令和 2年決算委員会 文化商工子ども教育費 西山議員 10月15日

コロナ禍の子どもの影響・インフルエンザ受験支援

○西山陽介委員  午後もどうぞよろしくお願いいたします。

コロナ禍に生きる子どもたちへの教育というテーマで取上げをさせていただきたいと思います。

何といっても昨年度は教育委員会にとりましては、金子新教育長が御就任されまして、一番私にとっては大きな出来事だったんじゃないかなと感じるところでございます。

そういう中で、コロナがこの春前から影響が出始めて、まず初めに幼稚園、小・中学校、学校現場、各学校の園長、校長先生をはじめ、子どもたちの命を守る、そして教育活動の継続を何とかしてという思いで、現場の皆さん、本当に大変な中、御苦労されて本日まで来られているんじゃないかなと思っています。

そういう意味で、コロナの状況に入ってから、この学校の現場への影響というものがどういうふうになってきたのか、その辺のところ現況といいましょうか、そういったところから、まずお伺いしたいと思います。

○佐藤指導課長  臨時休業に始まり、そして分散登校、それから7月から完全な登校というところで、子どもたちは2学期に入りまして、今通常どおりと申しましょうか、当然新しい生活様式を意識しながらの学校生活を進めております。

一方、文部科学省のほうからも、子どもたちの学びを止めないというようなメッセージもあったところを踏まえまして、タブレットPCが入りながらも学校の中でできる、いわゆる対面を通した授業をどういうふうにやっていくかということを踏まえまして、例えば授業を極力できるように土曜授業をやってみたり、そして学習の内容を少し整理しながら、何とか学習の履修の内容を今年度に終わるようにといったような工夫をしているところでございます。

一方、学校行事につきましては、まだまだ、この感染状況が安定しないところも踏まえまして、状況を踏まえながら、できることはしっかりやるけれども、そういう意味では、地域の方々や保護者の方々に御参加いただくところには、まだ制限をかけさせていただいている、そういう状況でございます。

○西山陽介委員  卒業式とか楽しみにもさせていただいていたところでございますけども、そういった制限といったものが入ってしまいました。

そういう中で、今後の課題ということがいろいろと見えてきているんじゃないかと思います。あわせて、学校現場での感染の拡大防止にどのように学校現場で努めてくださってるのか、その辺について御案内いただきたいと思います。

○佐藤指導課長  現在、分散登校が始まったときからしっかりと感染予防というところを徹底するというところで、健康観察でございますとか、それから、また終わった後の消毒といったようなところも継続的に進めております。なかなか、そういうところに、たくさんの、子どもだけではなくて保護者の方に御協力もいただきながら、地域の方々に御協力いただきながら進めてるところでありますが、まだまだ、そういうところに実は時間が強いられてるというのも現状でございますので、学校に負担をかけないようにしながら、新しい学びですか、タブレットをどういうふうに活用しながら新しい学びが進めていけるのかということを、教育委員会として模索していかなくてはいけないというふうに認識しております。

○西山陽介委員  そういう中で、このコロナが、少しちょっと話早いのかもしれませんが、コロナがやっぱり終息した後、それがいつなのかというのは、まだ分かりませんけども、やっぱり子どもたちのこの学びというものがどういうふうに変化していくのか、やっぱりコロナということを経験したことは、非常に大きな転換点の一つでもあろうかと思います。そういう意味では、ICTの活用をしていくということが打ち出されておりますし、本日は、その視点はちょっと置いておくとしまして、ただ、そういった視点がどんどん取り入れられてくる必要があるだろうというふうに思います。ICTの視点で言えば、今後はというか、これからも、自分でどう判断して物事を自分なりの力でどう分析して学ぶ意欲ですとか、または学び直すというんでしょうかね、そういうようなことを自らの力でつけていくということが大切になってくるんじゃないかなというふうに思っているところでございます。そういう意味では、今後といいましょうか、この子どもたちのコロナ禍の中での学びというものが、どのように豊島の教育として、変化していくのかどうか、その辺について、御見解いただきたいと思います。

○佐藤指導課長  まずは、自分の健康管理を徹底することはもちろんのこと、委員おっしゃるとおりでして、多様な選択肢がこのコロナ禍で、ある意味もたらされた効果というところでもございます。子どもたちが判断できるように、学校でできることと、学校でできないことを学校でできるような整理をしっかりしながら、当然、制限はある中の人との関わり、学校の中でやってかなくてはいけないこととしてございますので、そこを大切にしながら、ある意味タブレットパソコンが入ったことによって、学びのスピード化というのもできますので、そこをしっかりと切り分けながら、整理しながら、教育委員会が学校の支援に入っていかなくてはいけないというふうに認識しております。

○西山陽介委員  そういう中で、大分長い期間ですね、学校に登校できない、集まることができない、で、お友達とも自由に会ったり、遊んだり、学び合ったりということが本当に制限されてしまった状態になったわけです。2学期、平常に戻った感がありますけども、このやっぱりコロナの影響で、この環境がどのように子どもたちに影響しているのか、在宅での学習というのが、これほど長い期間行われるということも、経験上は初めてのことだと思います。お子さんというか、子どもたちの中にはきちっとした生活リズムが整えられて、在宅での学習というものがそれなりにできたお子さんもいらっしゃるでしょうし、また、その逆に、なかなか、そういったことのリズムというものが取れなくて崩してしまったのかもしれないというお子さんもいるかもしれない、その辺のところの、その心のケアというような視点ではどのようにお考えでしょうか。

○佐藤指導課長  まず、学校を再開するに当たっては、教育委員会と指導課と中心になって教育委員会として大切にしたことは、安心して学校に戻ってきていいよという、委員がおっしゃったように心のケアづくりのところを第一重点としてやりました。学校には、都のスクールカウンセラーが配置されているところはもちろんでございますが、心配なお子さんがいたときには、教育センターと連携し、教育センターの心理の専門であるとか、スクールソーシャルワーカーが入りながら、子どもだけではなくて、家庭にも支援がしっかりと入るようにということを十分手厚くやってきたところでございます。

休みに入りまして、この間にタブレットパソコンのグーグルが入ったことによりまして、そこでもつながれるということを知った子どももいたり、御家庭もあったりということで、実は、これまでちょっとその不登校でなかなか来れなかったお子さんがつながったり、また一方、逆で、コロナが心配なので、この登校は控えたい、でも学習の保障はしてほしいというお子さんもいたりする中で、このICTを今活用したりということで、まだまだ模索してる最中ではありますが、この支援の一つ、つなぐものが一つ増えたということを、私たちも有効なものということで使ってやっていく必要性があるというふうに認識しております。

【受験生インフルエンザ】

○西山陽介委員  よく分かりました。そういう中で、この10月から季節性のインフルエンザへの警戒といいましょうか、そういったことも念頭に入れなくてはいけない、そういった時期に入ってきたと思います。やはり、まだコロナの終息が見えないという状況の中で、この季節性のインフルエンザが学校の中に、または生徒、児童生徒の中に入り込んできては、このせっかくの学びの再開も足かせになるというような心配も見受けられると思います。

まず、少し状況というものをお尋ねしたいんですけども、この季節性のインフルエンザ、通年でということで、見てもらえればと思うんですけども、中学3年生は受験シーズンと、この季節性インフルエンザのこの流行が重なる時期になると思います。この中学3年生が高校受験するに当たっては、このインフルエンザで受験に支障出るというような、そういったケースとのはどのようにあるのかどうか、いかがでしょう。

○佐藤指導課長  このインフルエンザにおきましては、東京都立高校受験するに当たっては、これに罹患したということが分かった時点で、受験は、もちろんしないんですけれども、罹患したということをもって、もう一度受験をできるというような体制になっております。

この新型コロナウイルス対策につきましても、まだ東京都のほうの都立学校のほうは、整備の最中ではございますが、仮にこの罹患したということで、なった状況のときには再受験ができる、インフルエンザと同じような扱いで受験の体制ができるということで、東京都のほうから今連絡が来てる状況でございます。

○西山陽介委員  そういう中で、実際には罹患をする方の人数の程度はあると思いますけど、例年は一定程度いらっしゃるんじゃないかというふうに思っています。今回については、いわゆる来春というか、来年は、今度受ける受験生にとっては、御家庭の保護者の皆さんも含めて、本当に今回の受験は、本当に御心配の向きがあるかもしれない、一方ではコロナの影響、一方ではインフルエンザの罹患するかもしれないという、そういうお子さんと御家庭のリスクといいましょうか、そういった御心配の向きが非常にあるんじゃないかと思います。そういったものについては、ぜひ、しっかりと区として、子どもたちのこの受験に対する心配を一つでも二つでも取り除いていってもらいたい、そんなふうに私は思っています。

ここにいらっしゃるほとんどの皆さんが高校受験というものを経られて、ここにいらっしゃるでしょうし、私もその一人であります。中学3、小学校、中学校という義務教育を本当に目前に卒業するに、控えてですね、高校受験というのは、もう本当に社会に飛び出す第一歩みたいなことへの挑戦みたいなふうにも感じられてなりません。少しでも受験生がそういった感染のこの心配を取り除いてあげれるのも、義務教育の中の教育の義務じゃないかなというふうに私は思っています。本当に自分に身近な子が自分事だけではないですけど、そういった心配なく1年間、または3年間取り組んできた自分、そのお子さんの生徒たちのこの学びを100%以上受験に対して、力を発揮できるようにしてさしあげたらいいんじゃないかなというふうに思っています。そういう意味では、ぜひこのコロナとインフルエンザが同時に来る心配を軽減するためにも、せめて、このインフルエンザの予防接種、それについては、ぜひ豊島区として受験生に支援をしてさしあげたい、こんな気持ちでいっぱいなんですけども、この点についてはお考えいかがでしょうか。

○田邉学務課長  委員御指摘のとおり、本当に中学3年生、高校受験控えた中学3年生にとっては本当に一生の中でも大事な時期といったところでございます。そういった中で、こちらとしても何とか寄り添えないかということで、こういったコロナの状況もありますので、中学3年生の本当に生活困っている方に対して、就学援助の中で、そういった費目をインフルエンザの予防接種の公費で負担できるようにということで、今検討しているところでございます。

○西山陽介委員  大変大きな御答弁をいただいたんじゃないかというふうに思っているところでございます。ただ、一言お返しするようで恐縮でございますけども、高校を受験するという中学生にとって、所得の違いで支援があるかないかというのはどうだろうかというふうにも私は思います。支援のありようというものがあると思うんですけども、例えば高齢者のほうは、東京都のほうから下りてくるお金があるわけでありますので、自己負担なくということで。ただ、今年度限りでということで、この10月から高齢者のインフルエンザ予防接種の自己負担なしの事業が始まっていると思います。その支援の在り方もよく御検討いただいて、就学援助の御家庭のみということ、もう一歩踏み込んでいただいて、その内容いかんでは、ほかのいわゆる受験生の皆さんに受ける、受けないは自由ですから、受けられたとしたらということで、支援のありようも、ぜひ御検討いただきたいと思いますけども、改めて、このことについて御答弁いただきたいと思います。

○兒玉教育部長  委員の御指摘よく分かります。ただ、この就学援助は国の負担、国庫補助もありませんし、区の自主事業というような形でありますし、また公平の負担の公平性という観点からも、今現時点では、やはり経済的にお困りな御家庭にやっぱり中学受験控えていて、インフルエンザの予防接種も受けられないというような困っている御家庭に、まずは公費の負担をしたいという考えで、今検討しているところでございます。

○西山陽介委員  ありがとうございます。部長さんの、まずはということをしっかりととどめさせていただきたいというふうに思います。

先ほども指導課長さんのほうからお話がいただきましたけども、通常の場合、今日は何人とか、そういうことお聞きしませんけど、幼稚園、小学校、中学校で、コロナに感染をされてしまった方もいらっしゃるんじゃないかと思います。それから濃厚接触者に指定というか、なられた方もいらっしゃるかもしれません。このいわゆる陽性判定されて、感染ですという場合と、それから、そのお子さんを取り巻く濃厚接触者になってしまうお子さんがいた場合、この学校への再登校、復帰というのはどういう基準で学校に行けるようになるんでしょう。

○田邉学務課長  濃厚接触者の特定は保健所のほうでして、保健所のほうから、その個々の状況に応じて登校を、いつまで自宅待機にしますというふうになっておりますので、保健所の指示によってしております。

○西山陽介委員  ちょっと時間もあれですので、続けますけども、そうやって保健所が一定期間、例えば2週間なら2週間という期限、それを経たら何でもなければ学校行っていいですよと、そういうような流れでいくと。ところが、インフルエンザの場合は、これ昔から治癒証明というものを取っていかないと学校に行っちゃいけませんよという流れができていると、そういう中で、これ保護者の方からの声、結構あるんですけども、23区ではもう治癒証明を不必要として学校にもう行けるようになるというふうにもなってきてるんですよね。ぜひ、この声は私も責任ありますんで、お届けしなくちゃいけませんから申し上げますけども、ぜひ、この治癒証明も、今コロナの状態で病院行くのもリスク高まるわけですよ。いろいろな御意見あるんだと思うんですけども、この治癒証明をぜひ何とかなくても学校に行けるような、そんな取組もお願いしたいんですけども、この辺いかがでしょうか。

○佐藤指導課長  委員のおっしゃるとおりでございまして、その治癒証明というのをどうするかということを、改めて、今年度本当にコロナ禍なんだからこそできることですので、しっかりと精査した上で、2つが同時に流行して、そういうことのないように、早急に対応いたしまして進めていきたいと思います。学校や主に養護教諭と連携を取り合ってやっていくことになりますので、現場の声をしっかりと聞きながらやっていきたいというふうに思っております。

○田邉学務課長  おっしゃるとおりですね、こういったコロナ禍の中で、また病院に行って治癒証明取るというところは、非常に各家庭にとっても心配なことでございます。当然ちょっと医師会とも、この間、治癒証明がどうしても感染のリスクを下げるために必要だといったところもありましたので、そういった医師会とも調整をさせていただきながら進めさせていただきたいと思います。

○西山陽介委員  ぜひとも取組をよろしくお願いします。

もうまとめてまいりたいと思います。昨年度は、教育ビジョン2019、昨年の秋ぐらいに策定をされたというふうに思います。そういう中で、まだコロナの影響が始まる前の策定でございましたけども、目指す目標というものの中に、目標として、「過去に学び、現在を生き抜き、夢と志を持って歩むとしまの子」というふうにあります。とてもすばらしい目標だなというふうに率直に感じているところでございます。この目指す目標を目指してといいましょうか、そういう中で、このコロナにあっても、子どもたちは、強くたくましく、そして振り返ったときに、あのコロナが世界で蔓延したときに、自分たちは何年生だったねと、そうやって振り返って、そして、それぞれの子どもたちがそれぞれの道で力強く生き抜いていただきたい、その礎、基礎となるのが今ということだと思います。そういう意味で、これまで取り組んできたこの豊島の教育、そしてこの教育ビジョン2019を策定されたことを踏まえて、これから目指していかれるこの豊島の教育について、ぜひ御就任された教育長から所信をお伺いして、私の質問は終わります。

○金子教育長  過去に学べるものを学んでるんですが、こんなコロナというような新たなことになるというまで想定し得なかった、で、そのことが続いております。いろいろ御指摘いただいたように、もう3月から子どもたちは、早くから自宅にいなきゃいけないという厳しい中にいて、先ほどのような受験も控えている学年もある。1年生は、まだ学校に入れないような状態もある。そういう前代未聞の状況下の中で、子どもたちが一番頑張っているなというふうに、まず思っています。そのために大人が何できるのかということで、基本的に、この教育委員会は回していこうというふうに、コロナ以降考えてきたつもりでおります。

したがいまして、どういう子どもたちをということですが、当然、ビジョンに書かれているような子ども像を目指しておりますけれども、特にこういう困難な中で、先生おっしゃるように、振り返ったときに、嫌な子ども時代だったなということにならないようにするにはどうしたらいいのかと、将来に役立つような、つらいところだったけれども、いい経験をしたと、それを突破したというふうに思ってもらえるようにするために、まずは我々大人が前例踏襲をなるべく廃して、変えられるものは変えて、チャレンジするものはチャレンジするという姿勢をまず見せようじゃないかということで、常に各所管とやっております。そういう中で応援もいただきまして、本当にありがたかったと思いますが、ICTの応援もありまして、今日に至っておりますけども、ピンチをチャンスに変えて、大変だったということではなく、そういうことがいろいろあったので、1人1台になり、一人一人に即した教え方をしてもらえたよと、あれ以来というふうに言ってもらえるように目指してまいりたい。私が一番言いたいのはそういうことでございます。