令和 4年決特 文化商工・こども・教育 10/13辻議員

子どもスキップの運営

○辻薫委員  私からは、まず、子どもスキップの運営について伺いたいと思います。

今年の7月に、私の母校、要小学校の敷地内にあります子どもスキップ要の視察をしてまいりました。その状況を踏まえて質問をさせていただきます。

まずは、令和3年度のスキップ利用者数とともに、学童クラブの利用者数の推移についてお聞かせください。

○小野放課後対策課長  まず、子どもスキップの年間の利用者数ですけれども、令和3年度では、メインに学童クラブですけれども、年間で延べ41万5,653人の児童が利用しております。

また、学童クラブの利用者数の推移ということでございますけれども、4月の登録者数でいいますと、令和2年は2,235名、令和3年は2,539名、そして、今年度は2,839名と、毎年300人ぐらいずつ登録者数が増えているということで、学童クラブの需要、学童クラブを利用している家庭が増えていると認識しております。

○辻薫委員  ありがとうございます。増えてきてるということですね。

私がスキップ要の視察を開始した午後1時半より、授業を終えた児童が次から次へと入室してきまして、30分もすると、コアスペース、セカンドスペースとも児童でいっぱいになりました。新型コロナウイルス感染症が急拡大しており、密を避けるためにも、サードスペースの活用を確認しましたところ、場所が学校の家庭科室に設定されておりまして、スキップ施設とは別棟で離れているため、職員の配置を考えると、現実的には利用できてないとのことでした。

スキップ施設が学校施設内型の要のような場合は職員体制を強化する必要があると考えますが、この点につきましてはいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  スキップの専用のスペースとして、コア、セカンドを準備しておりますけれども、子どもがどんどん増えてまいりまして、放課後の空き教室を利用するということで、サードスペースを学校からお借りしております。要のような施設内型、いわゆる別棟を建てている施設、それから、どうしても学校の施設の中ではスキップを運営できなくて、少し離れたところで運営しているというところもございます。そういうところはやはりマンパワーが必要だということは、我々も認識しているところです。こういうところは、特に、所長のほかに正規の職員を必ず配置するということと、必要があれば増員をして配置するよう、配慮をしているところでございます。

○辻薫委員  1人当たり1.65平米のスペースを確保するために、サードスペースなんかも用意されている。ただ、実際に利用できてないという実態があるので、この点につきましては、しっかり検討を続けていただきたいと思います。

また、職員体制に関して、視察当時、スキップ要では、職員が1名欠員であることが分かりました。そこで、区全体では職員の欠員状況はどうなっていますでしょうか、お聞かせください。

○小野放課後対策課長  スキップの利用の子ども、年々が増えているということで、今年度は、正規3人、それから会計年度任用職員5人合わせて8名の定員を増員したところでございます。しかし、残念ながら、9月現在、全体で12名の欠員が生じているということで、12の施設では、1人欠員の状態で運営しているというところです。

なお、子どもスキップ要につきましては、9月から1人採用できましたので、1人配置をしておりまして、欠員の状況は解消してございます。

○辻薫委員  スキップ職員の欠員の原因に、報酬が低いことにあるのではないかと考えられます。実際のところ、他のスキップに勤務する男性職員から聞いた話では、家庭を持ってからはダブルワークをしながらやりくりをしているのが、いつまで続けられるか不安との声も聞いております。

欠員状態の解消とともに、職員の確保のためには、報酬の見直しに加えて、SSサポーター配置の増員など検討すべきであると考えますが、この点いかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  現在豊島区は、学童クラブ、直営で運営しております。23区では、あと世田谷1区ぐらいだと思いますんで、ほかは一部委託ですとか、全部委託、そういう中で、比較できる職員の報酬を確認いたしますと、本区は他の自治体に比べて報酬自体は高い状態ではございます。そういう意味で、すぐに報酬のほうを見直すというところまでは今考えてはおりませんが、今後、様々業種の中で賃金が上昇するというようなことも予想されます。また、先ほどの、今の質問でも、質の高い学童クラブを運営するためには、やはり報酬の見直しというのは今後避けて通れないだろうなというふうに考えておりますので、他自治体、あるいは学童クラブに関わる職員の報酬、しっかりと状況を見極めまして、タイミングを逸することなく、見直しを図っていきたいというふうに考えております。

また、スクール・スキップサポーター、SSサポーターですね、こちらの配置につきましては、近年、傾向といたしまして、支援が必要なお子さん、あるいは配慮が必要なお子さんが増えてきているという状況でございます。SS、スクール・スキップサポーターは、学校とスキップをつなぐ非常に重要な職種であると考えております。特に、子どもスキップ要を含めました特別支援学級があるような、そういうスキップにつきましては、まさに今、増員について検討をしているところでございます。

○辻薫委員  ぜひよろしくお願いしたいと思います。

職員は本当に子どもが好きなんですよね。だから、本当に報酬がそういう意味では厳しい中でも、ダブルワークしてでもやっていこうという思いが強いことが分かりました。

それで、視察の際に、スキップの本棚を見たところ、古い漫画が並んでおり、また、おもちゃも使い古したような状態が気になりました。これらの購入費は、年間総額としてどのぐらいになっているんでしょうか。

○小野放課後対策課長  スキップ、今、22か所ございますけれども、3年度の決算ベースで、合わせて431万2,000円でございます。

○辻薫委員  そうすると、この1人当たりに換算すると幾らぐらいになりますでしょうか。また、他区との比較もお聞かせください。

○小野放課後対策課長  学童クラブの登録者数で割り返しますと、1人当たり1,557円ということです。

他区で比べますと、一番近いところで、板橋だと1人当たり2,195円、練馬は多くて、5,250円といった状況でございます。

○辻薫委員  あまりにも少ないなという感じですね。板橋区と比較して600円以上、練馬区と比較すると3,600円も開いているというところで、そういう古いものが残っているのかなと思います。

他のスキップの状況を確認したところ、漫画が好きな職員が、自分で購入した本を持参してスキップで利用しているというところもございました。放課後にスキップで、漫画や様々な図書に触れる児童もいます。また、ゲームを通して、社会性やルールを学ぶという、そういった機会もあると思いますので、ぜひ、やはり来年度に向けて、予算の増額を望みますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○小野放課後対策課長  やはり子どもスキップというのは、子どもたちが遊びを通して楽しく時間を過ごせる場所でなければならないというふうに考えております。漫画、おもちゃ、本当に子どもたちにつらい思いをさせているというふうに私も考えております。

現在は、本当に限られた予算の中で、いろいろと入替えをしたり、職員、本当にまさに考えて道具を用意しておりますが、やはり子どもが充実した時間を過ごせるよう、今後もしっかりと環境配慮、環境整備していきたいと思います。

○辻薫委員  この質問のまとめしますけども、やはり子どもスキップは、放課後の児童が安全で、また安心に楽しく過ごすスペースでもございます。そして、本区の学童クラブは、保育園同様、待機児童を出さずに、コロナウイルス感染症の終息が見えない中でも休まず運営しております。そういう意味では、本当に皆様の御努力に感謝をしておりますし、また、これからそういった費用の確保とか、人材の確保をしっかりやっていただくことをお願いしたいと思います。

 

🌟千川中学校の改築
○辻薫委員 次に、ここもまた、私の母校であります千川中学校の改築について伺います。令和3年度は、前年に続いて、千川中学校の建替え等を考える会が開催され、私も毎回傍聴させていただきました。そして、令和3年12月に、千川中学校建替えに関する提言書が区に提出され、現在、改築基本構想・基本計画に基づき、基本設計中と伺っております。

第2回定例会での一般質問では、設計期間中には、設計案に関する説明会を開催するなど、近隣にお住まいの方々の御意見を伺いながら設計を進め、御理解、御協力が得られるよう努めていくとの答弁をいただきました。

そこで、まず、地域の皆様への説明はどのような状態になっているのかお聞かせください。

○宇野学校施設課長  千川中学校の改築につきましては、9月14日の議員協議会におきまして、複合化をはじめとする改築の方針をお示ししたところでございます。その翌日に、建替えを考える会の方々に報告を行いまして、その次の週、9月22日に、近隣のお住まいの方々に対しまして、意見を聞く会というものを開催したところでございます。また、10月11日には、第9地区の区政連絡会において説明をしたところでございます。

○辻薫委員  9月22日の近隣住民の方々の意見を聞く会、私も参加いたしましたが、その後のファクスなんかの御意見も含めまして御報告いただきたいと思います。

○宇野学校施設課長  近隣にお住まいの43名の方々に御参加をいただいたところでございます。

方針にて示されましたプール用地の公園整備ですとか、西部子ども家庭支援センター、教育センターとの複合化、また、池袋モンパルナスの流れをくむギャラリーの設置などについて好意的な御意見をいただく一方で、校舎の位置が従前と変わることもありまして、校舎建築想定の東側にお住まいの方々からは、日影ですとか建物の圧迫感に関する不安などそういった御意見があり、これまで本区で連携校など整備してきたような歩道状空地の整備についての御要望をいただいたところでございます。また、逆に、西側にお住まいの方につきましては、土ぼこり対策の御要望もいただいたところでございます。

その後の御意見としましては、南側にも歩道状空地といった御要望ですとか、緑が感じられるスペースの整備、公園整備に関する御要望などをいただいたところでございます。

○辻薫委員  今、説明会で、この校庭の土ぼこりの対策について要望があったと言いましたけども、区の運動場整備方針により、中学校の場合は、土系舗装となっております。千川中学校も計画では土系の舗装となっておりますけれども、北区や中野区では、中学校でも人工芝のグラウンドがあります。土ぼこりなど都市環境への影響を軽減できる一方で、部活動への影響も考慮する必要があると思いますが、豊島区においては、この人工芝の導入を検討されていますでしょうか。

○宇野学校施設課長  今御意見、御指摘のとおり、他自治体におきまして、人工芝を中学校校庭に採用する例が近年増えている状況でございます。土ぼこりが出ないですとか、景観上も美しいといったメリットがある一方で、人工芝の種類によりましては、一部競技に適さないといったものもありますので、部活動への影響については精査する必要があると考えております。

運動場整備方針については、見直しも含めて、人工芝の中学校校庭についても検討は進めてまいりたいと考えております。

○辻薫委員  細かい話になりますけど、この人工芝というのは、メンテナンス上の課題が指摘されているところでございますけれども、土やゴムチップのグラウンドと比較して、コストや手間については、これも分かれば教えていただきたいと思います。

○宇野学校施設課長  例えば本区では、現在、朝日小学校におきまして、ロングパイルという毛足の長い人工芝を採用しているところでございます。

メンテナンスとしましては、芝起こしですとか充填剤の補充といった手間が存在しておりまして、土やゴムチップと比べて、ある程度、年間30万から40万円ぐらいのランニングコストが発生しているところでございます。

現在の人工芝の種類ですと、毛足の長さにも様々な種類はございまして、ランニングコストも種類に応じて変わったり、もしくはかからないといったものも存在するということなので、これについても精査が必要なのかなというふうに考えております。

○辻薫委員  ここで、現在基本設計中の千川中学校への校庭の整備については、この人工芝等の検討についてはいかがでしょうか。

○宇野学校施設課長  先月の説明会の後、ファクスの御意見、さらにその後、土ぼこり対策の御要望もいただいたところでございます。土系の舗装を前提として考えていたところではございますが、コストの比較ですとか学校の競技、また地域の方々の御要望も踏まえまして、人工芝の固定については、設計の中で検討はしていきたいと考えております。

○辻薫委員  話が冒頭の、近隣住民の方々の意見を聞く会に戻させていただきますけども、当日は、会場となった体育館の音響設備が悪いせいか、発言者の声が聞きづらいとの苦情も出ておりました。今後は改善の上、改正するよう要望しておきたいと思います。

その上で、今後の基本設計の進捗、地域への説明の見通しはどのようになりますでしょうか。

○宇野学校施設課長  おっしゃった体育館の音響設備につきましては御不便をおかけいたしました。次回より改善してまいります。

その上で、今後、案についてなんですけれども、いただいた御意見を踏まえまして、反映が可能なものは設計に落とし込んでまいりたいと考えております。そうした検討結果につきましては、年内を目途に、地域の皆様に説明する機会を設けられたらというふうに考えております。

基本設計の素案につきましても、進捗状況を見据えながら、説明会の開催を予定しております。現在のところ、令和5年春頃になるのではないかというふうに見通しているところでございます。

○辻薫委員  千川中学校は高層化と複合化という、これまでにない改築案が発表されていました。どんな施設としていくことを考えているのか、改めて御所見を伺います。

○宇野学校施設課長  どんな施設にしていきたいかということでございますけれども、従前のような改築にある教育環境の向上と施設の更新や防災機能の強化、そういったところに加えまして、地域の交流といったところと、初の福祉施設との複合化を通しまして、基本コンセプトでもあります都市の文化と歴史に包まれて、楽しく学び、仲間と集い、地域と共に歩んでいく千川中学校、こういったものを目指してまいりたいと考えております。

○辻薫委員  最後まとめさせていただきますけども、今回の学校、本校舎と区の施設の複合化について、周辺住民の皆様には、期待とともに、様々な御意見があることが考えられております。ぜひ、引き続き丁寧な説明と対応を尽くしていただきまして、改築を進めるようお願い申し上げまして、私からの質問を終了させていただきます。

○高野区長  今回の千川中学校の改築に関しましては、なかなか仮校舎といいますか、その場所がなかったわけでありますけど、平和小学校の跡地が、幸いにあそこに学校改築のための一時的な学校、仮校ができるようになりましたので、この千川中学校の改築も順調に進められると思っております。

ただ、千川中学校の場合は、生徒数が今230人ぐらいだったっけ、いろいろこれからの予測を考えても、300人を超えるというような予測はなかなかつけにくいという形の中で、あそこは幹線道路に面しておりまして、高層化ができるということで、この高層化、十分に活用していかなければ、将来のために、地域のいろんな形の中の魅力ある拠点になるようにしていくというような形の中で、複合化ということも、なかなか教育委員会、金子教育長とも再三にわたって、豊島区としても初めての複合化ですから、大変いろんな検討をさせていただきました。

そういう中で、7階建てというような形に決まったわけでありますけど、周辺の幹線道路は今14階、15階が延焼遮断帯というような形の中で建築許可が得られるわけでありますけど、周りのことも十分考えながら、7階建ての中に、やはり250人、300人以内というような生徒数では、もったいないというか、本当にあそこだけでの教育施設でいいかという形の中で、今回、様々な御提案もさせていただきました。

これからの学校はやはり地域の拠点として、シンボルとして、特に千川、高松、要、千早というあの地域には公園や少ないし、公共施設もほとんどないというような形の中では、私は今回の千川中学校の改築というのは、大きなあの地域のいろんな形の中の拠点、まちの活性化にもつながっていくし、これらについては、本当にすばらしい活用ができるのではないかと思っておりますので、今後、こういった件については、今おっしゃったように、地元の方にまず一番に理解されることだということを考えて、教育委員会と共に、もちろん学校建築ですから教育委員会主体でありますけど、我々区長部局も、様々なトータルでいろいろ考えて、あの地域がさらなるまちづくりに貢献するように努力をさせていただきたいと思います。