令和元年第4回定例会公明党 辻 薫一般質問原稿

11月26日登壇

「小さな声を区政に!」

公明党の辻薫でございます。私は公明党豊島区議団を代表しまして、「小さな声を区政に!」と題し、1.防災・減災対策について、2.窓口サービスの向上について、3.安全・安心見守りネットワークについて、4.国際アート・カルチャー都市の取り組みについて、一般質問を行います。

 

1.防災・減災対策について

最初に、防災・減災対策について伺います。台風19号とその後の記

録的な大雨により犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被

災された皆様が一日も早く日常生活を取り戻すことが出来るようお祈り申し上げます。

台風19号においては、豊島区としては初めて「警戒レベル3・避難

準備・高齢者等避難開始」が発令されました。しかしながら、防災無線の声が聞き取りにくかったとの声を私も多くの方からお聞きするとともに、ある町会の防災部長からは個別受信機には情報が入らなかった、との苦情も寄せられました。その原因とともに、改めて、今後の災害時の情報伝達における改善策についてお聞かせ下さい。

10月12日の午前9時の発令後、私は10時過ぎに避難所に指定された西部区民事務所の状況を確認にまいりました。既に会議室には10数名の方が避難されていて、栗原所長他2名の職員で対応していました。その後、避難されて来られた方の中には持病のある方もおられ、体調が悪化し2名の方が救急搬送されました。また、高齢者のご家族が避難所の様子を見に来られていた方もいました。区からの発令内容を見ると、「避難時間にかかる人とその支援者は避難をしてください。」とあるだけでしたので、私にも何人もの方から避難すべきかどうか迷っての連絡が入りました。特に日頃から防災にかかわっていない方々には、どう動いてよいのかの判断は難しいと感じました。

そこで先ず、今回の避難開始の発令にあたり、区はどのような方が、どの程度避難されて来られると想定されていたのでしょうか。お聞かせ下さい。

西部区民事務所では、午後になると避難者も増えてきて、会議室では収容しきれず、普段は区民が立ち入ることのない執務スペースも開放し使用していました。極力事務所側施設を活用するようにした理由としては、通路を挟んで位置する体育館にはトイレがないため、特に高齢者の移動には困難を伴うための判断と伺いました。しかしながら、事務所スペースだけでは間に合わず、体育館には比較的元気な方を中心に約30名の方が一泊されたと伺いました。また、雨の中避難されてきた一人暮らし高齢者の方は、私に「遠いところようやくたどり着いた。近くに小学校があるのに、なぜそこが避難所になっていないのか」と、切々と訴えておられました。

今後、西部区民事務所を救援センターとして開設するには、早急に体育館にトイレを設置すべきと考えます。また、今回のように避難対象地域を豊島区全域とするのであれば、町会ごとに指定されている全ての救援センターを開設し、これまで救援センターの開設訓練を行ってきた町会の皆様に事前に協力要請をすべきと考えますが、この点についても区のご見解をお聞かせ下さい。

当日は、近隣の女性の方が駆けつけて来られ、夕食の準備などお手伝い下さいました。その方からは、トイレへの付き添いや介護が出来る人、また、ご病気の方も避難されていたことから看護師も必要ではとのお話があり、特に女性への配慮がなさ過ぎるとのご指摘を頂きました。公明党の台風19号対策本部は、10月25日に管官房長官に対して、台風19号からの復旧・復興に向けた75項目の政策提言を行いました。その中の一つに、安全・安心の避難所体制の整備に向け、女性スタッフを配置し、生理用品や化粧品の提供をはじめ、被災した女性のニーズに合わせた支援などを要望したところです。

そこで、7月に実施した女性防災リーダー研修後の取り組み状況をお聞かせ下さい。そして、早急に女性防災リーダーが救援センターで活躍出来るよう十分な配慮を要望致します。また、本年度2回目の研修には、救援センターとなる小中学校にお子様が通っている保護者の皆様にも参加を呼びかけることを提案しますが、区のご見解を伺います。

ところで、10月20日には、防災フェスが総合体育場を中心に開催されました。開催の意義については、やはり第一回定例会の一般質問で、区より「従来の総合防災訓練の『実動訓練』を『総合防災フェスティバル』とし、児童、生徒やその保護者をはじめとした若い世代が『楽しみながら防災知識を学べる場』にあらため、地域防災力の裾野の向上に努めてまいります」との答弁を頂いておりましたので、大いに期待を寄せておりました。そして当日、会場を隈なく回りましたが、お子様連れの若い世代の方が多く参加されており、期待にたがわず、多くの方に興味をもって頂いたのでは、と実感しました。

当日の参加人数や参加者の声など開催状況をお聞かせ下さい。

中でも私が注目したのは、罹災証明書発行コーナーです。台風19号による被害が連日報道される中、関心を持って説明を受けている方が多かったように思います。被災者生活再建支援については、区民の皆様が事前に制度を理解しておくことが災害後、早期に通常の生活を取り戻すことになることから、私はこれまでもその重要性を議会で訴えてまいりました。

本年7月には全町会向けに被災者生活再建支援制度についての研修会を行って頂きました。その実施状況とともに、今後の取り組みについてもお聞かせ下さい。

 

2.窓口サービスの向上について

 2項目目として、窓口サービスの向上について質問します。

豊島区役所新庁舎がオープンして4年半が経過致しました。345日開かれた庁舎として、3階の総合窓口では、最新のITシステムを導入することで複数の手続きを1か所で行えるようになり、時間の短縮が図られる、また、4階では、子どもから高齢者までのライフステージに応じた様々な相談や手続きが連携してできる福祉総合フロアを実現する、そして日本一便利な窓口を目指してスタート致しました。

そこで改めての確認になりますが、3階の総合窓口では、具体的にどのような複数の手続きが1か所で行えるようになったのか、お示し下さい。また、福祉総合フロアにおいては、具体的にどのように連携し、相談や手続きを行っているのか、お聞かせ下さい。

先日、同じ町会のAさんから区の窓口対応について苦情が寄せられました。Aさんは、お母さまが亡くなられた1週間後に、死亡に伴う手続きのため本庁舎に来られました。先ずは、戸籍の除籍手続きを行い、次に高齢者医療年金課で葬祭費の支給申請を行いました。その後の手続きについて確認したところ、特に必要ないとの回答があり、そのまま帰宅しました。

しかし、約1か月後に、母親名義の口座から介護保険料が引き落とされてしまいました。なぜ死亡後一か月も経っているのに母親の口座から介護保険料が引かれてしまうのか。除籍をした段階でシステム的に関係部署に伝わっていないのか。介護保険課に電話で問い合わせしたところ、亡くなったことが関係部署に連絡が入るにはタイムラグがあってすぐには引き落としをストップできないため、後日還付するための手続きをするよう説明を受けたそうです。

Aさんは、区役所の担当者が簡単に還付の話をすることに不満を示されていました。還付手続きには、少額とはいえ振込料など税金を無駄に使うことになる。また、Aさんは、まだ60代ですのでそうした手続も可能ですが、さらに高齢の方には困難ではないか。還付金詐欺が横行している中、是非改善してほしい、と強く要望されていました。

そこで先ず、死亡情報は、どのように関係部署に伝わるのか、また、日数的にはどの程度かかるのか、お聞かせ下さい。

死亡届提出後の手続きについては、Aさんに限らず、多くの方々から、どのような手続きが必要なのか、また、何から始めたらよいのか、複雑でわからないといった声を頂いています。

そこで、本庁舎内に死亡届を提出した後に、遺族が行う手続きを支援するための「おくやみ案内コーナー」を設置するよう提案致します。

先日、公明党豊島区議団は、本年4月より同取り組みを実施している福岡県糸島市を視察してまいりました。同市では、「おくやみ案内システム」を職員自身で構築していました。市民課が死亡届を受け付け、情報を入力するとその後の手続きに関係する課が、亡くなった人の情報を共有できる仕組みです。関係課では、亡くなった人の情報に基づき、その課における手続きが必要かどうかを同システムに入力。その情報を基に、故人に必要な手続きが一目で分かる一覧表が作成されるようになっています。

市役所を訪れた遺族は、その一覧表が挟まれたバインダーを市民課内のお悔やみ案内コーナーで受け取ります。そこで先ず、自身に必要な手続き全般を理解した上で、必要な課のみを回ることにより、迅速に手続きを行うことが出来ます。各課でもバインダーを持参して来られるのを見て、何よりもお悔やみの気持ちをもって接し、より丁寧な対応が可能となります。市民課によると、同システムによって、平均1時間30分程度で全ての手続きを終えることが可能になったと伺いました。また、市では、「おくやみ早わかりガイド」も作成し、ホームページでも公開し、死亡に伴う各種手続きを分かりやすく説明しています。

市の担当者からは「おくやみ案内コーナー」を設置することにより、市民に必要な手続きをもれなく案内出来るようになったと同時に、行政側の説明も簡潔に済むなど効率も上がっているとのことでした。

日本一便利な窓口を目指す本区としても、また、総合高齢社会対策の一つとしても、こうした「おくやみ案内」の取り組みを実施するよう提案致しますが、ご見解をお聞かせ下さい。


3.安全・安心見守りネットワークについて

 質問の3項目目として、安全・安心見守りネットワークの取り組みについて伺います。

私は、平成28年第2回定例会で、児童の安全と保護者の安心確保を目的にスキップ児童を対象とした入退室管理システムの導入を提案し、翌平成29年11月より、対象が学童クラブの児童に限定されましたが、22の全学童クラブにおいて同システムが導入されました。改めて本区の取り組みに敬意を表する次第です。

そこで先ず、現在、何名の児童が利用していますでしょうか。また、導入後の効果や保護者からの声についてもお聞かせ下さい。 

導入後、私にも同システムへの好意的な声が寄せられる一方で、当初要望していたように、対象者をスキップ児童全員に、さらには、学校児童全員に拡大を望む声が引き続き寄せられています。このことについては、その後の決算、予算特別委員会等でも再三にわたり私も含め我が会派としても要望してきた通りです。

改めて、同システムの利用対象者を拡大することにより、さらに児童の安全と保護者の安心を確保すべく要望致しますが、ご見解をお聞かせ下さい。

さて、昨年5月、新潟市で小学校2年生の女児が下校途中に連れ去られ殺害されるという、痛ましい事件が発生しました。女児は午後3時ごろ、小学校を出て途中で友人と別れてから、連れ去られたとみられています。残念ながらこうした連れ去り事件は後を絶たず、子どもが被害にあうケースが、全国では年間100件前後で推移しています。

そこで、本区においては、児童への声かけなどの事案はこの一年間で何件発生し、そのうち連れ去られそうになったケースはなかったのかどうか、お聞かせ下さい。また、新潟市での事件を受けて実施した通学路の安全点検結果についてもご報告下さい。

文部科学省の調査では、事件防止のため、全国の小学校の約6割で集団下校を実施し9割近くが保護者やボランティアらによる見守りを実施しています。しかし、下校時間帯は幅があり、登校時に比べると、一人ひとりを見守ることは難しくなってきます。そして、手薄になった見守りの隙を突き、監視の目が届かない場所を見つけ出すのが犯罪者だ、と言われています。

私たち公明党豊島区議団は、こうした卑劣な事件を防ぐには、公立私立に関わらず区内在住の全児童を対象とした、思い切った対策が必要であると考え、「安全・安心」を都市ブランドとして確立し、「選ばれるまち」を目指している伊丹市の「安全・安心見守りネットワーク事業」を視察してまいりました。事業実施の背景には、同市の街頭犯罪・侵入犯罪認知件数が人口1万人あたりに換算すると、県内ワースト2位で犯罪の少ないまちとは言えないことが一つ。もう一つは、平成26年9月にお隣の神戸市長田区で女児殺害・遺棄事件が発生し、その際、防犯カメラが犯人検挙の切っ掛けとなったことがありました。

そこで、同市では、ハード面として1,000台の安全・安心見守りカメラを設置すると同時に、ビーコン受信器を設置しました。500円硬貨程度の大きさのビーコン発信器をランドセルに入れてある児童が、まちなかに設置されたビーコン受信器付近を通過すると、アプリまたはメール通知にて保護者にお知らせをする仕組みとなっています。

さらに、ソフト面の取り組みとして、万が一児童が迷子になる等なかなか帰ってこない場合には、児童の情報を登録ボランティアへ送信し、目視による捜索の協力要請ができるようになっています。また、一般ボランティアにもアプリを活用して、捜索対象者が近くを通れば、自動的に受信し依頼者へ位置情報を発信することも可能としています。

こうした「安全・安心見守りネットワーク事業」は、認知症高齢者の徘徊捜索にも活用されています。さらに、現在、自転車盗難対策としても社会実験中と伺いました。

また同事業は、伊丹市長が、「日本一安全・安心なまち」を目指して、地域の方々に直接意向を聞くための地域懇談会を各地で開催して推進してきたとも伺いました。

セーフコミュニティー国際認証都市であり、また日本一の「高齢者にやさしいまち」を目指す本区としましても、同事業を積極的に取り入れ、さらに安全・安心で選ばれるまちを目指すべきと考えますが、ご見解をお聞かせ願います。 

4.国際アート・カルチャー都市の取り組みについて

最後に、国際アート・カルチャー都市の取り組みについて伺います。

11月1日に、待望の東京建物Brillia HALL並びに、としま区民センターがオープンしました。旧豊島公会堂は、公明党の「大衆とともに」との永遠の指針が発表された、全国の公明党議員にとっても原点の地となっています。そして、公明党は、時を同じくして、この11月に結党55周年を迎え、新たな出発を致しました。旧豊島公会堂は、私個人にとっても大変に思い出に残る場所です。中学生時代には吹奏楽部として何度も演奏させて頂き、また、成人式も行われ、式典後に区民センターに移動し、懇談会に参加したことを今でも覚えております。あの時の2つの施設が時を経て、文化とにぎわいの拠点として、今後多くの方にとって幾重にも歴史を刻むであろう晴れ舞台となったことに感慨深いものがあります。

さて、11月16日には、これまた待望の池袋西口公園が野外劇場グローバルリングとしてリニューアルオープンし、国際アート・カルチャー都市として世界に文化を発信する拠点が西側にも誕生致しました。この野外劇場の誕生は、文化の発信拠点に留まらず、西口駅前再開発のシンボル的存在として、計画が大きく進展していくことが期待されています。

さらに明年7月には、東京オリンピック・パラリンピックの開催時期と同じくして、いよいよHareza池袋がグランドオープンします。

そこで一つ一つのプロジェクトを実現して来られた高野区長のご感想とともに、明年へ向けての意気込みをお聞かせ下さい。

また、東アジア文化都市2019豊島は、11月24日に閉幕しました。この質問を作成した時期は閉幕前でしたので、11月2日に開催された東アジア文化都市2019豊島「交流文化事業特別公演」について取り上げさせて頂きます。特別公演は、4時間30分にわたる熱演となりました。仁川広域市のオーケストラ演奏の中で、普段あまり表に出てくることのない管楽器ユーホニウムによる独奏は私としては初めてであり、素晴らしい演奏でした。また、西安市の秦腔と呼ばれる京劇にも似た伝統劇や唐詩朗読、さらにダンス兵馬俑物語の上演は、さすが伝統を前面に圧倒的な舞台となりました。

その前日の歓迎会では、公明党豊島区議団として西安市人民政府ワン・ウェイ副秘書長と仁川広域市チョ・インクォン文化観光局長に歓迎のご挨拶をさせて頂きました。その際の記念撮影では、ワン副秘書長中心に交流団の多くの方が集まって来られ友好を深めることが出来ました。また、仁川広域市チョ文化観光局長の際には、局長ご自身が私たち区議団に対して全員で手を組みながら撮影しようと提案があり、本当に固い絆を深めることが出来ました。国としては政治的には難しい状況であったとしても、文化を通じて、人的交流を行ってきた東アジア文化都市2019豊島の大きな意義を改めて実感した一瞬でした。

そこで、閉幕後の東アジア文化都市の取り組みはどうなるのか。可能な限り西安市、仁川広域市との交流を続けていくべきと考えますが、ご所見をお聞かせ下さい。

さて、前述しましたグローバルリングでは、「アフター・ザ・シアター」として、オーケストラによる生演奏の他、大型ビジョンも活用し、本格的なクラッシック音楽を堪能できる感動空間を提供する予定であると伺いました。そして、併せて隣接する東京芸術劇場とともに。このエリアをクラッシック音楽の発信拠点とする構想は、吹奏楽経験者としても大変に嬉しく、期待が膨らむばかりです。

私は、こうした取り組みをさらに展開し、個性的で心豊かな都市生活空間を創造するために、誰でも弾ける「駅ピアノ」の設置を提案致します。全国各地では、既に何年も前からこの取り組みが行われており、特に、駅や空港に置かれた1台のピアノを前に、人々がいろいろな想いで音楽を奏でる姿を定点カメラでとらえた番組が人気を博しています。先月には、JR品川駅中央改札内に期間限定で設置し、通勤通学客だけではなく旅行者が演奏者にも聴き手にもなることにより、駅の空間を豊かにすることを目的に実施しています。豊島区においては、池袋駅に限らず、むしろ少し離れた駅での取り組みを提案するところです。

それは、先日、都市整備部都市計画課が実施した豊島区景観まちづくり講演会で、東京大学大学院の羽藤英二教授が、「超都市から非中心化へ」との話の中で、今後は池袋駅よりも一歩先の駅での取り組みの奥深さや重要性を訴えておられたことにもよります。先ほど視察で取り上げた福岡県糸島市の最寄り駅である筑前前原駅にも駅ピアノが設置されていました。改札を入って真正面にグランドピアノが置かれており、地元有志の活動で設置に至ったようです。筑前前原駅は、地上駅であり、形状としても、また空間スペースとしても西武池袋線椎名町駅に大変似ている駅であり、池袋駅よりも一歩先の駅のイメージとして取り上げさせて頂きました。

具体的な設置場所は検討して頂くとして、「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」の意味も込めまして、是非とも駅ピアノの設置を要望させて頂きます。区のご所見をお聞かせ下さい。

以上で、私の一般質問全部を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。

 

公明党 辻薫議員 令和元年第4回定例会 一般質問答弁

ただいまの、辻薫議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

防災・減災対策についてのご質問のうち、7月の被災者生活再建支援制度研修会の実施状況及び今後の取組みについてのご質問にお答えいたします。

今回の研修会には合計88名が参加され、熊本地震の被災地に派遣した職員による住家被害認定調査の概要や、罹災証明書の発行手続き、さらには被災者台帳を活用した生活再建支援メニューの説明を行いました。

参加者のアンケートによると、ほとんどの方から「罹災証明や生活支援メニューについて理解できた。」といった評価をいただいたところです。

今後の取組みといたしましては、さらに多くの区民の皆さんに制度を理解していただくことを目的として、「被災者生活再建支援訓練」を、昨年に引き続き12月15日の日曜日にセンタースクエアで開催いたします。

区といたしましては、今後も実践的な訓練を積み重ねることで、知識や技術の向上と被災者生活再建支援制度の周知に努めてまいります。

次に、安全・安心見守りネットワークについてのご質問のうち、安全安心見守りネットワーク事業を積極的に取り入れ、さらに安全・安心で選ばれるまちを目指すことについてのご質問にお答えいたします。

ご提案いただいたビーコン受信器を活用した見守りは、児童や高齢者の安全・安心を守るための手法として有用であると認識しており、本区においても、活用に向けた研究を始めたところです。

伊丹市と同様に、スマートフォンを活用したボランティア参加を想定しております。協力できる方が多いほど見守りが強化される仕組みとなっていることから、多くの方々に参画いただくことが大変重要であると考えております。

このような仕組みは、民間事業者との連携が必要不可欠であると考えておりますので、公民の役割を見極めながら、児童や高齢者の見守り事業を効果的かつ効率的に進めるため、研究を重ねてまいります。

次に、国際アート・カルチャー都市の取り組みについてのご質問のうち、まず、国際アート・カルチャー都市の実現に向け、一つ一つのプロジェクトを実現して来た感想と明年(みょうねん)への意気込みについてのご質問にお答えいたします。

去る11月1日には、国際アート・カルチャー都市のメインステージとなる、Hareza池袋のオープンを迎えることができました。ついに、ここまでたどり着くことができ、まさに感無量であります。

この日には、中池袋公園でIKEBUSの発車式も行いました。そして16日には池袋西口公園グローバルリング、また24日にはウイロードが完成し、IKEBUSの乗合バスの運行もいよいよ明日11月27日からスタートします。相次ぐオープニング・イベントでの感動の連鎖が、としま新時代の幕開けを告げております。

55年前のオリンピックによって東京の都市改造がなされたように、「東アジア文化都市まちづくり記念事業」に位置づけた23事業によって、誰もが主役になれる芸術都市の舞台は完成します。これら事業は、一つひとつが豊島区の価値を高める、オンリー・ワンのプロジェクトばかりです。

こうしたレガシーを次の世代に引き継ぐことにより、必ずや本区の力強い発展の道筋を創ることができると確信しております。

そして、明年の東京2020(ニイゼロニイゼロ)大会は、豊島区がなお発展していくための基盤を築く、最大にして最後のチャンスであります。

東アジア文化都市の経験とノウハウを活かしながら、官民を挙げてまちの魅力を大いに引き出し、地域全体の価値を高めてまいります。

次に、東アジア文化都市閉幕後の西安市、仁川広域市との交流継続についてのご質問にお答えいたします。

豊島区は、中国・西安市、韓国・仁川広域市とともに、文化や言葉の違いを超えて、1年間にわたって、様々な事業を行い、交流を図ってまいりました。

9月初旬には、辻薫議員にもご参加いただきましたが、区民の皆さんが主体となって編成した総勢151名からなる大視察交流団が両都市を訪問してまいりました。日本の開催都市の市民が、中韓の開催都市を自らの目で見、現地の皆さんと交流する事によって人的交流は深化したものと確信しております。これこそ、これまでの開催都市にはない新しい相互交流のモデルを示すことができたと考えています。

国家間の緊張感が高まり、訪問を不安視するご意見もありましたが、現地の皆さんの笑顔と手厚いもてなしをいただく中で、文化による交流の意義を体験されたと思います。

また、11月2日の東アジア文化都市2019豊島特別公演では、中・韓から100名に及ぶ派遣団をお迎えし、東アジア文化都市を実施したパートナーとして「縁(えん)」を繋ぐこととなりました。

この「縁(えん)」こそ、未来の世代に引き継がなければならない貴重な財産だと考えます。

3都市の中では、豊島区が最初に閉幕式典を迎えることから、共同宣言を提案し、締結することができました。その中では、2020年以降も3都市における行政、民間レベルの文化交流の拡大を図ること。ひいては東アジア域の平和と安定につながることを盛り込んだところであります。

2019年のパートナーは観光分野を中心に交流を継続したいとの機運が高まっておりますので、豊島区としても継続していきたいと考えております。

東アジア文化都市開催の翌年には文化庁から交流事業の委託経費が交付されることからも、議会はもちろん区民の皆さんのご意見を伺いながら、翌年はもちろん、その後についてもレガシーとして継続できるスキームを検討してまいりたいと考えているところでございます。

次に、駅ピアノの設置についてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり、駅ピアノをはじめとするストリートピアノ設置は全国各地で取り組まれており、耳に入った素敵な演奏に通行人が足を止めて聴き入る姿がYouTube(ユーチューブ)などのネットやNHK-BS(ビーエス)放送などで放映され、音楽を通じて人と人とのつながりが生まれることの素晴らしさを実感しているところであります。

駅の空間を豊かに彩るこの「駅ピアノ」につきまして、文化観光課で現在設置に向けて検討を始めたところであります。区役所内で使用されていないピアノを、ウィロードの壁面描画をお願いしている美術作家の植田志保さんに描画制作していただき、豊島区ならではの夢のあるピアノに仕立てたいと考えております。その設置場所について鉄道会社との調整を現在進めております。

まさに、駅ピアノは「まち全体が誰もが主役になれる劇場都市」を実現する大変有益な手段となると同時に「国際アート・カルチャー都市」に一輪の花を添えてくれるものと考えます。ご提案を踏まえ、素敵な「駅ピアノ」の設置実現に向けて準備して参ります。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、齊藤副区長並びに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

窓口サービスの向上についてのご質問のうち、まず、3階の総合窓口で、どの手続きが1か所でできるようになったのか、また、福祉総合フロアにおいてどのように連携し、相談や手続きを行っているのかについてのご質問にお答えいたします。

現在、3階の総合窓口では、187業務を取り扱っており、そのうち福祉総合フロアの10業務を含む108業務は、総合窓口1か所で手続きができるものです。

一例を申し上げますと、3階の総合窓口での転入や国民健康保険の加入手続きに併せて、4階に移動することなく児童手当の申請を済ませることが可能となっております。

残る79業務については、お客様へのご要望を伺いながら、担当課宛の「案内状」を総合窓口で発行することで、効率的に案内や手続きを済ませることができる仕組みを構築しています。

また、4階の福祉総合フロアでは、関連部署を集約して配置し、それぞれの課が業務の相互理解を進めることで、利便性が高く、相談しやすい窓口対応を実現しています。

次に、死亡情報がどのように関係部署に伝わり、時間はどの程度かかるのかについてのご質問にお答えいたします。

まず、ご質問いただきました事案において、区の案内が十分ではなく、大変なご不快な思いをさせてしまったことにお詫び申し上げます。

死亡届を受理いたしますと、まず、総合窓口課において、細心の注意を払いながら記載内容を確認し、戸籍システムおよび住民基本台帳システムへの入力を行い、システムへの登録処理が完了した段階で、関係部署による情報共有が可能となります。

この処理の完了には、概ね10日から2週間ほどかかりますが、届出地や本籍地が区外の場合は、確認作業にさらに時間を要する場合もあります。

次に、死亡届を提出した後に、遺族の手続きを支援するための「おくやみ案内」の実施についてのご質問にお答えいたします。

区では、死亡届を出された方に、標準的な区の手続きや区役所以外の届出等の情報を記載した、「手続き確認シート」を用意し、総合窓口課のほか、区役所のコールセンターや区民相談窓口でお話を伺いながら、丁寧にご案内をしております。

しかしながら、ご遺族に必要な手続きはそれぞれ異なっており、この「手続き確認シート」は、すべてのご遺族に対応した内容を網羅したものとはなっておりません。

一方、あらゆる手続きを網羅するかたちで、この「手続き確認シート」を作成した場合、情報量が多くなり、必要な手続きが、かえって分かりにくくなることが懸念されます。

こうした課題を改善するためには、ご遺族の状況に合わせたオーダーメードの「手続き確認シート」の作成が望ましいわけでございます。

ご提案いただきました、糸島市(いとしまし)の「おくやみ案内システム」は、関係課の迅速な情報共有の方法や、職員による手作りのシステムである点など、大変参考になりましたので、窓口手続きの利便性向上に活かし、具体的な改善策を検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

防災・減災対策についてのご質問のうち、まず、防災無線及び戸別受信機の改善策についてのご質問にお答えいたします。

防災無線に関しましては、風雨により放送がかき消され聞きづらかったことを確認しています。無線の音声改善等には限界があることから、対応策として、フリーダイヤルで無線の放送内容を確認できるサービスを早急に導入してまいります。

一方で、災害時の情報伝達として、安全・安心メールやツイッター等のSNSでの発信が有効であることが確認できました。今後は、防災訓練、イベント等を通じて、安全・安心メール、SNSの登録を呼び掛けることで、情報伝達手段の多角化とともに、確実な伝達に努めてまいります。

また、戸別受信機につきましては、伝達制御システムを活用して、安全・安心メール等と一括で情報発信することとなっております。しかし、この度はシステムの設定に誤りがあり、情報が戸別受信機に伝わりませんでした。状況確認後、速やかに設定を変更し、現在は正常に稼働しております。今後は、戸別受信機の端末を防災危機管理課に設置して、システムの稼働状況について、平時から訓練等を通じて確認するとともに、災害時に確実に伝達されているか確認してまいります。

次に、避難関連情報の発令についてのご質問にお答えいたします。

豊島区が発令した「警戒レベル3」は、高齢者、障害のある方、乳幼児等とその支援者の方の避難を呼びかけるものです。その他の方については、避難の準備を進めていただくための情報として発信いたしました。

当時、区が想定した避難者は、土砂災害特別警戒区域の約400世帯のうちの3割程度、人数にして約200人と見積もりました。しかし、実際は、救援センター開設の2時間で想定数に達し、最終的には、想定を大きく上回る1,088名の避難者を収容いたしました。この中には、乳幼児等の災害弱者も含まれており、各救援センターに授乳室を設置する等の必要な対策を講じてまいりました。

次に、西部区民事務所の体育館のトイレの設置及び全救援センターの開設と町会への事前の協力要請についてのご質問にお答えいたします。

西部区民事務所の体育館のトイレについては、避難された方に大変ご迷惑をおかけし申し訳なく思っております。当該体育館には、通常の利用等においても要望がございますので、体育館にトイレを設置するよう検討し、対応してまいります。

水害や土砂災害時の避難者数は、大震災時の避難者数とは大きく異なるものと考えており、開設する救援センターは、想定される避難者数に対応させたいと考えています。今後は、風水害時の救援センターは、医療救護所が開設される12の地域本部と医療従事職員を配置する「としまセンタースクエア」を加えた13カ所としたいと考えています。

また、風水害時の救援センターにつきましても、地震時と同様に地域の皆さまと共に開設・運営する必要があります。今後は、防災訓練等を通じて、地域の皆さまと平時からの連携を強化するとともに、災害時の連携を確保し、「オールとしま」で災害に対応できるよう改めてまいります。

なお、高齢者、障害のある方、乳幼児等の災害弱者の避難者を想定し、町会等のボランティアを募るとともに、区有車を活用し、避難を希望される方の移動支援体制を整えてまいります。

次に、女性の防災リーダーについてのご質問にお答えいたします。

本年7月に研修を終えた受講生の皆さまには、総合防災訓練図上訓練、帰宅困難者対策訓練等を視察いただく等、区の防災施策に関して理解を深めていただいています。さらに、合同防災訓練にも参加していただき、救援センター運営調整会議の「生活環境改善委員」として活躍いただけるよう、着実に取り組んでまいります。

また、本年度2回目の講座は、新たな受講生を対象として、来年2月に実施します。その際には、ご提案いただきました小中学校の保護者の皆さまに対して、教育委員会と協力して、参加を呼びかけてまいります。

次に、「合同防災フェスティバル」についてのご質問にお答えいたします。

合同防災訓練実動訓練を改め、今年度「としまDOKI DOKI防災フェス」を実施いたしました。防災フェスでは、新たに導入した体験型アトラクションや各種防災イベントを組み合わせ、児童、生徒、保護者等の若い世代を含め、多くの方にご参加いただきました。成果を参加者数で比較すると、一昨年の500人、昨年の1,000人に比べ、今年は目標を大きく上回る約2,500人の方にご参加いただきました。

また、アンケートでは、参加者の約6割強の方がこれまで防災訓練に参加したことがなかったが、防災フェスを通じて防災への関心が非常に高まったと回答しております。来年度以降は、防災公園「イケ・サンパーク」を会場として「防災フェス」をさらに充実、発展させ、若い世代を含めた多くの区民の皆さまに、「自助」「共助」の重要性を学んでいただき、地域防災力の向上を進めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

安全・安心見守りネットワークについてのご質問のうち、まず、学童クラブの入退室管理システムの利用状況と導入後の効果や保護者の声についてのご質問にお答えいたします。

令和元年11月現在、1,769人の児童が学童クラブに入会しています。そのうち1,591人(約90パーセント)の保護者が入退室管理システムのサービスを受けるため、メールアドレスを登録しています。

入退室管理システムの導入により、保護者に入退室の正確な時間のメールが届くため、保護者の安心感につながっています。また、学童クラブへの入退室の時間が記録に残るので、保護者からの問い合わせに正確にお答えすることが可能となっています。

保護者からは、「入退室がわかり安心だ。学校の子どもたちにも導入してもらいたい。」といった声が寄せられています。

次に、さらに児童の安全と保護者の安心を確保するため、システムの利用対象者を拡大することについてのご質問にお答えいたします。

子どもスキップ学童クラブで導入している入退室管理システム活用が定着し、一般利用の保護者からも導入の要望があることについては、承知しているところでございます。また、昨今、子どもを狙った犯罪が増えていることから、一般利用児童に拡大する必要があると認識しております。

従いまして、まず、学童クラブ以外の必要度の高い低学年児童を対象に、前向きに検討しているところでございます。

次に、児童への声かけ等の事案のこの1年間の発生件数と、そのうち連れ去られそうになったケースの有無及び新潟市での事件を受けて実施した通学路の安全点検結果についてのご質問にお答えいたします。

警視庁の資料では、直近1年間の豊島区内での子どもに対する声かけなどの事案が、24件ありました。そのうち、連れ去られそうになった事案が1件発生しており、本区でも例外ではございません。

新潟市の事件を受けて実施した通学路の合同安全点検結果は、警察、地域の皆様、PTA、スキップなどのご協力により、300名を超える方にご参加いただき、点検箇所数は110か所、改善等の対応件数は126件に及びました。

また、点検の結果、防犯カメラの設置要望を受けて、今後、3年間で各校現在5台から10台に増設していく計画です。

さらに、本年11月末から、通学路合同安全点検を実施し、通学路の安全・安心度をさらに高めてまいります。

以上を持ちまして、辻薫議員のご質問に対する答弁を終わります。