費用補償する、家主のニーズに即していると不動産団体からも評価されているサービスを普及させようとするものであります。

今後、このサービスをより一層普及させていくためには、「見(み)守(まも)っ(っ)TEL(てる)プラス」を取り扱う不動産店の数を増やしていくことが重要であります。協定に基づき、不動産団体の協力をいただきながら、会員の不動産店や家主に対し、積極的なサービス利用を促し、高齢者などが民間賃貸住宅に安心して入居できる環境を整備してまいります。

次に、本来入居に困っている人のための住宅セーフティネット事業の実現に向けた取組についてのご質問にお答えいたします。

区では来年度、セーフティネット住宅のさらなる登録を促進するため、登録を検討するオーナー向けに家賃低廉化補助の拡充に加え、住宅改修費の補助、少額短期保険料の補助の経費を新たに予算計上するなど、支援内容の充実を図ってまいります。

今後は、拡充内容を含めた補助制度を分かりやすくまとめたチラシなどを使って、丁寧な制度周知を図るとともに、不動産団体との合同の勉強会を定期的に企画するなどして、住まいにお困りの方が入居しやすい住宅の登録が進むよう積極的に働きかけてまいります。

なお、現在、区内の民間団体が国土交通省所管のモデル事業を活用して、区内の戸建てや集合住宅の空室をセーフティネット住宅として登録し、区の補助制度を活用しながら居住支援を行うという検討を具体的に進めております。区は、この団体が早期に事業展開できるよう必要な情報提供や補助制度の活用を促してまいります。

次に、まちづくりについてのご質問のうち、まず、民間活力によるまちづくりを効果的に進める池袋駅周辺の地区計画の方策についてのご質問にお答えいたします。

今年度進めております池袋駅周辺・主要街路沿道エリア地区計画の変更は、池袋駅周辺を面的に包み込むよう区域を拡大したうえで、地区の特性に応じたまちづくりを推進するために、7つの地区に区分し、本年3月に決定する予定です。

来年度からは、このうちまちづくりの機運の高まっているハレザ池袋周辺地区と南池袋公園周辺地区の2地区において、きめ細やかなまちづくりルールを検討します。まずは、アンケート調査、説明会等により地区の皆さまの意向を伺いながら、2か年程度をかけて議論を丁寧に進めていきます。

そのうえで、それぞれの地区や通りにふさわしい都市機能の導入及び建物の後退等による歩行者が憩える場や寄り道をしたくなるような空間の創出など、一定の規制と地域貢献に対する容積率の緩和を的確に組み合わせること等により、居心地が良く、歩きたくなる都市空間の形成に向けて積極的な誘導方策となるよう検討してまいります。

今後は、これまで4つの公園や周辺道路、ハレザ池袋等の公共空間を区が先導的に整備してきた開発がまち全体に広がるよう、民間の活力と提案を効果的に引き出すまちづくりを進め、国際アート・カルチャー都市構想を一段と推進することに一層力を尽くしてまいります。

次に、不燃化のまちづくりに関する上池袋一丁目の住民意向調査の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

上池袋一丁目のうち西側地域については、区といたしましても、防災性の向上が必要な地域であると認識しております。

平成20年度には、建て替えのできない、区有通路に面する宅地を中心に、必要最小限の範囲で調査を行いました。しかしながら、今後、防災性を向上させるまちづくりを進めるには、前回の調査範囲よりも少し広いエリアでの検討が必要であると考えています。現在は、この意向調査を行うための準備として、土地、建物の所有者を調査しているところです。

令和2年度には、住民の方々の意向を確認するとともに、用地買収や共同建て替えなど、まちづくりの方向性を提案し、地域の防災性の向上につなげたいと考えております。

次に、不燃化特区に追加する等の、今後の上池袋一丁目のまちづくりについてのご質問にお答えいたします。

不燃化特区の制度は、東京都が平成23年度に、「木密地域不燃化10年プロジェクト」として、建物の不燃化と、都市計画道路の早期完成を目指して開始した制度で、令和2年度が、その10年目に当たります。

東京都は木密地域の不燃化をさらに推進するため、令和3年度以降の不燃化特区制度の存続について検討を始めています。同時に、本区をはじめとして各区に対し、制度の延伸に向けての課題や要望などを聴取しています。この意見聴取に際して、区といたしましては、地元や区議会からの要望を踏まえ、不燃化特区制度の延伸に加えて、上池袋一丁目を対象区域に含めることを強く要望しています。

東京都は、今年度末に制度の方向性を定めることとしていますので、さらに機会を捉え、強く要望してまいります。

次に、その他のご質問のうち、風水害対策における、高田地域で開設する救援センターの周知と運営や訓練を含めた今後の取組についてのご質問にお答えいたします。

風水害時の救援センターは、神田川氾濫浸水想定区域内の高南小学校を除く35か所としております。

震災時に高南小学校が救援センターに指定されている町会の皆様は、千登世橋中学校、目白小学校等、震災時とは異なる救援センターへ避難することになります。このため、関係する町会に対して、風水害時に避難する救援センターの指定とその周知や各救援センターの運営等、様々な課題があることを認識しております。今年の梅雨の時期に入るまでには、対象地域の皆様と十分協議して、諸課題を解決し、今後の訓練に活かす等、風水害対策に万全を期したいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

教育についてのご質問のうち、まず、「子どもの権利に関する条例」の普及・啓発に向けた取組についてのご質問にお答えいたします。

条例の趣旨を踏まえ、教育を進めていくことは本区の大前提ですが、特に子供時代に自尊感情・自己肯定感を育てることが求められている今日、この意義がさらに高まっていると考えております。

まず、子供の心を育む教員自身の理解が重要でありますので、令和元年5月には、中堅教員を対象に、この条例に特化した研修会を実施いたしました。条例の意味を理解する良い機会になったと好評であったため、引き続き、このような研修会を実施してまいります。

令和2年度につきましては、子どもの権利擁護委員を講師に招いた授業を実施する予定であります。また、「いじめ」をテーマに子どもの権利を考える土曜公開授業を実施するなど、今後も子ども若者課と連携し、保護者や地域の方々にもご理解をいただきながら、「子どもの権利」について広く普及啓発に取り組んでまいります。

次に、いじめ根絶に向けた取組及びいじめをさせない取組に対する考えについてのご質問にお答えいたします。

まず、いじめ根絶に向けた取組に対する考えですが、年2回実施する心理検査及び年3回実施するアンケート調査のの正確な把握と分析、スクールカウンセラー等を活用した教育相談の充実により、いじめを早期発見し、学校、保護者、地域住民、関係機関等の緊密な連携を通して、早期解決していくことが重要であると認識しております。

一方、いじめをさせない取組に対する考えといたしましては、いじめ問題を扱った道徳科の授業や、「いじめ」をテーマに子どもの権利を考える授業を行う等、子どもたちに規範意識を身に付けてもらいたいと考えております。また、学び合いのある授業を通した豊かな人間関係の中で、自己肯定感や自己有用感を育んでいくことが大切であると考えております。

「いじめは、どこの学校でもどの子どもにも起こり得る」という視点に立ち、社会全体の力を結集して、いじめに真正面から取り組んでまいります。

次に、柚子の木教室にも通うことのできない児童・生徒に対する義務教育の観点からの支援についてのご質問にお答えいたします。

現在、不登校で柚子の木教室にもつながっていない児童・生徒へは、担任や学校の教員が保護者と連携しながら、家庭訪問や電話連絡など、つながりが切れないように取組を行っております。学校や保護者からの要望を受けて、スクールソーシャルワーカーが家庭訪問などを行い、改善に向けた支援を行っていますが、改善に時間を要するケースが多いのが実情です。

令和元年10月の文部科学省からの通知においても、不登校児童生徒の社会的自立へ向けた学習支援の方法として、ICTを活用した学習が例示されています。これを踏まえ、児童・生徒が自宅でeラーニングに取り組むなどの学習をサポートする体制づくりについても検討してまいります。

さらに、これまでの柚子の木教室の目的としていた「学校復帰」に加えて、ひきこもりがちな不登校児童・生徒たちへの支援として「居場所」機能をもたせるなど、子ども達にとって本当に大切な義務教育期間であることを改めて重く受け止め、今後、適応指導教室としての位置づけを見直す必要もあると考えております。

次に、限られた教員体制の中で多様なニーズに応えるために、どのように特別支援教育を推進していくかについてのご質問にお答えいたします。

本区が進めてきた特別支援教室における特別支援教育は、巡回指導教員と担任とが協働することにより、児童・生徒一人一人が抱える困難さ軽減し、能力や集団適応能力の伸長を図るなど、一定の成果があがっていると認識しております。一方で、様々な困り感を抱えている児童・生徒一人一人へのより適切な支援、よりきめ細かな支援・対応が強く求められています。

そのためには、児童・生徒の個別指導計画を定期的に見直し、在籍学級においても自信をもって学習に取り組んだり、友達と仲良く生活したりできる力を育成してくことが重要であります。そのため、特定の教員だけが対応を行うのではなく、全ての教職員が連携しながら、学校全体で取り組んでいくよう指導してまいります。

今後も、よりきめ細かで丁寧な支援につながるよう、教員への研修を重ね、巡回指導教員の効果的な活用方法を各学校に伝えるなど、有機的な連携を通して、特別支援教育の更なる充実・推進を図ってまいります。

次に、子どもスキップにおける一層の環境の充実と人材の確保についてのご質問にお答えいたします。

まず、環境の充実に関しましては、校舎の大規模改修にあわせて可能な限り子どもスキップの改修を行っております。

例えば、今年度は、豊成小学校のスキップ棟の建設や、子どもスキップ椎名町の校舎の中での移転により、スペースを大幅に拡大することができました。また、来年度は、子どもスキップ高松についても、スペースの拡大と利便性の向上を図る予定です。

さらに、学校が使用していない時間帯に学童クラブが使用するスペースの確保についても、学校の理解・協力が進んだ結果、スムーズに行われてまいりました。

人材の確保に関しましては、来年度からスタートする会計年度任用職員制度により処遇の改善が図られることに加え、報酬額の独自の改定も予定しております。これらにより、課題である欠員解消に向け、最大限の努力をしております。

今後も、子どもスキップ事業が教育委員会に移管され、学校との密接な連携を図ることができるメリットを最大限に活かして、安全な環境の中で子どもの放課後の遊びを確保できるよう、さらなる充実を図ってまいります。

他にも様々な課題がございますが、お寄せいただきました大きな期待に応えられるよう日々努力を重ねてまいります。

以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。