令和 4年決特員会 環境清掃都市整備費10月11日西山議員
マンション施策
○西山陽介委員 公明党の西山陽介でございます。午後もどうぞよろしくお願いいたします。
私のほうからは、マンション施策について取上げをさせていただきたいと存じます。
マンション居住者に行った国土交通省の調査によりますと、終の棲家にマンションを選ぶ傾向が年々強まっているということで、永住意識は1980年には22%でしたが、2018年にはもう63%に増えているということでございます。
今日御参加の皆様にも、マンションにお住まいの方もいらっしゃるのではないかというふうに思いますけども、まず初めに、本区の居住形態としてのマンション、現状はどのようになっているでしょうか。
○河野マンション担当課長 御質問ありがとうございます。
豊島区のマンションでございますけども、豊島区は人口が令和4年8月1日現在で29万人おりまして、そのうち居住世帯が18万世帯でございます。平成30年度の住宅・土地統計調査の調査結果によりますと、区内の18万世帯のうち約8割がマンションを含む共同住宅に居住していて、区内全域に一般的な住宅して定着しているというふうに認識しております。
○西山陽介委員 今、共同住宅含むということですけど、いわゆる分譲マンションでお住まいの方はどのぐらいの割合がいらっしゃるか、その辺はおわかりですか。
○河野マンション担当課長 分譲マンションでいいますと、もうちょっと数字は落ちるところでございますが‥‥、ちょっとそこは後ほどお調べさせていただきます。
○西山陽介委員 わかりました。共同住宅を含めて豊島区の8割が、いわゆるマンションと言われる、また、賃貸アパートと言われるところに住んでらっしゃる。
そういう状態の中で、マンション施策としての本区としての課題、この辺についてはどのように捉えているんですか。
○河野マンション担当課長 マンションは一戸建てと違いまして、様々な方と一緒に住むことで、より強固な建物に住めたりとか、また、スケールメリットによって様々なサービスが受けられたりとか、そういった面があるというところではございますが、一方で、たくさんの方がやっぱり住まれていたりということで、価値観や年齢とか、あるいは所得の違いというところで合意形成が難しかったりとか、それから、管理の担い手、誰が管理をしていくのかとか、そういったところがなかなか不明確になってしまったりとか、あるいは大きいマンションでいいますと、維持管理とか設備が難しくなったりという面で、ちょっと問題を抱えているというふうに認識をしております。
○西山陽介委員 そうしますと、マンション施策は昨日今日に始まったことではなくて、これまでもマンション担当課として進められてきたと思います。
本区のマンションの施策の目標、これについてはどのように掲げられているんでしょうか。
○河野マンション担当課長 本区は御存じのとおり、平成25年度に豊島区マンション管理推進条例を施行いたしております。マンションの条例で各マンションの区分所有者、それから理事長など、様々な役割とか義務をそこで定義づけております。
全体としましては、豊島区としましてはそういった義務をそれぞれの皆さんで明確にしていくというところで、マンション管理の管理不全の予防というところを念頭に、管理不全を防いで、ひいてはマンションの管理水準を向上していくと。そして、良質な住宅のストックを形成していくというところを目指して進んでおります。
○西山陽介委員 今出ましたけども、平成25年7月には罰則つきとしての全国初のマンション管理推進条例が制定されました。その後、都内では八王寺、武蔵野市、台東、墨田、板橋区と続きまして、追うようにして令和2年には東京都が制定されました。
本区としても丸9年、この条例は経過していますけども、条例の実効性についての分析、この辺についてはいかがでしょうか。
○河野マンション担当課長 条例の実効性についてでございますが、条例が制定された平成25年、その頃には、このマンション管理推進条例にはマンションの管理状況を届出をしてくださいという義務項目がございます。その義務項目の届出書でございますが、平成26年当時では届出率が56%あったところですが、様々豊島区のほうでこちらから提出を促す、そういった取組みを行っておりまして、現在は届出率が78.8%と、これは都の条例も含めた数字でございますけども、そのくらい出していただいておりまして、効果を発揮しているものというふうに考えております。
一方で、残り2割の届出書はまだ出ていないと、出していただけてないというところございますので、そういったところを今後も出していただけるように、区のほうからチーム派遣等の取組みを行って促していきたいというふうに考えております。
○西山陽介委員 様々な取組みということの御答弁いただきました。その取組みも一つ一つ伺いたいところですが、今、最後にはチーム派遣というお話もありました、このチーム派遣、どのような方々がチームとなっているのか、そして、その相手先ですね、どういう立場の人に接触をしているのか、そして、そのチーム派遣をされた成果、そういったものはどうなっているのか、この辺をお示しください。
○河野マンション担当課長 まず、こちら、チーム派遣でございますが、派遣する目的が一定マンションの様々な問題を解決したいというところを念頭に置いておりまして、区の職員と専門家であるマンション管理士さんとか、建物自身のそういった一級建築士とか建築の設備士、あるいはお金関係で相談に乗れるように税理士さんなど、そういった方々と職員と2人1組になりまして、チーム派遣というところで各マンションのほうに伺っているというところでございます。
取組みの状況でございますけども、毎年、大体100件前後のチーム派遣の回数を行っておりまして、主にまだ管理状況届出書を出していただいていないマンションに対して伺っているというところです。伺った際に、当然、連絡先とかがわからないような状況で伺わざるを得ませんので、まず、そこにお住まいの方なりというところで、そこでいらっしゃればお話をさせていただいたり、あるいはいなければ、個別にインターホンを上から順に鳴らさせていただいて、応答のある方とかポスティング、それからどうしてもいなければ、そちらに掲示してあるマンションの管理会社ですね、そちらにコンタクトを取らせていただいて状況を聞いて、ひいては管理状況届出書の提出につなげていっているというところでございます。
○西山陽介委員 一軒一軒戸別に訪問するというのは、言うは易く行うは結構大変なことだと思います。本当その労は貴いものだと思うし、それが成果に結びついていくことが非常に大事なことだし、本当こういうアウトリーチな形というのはこれからも大事にしていただきたいなと思います。
一方、その取組みの一つとして、マンション専門家の派遣事業、こちらも行っているかと思います。この辺の事業実績等をお示しいただければと思います。
○河野マンション担当課長 こちら、マンション専門家派遣事業の実績でございますが、令和3年度で19件、令和2年度で20件と、概ね毎年20件から30件程度の派遣をさせていただいております。派遣の内容につきましては、やはり大規模改修とか、そういった皆さんのお金に関わること、あるいは合意とか契約に関することというところで、区の制度を利用される管理組合さんが多数いらっしゃるという状況でございます。
○西山陽介委員 ほかにも管理セミナーなどもされているかというふうに思います。このチーム派遣、それからマンション専門家派遣事業、それからセミナーも継続的に行っていらっしゃるかと思います。これらを踏まえて、この現状の課題というものについてはどのように整理されているのか、その辺についてはいかがでしょうか。
○河野マンション担当課長 課題でございますが、やはり区のほうが、まず管理状況を把握するというところが大事なのかなというふうに思っておりまして、現状78.8%届け出いただいておりますが、残り2割届出書を出していただいてない管理組合さんがあると。そういった中には、恐らく、区のほうは年に2回セミナーの御案内とか区内の全分譲マンション1,200棟余りに送らせていただいておりまして、その中で、届出を出していただいていないので届出をお願いしますということで促しているんですが、なかなか出してくださらないというところで、推測ではございますが、例えば管理組合の郵便受けがないとか、あるいはもともと賃貸マンションであったマンションが、相続などによって親族に相続されて区分所有者になったということで分譲マンション扱いになって、そういった管理というか、分譲マンションというふうにお思いになってらっしゃらないマンションがあったりとか、そういった様々な問題を抱えているマンションが残り2割の中に入っているのではないかというふうに認識しております。
○西山陽介委員 そういった課題が問題点として所管として抽出されているんであれば、あと、それをどうしていくかということで、なぜ管理状況の届出が出せないのか、今ポストの問題、連絡先がわからない、いろいろ様々な要因があると思います。時間がかかることだと思いますけども、そういった一つ一つがクリアできれば、このマンション施策、ひいてはこのマンションの居住形態としての本区のマンションの姿というものがだんだんと良化されていくものだというふうに思います。
一方、今後に向けてという話もさせていただければと思いますけども、現在策定中のマンション管理適正化推進計画、それから管理計画認定制度、こちらが進められているかというふうに思います。これらの狙い、それから得られる効果についてはどのような御所見をお持ちでしょうか。
○河野マンション担当課長 マンションの管理推進計画でございますが、先立って9月の住宅対策審議会に諮らせていただいて、議会にもどちらも御報告をさせていただいた後に、今月からはパブリックコメントを行っていくというような状況でございます。本区は、マンション管理の推進条例がある中でこの推進計画を策定する意義でございますが、条例のほうでは大きく各それぞれの区分所有者さんとかの義務といいますか、そういったところを位置付けているというところでございますが、具体的に施策として述べているという部分に踏み入ったのが今回の推進計画であると考えております。数値目標とかも、そういったところも示させていただいておりまして、それに向けて取り組んでいくというところが推進計画の大きな目的になっているかと考えております。
また、それに伴いまして認定制度を同時に策定をするというところでございますが、認定制度を自治体のほうで設けますと、ある一定の水準の管理水準にあるマンションが区のほうに届出、申請をいただくと、区のほうでそれを認定できるというものでございまして、国のほうでこれはインセンティブというところでございますが、例えばそういった認定を受けたマンションに対しては、フラット35とか、そういった金利の優遇措置があったり、あるいはマンションの購入者に対しても金利の措置があったりと、様々そういった特典がマンション側につくということで、区のほうとしましては、申請をいただくことで管理水準の底上げにつながるのではないかというふうに考えております。
○西山陽介委員 取組みに大いに期待したいと思います。
一方、マンション、特に分譲マンションの視点ですけども、「二つの老い」というふうに言われています。いわゆるそれは建物としての老い、それから居住者の高齢化という部分についての老い、この「二つの老い」というものが今後の課題だというふうに言われています。それについても必要な施策というものがこれからも求められてくるというふうに思います。特に居住者の高齢化については、認知症への対応、区分所有者が認知症になってしまった場合にはどうなるのか。大規模修繕ですとか共有部の変更などは一定の合意を得る手続きが必要であると思います。このことでマンション内のトラブルにもなりかねないと想定されます。このことへの対策というものは考えておられるのでしょうか。
○河野マンション担当課長 マンションの建物とお住まいの方の高齢化ということで、「二つの老い」というところが今社会的に大きく取り上げられているところでございます。その中で、私どもも現地に行った際に、やはりマンションのお住まいの方、皆さんが御高齢になって、そういった御高齢の方同士で管理組合を回しているという現状も目の当たりにしているところでございます。
そういった中で、我々も、そういった認知症に先々もしなられてからということであると、やっぱり様々なトラブルが発生するというふうに考えておりますので、例えば高齢者福祉課さんのほうで認知症サポーター制度と。認知症サポーター養成講座というものがございまして、これは、特段その方に対して何かできるというところではないんですけど、温かくそういった方を見守っていただいて認知症についても理解を進めると、そういった制度というふうに捉えております。こういった制度をマンション管理セミナーの御案内を送った際に、例えば昨年、令和3年度に第1回目のセミナーを開催した際には、こういった御案内を同封させていただいてサポーターの講座というものを周知をさせていただいているというところでございます。
○西山陽介委員 いわゆる啓発という部分ももちろん大事でありますけども、現実には居住者がその権利を行使するためのポイントになる部分のときに、いろんな手続きの中でどうしても分母に入ってきて、一定の割合数以上の合意を得ながら、いろんな修繕ですとか、そういったものが進んでいくわけですので、そういったことをやっぱりもう少し視野を広げた形としてこのマンションの老いという部分について、自治体として何ができるのか、そして必要な施策はどうなのか、そういったものについてこれからも御議論を深めていただきたいというふうに思います。
一方、私のいろんなマンションの管理組合の理事長さんのお話などを伺う中で、各マンションの管理組合の理事長はもっと評価されるべきではないかというふうに思っています。このことは大きな社会貢献をしていると思いますし、それからもっともっと社会的認知が広がってほしいとも思います。地域のコミュニティの中で町会長さんには表彰制度というものがあります。だけども、組合の理事長さんもマンション住民のコミュニティを担っている、そういった「二つの老い」に対して真正面から取り組んでらっしゃる、そういうような貢献をしている方々にもどうか評価が与えられるような、そういったものが何かないかなというふうに思っているところです。
中には、1年ごとの輪番とかで組合理事長で回しているというところもあろうかと思います。ただ、それがいいとか悪いという意味ではなくて、そのぐらいだと、恐らくは内なる管理というものが行き届かない、結局は管理会社任せになってしまう、これでは本来の良質なマンション管理とは言えないのではないか、このように考えます。マンションは管理を買うとも言われています。管理会社の質というものも問われていると思いますけども、管理組合がマンション管理の主体であることをこれからももっと評価していくべきだと、このように考えますけども、このことについて御所見を伺いたいと思います。
○齊藤副区長 実は私もマンションに住んでおりまして、今、理事をやっております、理事長ではないんですけど。このマンションの管理組合の理事、特に理事長さんの仕事というのは、もう365日ほとんど、これ本当に大変な仕事でございまして、しかも理事の成り手が高齢化でいないというのが現実でございます。
今、区は、様々な先ほどのチーム派遣ですとかマンション専門家の派遣事業、管理セミナーを開いておりますけれども、やはり管理組合が健全で、かつコミュニティがしっかりできているということが、住んでいる人の老いにとっても建物の老いにとっても、それが良好な今後のマンション管理のもう肝だと思っておりますので、これまで豊島区はマンション管理施策については、いろんなことを23区の中でも先頭を切ってやってきたと思いますけども、特にもう8割以上の方が集合住宅に住んでいる、分譲マンションについては数字はあれですけど、多分半分の方は分譲マンションかなと思いますので、その点については今後も様々な研究をいたしまして、そして特に理事会、理事長さんの声を聴きながら新たな施策に取り組んでいきたい、そのように考えております。
○西山陽介委員 では、最後にまとめさせていただきますね。
齊藤副区長、ありがとうございます。ぜひ理事長になられて365日頑張っていただきたい。
本当に管理不全への予防、それから居住者の高齢化への対応、管理組合、特に理事長職の価値を高めた評価について、今後の施策につなげていただきたいと思います。スラム化したマンションを見たら、豊島区に住みたいとは思わないと思います。また、地域の価値も下がってしまいます。この重要なカテゴリーであるマンション施策に今後も十分な予算と職員配置をぜひ期待させていただきます。住みたいまち、住み続けたいまちとして、国際アート・カルチャー都市実現に大きく寄与していただくことを願っております。 以上です。