令和 5年予算委員会 3月 3日環境清掃・都市整備費

①ウオーカブルなまちづくり

○辻薫委員  公明党の辻でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私のほうは、池袋の都市再生ということで、新年度の重点テーマであるということと同時に、ウオーカブルなまちづくりということで、先ほど来も話が出ておりますので、私からも質問をさせていただきたいと思います。

今年度、この池袋駅の東西を結ぶ人が主役のウオーカブル都市を将来像として明確に位置づけて、1月の副都心委員会で素案が示されたわけでございますけども、そのちょっと素案について、池袋ウオーカブル基本方針について伺いたいと思います。

素案でいろいろと見ていると、分かってきている部分があるんですけれども、まず、この素案の、先ほど、趣旨はお話をいただきましたけども、概要について、まずお聞きしたいと思います。

○松田都市計画課長  昨年の1月17日でしたか、ウオーカブルの記者会見を当時、高野区長と隈研吾さんが一緒に開かれて以降、池袋の将来都市像としてウオーカブルなまちづくり、東西のダンベル型のまちづくりというのを表明したわけでございまして、ただ、この辺り、ウオーカブルなまちづくりというのは大変有効な手段だと思っているんですけども、その辺少し分かりやすく、その方針なり、コンセプトをお伝えする必要があるということで、今回、基本方針を取りまとめて、区民の方々、あるいは企業の方々にお示しをするというものでございます。

○辻薫委員  昨年、区長が1月に記者会見発表したと。その後に、2月にですけれども、この日経クロステック、日経アーキテクチュアという、配信される中で、ウオーカブルという内容なんですけども、歩道整備のような印象を持つ向きがあるかもしれないが、街路はもちろん、公園を含む公共の空地全般、そして、連動する民間の土地、建物などが関係するエリア再生のキーワードだということで、何となくウオーカブルというと、歩きやすいというだけが先行しちゃうところでございますけども、そうではないということで、これに対して高野区長が、この素案の冒頭で、挨拶の中で、新しいものと古いものが混在する多様性といった池袋らしさを残しながら、多様な世代がそれぞれのライフスタイルを実現できる人中心のまちの実現に向けた基本方針をまとめたと、こういうようなコメントを寄せられたところでございます。そこで、具体的にこの素案について何点か確認したいと思うんですけども、やはり私、これを見たときに、まず、素案の中に、世界の都市の動きや、また国内の動向が紹介されているんですけれども、豊島区のように、まず、駅がどんとあって、分断されてる東西の個性を生かしながらダンベル型のまちづくりというのを目指してるのはあまりないのではないかと思いますけども、この点につきましてはいかがでしょうか。

○松田都市計画課長  今、委員がおっしゃるように、ただ、全国各地の自治体でウオーカブル取り組んでいるところでございますけれども、池袋のようなここまで多くの乗降者数を抱える駅というのは、これはなかなか限定されてくるわけでございまして、そういった意味でいいますと、新宿だとか渋谷と比べますと、この駅の東西に大規模な歩行者空間がつくれるというのは一つ、池袋の特徴であり、強みではないかというふうに考えております。

○辻薫委員  本当にそういう意味では、高野区長が目指していたこのウオーカブルということを改めてすごいなというふうな感じなんですけども、この素案の中に池袋ウオーカブル基本方針の位置づけということがございます。その中には、この池袋ウオーカブルなまちづくりでは、本区が進める国際アート・カルチャー都市、SDGs未来都市との連携を図ることにより、誰もが主役になれる劇場都市や、多様性を生かした誰もが住み続けたいまちを池袋というフィールドにおいて先導的に実現していきますということにしておりまして、ですから、池袋というふうにしておりますけども、実は区が進める様々なこうした都市像というものが包含されてるというふうに認識しておりますけども、これについてはいかがでしょうか。

○松田都市計画課長  この池袋ウオーカブルの基本方針の取扱いとしましては、今、委員御指摘のとおり、あるいは、アート・カルチャーであるとかSDGsとかと同様に、区のまちづくりの、大きな意味でのまちづくりのコンセプト、概念をお示ししたものであると、こういうふうに考えております。当然ウオーカブルのこれからの要素というものは、SDGsやアート・カルチャーなんかとも連動しながら、あらゆる、つまりまちづくりのみじゃない部分で、先ほど渡辺委員からの御質問のときにもお答えしましたけれども、あるいは、バリアフリーであるだとか、高齢者のフレイル対策であるとか、産業振興とか、いろんなところにその効果は発揮するのではないかというふうに期待しておりますので、そういった意味で、大きな意味での区の3つのコンセプトと、いわゆるまちづくりの行政計画というのは、これに付随するものかなというふうに考えてございます。

○辻薫委員  さらにこの取組テーマと基本方針の中には、女性や子ども、若者を含めたオールとしまで取り組む場をつくるというようなことが書いてありますが、この点について改めて御確認させてください。

○松田都市計画課長  今回、かなり多くの有識者の方にも御参画いただきながら、御意見いただきながら、この方針策定に取り組んできたわけでございますけれども、その中で大きなお声のあったものの中で、住民の方々が主体的に、特に若い人たち、女性が積極的にまちづくりに参加できるような、そういう場の創出というのが重要だというところが念を押されましたので、先般、11月に発足した池袋エリアプラットフォームなんかもそうでしょうし、そのほかのもっと小さなコミュニティーの中でまちづくりを検討する場があってもいいかなと思いますので、この方針に沿いながら、そういう場をどんどん増やしていきたいなというふうに考えてございます。

○辻薫委員  また、取組のテーマと基本方針の中には、グリーンインフラによる自立循環型の市街地再編ということも明記されてますけども、この点についてはいかがでしょうか。

○松田都市計画課長  今回、そこも大きなテーマの一つとして考えておりまして、緑被率が低く、かといって、なかなか大きな公園を造るほどの空いている用地が少ない豊島区だからこそなんですけども、ここでは体感価値の向上というふうには示してるんですけども、いわゆる目線に入る部分の緑というのを増やしていくことによって、歩きたいと思えるような空間を意図的につくっていこうと、工夫しながらということですね。そういった意味では、もう皆さん御存じでしょうけど、西口の駅前のモザイカルチャーというのは、平成23年でしたかね、造られて以降、アイポイントの方々によって、ずっといい状態に保たれてるような好事例もございますので、ああいうような敷地がなくても緑を十分に感じられるような取組を進めていこうというものでございます。

○辻薫委員  それで、素案の最後に、駅東西にわたる人中心の駅前空間活用というふうに出てくるわけですね。私、最初にこれが出てくるのかなと思ったら、一番最後に駅空間の活用ということで、東口のイメージ、また西口のイメージの写真が出ていて、東西デッキなんかも出てきているわけです。ですから、池袋のウオーカブル基本方針を通して、区が今目指してるものや、むしろこの池袋だけではなく、区全体の取組であり、方向性を、そしてさらに、高野区長が、90周年がスタートで、100周年へ向けての取組だというふうにおっしゃった意味が改めて感じているところでございます。ですから、一つのスケジュール的にというとあれですけど、特にこの素案にはスケジュールのことは出てませんけども、そのスケジュール感ではどうでしょうか。

○松田都市計画課長  今、委員御指摘のこと、そのままで、まちづくりを我々も当初、方針のこの素案のまた案をお示しするときには、まちづくり主体で方針をつくっていくのかなというふうにも考えていたんですけれども、よくよくやはりお話を聞くと、この池袋の特徴である、むしろ文化だとか、それから、緑を、これをやはり前面に打ち出すべきではないかというような御意見がかなりあったものですから、そういったことも含めて、まちづくりは後段に持ってきたというようなこともございます。

今、このタイミングで、まさに90周年がクロージングを迎えようとしている中で、新しい、今度、100周年に向けてどういうような新たな展望を区として発信していくのかという中で、高野区長の中でも、ぜひこのウオーカブルというまちづくりを、誰もに喜ばれるような人中心のまちづくりを進めていこうというような思いがあったというふうに捉えておりますので、ぜひこの辺、いつまでということでいえば、100周年までにまずは一つ区切りとしながら、このウオーカブルなまちづくりを続けていきたいというふうには考えております。

○辻薫委員  それで、ちょっと先ほども話が出ましたけども、このウオーカブルなまちづくりのイメージを皆さんに知っていただくために、この3月21日、春分の日に東のグリーン大通りと西のアゼリア通りの車道を歩行者に開放するウオーカブルなまち体験イベントということを企画してるということで先ほど話がありましたけれども、ここでちょっと中身について、概要をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○松田都市計画課長  この体験イベントにつきましては、東西のシンボルストリートでありますグリーン大通り、アゼリア通りの車道を交通規制実施しまして、基本的には官民連携なんですけれども、実行委員会の主体はこれ民間の方々でございますので、今回の立てつけとしましては、豊島区が後援という形でバックアップということで入っております。それで、住民や来街者の方々に広くこのウオーカブルの取組というのを実際に車道を歩いていただくことで体感していただくだとか、そこを活用してイベントを行うというようなことをやる目的にしているんですけれども、具体的には、例えば西口のほうでこれまでふくろ祭り等々で行われていたよさこいをあえて東のほうで演舞するだとか、また、東のほうで行われておりましたエイサー、沖縄のこれもまた演舞ですけれども、これを逆に西口のほうでやってみるだとか、立教の応援団が東のほうでやるだとか、またマーチングなんかも含めながら、そのほかにいろいろと出し物等々も、キッチンカーなんかも出る予定にしておりますので、かなり華やかなイベントになることを今期待してるところでございます。

○辻薫委員  体感したいと思います。私も慣れてるのは西口のよさこいなんですけれども、それが東口で見れるというところで、新たな感覚というか、できるんではないかなと思います。そういう意味では、東西の交流も含めて、今回のイベントにも期待をしていきたいと思います。

そこで、この区制90周年の事業のクロージングイベントとして、さらに隈研吾氏による講演を予定してるということなんですけども、これにつきまして伺いたいと思います。

○松田都市計画課長  今お話のありました3月29日は、豊島区の90周年事業のクロージングということでございまして、その中の第1部として現在予定しておりますのは、隈研吾都市政策顧問ですね、豊島区の都市政策顧問をしていただいておりますけれども、40分間の御講演いただこうかなというふうに考えております。当初、ウオーカブル、総合監修も務めていただいておりましたので、この辺の内容を中心ということもあるんですけども、少しこれまでの、この庁舎も含めまして、高野区長との思い出なんかも含めながら、折り込みながらお話しいただけるものではないかなというふうに考えてるところでございます。

○辻薫委員  今日はあえてちょっと時間を使って、ウオーカブルなまちづくりに触れさせていただきました。高野区長の思いというものを改めて確認するとともに、やはり目指すところは、単に道路整備だとかということではなくて、そういった大きな狙いがあるということの確認をさせていただいたところでございます。

【池袋駅西口地区市街地再開発】

○辻薫委員 その上で、委員長、引き続きですけれども、今度は池袋駅西口地区市街地再開発事業について伺いたいと思います。

令和3年度の重点テーマも、この池袋の都市再生が掲げられておりまして、高野区長が招集挨拶の中で触れておりますけども、やはり西口の再開発がいよいよ本格的になるというようなお話をいただいたところでございます。

そこで、まず、昨年の10月に池袋駅西口地区市街地再開発事業が国家戦略特区にエントリーされました。そこで、国家戦略特区の内容と、エントリーされるに至った経緯と、また、エントリーされたことによるメリットについてお聞かせいただきたいと思います。

○大根原池袋西口再生担当課長  池袋西口の再開発事業につきまして御説明します。

昨年の10月14日でございますけれども、内閣府の東京圏国家戦略特別区域会議というものが開催されまして、その中で池袋西口の再開発事業が国家戦略のエントリーということで、国家戦略特区の手続にエントリーするということになります。

この国家戦略特別区域の内容なんですけれども、いろいろな世の中にある規制の緩和の一つの手段でございます。ですので、このまちづくりとか再開発とかという分野だけではないんですけれども、今回選ばれているのは都市計画手続についての国家戦略特区というものになります。具体的に申しますと、国家戦略特区というのが結局認定されることが、都市計画決定というものに代わるものでございます。通常ですと、豊島区の都市計画は、豊島区が都計審にかけて豊島区で決定する、東京都の都市計画は、東京都の都市計画審議会を経て東京都が決定するというような段階になるんですけれども、今回の国家戦略特区にエントリーすることによって、国のほうでワンストップで都市計画決定をするというような内容になります。ですので、この都市再生プロジェクトというものが国、それから都、区、また事業者ですね、準備組合とか組合なんですけれども、そういったものが一致団結して、プロジェクトとして同じ方向を向いて動き出すということは大きな効果になろうかと思います。都市計画決定手続の簡易化が進むことによって、スピードアップが図られるというものでございます。

この経緯について申し上げますと、この西口の再開発についての検討はかなり前からやっているわけですけれども、直接この都市再生プロジェクトについては、いろいろな動きがあったのがおととしの12月になります。おととしの12月に、東京都の小池知事と、それから、高野区長と意見交換をするような場が設けられました。その中では2つテーマがありまして、1つは無電柱化の話だったんですけれども、もう一つが、高野区長が一番まちづくりの思いとして掲げている池袋西口再開発でございます。その西口の再開発について、やはりウオーカブルなまちづくりを進めていく上で、自分のまちづくりの集大成だということで、西口再開発についての支援をお願いしたいというようなことを高野区長から小池知事に申し上げました。その際に、この西口再開発は都市再生特別地区という都市計画を目指しておりますけれども、その前段として、まずは国家戦略特区という手続にのせてもらいたいということをお願いしたところでございます。そのかいもありまして、昨年の10月になりますけれども、国家戦略のエントリーというふうな流れになったものでございます。

○辻薫委員  このエントリーになったその背景に、やはり高野区長のそういう取組があったと改めて確認をさせていただいたところでございます。

一方で、この池袋駅西口、この市街地再開発の事業を進めていくには、池袋駅コア整備方針の策定が欠かせないところではございますけども、池袋の再生に向けたデッキや交通広場、さらに結節空間などの検討状況について現状をお聞かせください。

○小澤交通・基盤担当課長  池袋駅の再生につきましては、ダンベルのまちづくりを進める上でも最も重要なテーマであるダンベルの持ち手の部分の再生になります。その上でございますが、豊島区だけではなくて、この駅には4社の鉄道事業者と、そして商業施設と、そして、まちの皆さんと多くの地権者の協力を得てこの駅は再生していくことになりますので、その皆様方とデッキであったりとか、あとクルドサックもそうです。そして、西口では、今、分散されております交通広場を全て集約して、そういった駅の再生方針をつくった上で、西口の再開発へとつなげていくというところでございます。今年度の初めにその方針をつくっていくということで御説明させていただきまして、今年度中にとも思っておりましたが、関係の皆様が多くいらっしゃる中で、実現に向けて、例えば費用の負担ですとか、あと、それぞれの会社の、西口だけではなくて、建て替えですとか、改修ですとか、そういったことも含めて、また環状5の1号線の工事の状況ですとか、そういったことも併せてスキームをつくって、その上で再生方針を示す必要がございますので、今取りまとめてるところではございますが、西口のほうも動いておりますし、皆様の機運も高まり、国家戦略として、国家戦略特区になると、東京都も国も単なる許可権者ではなくて、共にやっていかなければいけないという責任を負いますので、早い段階でその辺りの取りまとめをしていきたいというふうに考えております。

○辻薫委員  この質問の最後にしますけども、高野区長の長年の念願だったのが、駅袋からの脱却というふうに私も認識しております。それは、取りも直さず、池袋駅西口地区再開発事業の進展にかかってるというふうに私は強く思ってるところでございます。この最後に、その再開発に向けての区の決意をお聞きしたいと思います。

○近藤都市整備部長  西口の再開発は、本当に徐々に、本当にゆっくりなんですけども、進捗してきまして、まさに、西口に今、エスカレーターが1個しかないところに、階段とエスカレーターしかない東武のところにでかいサンクンガーデンを造って、本当に池袋の地下街から、要は池袋の駅の地下から西口に出られる出口をちゃんと造ると。そして、そこの跡に歩行者空間の広がった大空間のあるアゼリア通りが、今、マルイの工事やってますけども、あそこの跡地のところの建物がどんと目に見えるようなすばらしい空間になると思ってございますので、区といたしましても、再開発の準備組合と事業者と一緒になって、まちの人たちも一緒になって取り組んでまいりたいというように思ってございます。