令和4年第2回定例会 6月15日 一般質問

「誰一人取り残さない社会を目指して!」

公明党豊島区議団 辻薫

 

公明党の辻薫でございます。私は公明党豊島区議団を代表しまして、

「誰一人取り残さない社会を目指して!」と題し、1.区長招集挨拶に関して、2.都市防災について、3.地域共生社会の構築に向けた取り組みについて、4.千川中学校の改築について、5.旧平和小学校複合施設整備について、一般質問を行います。

 

1.区長招集挨拶関して

最初に、本定例会の「区長招集挨拶に関して」質問致します。

高野区長は、招集挨拶の中で、2022年の重点テーマの進捗状況を報告され、中でも私は、4つ目の重点テーマである「池袋の都市再生」におけ

る高野区長の90周年にかける並々ならぬ決意を感じました。

それは、先月開催された池袋駅周辺地域再生委員会において、自ら「東西のダンベル型のまちづくり構想」を紹介されたことに触れ、「100周年

となる2032年において、さらに輝く『国際アート・カルチャー都市』を実現できるかどうかは、このまちづくりにかかっていると言っても過

言ではありません。」との発言です。

そして、「90周年となる今年度には、ウォーカブルを軸として貫く“まちづくり方針”の策定を目的とした、『池袋ウォーカブル推進協議会』

を開催する予定です。」と述べられました。そこで先ず、この推進協議会の概要についてお聞かせ下さい。

また、高野区長は、池袋西口の再開発が動き出してきているとして「池袋西口準備組合は、加入率85%と地権者の機運も高く、今年度は都市計

画決定に向けて大きく前進する大事な年になります。」と明言されました。今後のまちづくりの重要な役割を担う立教通り整備事業もいよいよ

今年度からの工事が決定し、また、先日は、副都心委員会において、池袋西口での都市再生事業の計画検討を踏まえて、仮称「池袋駅コア整備

方針2020」の策定検討に着手するとの説明がありました。

その際、池袋駅周辺地域基盤整備方針2018を再度確認したところ、駅関連施設として、地下通路と地上を結ぶ、新たな接続口としてサンクン

ガーデンの記載がありましたが、イメージとしては、昨年公開された池袋駅西口再開発組合提供の池袋駅西口のサンクンガーデンのイメージ

パースによって、より明確になったところです。

そこで、改めて、人優先のウォーカブルなまちづくりとともに、池袋西口地区市街地再開発事業に対する高野区長のご決意をお聞かせ下さ

い。

 

2.都市防災について

2項目目として、「都市防災について」伺います。

最初に、東京都が5月25日、首都直下地震等による被害想定を10年ぶりに見直し、公表した内容について質問します。

日本の国土面積は、地球上の陸地の約400分の1に過ぎないのに、日本列島及びその周辺から吐き出される地震や火山噴火のエネルギーは、地球全体の10分の1に達しています。そして、日本列島の周辺には、4枚のプレートがひしめき合っていて、その境界あたりで、地震活動や火山活動が活発になっています。

そして関東で発生が心配される地震は2つに大別されます。一つは関東の下に沈み込むフィリピン海プレートの上面で起きる「関東地震」と呼ばれるタイプの地震。もう一つは、フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界ないしこれらのプレート内部、あるいは活断層で起きる可能性のあるマグニチュード7クラスの地震です。過去にはこうした地震が100年当たり2回から3回の割合でおきており、その活動は履歴から30年以内に70%程度の確率で発生すると心配されています。

東京で巨大地震が起きれば、多くの人命が失われ、首都機能もまひし、全国への甚大な影響は避けられず、被害を最小化する備えを整えなければなりません。今回の見直しにより、都内で最大規模の被害が想定されるのは、都心南部を震源とするマグニチュード7.3、最大震度7の「都心南部直下地震」が発生した場合、23区の約6割を震度6強以上の揺れが襲い、死者数は最大6,148人、負傷者は93,435人、全壊・焼失による建物の被害は194,431棟に上ります。

2012年の前回想定で最大の被害が出るとされた「東京湾北部地震」とは震源の位置や深さが異なりますが、東京都全体では、住宅の耐震化率が10%以上増加し、木造住宅密集地域がほぼ半減して不燃化も進んだことで、死者や建物被害は3割から4割減少しています。国や都による震災への取り組みの成果と言えます。

そこで先ず、同規模の地震が起きた際の豊島区における被害状況についてはどのように想定されているか、前回との比較も併せてお示し下さい。

さらに、豊島区における2012年以降の不燃領域率の推移と不燃領域率向上に向けた今後の取り組みをお聞かせ下さい。

 

東京都は今回、被害想定だけではなく「防災・減災対策による被害軽減効果の推計」を示しています。先ず、「耐震化率の向上」については、東京都の住宅の耐震化率は2020年時点で92%ですが、すべての建物が建て替えや耐震補強等の実施により、1981年の新耐震基準を満たすことにより、全壊棟数及び死者数は現況より約6割減少するとしました。

そこで、本区における住宅の耐震化率について以前と比べてどの程度進展したのか、また耐震化率向上への取り組みについてお聞かせ下さい。

被害軽減効果の2つ目は、「家具等の転倒・落下・移動防止対策」です。家具等の転倒・落下・移動防止対策実施率を2020年現在の57.3%から75%に引き上げた場合は、死者数を約4割減少することが出来るとしています。また、家具等を固定していても、適切に固定されていない場合は、実施効果が低減してしまいます。

阪神・淡路大震災の実績によると、固定方法等の不備により、対策実施済みの家具類等の約23%で実施効果がないとの結果が出ています。今後は、適切な方法による家具の固定を一層促し、対策の実効性を高めることでさらなる被害の抑制が見込まれます。

また、想定される死者数の内、約6割が家具等の転倒を回避できない、寝たきり等により避難できない、災害時要援護者とされています。

そこで、家具転倒防止対策については、災害時要援護者には特段の配慮が必要であると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

 

被害軽減効果の3つ目は、「火災被害の抑制」です。火災による被害を抑制するためには、当然のことながら出火件数自体を減少させることが重要です。東京都では、出火抑制策として、「電気を要因とする出火の低減」と「初期消火率の向上」を挙げています。

 

特に、電気を要因とする出火の低減率は、感震ブレーカーの設置率の8.3%を25%に引き上げれば、焼失棟数、死者数ともに、現況に対して約7割減少と推計しています。

そこで、先ず、これまでの木密地域を中心とした感震ブレーカー設置の推進状況をお聞かせ下さい。

また、今後は、やはり、災害時要援護者宅への設置が必要であると考えますが、区のご所見をお聞かせ下さい。

今回の被害想定では、地震後に起こり得る事態を時系列で示した「災害シナリオ」が新たに盛り込まれています。その中のエレベーター被害については、オフィスビルやタワーマンションの増加により、エレベーターが最大約22,000台、これは10年前の前回被害想定の3倍に拡大していて、多数の閉じ込めが発生するとしています。

救出救助には半日以上の時間が必要となる場合があり、エレベーター内が混雑した状況で長時間停止した場合、また、停電で空調が停止した際には、熱中症やパニックが発生する可能性があると記載しています。

そこで、特にマンションに特化した防災マニュアルの作成など、タワーマンションを含む本区の取り組み状況についてお聞かせ下さい。 

災害シナリオでは、帰宅困難者についても言及しています。公共交通機関が広域的に運行を停止し、都内で最大で約453万人が帰宅困難者になり、

豊島区では128,014名が予測され、池袋駅周辺では14,061名が滞留するとしています。今年1月時点での都内の一時滞在施設は44万人分のみで、収容能力は帰宅困難者の10分の1以下となっています。

そこで、本区の一時滞在施設の整備状況についてお聞かせ下さい。

先日、東京大学大学院の廣井悠教授より、帰宅困難者対策についての講演をお聞きする機会がありました。教授は、帰宅困難者対策おける行政の役割は、「災害前にきちんと自助や共助をサポートする」ことと訴えていました。

例えば、東京都は帰宅困難者対策として、都民の努力義務として一斉帰宅の抑制、家族との安否確認手段確保を、事業者の努力義務としては、従業員の一斉帰宅抑制と備蓄、従業員の連絡手段や安全確保、利用者保護を求めていることを挙げています。

また、廣井教授は、帰宅困難者対策は、被害の規模や発生の時間帯、場所、季節によって違うのみならず、会社特性や地域特性によっても大きく異なることから一律のマニュアルが存在しないとして、「滞留」させるための図上訓練「帰宅困難者対策支援施設運営ゲーム」頭文字を取って(KUG)を開発されました。

避難所運営ゲーム(HUG)を参考に、帰宅困難者の受け入れに関する図上訓練ツールのパッケージ化を行っていて、事業者がそもそも受け入れられるかどうかの検討に活用されています。また、受け入れることを決定しても実際に訓練するのは大変であることから、丸の内、新宿、銀座などでこの図上訓練KUGを活用しています。

そこで、本区としても、今後の受け入れ事業者拡大などに図上訓練KUGを活用することを提案しますが、ご見解をお聞かせ下さい。

ここまで、東京都の「首都直下地震等による被害想定の見直し」について取り上げてまいりました。

今回の見直しにより、豊島区における被害想定も大半が減少したことを確認させて頂きましたが、人的被害においては、死者数が55人、負傷者数が1,362人であり、依然として被害は甚大であることに変わりはありません。今後とも被害想定結果のみにとらわれることなく、いつ、どのような条件下で発生するかわからない大規模災害が発生した際、被害を最小限に抑えるためには、地域、事業者など社会全体での取り組みが不可欠です。

また、区民一人ひとりが「わがこと」として大規模災害に立ち向かっていくことが重要であり、そのために、区としてはどのように取り組んでいかれるのか、ご所見を伺います。

都市防災についての質問の2点目は、避難行動についてです。

先の廣井教授は、「避難場所に行くことが避難行動ではなく、避難場所以外の安全な場所で難を逃れる行為も、垂直な移動も、所在地が安全であればその場所で安全確保行動を行うことも、すべてが避難行動になる。」と述べています。つまり、「災害ごとに、地域ごとに、何に対して・誰が・いつ・どのように逃げるかの正しさは全く異なる。つまり人によって、避難行動は異なるため、あくまで全員向けの避難に関する情報を目安に、個人の情報を加味した自分の判断で主体的に安全を確保することが大事である。」としています。

豊島区においてもコロナ禍で分散避難を呼びかけるようになり、豊島区防災地図に示している「避難する場所について」では、主体的な避難行動を促すような表現になっていると考えますが、避難行動における本区のお考えをお聞かせ下さい。

避難行動に関連して、避難行動要支援者に対する個別避難計画の作成については、3月25日に開催された豊島区防災会議において、今年度より個別避難計画のモデル作成を実施すると伺いました。そこで、進捗状況とともに、作成を推進するにあたっての課題についてもお聞かせ下さい。


3.地域共生社会の構築に向けた取り組みについて

3項目目に、「地域共生社会の構築に向けた取り組みについて」質問します。

日本の社会保障は、人生において典型的と考えられるリスクや課題を想定し、その解決を目的として、それぞれ現金給付や福祉サービス等を含む現物給付を行うというアプローチの中で、公的な保障の量的な拡大と質的な発展を実現してきました。

これにより、生活保障やセーフティネットの機能は大きく進展し、社会福祉の分野では、生活保護、高齢者介護、障害福祉、児童福祉など、属性別や対象者のリスク別の制度が発展し、専門的支援が提供されるようになってきています。

最近でも、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生活困窮者支援として、緊急小口現金・総合支援資金の貸し付けや、住宅確保給付金の支給などが実施されたところです。そこで、改めて、それぞれの支給実績をお示し下さい。また、総合支援資金の特例貸付を終了した世帯等に対して、一定額を支給する生活困窮者自立支援金の支給実績もお聞かせ下さい。

ここで少々、生活困窮者自立支援事業に触れさせて頂きますが、本区のくらし・しごと相談支援センターと同様の自立相談支援機関では、コロナ禍、全国的に、こうした支給業務に忙殺され、本来の相談業務に集中できなかったとの状況も聞いております。そこで、本区の相談業務はどうでしたでしょうか、相談者数や就労支援状況など、お示し下さい。また、具体的な事例がありましたらご紹介下さい。

厚生労働省の資料によると、生活困窮者自立支援窓口が、新型コロナの影響により新たに連携を強化した機関・分野として、行政機関としては、

生活保護・福祉事務所やハローワークとの連携が強いものの、その他にも障害者福祉、ひとり親、地域包括支援センター、税・保険部局、市町村営住宅、雇用・産業などに加えて、行政機関以外では、社会福祉協議会に加え、法テラス・弁護士等、フードバンク活動団体と新たに連携を許可した自治体が25%以上見られたとしています。

先程のコロナ禍における生活困窮に対応するための現金給付など明らかな場合の支援と併せて、コロナ禍で、生きづらさの背景が明らかでない場合や、社会的孤立やダブルケア、8050問題など課題が複合化しており、個別性が極めて高く、こうした本人やご家族を取り巻くさまざまな課題を、横串を通して見る、高齢・障害・子ども・困窮という対象者別の各制度を超えた支援の必要性が顕著になってまいりました。

そこで国は、令和2年6月に地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正し、属性を問わない包括的な支援体制の構築を、市区町村が創意工夫を持って円滑に実施できる仕組みとして重層的支援体制整備事業を令和3年4月に施行しています。

私は、令和3年度の予算特別委員会でも、この事業について、いわゆる「断らない相談支援」として質問しました。そこで、改めて、事業概要と本区での取り組み状況についてお聞かせ下さい。

予算特別委員会では、本事業が複数の部署に関係し、また国への補助金申請の準備のため、令和4年に国への本申請を行うと答弁頂いております。その後の進捗状況についてもお聞かせ下さい。 

重層的支援体制整備事業により、これまで分野ごとに予算を付けてきた国の制度設計からすれば、分野を超えた取り組みを柔軟に実施できるという点で、これまでとは真逆の発想となります。人が中心の支援制度であり、自治体が地域のニーズを把握し、整理、分析し、立案するという発想の転換は、大変に労苦を伴う事業です。

しかしながら、先ずは、区が制度・分野ごとの縦割りという関係を超えて、関係機関・関係者のネットワークの中で対応することにより、人と人、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながり、区民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく地域共生社会の構築へ大きく前進すると考えます。最後に、こうした取り組みについて、区のご所見をお聞かせ願います。


4.千川中学校の改築について

4項目目として、「千川中学校の改築について」質問します。令和3年12月、「千川中学校の建替え等を考える会」が1年半にわたって検討してきた『千川中学校建替えに関する提言書』が高野区長、金子教育長に提出されました。

これを受けて本年1月に、教育委員会が「千川中学校改築基本構想・基本計画」を策定されました。先ずは、その後の進捗状況についてお示し下さい。

提言を踏まえた基本計画では、校舎を高層化することで、校庭を広く確保できる等の利点を生かした4つの案が示されています。その内、箱型東側配置案については、千川中学校校舎東側にお住いの方々から、日照や強風による影響、さらに新校舎のコンクリート壁による車両走行音の反響、また、校舎自体が既存の高層建築物の影響により、陽が差さない課題があるとの声が寄せられています。

区はこうしたお声を真摯に受け止め、敷地東側建物への影響が極力少なくなるよう検討、配慮し、丁寧にご説明の上、ご理解ご協力が得られるよう取り組まれることを要望致します。 

建替え等考える会には、私も毎回傍聴させて頂きましたが、皆様からのご意見として強く感じた点は、基本構想のコンセプトにもある通り、「誰よりもまず、生徒たちにとって最も良い学校を目指す」ことであり、「生徒が心身ともに大きく飛躍する場として、これまで以上に学校・地域の交流を深めていく」点です。つまり、どこまで行っても生徒中心であることです。

そして、地域に開放できる多様な施設としては、これも基本方針に示されていますが、「今後多様な施設になる場合は、生徒の学習環境に配慮しつつ相乗効果が望めるものしたい」と記載されています。提言提出後に、

具体的な施設として、子どもの発達段階に応じた支援が出来る施設を望む声がありました。

そこで、基本方針にある「地域交流が生まれる学校」について、本区はどのように考えておられるのか、ご所見をお聞かせ下さい。

この質問の最後に、千川中学校の改築に関連して、高松地区の浸水対策について伺います。高松地区では、平成20年7月に発生した局所的集中豪雨以来、たびたび浸水被害を受けており、私自身、区を通して東京都に下水道施設への負担を軽減し、浸水被害の抑制を図る取り組みを要望しておりました。

その後、高松1丁目町会からのご要望もあり、昨年5月、東京都は高松地域における効果的な浸水対策を発表しました。先ずは、その概要についてお示し下さい。

また、今後、対策に伴う下水道工事について、千川中学校の建て替え工事との調整はどうなっているのかお聞かせ下さい。


5.旧平和小学校複合施設整備について

5項目目として、「旧平和小学校複合施設整備について」伺います。6月1日に、同施設の基本設計と工事説明会が行われました。校庭側か

らの全景イメージが初めて発表され、季節の移ろいを感じる施設として、仮校舎とは思えない複合施設に生まれ変わることに地元の皆様は大い

に期待を寄せています。

その仮校舎も公募による愛称として、「学び舎 ぴいす」に決定し、一人ひとりが平和になれる、また、ジグソーパズルのピースのように一

人ひとりにとっての「一節」・ピースとなれる学校との意味が込められていると伺いました。当初の西部地域複合施設案が白紙となり、その後、

地域のご意見を集約し取りまとめて頂きました関係者のご努力に敬意を表する次第です。

質疑応答では、工事車両の周辺道路での安全確保等の要望が寄せられていましたが、後日、地元町会からは、施設完成後の話として、区民事

務所並びに学校施設における会議室の貸し出しについての要望がありましたことをご報告申し上げます。

施設完成前に必要な取り組みとしては、千川中学校の生徒が新たに通うエリアにおける通学路の安全点検があります。特に、複合施設の周辺

については、ガードパイプ内側の歩行者スペースが狭く、一般の方との接触が懸念されます。また、防犯カメラの追加設置も考えられます。

本年、千川中学校はセーフスクールの認証を取得しました。時期を見て、実際に、「学び舎 ぴいす」に通う生徒自身も参加して通学路の危

険個所を確認していくことが大事であると考えます。最後に、こうした安全・安心の取り組みについて、教育委員会のご所見をお聞かせ下さい。

以上で、一般質問の全部を終了致します。ご清聴ありがとうございました。

 

【高野区長】

公明党 辻薫議員 令和4年第2回定例会 一般質問高野区長答弁

ただいまの、辻薫議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

区長招集挨拶に関してのご質問のうち、まず、池袋ウォーカブル推進協議会の概要についてのご質問にお答えいたします。

区では、池袋の将来の都市像である、「東西のダンベル型のまちづくり構想」の実現に向けて、基本となる方針を策定するため、池袋ウォーカブル推進協議会を今年度中に開催する予定です。サンクンガーデンや東西デッキなど、四季の移り変わりを感じられる基盤整備の進め方や、都市空間にアートを設置し歩行者の回遊性を高める手法について協議を行いたいと考えております。

さらに、策定された基本的な方針は、各地域の特性を活かしつつ、豊島区全域へ広げられるよう検討してまいります。

現在は、協議会の開催に向けて、都市計画や緑化計画、公民連携、アートなど、各分野の有識者の方々から、ウォーカブルなまちづくりの実現戦略についてご意見を伺うため、部会の立ち上げを検討しております。

部会で議論された事項については、地域住民・民間企業・行政が一堂に会した推進協議会で報告を行い、女性や障がい者、高齢者、子育て世代など様々な視点から、幅広くご意見を伺う予定です。池袋駅の東西に国内最大級の歩行者空間を創り出すための基本方針を、官民一体となった「オールとしま」で策定してまいります。

 

次に、ウォーカブルなまちづくりと池袋西口地区市街地再開発事業に対する私の決意についてのご質問にお答えいたします。

私の念願である、「エキブクロ」脱却に向けて、他の都市に類のない、駅の東西が一体となるウォーカブルなまちづくりを大きく実現するのが池袋西口再開発であります。

池袋駅は、東西3本の地下通路でつながっておりますが、東西に百貨店が立ち並び、駅の顔としての出入り口がわかりにくく「エキブクロ」の原因にもなっています。特に、池袋駅のメインである中央地下通路は、多くの乗降客がありますが、通路に地下鉄の改札があり、多くの方が錯綜し、地上までのスムーズな移動が難しくなっております。

この地下通路の構造はすぐに解決できるわけではありませんが、大動脈である中央地下通路から地上にスムーズに人を誘導するサンクンガーデンの整備は、駅の混雑解消、ウォーカブルなまちのスタート地点として絶大な効果があります。

西口中央には、開放的なサンクンガーデンが整備され、アゼリア通りは丸井の交差点までが幅員約20メートルの大規模歩行者空間となります。

丸井跡地の開発では、既存の歩道に加え、歩道状空地を整備することで、アゼリア通りからの人の流れを円滑に立教通りまで誘導します。立教通りは一方通行化に合わせ、開放的なパークロードとして再整備がいよいよ始まります。

池袋駅西口再開発は、駅前にとどまらず、賑わいを周辺にまで広げることで、他の都市とは異なる広がりのある回遊性の高いウォーカブルな街を実現します。

駅前の価値が高まり、駅周辺にも賑わいが広がることでまち全体の価値が高まります。これこそが私が目指すまちづくりの基本的なものであります。

思い起こせば、戦後疎開から戻った私は、池袋が焼け野原からヤミ市、戦後の高度成長期を経て、エネルギッシュに発展を遂げ、今や日本有数の繁華街になった経緯を目のあたりに眺めてきました。

区制施行90周年を迎え、国際アート・カルチャー都市として世間の注目を集め、今後次なる100周年に向け、SDGs未来都市、世界に類を見ない駅東西をつなぐウォーカブル推進都市としてさらに発展していくための最大の事業が池袋西口再開発であります。

戦後から脈々と続くまちのエネルギーを未来にも引き継ぎ、まち全体の価値が高まるよう、池袋のまちづくりの集大成として池袋西口の再開発事業を強く強力に進める決意であります。

 

次に、千川中学校の改築についてのご質問のうち、まず、千川中学校改築基本構想・基本計画の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

改築基本構想・基本計画を策定した後、本年1月から4月の間、設計事業者の選定プロポーザルを行い、その結果、株式会社石本建築事務所に設計委託することが決定しました。

改築のコンセプトである「都市の文化と歴史に包まれて、楽しく学び、仲間と集い、地域とともに歩んでいく」学校の具体化に向け、建築設計事務所とともに検討を深めております。

招集挨拶でも申し上げましたが、公共施設を整備する際は、単にその事業目的を果たすための施設ではなく、まちの価値や魅力を創り上げ、地域のシンボルとしていくことが、私が進めるまちづくりであります。

学校施設は地域のシンボルであり、敷地面積の大きな貴重なまちづくり資源でもありますので、学校改築は、こうした考えに立ったまちづくりを展開する絶好の機会であります。これまでは、学校は学校という考え方がありましたが、今後は、文化やスポーツ、子育て、みどりなど、地域全体のまちづくりの観点から、地域課題を総合的に整理し、学校施設を基本としながらも、多様な視点から敷地活用のあり方を検討してまいります。

特に、千川中学校敷地は、山手通りに面する好立地を活かして高度利用が可能ですので、学校とも親和性が高く、かつ教育環境の向上が見込めるような子ども関係施設との複合化について検討しております。

このように、千川中学校の改築を機に、私が公共施設等を計画する上で、根底に据えている信念を貫いてまいります。

 

次に、敷地東側建物への影響についてのご質問にお答えいたします。

地域のシンボルとなる学校施設の整備において、近隣にお住いの皆様のご理解をいただくことは重要であると考えております。

敷地の有効活用を検討していく中で、敷地東側に校舎を配置する場合は、これまで区にお寄せいただいているご意見やご要望を踏まえながら、敷地東側建物への影響が極力少なくなるよう配慮した設計を検討してまいります。

また設計期間中には設計案に関する説明会を開催するなど、近隣にお住いの方々のご意見を伺いながら設計を進め、ご理解、ご協力が得られるよう努めてまいります。

 

次に、「地域交流が生まれる学校」に関する考えについてのご質問にお答えいたします。

これまでの学校改築では、学校づくりはまちづくりであるという理念のもと、校舎だけでなく、緑の拠点となるような樹木の配置や敷地周りのウォーカブルな空間づくりを進めてまいりました。

この度の千川中学校では、かつてアトリエ村があった地域特有の歴史や文化に触れていただけるような場の創出や、地域の皆さまが利用し、集えるスペースなどを設け、学校に足を運んでいただけるような空間を確保したいと考えております。

今回の改築を通して、地域の皆さまが集い、そして交流が生まれる、まさに地域のシンボルに相応しい、まちの価値を更に高めていけるような学校こそが、「地域交流が生まれる学校」であると考えております。

 

次に、高松地域における浸水対策の概要及び下水道工事と建て替え工事との調整についてのご質問にお答えいたします。

高松地域では、辻議員をはじめ地元の皆さんによる要望が実を結んで、令和2年度から東京都が浸水対策に取り組んでおります。

これまでの調査の結果、千川中学校の北側道路にある下水道管を入れ替え、一部の地域の下水の流れを切り替える計画となっています。令和3年度には試掘調査を行い、現在、千川中学校北側道路を含めた工事の設計を進めており、今年度の下期に発注し、令和5年度から6年度にかけて整備を行う予定です。

なお、千川中学校の建て替え工事は、令和6年度から8年度を予定しており、下水道工事とスケジュールが重なることがないように想定しておりますので、東京都と豊島区、共に工事調整が必要であると認識しております。具体的な調整については、今後、施工内容や施工時期の確定に合わせて行ってまいります。

 

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、両副区長ならびに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

【斉藤副区長】

都市防災についてのご質問のうち、まず、2012年以降の不燃領域率の推移と不燃領域率向上に向けた今後の取組みについてのご質問にお答えいたします。

区では「木密地域不燃化10年プロジェクト」において指定された不燃化特区の5地区について、不燃領域率70%の目標をかかげ、老朽住宅の建て替え促進などの取り組みを進めてまいりました。

令和2年度末時点における不燃領域率は、各地区ともに65%前後と、2012年と比較して5%程度上昇しており、5月の首都直下地震等の被害想定においても、こうした不燃領域率改善の成果が表れているものと考えています。

現在、不燃化特区助成制度のお知らせを地区内に全戸配布するなどの周知活動を実施しておりますが、今後は新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動を縮小していた各地区のまちづくり協議会を再開し、周知活動をこれまで以上に強化したいと考えております。また、特定整備路線の整備に併せた沿道の共同化についても取り組みを促進し、不燃領域率の向上に努めてまいります。

 

次に、耐震化率向上への進展と取組みについてのご質問にお答えいたします。

住宅の耐震化率については、平成27年度に88%だったものが、令和3年度末には92%まで改善いたしました。

令和3年4月に改定した「豊島区耐震改修促進計画」においては、この92%を令和7年度末までに「耐震性が不十分な住宅をおおむね解消する」ことを目標に掲げています。

この目標を達成するには、建て替えによる自然更新だけでは難しい状況にあるため、「豊島区住宅耐震化緊急促進アクションプログラム」に基づき、今年度から4年をかけて耐震性が十分でない区内の約5,500戸の木造戸建て住宅の所有者に対し、職員が直接訪問したうえで、パンフレット等を活用して助成事業の説明を行うことといたしました。

今後も、様々な機会を捉えて住宅の耐震性向上の重要性についての周知を強化することにより、安全安心なまちづくりの実現に向け取り組んでいきます。

 

私からの答弁は以上でございます。

【高際副区長】

都市防災についてのご質問のうち、避難行動要支援者に対する個別避難計画作成の進捗状況と課題についてのご質問にお答えいたします。

保健福祉部では、これまで各課で取り組んでいた災害時要援護者対策を総合的に進める観点から、令和3年8月に保健福祉部 要援護者対策会議を立ち上げました。

この対策会議では、災対福祉部の機能の見直しなど、課題ごとに5つのチームを編成し、防災危機管理課との連携のもと、検討を進めてまいりました。このうちのひとつ「安否確認チーム」において、発災時における高齢者、障害者の安否確認方法や個別避難計画の検討を行い、昨年12月に「安否確認マニュアル」のたたき台を作成したほか、避難行動要支援者へのヒアリングも一部、実施しました。

しかしながら、その後の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、今後、介護・障害サービス利用者の安否確認等を担っていただくことを想定しているサービス事業者との調整が困難な状況となったことから、「安否確認マニュアル」の詳細な内容については、引き続きの課題となっています。

今年度は、これら課題への対応を進めるとともに、個別避難計画のモデルケースの作成にも着手したいと考えております。

 

次に地域共生社会の構築に向けた取り組みについてのご質問のうち、まず、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生活困窮者支援としての貸付金及び給付金並びに生活困窮者自立支援金の支給実績についてのご質問にお答えいたします。

貸付金及び給付金の令和3年度末までの実績は、緊急小口資金は10,787件、総合支援資金は46,872件、住居確保給付金は2,370件でした。また生活困窮者自立支援金は、事業がスタートした令和3年7月から令和4年3月までの9ヶ月間で2,462件でした。

 

次に、生活困窮者自立支援事業に関する相談者数及び就労支援状況等についてのご質問にお答えいたします。

くらし・しごと相談支援センターでは、相談者のお困りごとを聞き取り、その方に生活再建に向けた支援プランをご案内しています。コロナ禍前の令和元年度の相談者数は

1,692人でしたが、令和2年度は7,038人まで増加し、令和3年度においては、段階的に社会経済活動が再開されてきたことなどにより2,686人と令和2年度に比べ減少しました。就労支援については、コロナ禍の影響を受けにくい企業やコロナ禍で需要が伸びたネット通販に関連する企業等の求人開拓を行いました。その結果、令和3年度の就職率は81.6%と前年度よりも4.3ポイント上昇しました。職種は、物流倉庫でのピッキングや仕分け作業などが多くなっています。

 

次に、重層的支援体制整備事業の概要と豊島区における取組み状況並びに補助金申請の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

令和2年の社会福祉法の改正により、高齢者、障害者、子どもなどの属性に関わらず、様々なご相談やお困りごとを受け止める「断らない」相談支援、地域づくり支援、参加支援の3つの機能を一体的に実施する自治体に対し、交付金を支出する重層的支援体制整備事業が創設されました。本区においては、平成27年度に福祉総合フロアを本庁舎4階に設置し、ワンストップ相談を開始しました。さらに令和2年度からは、福祉総合フロアの関係各課及び社会福祉協議会の職員に福祉包括化推進員を兼務発令するなど、分野横断的に対応する連携体制を強化し、断らない相談支援体制を国事業に先駆けて構築してきました。

このように体制面では、重層的支援体制整備事業の要件を満たしておりますが、本格実施には、交付金の対象となる分野横断的な予算をまとめ直したうえで、一括して交付金申請を行う必要があることから、昨年より、国と事業移行に向けた協議を進めております。現在、令和4年2月に発出された交付金交付要綱に基づき、交付金申請を行うための詳細な庁内調整等を行っており、令和5年度からの本格実施を目指しております。

 

次に、関係機関・関係者とのネットワークにより、地域をともに創っていく地域共生社会の構築に向けた取組みに関する区の考えについてのご質問にお答えいたします。

社会の仕組みが複雑化し、人々の暮らし方や考え方が多様化するなか、新型コロナウイルス感染症の拡大が、人と人との関係性の希薄化に拍車をかけているように思われます。

また、様々な分野の課題が複雑に絡み合うことで、ダブル ケアや8050問題など、複合的な支援が必要になる状況が多く見られるようになり、対象者別・機能別に整備された従来の 公的支援では、そうした複合的な課題や制度の狭間への対応が困難になりつつあると認識しております。

こうしたなか、行政側が制度や分野を超えて臨んでいくことを大前提とした上で、地域の皆様の活動や暮らしと、公的サービスとが協働することで、支え合いながら暮らすことのできる地域共生社会を構築していくことが重要と考えております。

本区における地域共生社会は、多職種・他機関の連携を推進し、属性問わず、アウトリーチも行う「コミュニティソーシャルワーカー」を設置していること、また、小学校区単位に「区民ひろば」というコミュニティ拠点があるといった強みを活かして、様々な課題にきめ細やかに対応することを基本的な姿勢として据えております。

こうした観点に基づき、すべての区民の皆様が地域、暮らし、生きがいをともに創り、高めあうことができる、豊島区ならではの地域共生社会の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

【岡谷危機管理官】

都市防災についてのご質問のうち、まず、東京都の想定する都心南部直下地震と同規模の地震が発生した場合における豊島区の被害状況の想定についてのご質問にお答えします。

前回の被害想定が発表された平成24年度と比べ、本区においてもこの10年間で市街地再開発事業や不燃化特区推進事業の進展に伴う耐震化や不燃化の向上により、建物全壊棟数及び建物半壊棟数については、それぞれ1,679棟から816棟へ、7,612棟から3,936棟へと減少しました。

また、火災による消失棟数についても1,355棟から745棟へと減少しております。

さらに、死者数及び負傷者数についても、それぞれ121人から55人へ、2,778人から1,362人へと減少しております。

次に、家具転倒防止対策に関する災害時要援護者への配慮についてのご質問にお答えします。

家具転倒防止器具については、設置業者への斡旋実績が少ないことから設置費補助復活の考えはございませんが、災害時において特に援護を必要とする災害時要援護者に対しては、安否確認や移動の介助、理解・判断の介助など、さまざまな支援が必要と考えております。

そこで、「保健福祉部 災害時要援護者対策会議」において、現在、災害時要援護者名簿の作成及び更新、名簿に基づいた安否確認の方法や支援体制の構築、福祉救援センターの開設・運営などを検討しており、その検討の中で、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

次に、木密地域を中心とした感震ブレーカー設置の進捗状況及び災害時要援護者宅への設置についてのご質問にお答えします。

感震ブレーカーの設置につきましては、火災危険度4以上の地域を対象に、対象地域内のすべての非耐火住宅に居住する者、または同住宅を所有する者を対象に助成を実施しております。その進捗状況につきましては令和3年度末現在で対象家屋6,632棟に対して1,490棟、普及率は13.42%となっております。今後も対象地域へのポスティングなど普及啓発を行い、令和9年度までに普及率50%を目指してまいりたいと考えております。

災害時要援護者宅に限っての感震ブレーカーの設置助成は実施する計画はありませんが、災害時要援護者に対しては、先ほど申し上げた「保健福祉部 災害時要援護者対策会議」において、名簿に基づいた安否確認の方法などの具体的支援策を検討しているところであります。

次に、マンションに特化した防災マニュアルの作成など、タワーマンションを含む区の災害対策に対する取組状況についてのご質問にお答えします。

本区も今回の都の被害想定の見直しで、家屋の全壊・半壊棟数が半減したものの耐震化の進んでいる高層マンションの増加により、エレベーターの停止台数の想定が、183台から647台へ3.5倍にも増加しました。

そこで、防災危機管理課で作成した「マンション防災ハンドブック」によるマンション居住者向けの防災対策の普及・啓発や、マンション単位での地域防災訓練の推奨、マンション居住者の救援センター開設・運営訓練の参加などについて、本区のマンション管理施策とも連携して管理組合に働きかけるなどし、マンションにおける防災力向上に努めてまいります。

 

次に、一時滞在施設の整備状況についてのご質問にお答えします。

まず、今回の被害想定の見直しにより本区の帰宅困難者数は10年前の推定値53,932人から26,147人へと減少しました。

一方、令和3年度末現在の一時滞在施設受け入れ想定人数については29施設22,421人で、帰宅困難者数に対する一時滞在施設受け入れ想定人数の充足率は85.7%となりました。

今後も充足率100%を目指し、帰宅困難者を受け入れていただける事業者のご協力が得られるよう努力してまいりたいと考えております。

次に、図上訓練KUG(帰宅困難者対策支援施設運営ゲーム)の活用についてのご質問にお答えします。

本区としても帰宅困難者対策については都と同様に、一斉帰宅の抑制、家族との安否確認手段確保、従業員の一斉帰宅抑制と備蓄、従業員の連絡手段や安全確保、利用者保護などの普及・啓発を図っているところです。

「KUG(帰宅困難者対策支援施設運営ゲーム)」につきましては、今後「池袋駅周辺混乱防止対策協議会」において訓練の一つとして導入することで、さらに事業者が帰宅困難者を受け入れやすくなる環境を整えてまいりたいと考えております。

次に、区民一人ひとりが「わがこと」として大規模災害に立ち向かっていくための区の取組みについてのご質問にお答えします。

災害時には区民、事業者などによる自主的かつ積極的な災害防止活動が不可欠です。一方、大規模災害はいつどこで起こるかわかりません。

発災時に自らの生命は自らが守るため、フェイズフリーの考え方を基本として、平時から身近に楽しく防災を学べる「としまDOKIDOKI防災フェス」の開催、「女性防災リーダーや防災士の育成」、「豊島区防災地図やハザードマップ」による防災意識の普及・啓発を、繰り返し実施してまいりたいと考えております。

 

次に、避難行動における区の考えについてのご質問にお答えします。

先ほども申し上げた通り、災害時には区民、事業者などによる自主的かつ積極的な災害防止活動、「自助」を防災の基本とし災害に備えなければなりません。

避難する際には、まずは自宅に危険な損傷がない場合は「自宅」避難、自宅に危険な損傷がある場合は「縁故」避難、火災により自宅にとどまることの危険がある場合は「救援センター」への避難と「分散避難」を推奨しております。私からの答弁は以上でございます。

 

【金子教育長】

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

旧平和小学校複合施設整備についてのご質問のうち、通学路の安全・安心の取り組みに関する教育委員会の考えについてのご質問にお答えいたします。

昨年度インターナショナルセーフスクールを認証した千川中学校では、これまでも、2年生が各自の通学路の危険箇所を調べ、地域の方や保護者の方々のお話を取り入れながら、生徒による地域安全マップづくりが行われております。

このたび、令和6年4月からの「学び舎 ぴいす」への通学に向けましては、対象となる現在の1年生を中心とした新たな安全マップづくりを通じて、生徒各自の通学路の安全確認を行っていくとの方針を学校長から伺っております。

教育委員会といたしましては、こうした学校のインターナショナルセーフスクールとしての取り組みや、地域の方々の声を十分に伺いながら、学校周辺の危険箇所等について必要な対策を講じ、生徒の安全を確保してまいります。

 

以上をもちまして、辻薫議員のご質問に対する答弁を終わります。