令和 3年予算特別委員会 3月 2日 総括質疑 公明党西山議員

新型コロナ対策、SDGs推進、デジタル化推進、池袋の都市再生

○西山陽介委員  公明党の西山でございます。私ども公明党、今回の令和3年度予算の審議に当たりましては、毎年繰り返しではございますけれども、区民の目線で、そして庶民の目線でと、そういった視点を忘れずに、日頃おのおのの議員が議員活動をする中で、区民の方々の御意見、また御要望、またその激励などをいただきながら区政に反映させていく、この取組もこの予算の審議の中でしっかりと表してまいりたい、このように決意をさせていただいてるところでございます。

私ども、今回の委員としましては、木下広副委員長、また辻薫委員が、そして西山が担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、公明党を代表いたしまして総括質疑をさせていただきます。令和3年度予算案につきましては、我が会派の根岸光洋議員のさきの一般質問にて、老朽化した施設改修などへの考え方のほか、今回新たに導入された予算要求基準である10%シーリングなどについて確認をさせていただいたところでございます。本日の総括質疑では、新型コロナウイルス感染症が自治体の財政に与える影響のほか、令和3年度における本区の区政運営に関する基本的な考え方について、改めてお伺いをさせていただきます。

まず初めに、令和3年度当初予算に係るこれまでの御説明では、区の基幹歳入は66億円もの大幅減を見込み、またその一方で、一般会計当初予算は前年度比で19億3,400万円、率として1.5%の増と、過去2番目に大きい予算規模となっていることであります。コロナ禍における影響によって、国をはじめ、他の自治体の歳入でもこの歳入は減って、厳しい予算編成になったのではないかと、このように考えるところでございます。この他団体における予算というものはどのような状況にあるのか、初めにお聞かせいただきます。

○三沢財政課長  まず、国でございますが、現在予算審議を行っているところです。政府が昨年の12月21日に閣議決定した令和3年度の予算案について申し上げますと、一般会計総額は、前年度対比で3.8%増となる過去最大規模の106兆6,097億円というふうに伺っております。また、歳入のうち税収は前年度対比で9.5%の大幅減となる一方で、それを補うために新規国債発行額は43兆5,970億円と、一般会計歳入総額の約4割を国債に依存しているという、かなり厳しい予算編成となっていると伺っております。また、歳出では、社会保障費が35兆8,421億円と、こちらも過去最高を更新しているというふうに、報道を通じて伺っているところです。

次に、東京都の予算につきましても現在予算審議中ということですが、令和3年度予算につきましては、一般会計総額は前年度対比で1.0%の増、令和元年度に次いで2番目に大きい7兆4,250億円となっておりまして、元年度に次いで2番目ということですが、ちょうど本区と同じような状況かと存じます。

歳入のうち税収は7.3%減となり、やはり東京都も大きく減ってございます。これを補うために基金や都債を積極的に活用して、必要な財源を確保しているというふうに伺っております。

また、23区におけます一般会計当初予算案ですが、この、まだどこの区も審議中ですので、まだ未確定ではございますが、今、23区間で調査をしている中では、前年度対比で増となっている区は11区、減となっている区は12区と、ちょうど二分されているような状況にあると認識してございます。

また、補足ですが、全国で今、20の政令指定都市ございますが、報道によりますと、感染症に伴う景気悪化で、20政令指定都市のうち全部の市で減収を見込んでいる。その一方で、感染症対策や社会保障関連経費の増によって、対前年度比で増となっている市は17市、減となっている市は3市だというふうに報道を通じて伺っております。

○西山陽介委員  ありがとうございます。お聞きしますと、いずれの団体も本当に厳しい状況にあるんだなということが分かるわけであります。

なお、今年度については、この感染症拡大を防止するとともに、感染症の影響を受けている地域経済や、また住民生活を支援して、地方創生を図るため、国が地方創生臨時交付金を創設をし、自治体に交付していると、このように聞いてるわけであります。この本区における地方創生臨時交付金の交付状況について、具体的な数値などを用いていただきながら御説明をお願いしたいと思います。

○三沢財政課長  地方創生臨時交付金ですが、今年度、これまで国は3次にわたる補正予算で予算措置を図っていただいております。1回目ですが、昨年の4月の第1次補正、こちらでは地方創生臨時交付金が1兆円の予算が成立しております。そのうちの7,000億円が第1次交付分として位置づけられ、残る3,000億円は第3次交付分として、各自治体に交付されることになります。また、6月の国の2次補正では、地方創生臨時交付金は2兆円の予算が成立しておりまして、これは、2次交付分として各自治体に交付されます。先月、先々月ですね、先々月の1月には、さらに1.5兆円の3次補正予算が成立いたしました。

こうしたことに伴いまして、国の1次補正に伴う1次交付分としましては、本区には約2億3,000万円が、2次補正に伴う2次交付分では約8億3,000万円が交付されることとなります。2つ合わせますと約10億6,000万円となりますが、こちらの地方創生臨時交付金につきましては、本定例会で御審議いただきます補正予算第7号にて本区が今年度中に実施してまいりましたコロナ対策事業、具体的には中小商工業融資事業経費でありますとか児童生徒へのタブレット配布でありますICT環境整備活用事業経費といった5つの大がかりな補正予算事業の事業費の財源更正を行わせていただきたいと考えております。

また、これ以降にも国の地方創生臨時交付金が示されると思いますが、まだ交付限度額が示される状況にとどまっておりまして、実際に交付されますのは4月以降になると想定しておりますことから、決算を調製する際に、後から追加交付されるものにつきましては、その他、これまでにやってきた感染症対策事業に財源更正をしていきたいというふうに考えてございます。

○西山陽介委員  それでは、次に、令和3年度の区政運営方針についてお伺いいたします。令和3年度の予算は、緊急事態対応型の予算であり、未来志向型の予算として編成したとのことでございます。予算は、その編成が目的ということではなくて、計上された予算に沿って、この区民サービスに結びつけて、そして効果を上げていくことが重要だと、このように思っています。そのためには、区政運営の方向性を明確にするとともに、各部署がそれを御理解されて、全庁挙げて取り組むことが必要というふうに思います。

まず、令和3年度の区政方針、区政運営の方針をお聞かせいただきます。

また、区政運営方針を、今回の世界的な感染症など、社会状況の変化に合わせて、常に見直していくことは行政の重要な役割であります。一方で、昨年9月の決算委員会でも御質問させていただいたところでありますけれど、こうした区の方向性や方針を見直した背景や理由を区民の皆様にも説明をしていただき、また共有していかなくてはなりません。改めて、この2点について見解をお聞かせください。

○山野邊企画課長  まず、令和3年度の区政運営の方針でございます。令和3年度につきましては、躍進する豊島区をスローガンといたしまして、大きな2つの柱による区政運営を展開いたします。一つは令和3年度の重点テーマ、それからもう一つは2030年に向けた中長期的な4つのテーマでございます。新年度の4つの重点テーマにつきましては、コロナ時代に的確かつ柔軟に対応していくために、今年度新たに、来年度に向けて設定した目標でございます。先ほど区長より答弁ございましたが、新型コロナ対策、SDGs推進、デジタル化推進、池袋の都市再生の4つから成り立ってございます。

また、もう一方の柱でございます中長期的な4つのテーマにつきましては、文化を基軸としたまちづくり、子どもと女性に優しいまちづくり、高齢者に優しいまちづくり、さらに安全安心なまちづくりの4つでございます。これは、消滅可能性都市の指摘以来、これまで本区が築き上げてきました、将来を見据えた国際アート・カルチャー都市への力強い推進を引き続き目指していくものでございます。

次に、2つ目の御質問でございます、区の方向性や方針を見直した背景、理由等の共有についてでございます。令和3年度のこの運営方針につきましては、2月の予算説明会やメディアのほうにも予算プレスで御報告しております。

また、未来戦略推進プラン2021案の中で明記しておりまして、現在既にパブリックコメントを実施してございます。この中で、区民の皆様の声をしっかり聞いた上で内容を反映していき、最終的に確定したものにつきましてはホームページで公表するとともに、5月の区政連絡会のほうで町会の皆さんに御報告してまいりたいというふうに思います。変更の内容や背景、これは冊子をただ出すだけではなくて、しっかり、できるだけ分かりやすく御説明できるような工夫もしっかりとしながら、理解を深めてまいりたいというふうに思います。

【ワクチン接種体制】

○西山陽介委員  毎月月初に行われております、高野区長による庁内放送、私も極力拝聴させていただいております。昨日の3月分の庁内放送では、コロナの感染拡大の切り札として、このコロナワクチン接種に向けて、総力を挙げて取り組んでいくと力強く表明をされたところでございます。本来でしたら款別で詳しくこの分をお尋ねさせていただこうというふうに思いますけれども、このワクチン接種に関することでは、マスコミでやっぱり連日報道されており、また区民からの問合せも本当に始まっております。日ごとにこの状況が変わっているという、そういった状況の中で、接種に対するこの本区の最新の状況を、簡単で結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。

○樫原新型コロナウイルスワクチン接種担当部長  本区では、豊島方式ということで3層による体制整備を進めてるわけでございますが、まず大規模な会場で行う集団接種につきましては、7会場で実施すべく、会場の準備あるいは委託の準備等を進めていまして、おおむねめどが立ってきているところでございます。

また、区民ひろばで実施する巡回接種でございますが、26のひろばのうち、ちょうど施設改修に当たっているところ、またバリアフリー等の関係でできないひろばが7つほどございますので、残り19のひろばにつきまして、こちらも準備を進めているところでございます。

そして、先ほど区長答弁にもございました個別接種、地域のかかりつけ医の皆さんにやっていただく個別接種が、特に高齢者にとっては大事であるというふうに考えてございます。全部で200以上の医療機関にぜひお願いしたいというふうには考えてございますが、今、医師会と調整も進めているところでございます。

○高野区長  1つ付け加えさせていただきますが、当初は、やはり国からの集団接種等が主体でありましたけど、私はやっぱり区民が安心して、そして自分の体の症状等々をしっかり把握しております、日頃かかっているかかり医の先生方に打ってもらうというのが一番安心して、特に今回初めてのワクチン接種ということでありますから、どんな副作用が起きるか分からないとか、そういう不安をお持ちの区民の方、大変大勢いらっしゃるわけで、私はできる限り、先ほどお話ししたように、今日も夜8時から医師会館のほうにお邪魔して、コロナ対策の医師の先生方とまた緊密な連携を取りながら、できる限り、私は個別接種といいますか、お医者さんにですね、ふだんかかっているお医者さんに打ってもらうのが一番最善ではないかということで、当区としては、そこに一番力を入れてまいりたい。それにはいろいろ環境整備等々も、私たちも取り組んでいかないけないわけでありますけれど、本当に区民が安心して、そしてワクチンが接種ができるような環境整備を、豊島区らしい形の中で進めてまいりたいと思います。

○西山陽介委員  ありがとうございます。この場をお借りしまして、この大事なコロナワクチン接種の豊島区としてのこの方針、また現在の状況について、広く区民の皆様にお知らせをさせていただくことができたものと、このように考えているところでございます。ありがとうございます。

この令和3年度予算は、SDGs未来都市に選定されて初めての予算編成となるわけであります。先日の一般質問では、根岸幹事長が、この1年を振り返りながら区長の決意をお伺いしたところでございますけれども、区長から、SDGs未来都市の選定に道筋をつくってくださった公明党をはじめ、議会の皆様に感謝しますとの御答弁もいただきました。我が党の提案に耳を傾けていただきまして、短時間で国への提案をまとめ上げて果敢に挑戦いただいた、その御勇気とまた御苦労に、改めて感謝申し上げる次第でございます。

最後に、SDGsの推進を重点テーマに掲げた区長の令和3年度の区政運営に向けた御決意をお聞かせください。

○高野区長  先ほどもお話しいたしましたけど、現在直面している問題は、まさに未知なるコロナとの闘いではないか、国難ともいうべき災禍を、100年に一度と言われるような、この災禍を何としてもくぐり抜けていかなきゃいけない、こういうピンチのときこそ、やはりチャンスに変えていくというような、この挑戦こそ私が進めてきた、まさに、まちづくりそのものではないかと思っているわけであります。

こうした厳しい闘いの時期に、このSDGs未来都市の選定、国に指定されたということは、本当に、こういうときだからこそ、私はいろんな形で豊島区は挑戦していくチャンスをいただいたと思っているわけでございまして、これは東京で初めて、23区初めてでありますので、恐らく他の22区も注目をしているのではないかと思っております。このSDGs未来都市、これをまさに、コロナ禍の厳しい中でもこれを挑戦していく、まさに誰一人取り残さない社会をというSDGs精神そのものを掲げるとともに、今、豊島区が進めております国際アート・カルチャー都市、まち全体が舞台の、誰もが主役の劇場都市、まさに、それと都市の将来像、まさにそれそのものではないかと思っているわけでございます。

いよいよ23のプロジェクトもほぼ、大塚北口の整備が最後に、全てのプロジェクトが出来上がったわけでございますので、このまちづくりの集大成として、私は、あえてこの重点テーマの中で、コロナに次いでSDGsの未来都市ということを掲げさせていただくとともに、今まで進めてきたこの豊島区のまちづくり、これをまさに完成させるときが来たと思っております。これだけの令和元年度最大の集中投資をしたわけでありますから、これをまさに生かしていく、一つ一つのプロジェクト、出来上がったプロジェクトに魂を入れることによって、私はこれからの大きな大きな豊島区の発展につなげていかなければいけない大きな責務を感じているわけでございます。

令和3年度はこのような形の中で、厳しい状況の中であっても、このSDGs未来都市を中心にしながらこの区政をしっかりと進めていく、まさにチャンスが来たと、そういう熱い思いを持って、この令和3年度を進めて、区政運営を進めてまいりたいと思いますので、ぜひとも御協力を賜りたいと思っております。

以上です。