令和4年決特 議会政経総務費10月 5日 西山委員

リスクマネジメント体制とコンプライアンス

○西山陽介委員  西山陽介でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

引き続きの危機管理を取り上げさせていただきますが、リスクマネジメント体制とコンプライアンスの推進についてお伺いをさせていただきます。

日々の区政運営の中では、発生するリスクも複雑化して、また多様化もしているというふうに考えられます。まず、本区におけるリスクマネジメントの体制、これについてはどのように整備されてるでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  組織といたしましては、危機管理監、危機管理担当課長が設置されておりまして、豊島危機管理方針に基づく危機管理対策本部の設置、そして、元年度にコンプライアンス担当課長を設置いたしまして、PDCAサイクルによる再発防止策の推進や情報共有体制の整備に努めております。

○西山陽介委員  現在は岡谷危機管理監を司令塔とするリスクマネジメント体制、区民の1人として大変に心強く、安全・安心な区政運営に寄与していただいていると、このように高く評価をさせていただいているところでございます。

では、実際にリスクが発生した際の対応はどのようにされてるんでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  リスク事案発生時、初動対応が遅れないように、重大なリスクにつきましては、第一報として、認知から30分以内に区長、副区長に報告する体制となっております。加えて、危機管理課や関係部課長にもすぐ情報が共有されまして、迅速に対応できる体制を整備しております。

○西山陽介委員  その迅速な初動対応、被害を最小限に抑えるためのリスクマネジメント、これが基本だというふうに思っていますけども、それでは、事案についてはどのように対応されて、対処ですかね、されていくのか、その辺についていかがでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  区民の生命、身体、財産とかに重大な被害が生じ、また生じるおそれがあるなど、そういう場合に関して緊急の対応を要する場合は、区長を本部長とする危機管理対策本部を設置して対応するような形となっております。

○西山陽介委員  組織として必要な連携の下に、的確に対応できる体制だというふうに確認もさせていただきました。

現在、区で発生しているリスクというものは、どういうものがどのくらいあるのでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  令和3年度でございますが、リスクの報告総数は210件となっております。年度によって若干増減するところはございますが、およそ1年間で210から240件ぐらいというところでございます。

内容につきましては、大きく分類いたしますと、火災や台風などの自然災害や事件事故など外的要因によるものが75件、施設の物品毀損や事務処理ミス、あとネットワーク障害などの内的要因によるものが135件となっております。

○西山陽介委員  内的、外的という御説明ありました。今、数をお聞きしますと、内的要因と比較すると、外的要因のほうが少ない、内的要因のほうがちょっと多いという、そういうような件数になってますけども、どういう理由でそういうふうになってるのか、その分析とかいかがでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  近年、全体といたしまして、やはり新型コロナによるイベントとか催事、催物の中止や延期、縮小等により、若干やはり人流が減少いたしまして、外的な事件事故が少なくなっているというのを認識しております。

○西山陽介委員  年間を通して様々なリスクの報告があるということでありますけども、そのリスクの発生時の適切な対応だけではなくて、通常時のリスク管理、併せてコンプライアンスの推進も重要かというふうに考えていますけども、この辺についての認識はいかがでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  委員おっしゃられるとおりでございまして、リスク発生時の対応だけではなくて、収束後に得られた教訓等を共有し、再発防止策や対策の強化をしていくことが、その対応というものがPDCAサイクルでございまして、リスクマネジメントというふうな形で認識しております。

○西山陽介委員  未来戦略推進プランの中でも、PDCAサイクルの確立というものが記載されています。具体的にはどのような取組みをされていますか。

○五十嵐危機管理担当課長  リスクマネジメント・コンプライアンス推進本部というものを区では設置しておりまして、この本部を中心に、リスクの発生状況やその対応、各種対策等の取組みを行っております。過去に発生いたしました廃棄物の処理について、業務フローの整理や会計事故を防止するためのチェックリストの作成など、関係の所管課とも連携して取り組んでいるというところでございます。

【政治資金規正法違反】

○西山陽介委員  今年、本区では政治資金規正法違反、これが起きてしまいまして、区民の信頼を大きく損なう事件が発生してしまいました。区議会でも、政治倫理の確立・向上と区民からの信頼回復に関する決議を議決しまして、先月から政治倫理検討会を設置し、議会の政治倫理向上に向けて検討を進めております。この検討状況、今後の進め方等について、この件についてはいかがでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  区側の取組みといたしまして、まず、コンプライアンス研修というところに一番力を入れて取り組んでるところでございます。既に管理職悉皆のものを2回実施しているとともに、全職員へは集合研修や各課OJT等を活用いたしまして、また、eラーニング等も配信いたしまして、実施しているところでございますし、また、定期的な啓発通信なども発行しているというところでございます。年度後半につきましても、研修などは適時実施して、コンプライアンスの推進に努めてまいります。

○西山陽介委員  リスクの発生を未然に防止する取組みは非常に重要な視点であると思います。その取組みが、組織のコンプライアンスの推進につながるものだとも考えます。また、これまでに得られた教訓を途切れさせることなく、組織に定着させていくことも重要だと考えておりますけども、そこの点についてはいかがでしょうか。

○五十嵐危機管理担当課長  まさにおっしゃっていただいたとおり、過去にあった事案を風化させず、その教訓を忘れないようにすること、これがまさにPDCAサイクルを実効性のあるものとして根づかせることかと思っております。同じ事象が発生しないように、事故やミスが起こらない仕組みを続けるとともに、職員がコンプライアンスについて、常に確認できるハンドブックを作成いたしましたので、途切れのない意識づけを進めてまいります。

○西山陽介委員  この質問についてまとめていきたいと思いますけども、いわゆるリスクマネジメント、危機管理、そして、コンプライアンスという法令遵守、両者は一体の関係性にあるというふうに思います。この緊密な形での取組みが大変に重要であると思います。区政への信頼性をより高める方策だとも考えられます。区民の生活、そして、区政運営はこれからも続いていきますので、引き続き常に組織として公平、公正であり、区民の信頼に応えていく、また応えていただく、そういった区政運営を要望して、この質問を終わりたいと思います。

○齊藤副区長  リスクマネジメント、コンプライアンスにおいて一番重要なのは、起こったことがなぜ起こったか、原因を究明することだと思っております。やはり原因究明しなければ、対策を立てることができないというふうに思っておりますので、そういう意味で、これまで何か大きな出来事があると、それをなかなか残すことができずに、また同じことを繰り返すことが続いてきたようなこともございますので、これからは原因究明を含めまして、そういうパッケージをつくって、それを次の世代に、次の世代といっても、職員がそれをずっと続けて、引き継いでいけるような仕組みをしっかり構築をして、区民の皆様の信頼に応えてまいりたいと思っています。

【DX推進の取組み】

○西山陽介委員  副区長からも力強いお話ございました。引き続きよろしくお願いいたします。

それでは、次は、DX推進の取組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。

DXの推進、急速にデジタル化、いわゆる世の中に浸透がスタートした、そういう中で、行政、自治体のDX化、デジタル化、そういったものも着々と取組みがされていると思います。

初めに、このDX化推進の経緯を簡潔にお願いしたいと思います。

○秦情報管理課長  区におけるDXの取組みでございます。DXにつきましては、デジタルトランスフォーメーションということで、デジタル技術を活用して業務改革とかを進めていくということになります。令和2年度からデジタルガバメントPTという庁内的な横断的な組織を立ち上げまして、また、令和3年度、令和4年度につきましては、区政の重点テーマとしてデジタル化の推進というのを掲げながら、外部から専門家を迎え入れて教育訓練を行ったりとか、全庁的にデジタル化、DXの推進を進めたりするような取組みをしております。

○西山陽介委員  それでは、本区として将来に向けてどういうような方針で進めていかれるのか、その辺についてお願いします。

○秦情報管理課長  ちょうど今年の6月になりますけれども、豊島区DX推進計画というのを策定させていただきまして、議員協議会等でも御報告させていただいたところでございます。全庁横断的にDXの取組みを進める必要がございますので、職員、それから区民の皆さんも含めて、共通の意識の中でそれを進めていきたいということで作成したものでございます。誰一人取り残さない、デジタル化によって、皆さんが恩恵を受けられるような世界を目指していきたいというふうに捉えております。

○西山陽介委員  誰一人取り残さないDXの推進というお話でございます。人に優しいデジタル化社会の実現ということが必要になってくると思いますけども、それでは、これまでの取組み、令和3年度も含めてお教えください。

○秦情報管理課長  幾つか切り口がございますけれども、1つは、誰一人取り残さないというところにおきましては、いわゆるデジタルデバイド対策というのが一つ大きなテーマとして上げられると思います。区民の皆さん、職員も含めてですけれども、デジタルになれ親しんで、その恩恵をちゃんと受けられるように、享受できるようにということの取組みが必要となっています。デジタルデバイド対策の代表例としては、スマートフォン教室の開催というのがございまして、昨年度は合計で27回、延べで256名の方に御参加いただいて、例えばフレイル対策センターですとか区民ひろばとかで随時開催をしてまいりました。今年度につきましても、それを拡大して、引き続き開催をしてるところでございます。また、職員につきましても、寺子屋ICTプロジェクトという全庁横断的な数回にわたる研修を外部講師を招いて行っておりまして、昨年度も26名、今年度も15名の職員をICT人材としての育成に取り組んでいるところでございます。

○西山陽介委員  まだまだ事業としてはあると思いますけども、代表的なものを御紹介いただきました。

一方、高齢者のデジタル活用ということがこれからますます求められてくる。高齢者という一くくりに話すことはよろしくないというふうに思いますけども、その中でも、私の身近な方でも、まず、スマートフォンを持ってない。だから、もうインターネットに接続できないというふうにもうつながっちゃってる。そもそもインターネットをやることは、何か詐欺とかそういったことにつながるかもしれないから怖いとか、そういうような一つ先入観とか、幾つか要因はあろうかなというふうに思います。高齢者のためのスマホ教室、それは集われる方は、本当はやる気のある方なわけですから、そういったところで裾野を広げるという意味では、やはりスマートフォンを持ってもらうとか、そういったデジタル機器を持ってもらうとか、そういった入り口の部分についてもこれからもしっかりと検討していかなきゃいけないと思うんです。先頃、文京区は、高齢者の方にスマートフォンを持ってもらおうということで、その助成制度、補助なんかも始めたと聞いています。そういった高齢者だけではありませんけども、デジタル化を進める上での裾野を広げるという意味では、そういった意味でといった施策を考えていくべきじゃないかと思いますけど、その点についてはいかがでしょう。

○秦情報管理課長  デジタル化社会の中で、スマートフォンというのはかなりキーツールとして重要になってくると思います。その裾野を広げるという意味で、例えばスマートフォン教室の中では、高齢者クラブ連合会の皆さんと協力させていただきまして、お仲間の方に声をかけていただきながら、そのスマートフォン教室に御参加いただくような取組みを進めております。また、他区では、委員おっしゃったように、スマートフォンを貸し出したりとか、貸与したりというようなことはございますけれども、その辺は予算との兼ね合いもございますので、検討事項ということにはなりますが、スマートフォン教室の中では、スマートフォンをお持ちでない方も会場に用意しておりますので、気軽に御参加くださいという中で取組みを進めておりますので、積極的に御参加いただければというふうに考えております。

○山野邊企画課長  補足でございますが、今回の定例会には3Cを使った、東京都の補助金を使ったデジタルデバイド対策をしてございまして、その中では、タブレットを貸し出す、あるいは区民ひろばにカフェを持って、区民ひろばに行ったときに、身近な環境でデジタルについて勉強できる、そういった取組みも区としては始めてございますので、今後もそういったものを強化してまいりたいというふうに考えてございます。

○西山陽介委員  まとめますね。

誰一人取り残さないというのは、言葉では簡単ですけども、本当にそれが広がっていくということは積み重ね、やはり労力が必要になってくることだというふうに思っています。特に高齢者に寄り添った支援をということで、このデジタル化、自治体が果たす役割は大変大きいと思います。ぜひともその裾野を広げること、そして、デジタルを深めていくこと、そういった視点を今後もお持ちいただいて、来年の予算編成にも生かしていただければと、このように思います。 以上で終わります。

○齊藤副区長  DXを進めるためには、一番大事なことは、やはり職員の人材育成でございます。様々な福祉から教育まで、様々な面で今御質問のあったことを実践していくために、職員の人材育成に全力で取り組んでまいります。