令和7(2025)年2月18日
公明党豊島区議団 根岸 光洋
令和7年 第1回定例会 一般質問
「暮らしを守る 安全・安心の街 豊島区を目指して」
公明党の根岸光洋です。公明党豊島区議団を代表して「暮らしを守る 安全・安心の街 豊島区を目指して」と題して1.新年度予算について2.認知症施策について3.安心の街づくりについて4.教育について5.スポーツ推進について6.その他として子どもの福祉施策について一般質問を行います。
1.令和7年度予算について
はじめに、令和7年度当初予算の編成内容や今後の財政運営について質問致します。令和7年度当初予算は、高際区長のもと区民の声を重視し、区民目線に立った「誰もが住みたくなる8つのまちづくり」の実現に取り組むとともに区政運営の最高指針である「基本構想」「基本計画」を策定するなかで編成されました。
学校改築においての新たな方針の打ち出しや老朽化施設の改築・改修計画の策定とともに、道路や橋梁等のインフラについても改修等が進められます。これらの整備における投資的経費が過去最高になる見込みも示されました。
一般会計当初予算は、前年度当初予算比で176億58百万円の増、1705億93百万円で過去最大の予算規模となりました。
7年度予算の特徴として第1に「行政需要の変化に柔軟に対応する予算編成」としています。予算編成過程において全庁を挙げた「事業見直し」を実施し、3億円の財源を生み出したとありますが、そこで質問します。これまでも事業の見直しをしてきましたが、今回の事業見直しはどのような特徴があるのか、また3億円もの財源を生み出した視点をお聞かせください。
第2として「多くの区民の声を反映した基本構想・基本計画の実現に向け、第一歩を踏み出す予算」として新規・拡充事業が190事業、64億円計上されました。
主な新規・拡充事業として、安全・安心なまちづくりでは、女性の視点を活かした救援センターの環境改善、備蓄物資の増強など、子ども若者の孤独孤立対策では、「小1の壁」への取り組み、不登校対策の強化事業、若者の居場所創出事業など、学校学習環境の改善では、プールの遮熱対策や電子黒板の設置拡充など、住宅対策の強化では、多世代近居・同居支援事業、住宅確保要配慮者専用住宅供給促進事業、子育てファミリー世帯家賃助成の資格要件・助成の拡充など、私共公明党の申し入れや要望に的確に応えた事業の展開が随所に盛り込まれたことは高く評価できるものです。
特に、「小1の壁」対策として登校時の「おはようクラス」下校時の「おかえりサポート」のモデル実施が清和小、駒込小の2校でスタートしました。これは、昨年の9月上旬の朝、午前8時、豊島区内の小学校の校門前に立つ男子児童に声を掛けた一人の区民から寄せられた相談がその発端となりました。この方は、同じ光景を毎朝見かけ気になっていたそうです。児童は小学1年生で「学校の門が開く8時15分まで待っています」とのことでした。この「小1の壁」を巡っては、小学生になる前は保護者の出勤時に保育園に子どもを預けることができたが、小学生になって登校時間の関係で、一緒に自宅をでても子どもは学校の門が開くまで待っていなくてならないということです。子どもはもちろん保護者にとっても不安な日々でした。この一人の区民の方からの声を公明党豊島区議団として高際区長へ届けました。区長の素早い判断でモデル事業がこの1月から開始され心より感謝申し上げます。そこで伺います。この「小1の壁」モデル事業について保護者からはどのような声がでているのか、また、従来から子どもの受け入れをしてきた学校もあると聞きました。この事業は学校にとっても責任の所在が明確になるなどメリットがあると思われますが、学校現場の声はいかがでしょうか併せてお聞かせください。
4月より全校での実施に向けて準備を進めていますが、この事業の概要と課題などをお聞かせください。TVや新聞などでも多く取り上げられて子育て世帯はもとより多くの方の関心が寄せられている事業です。子どもの安全を守り、子育て世代が安心して働くことができる事業として高く評価するところです。23区初となる本事業が安定的に取り組んでいけるようお願い致します。
第3として「学校改築等、今後の行政需要を踏まえ、基金と起債を活用した予算」として中長期的な視点を踏まえた予算編成が行なわれました。特に学校改築の工程を示されたことは大いに評価できるものです。しかしながら懸念されるのは、昨今の建設業界における人材確保の困難、物価高騰による予算の増大等です。今後の学校改築や老朽化した公共施設の改修、改築が計画通りいかずに遅れや先送りされることなく進められるよう不断の努力をお願い致します。
2023年6月の第2回定例会の一般質問では、地元の西巣鴨中学校区域の学校施設の長寿命化計画による改修の実施時期や仮校舎の確保、さらには学校改築の見通しについて、その当時のお考えを伺いました。
その時の答弁では、「今後の西巣鴨中学校区域の学校施設の改修についてですが、令和3年度に策定した「学校施設等長寿命化計画」において、西巣鴨中学校、巣鴨小学校および朋有小学校については、すべて平均築年数は50年を超えているうえ、改築時に活用できる仮校舎用地が近隣にないため、「改築が困難な学校」としております。将来的な改築の検討を進めるためには、仮校舎が必要不可欠でありますので、現時点においては改修により計画的な施設の保全を行いつつ、仮校舎の確保に向けた検討を引き続き進め、令和8年度の学校施設等長寿命化計画の改定時にお示しできるよう努めてまいります。」とのことでしたので、今回の改築計画が示されたことは大きな転換とも言えます。
さて、千川中学校の建設工事については業者が決まらずに先行きが心配されています。
今後の学校改築計画のスケジュールへ影響が及ぶのかどうか、現時点での区のお考えをお聞かせください。さらに学校改築を含めた公共施設の更新計画を進めていくにあたり今後の財政の見通しにおいても、投資的経費の増大などが示されていますが、改めて中長期的に安定した財政運営をどのように堅持していくのか区のお考えをお聞かせください。
次に、令和7年度都区財政調整配分割合変更について伺います。
特別区の配分割合が56%となったことで、「児童相談所の設置は、都区の役割分担の大幅な変更に該当するため、その関連経費の影響額について、財調の配分割合を変更」することを求めてきた協議については、一定の成果が出たと考えられますが、今後の都区間配分に関する協議はどのように進んでいくのでしょうかご見解をお伺いします。
東京都のプレス資料では、「特別区の配分割合を56%とし、併せて、災害対応経費等に充当される特別交付金の割合を6%に変更する」とあります。これまで特別区は、特別交付金の割合を5%から2%に変更することを求めてきましたが、今回の協議で6%に増やすこととなったのはなぜなのか、また特別区の配分割合を56%とし、特別交付金の割合を6%に変更することで、本区の特別区財政調整交付金に与える影響額はどうなるのかお伺いします。
2.認知症施策について
次に、2番目の認知症施策について伺います。
誰もが認知症になり得ることを前提に、認知症の人を含めた共生社会の実現を推進するため、政府は認知症施策推進基本計画を2024年12月3日の閣議で決定しました。この基本計画は、2024年1月に施行された認知症基本法に基づく取り組みで、認知症の人や家族らが参加した政府の関係者会議の意見を踏まえ策定されました。公明党の政府への提言も随所に反映されました。計画期間は2029年度までで、おおむね5年ごとに見直しします。この基本計画では「新しい認知症観」を提唱し、認知症になったら何もできなくなるのではなく、住み慣れた地域で希望を持って自分らしく暮らし続けられるという考え方を示しました。本区ではすでに認知症施策について様々な取り組みを推進していて高く評価するところです。その上で、この「認知症基本法」の基本理念にもうたわれている正しい理解の普及についてお伺いしたいと思います。私は、2016年第1回定例会の一般質問で認知症サポーターについて質問しました。地域で認知症を正しく理解して支えるためには認知症サポーターを増やすことが必要であると訴えました。当時の本区の総人口に占める認知症サポーター数の割合は23区で21番目でした。認知症サポーターが増えない要因として認知症サポーター養成講座の講師となる「キャラバンメイト」の数が少ないことを指摘し、区独自でキャラバンメイトを養成するように提案しました。その結果、キャラバンメイトも年々増加し、合わせて認知症サポーターも増加してきました。
キャラバンメイトの登録者数は、2015年度末は25人でしたが2022年度末には130人に拡大していると伺いました。そこで質問します。現在のキャラバンメイト数をお聞かせください。
キャラバンメイトは、認知症サポーター養成講座の講師というだけでなく、認知症の方を地域で支える核となる役割を担うものと考えており、人材育成は極めて重要であります。
そのため、区はこれまで、キャラバンメイトへの継続的支援として、キャラバンメイト同士が情報共有できる連絡会の開催や、認知症サポーター養成講座を開催したい企業や団体とのマッチング支援を行ってまいりました。今後も、さらなる人材育成に向け、様々な支援を検討しています。そこで質問します。キャラバンメイトの活動の状況とキャラバンメイトさんからの要望等をお聞かせください。
次に、認知症サポーターについて伺います。
認知症サポーターは、社会全体で認知症の方を支えるために、認知症を正しく理解し、地域で
見守り支援する応援者として、2006年から養成講座を実施し、講座受講者数は、2015年度末で、累計5,849人。2022年度末には16,794人となりました。先ほども述べましたが、総人口に占める割合は23区中では、2015年当時の21位から2022年度末では14位になったとのことです。
認知症サポーター養成講座は、2019年度には年間61回開催しましたが、コロナ禍の2020年度は36回、2022年度は64回開催し、うち21回はオンライン形式で実施したと伺っていますが、認知症サポーター養成講座の開催状況と認知症サポーターの養成数の推移をお聞かせください。また、認知症サポーターの養成数の目標値の設定と達成率はどうなっているのかお伺いします。
また、2023年第2回定例会での一般質問では、「今後の認知症ジュニアサポーター養成講座の推進といたしまして、本区では、平成26年度より豊島区医師会のご協力のもと区立小学校で養成講座を開催し、令和元年度までに延べ17校、807人が受講しました。その後コロナ禍で中止としましたが、再開に向け、昨年11月から区立小中学校校長会等にて事業説明を行い、今年度、既に1校から打診をいただいております。」との答弁がありました。
今後の認知症ジュニアサポーター養成講座の推進についてお伺いします。
次に、今後の認知症サポーターの活動について伺います。
認知症サポータースキルアップ講座の内容やチームオレンジの仕組みなど認知症サポーターがどのように地域で活動しているのか現状と今後の区のお考えを聞かせください
次に、認知症検診について伺います。
これまでも、事業名を分かりやすくするなど、対象者数の拡充が図れるよう要望してきました。そこで質問します。
効果検証と検診の在り方についてはどのような検討がおこなわれたのかお伺いします。
次に、認知症施策の最後として保険制度の導入について伺います。
認知症の人の行方不明者は、ほとんどは数日のうちに見つかるそうですが、中には長い間帰りを待ち続ける家族もいます。警視庁によると、全国の警察に2023年に届け出があった認知症の行方不明者は延べ1万9039人と11年連続で過去最多を更新しています。7割は当日のうちに発見されるなど、ほとんどは3日以内に見つかったそうです。一方、1年以上たって保護された人が2023年には2人いました。認知症の行方不明者の早期発見への取り組みを望むところです。また、その過程において様々なトラブルが起こり、時には多額の損害賠償を請求されてしまうこともあります。
荒川区が2024年12月から開始した「荒川区認知症高齢者等個人賠償責任保険事業」は、
損害を補償する保険で保険料の自己負担がありません。本区でも認知症の方や家族の安心のためにも保険制度の導入を望みますが、区のご見解をお聞かせください。
3.安心の街づくりについて
次に、3番目の安心の街づくりについて伺います。
埼玉県八潮市の県道が陥没し、走行中のトラックが転落する事故が発生しました。
懸命な救出作業が行われている様子が連日報道されています。一日も早い救出を願います。
国土交通省によると、この下水道管に起因する道路陥没は2022年度、2607件発生しています。大半は深さ50cm未満だが、1mを超える陥没も2%ありました。老朽化した下水道管が損傷して土砂が流れ込み、地盤が沈むケースが多いそうです。同省によると全国の管路約49万kmのうち一般的な耐用年数とされる50年を超えた管路は2022年時点の3万kmから20年後には20万kmに増加する見込みと言われているそうです。
さらに地下に空洞ができるなどして起きる陥没は、全国の国道や各自治体管轄の道路で年約1万件前後発生していて、2022年度は1万548件に上ったそうです。原因別では側溝や雨水管の破損が最も多く4割を占め、都市部に限ると下水道の破損が3割で最も多くなっています。特に下水道の整備の早かった大都市部は老朽化対策が喫緊の課題となっているそうです。
豊島区の下水道管は東京都が管理しているが耐用年数を超えるものはどのくらいあるのか。老朽化した下水道管の点検状況はどうなのかわかる範囲でお聞かせください。
路面下空洞化調査についてはこれまでも何度か質問してきましたが、国や東京都は非公開としてその内容を開示していません。しかしながら八潮市と同様の下水道管の損傷による陥没の危険性は指摘されるところです。区民の安全・安心を守るためにもせめて、耐用年数を超えた下水道管の更新計画をお示ししていただくことはできないのかお伺いします。
本区では2018年より路面下空洞調査を行っています。調査の開始前に、私たち公明党区議団は調査車両の仕様等も視察させて頂きました。これまでも区民の安全・安心のためにも積極的に路面下空洞調査を実施すべきと訴えて参りました。
本区における路面下空洞調査の調査状況と発見された空洞の対策状況をお聞かせください。
従来は空洞ができたら埋めていくなど事後処理をするのが通例でしたが、この路面下空洞調査により事前に発見して大事に至る前に対応するなどその費用対効果も大きいものであると認識しています。
これまでの路面下空洞調査の効果と今後の計画についてお聞かせください。
一方でこの路面下空洞調査では1.5mから2mを基本に、最大3mまで調査できる車両もあると伺っています。区道においてはこの深さの調査で十分安全を確認できると言えるのかご見解を伺います。
それより深い場所の調査は困難ですが地道な調査により被害を未然に防ぐ努力を今後も継続して頂きたいことをお願い致します。
4.教育について
次に、4番目の教育についてでは、部活動の推進を伺います。
以前の一般質問で、中学校の部活動改革を推進するために「部活動地域連携推進協議会」のメンバーや設立した目的などお伺いしたところ、「協議会設置の目的は、本区において区立中学校部活動の地域連携・地域移行のあり方を検討するにあたり、各分野の関係者の皆様からから幅広くご意見を頂戴し、今後策定する部活動改革についての推進計画に反映させることです。これにより、地域と連携しながら部活動改革を着実に推進することができると考えております。」との答弁がありました。
今後策定する部活動改革についての推進計画は策定されたのか。その計画にはどのように反映されたのか現時点での状況をお聞かせください。
また「部活動改革」を「中学生の放課後支援」として取り組む目的についてもお聞かせくださいとの質問には、「全ての中学生に充実した放課後をすごして欲しいと願いますが、現在の中学生の状況は多様です。熱心に部活動に参加している生徒もいれば、自分がどんなスポーツ・文化芸術活動に向いているのかわからない生徒もいます。スポーツをやりたい、文化部に参加したいが自分の中学にはその部活が無い生徒もいます。また部活動に参加していない生徒にとっては居場所が足りません。放課後の学習支援を必要としている中学生もおります。
部活動の支援、居場所づくり、学習支援の3本を一体的に進めることで全ての中学生に適した放課後を充実させたいと考えており、こうした取り組みを教育委員会や地域の支援により進めることで、教員の働き方改革も進めて参ります。」との答弁がありましたが、「部活動の支援」「居場所づくり」「学習支援」の3本を一体的に進め、すべての中学生に適した放課後の充実について、現状はどうなっているのかお聞かせください。
次に、部活動指導員について伺います。教育委員会では「教員の代わりに試合への引率など単独で部の顧問としての業務を担うことができるため、学校全体の部活動の運営について顧問教員の負担軽減につながっております。いずれも学校外部からの人材による「地域連携」であり、何より、多様な部活動を維持するための貴重な人材登用であると考えております。従いまして、今後もその配置の充実を図っていきたいと考えております。」との答弁でしたが、「部活動指導員」の活動状況とその配置の充実について、現状と今後の動向についてお伺いします。
公益財団法人東京都教育支援機構(TEPRO)は、東京都教育委員会により、全国で初めて、教員の働き方改革を推進する団体として、2019年7月に設立されました。TEPRO Supporter Bank(ティープロサポーターバンク)はこの財団が運営する人材バンクです。都内公立学校が求める多様な外部人材(サポーター)を紹介することにより、部活動や学習などの様々な学校活動を支援しています。
本区でのTEPRO Supporter Bankの活用実績についてお聞かせください。
千代田区には、スポーツ指導を行いたい人と受けたい人を結びつける「スポーツ指導者人材バンク」制度があります。地域のスポーツ指導人材を効果的に活用し、専門家やスポーツに精通した外部指導者を必要とするスポーツ団体や愛好者を支援します。登録できるのは、区内在住・在勤・在学者で、20歳以上の、日本スポーツ協会が認定するスポーツ指導者(スポーツ指導員、トレーナー、コーチ等)の資格等を持つ方です。この人材バンクは一般の方を対象としているようですが、部活動指導の外部人材活用の充実を図るためにも
本区でもより身近な人材確保ができる「スポーツ指導者人材バンク」制度の導入について、教育委員会のご見解を伺います。
5.スポーツ推進について
次に、5番目として区民のスポーツ推進について伺います。
豊島区では区民の誰もが、いつでも、地域の中で身近にスポーツを楽しむことができるよう環境整備を進めてきました。する・みる・ささえるスポーツの内、現在の区民のスポーツをする回数はどうなっているのか。区が掲げる目標に対してどの程度の達成率なのかお伺いします。
スポーツ施設の数の順位については、23区では低い方とのお話を伺ったことがありましたが、現状の本区のスポーツ施設の整備率は23区ではどの程度なのかお聞かせください。
次に、スポーツをみる機会の創出について伺います。
都民のスポーツ実施調査(2016年度)によると、1年間にテレビ・ラジオ、インター ネット配信等でスポーツを観戦した都民の割合は92.3%に上るが、スタジアムや体育館・ 沿道などで実際にスポーツを観戦したことがある都民は、39.3%に過ぎません。スポーツを実際に観戦すると、テレビやラジオ等からは感じることができない迫力と熱気があり、感動や興奮は一層高まります。そしてその体験には、人生に変化をもたらす可能性が秘められています。スポーツを通じた健康長寿の達成、同調査を分析したところ、スポーツ観戦の頻度とスポーツ実施頻度には、正の相関関係があることが分かったそうです。スポーツを月に1回以上観戦している人のスポーツ実施率は61.8%で、月に1回未満の人のスポーツ実施率41.4%を大きく上回っています。スポーツが好きな人はスポーツを観戦することも実施することも多いと考えられますが、スポーツを観戦して自分もやってみようと思うことは少なくないはずです。スポーツが好きな人はもとより、スポーツにあまり興味が ない人に対しても、様々な方法でスポーツをみてもらうきっかけをつくっていくことが重要と指摘しています。
さらに、2019年に日本でワールドカップが開催されたラグビーについては、テレビ放映の機会が比較的あるにも関わらず、観戦したことのある都民は30.9%に止まっており、また、オリンピック・パラリンピックの競技であっても観戦した人の割合が高くないものが多くあります。そのような競技については、試合を観戦する以前に、競技そのものに興味・関心がなく、また興味・関心を持とうにも、そのきっかけすらないのだと思われます。こうした馴染みのない競技についても、そのみどころやルールを分かりやすく発信し、興味・関心を喚起していくことが必要であるとしています。そこで質問します。
競技のみどころやルールを紹介する等、多様な手法により、「スポーツの魅力」を発信していくことが必要だと考えますが本区のスポーツイベントの情報発信など具体的な取り組みをお聞かせください
次に、スポーツの裾野を拡大する人材の育成について伺います。
スポーツを支える活動には様々なものがあります。スポーツ指導者、審判員、地域のスポーツクラブやスポーツ教室の運営等を行う、保護者として子供たちのスポーツ活動の見守りや送迎等を行う、スポーツボランティアとしてスポーツイベントの運営等を行う等々、これらは全てスポーツを支える活動です。そこで質問します。
スポーツの裾野を拡大する人材の育成について本区のお考えを伺います。
スポーツの推進の最後の質問として、これまでも質問してきましたが、改めて「スポーツ推進条例」の制定について伺います。
する・みる・ささえるスポーツの裾野を広げ、誰もがいつでもどこでもスポーツに触れ、健康増進、コミュニティの形成、青少年の健全育成が図られるように本区独自の「スポーツ推進条例」の制定を求めますが、区のご見解をお聞かせください。
6.その他として
次に、6番目のその他として、子どもの福祉施策について伺います。
2020年第3回定例会の一般質問で夫馬議員が、児童虐待や親の不在などにより、施設などで暮らす社会的養護の子どもたちの意思を尊重し、保障するための仕組みとして、「アドボケイト(意思表明支援員)」の取り組みを要望しました。2022年に改正児童福祉法において社会的擁護を必要とする子どもの権利擁護について新たな取り組みが規定され、本区におきましても2023年に「意思表明等支援事業」における「意思表明支援員」による一時保護所への訪問アドボカシーの施行が開始されました。今後、施設入所児童等や里親委託児童等への意思表明支援の拡充が必要と考えます。そこで質問します。
意思表明支援のさらなる拡充について本区のお考えをお聞かせください。
また、子どもの本音を引き出すために、ある程度の時間や訪問回数が必要です。意思表明支援員が不足すると支援の水準が満たせないことになると思います。本区の現状と子どもの声を引き出し、子どもの目線に立った対応ができる意思表明支援員の養成と確保を望みますがご見解をお伺いします。
さらに、子どもの最善の利益を保証するために、一時保護から家庭復帰や社会的自立にいたるまでを視野に入れ、社会的養護が必要な子どもの生活圏を保障し切れ目なく総合的に支援できる児童養護施設等の誘致の必要性を要望してきました。そこで質問します。
現在、他地域の施設を利用している本区の子どもたちの、児童養護施設と乳児院の利用状況についてお聞かせください。
児童養護施設は地域の中にあってこそ、その存在意義があることから、地域に密着した「子育て支援施設」としてショートステイ事業委託、里親支援機関や子育て相談などの委託による、子育てサービスの充実、区民の利便性・サービスの向上を図るなど、児童養護施設等の誘致は有効であると考えます。そこで質問します。
誘致にあたり、現状と課題をお聞かせください。
2025年度の新規予算に児童養護施設の誘致に向けた調査・検討が盛り込まれていました。一歩前進されたことを評価させていただきます。
今後の取り組み方針とスケジュールをお示しください。以上で、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
公明党 根岸光洋 議員 一般質問答弁(未定稿)
- 区長答弁
ただいまの、根岸光洋議員のご質問にお答えいたします。
私からは、新年度予算に対するご質問のうち、まず、今回の事業見直しの特徴と、3億円の財源を生み出した視点についてです。これまでも、予算編成にあたっては、安定的な財政運営や財政の肥大化を抑制するため、スクラップ・アンド・ビルド方式や、行政評価制度の実施などにより、既存事業の見直しを行ってまいりました。
こうした見直しに加え、今年度より取り組んでいる「事業見直し」は、毎年同額の予算計上が続き、前例踏襲に陥っている事業等について、事業目的や開始するに至った背景まで立ち返り、今日の社会状況や区民ニーズの変化を踏まえて、ゼロベースから精査をし、より効果的な事業への再構築を目指しています。
見直しの対象事業は、金額の大小に関わらず、実施手法の改善、事業集約の可能性などの視点から幅広く選定し、必要性・有効性・効率性の検証、他区のサービス水準との比較など、様々な観点から議論を重ね、見直し方針を定めました。
一例を申し上げますと、高齢者を対象とした「寝具の洗濯・乾燥事業」は、昭和49年に開始されて以降、介護要件や所得要件などを付さず、事業を継続してまいりました。
この度の見直しにより、対象者を「介護要件なし」から「要介護3以上」に移行する一方、「乾燥サービス」の回数を「年8回」から「年12回」に拡充するとともに、一定の所得以上の方には自己負担を1割とするなど、よりサービスを必要とする方への支援を充実させ、合わせて公費負担の適正化を図るという視点で事業を再構築いたします。
また、より効果的・効率的な区民サービスの提供に結び付けるため、内部事務の効率化や、事業効果の視点からの実施規模・実施方法の適正化、事業の廃止・休止についても検討を行い、必要な見直しをしております。
次に、投資的経費の増大が見込まれるなか、中長期的に安定した財政運営を堅持していく方策についてです。
中長期的に安定した財政運営を実現するには、将来的な歳入状況を的確に見通し、その歳入予測に見合った歳出規模を堅持することが基本となります。
歳入面では、基幹歳入である特別区民税と特別区財政調整交付金は、緩やかに上昇していくものと見通しておりますが、景気変動の影響を大きく受ける側面があることから、注視していく必要があります。
本区では、突発的な歳入環境の変化に備え、リーマンショック時における減収額を参考として、「財政調整基金」残高は標準財政規模の2割を確保することを目標としております。
歳出面では、「事業見直し」など、不断の行財政改革により、財源を有効に再配分し、新たな行政需要に応えつつ、歳入に見合った歳出規模を堅持していく必要があります。
また、「公共施設更新計画」を着実に実施するためには、将来的な工事費の高騰を見据えた計画的な基金積立とともに、起債を有効に活用することが重要となります。本計画では、令和11年度まで5年間にわたる投資的経費の財源を見通しており、今後、毎年度の「豊島区当初予算(案)の概要」において、更新していく予定です。
今後も、突発的な歳入の減少に備えるとともに、投資的経費の増加には、年度間で経費の調整を図りつつ、過度な後年度負担とならぬよう、中長期的な視点に立った財政運営に努めてまいります。
次に、今後の都区間配分に関する協議についてです。
令和6年度に実施された財政調整協議において、特別区の配分割合が56%へ変更となったことにより、令和元年から6年間に及ぶ協議に結論が出たことになります。
平成12年度の「都区税度改革実施大綱」において、配分割合は、「大規模な税財政制度の改正があった場合、都と特別区の事務配分又は役割分担に大幅な変更があった場合」などに変更することとされており、区側は、「特別区における児童相談所の設置は、設置区の区域において関連事務が法的に都から区に移管され、都と特別区の役割分担に大幅な変更が生じるものである」と主張してまいりました。
児童相談所に係る都区間の認識の違いは、今回の都区間合意においても依然として残っていますが、区側としましては、この度の配分割合の変更に伴う影響額から鑑み、実質的には児童相談所設置に伴う変更であると受け止めるものと整理しております。
今後も、この考えに基づき、児相相談所の設置状況に大きな変更があった場合等においては、再度協議をすることとなるものと認識しております。
次に、特別交付金についてです。
区側はこれまで、財調算定の透明性確保の観点から、特別交付金の割合を引き下げるよう要望してきたため、6%に上げるという都側提案は受け入れられる内容ではありませんでした。しかし、都側は、都区間配分の変更と一体であるとの考えを譲らなかったため、区側としては、都区間配分の変更を優先し、苦渋の決断として受け入れたものです。
今回の変更による本区への影響額は、普通交付金として2億円の増を見込んでおります。災害対応経費等に充当される特別交付金についても、増加する見込みであるものの、改めて都区間で算定ルールを協議することとなっており、変更内容によって影響額が変わるため、その規模については、現時点では不明です。
私からの答弁は以上でございます。
- 教育長答弁
私からは、新年度予算に対するご質問のうち、まず、「小1の壁」モデル事業に関する保護者と学校現場からの声及び4月から全校実施する事業の概要と課題についてです。
本年1月8日から「小1の壁」対策として、朝の児童の見守りを「おはようクラス」、夕方の児童の見送りを「おかえりサポート」と親しみやすい名称とし、駒込小学校と清和小学校で試行実施しています。「おはようクラス」は、学童クラブに通う小学1年生を対象に平日7時45分から登校時間まで学童クラブや校舎内の教室で学校用務員が児童を見守ります。「おかえりサポート」は、平日16時から18時の間に学童クラブから帰宅する児童をシルバー人材センター会員が交通量の多いまたは暗い通学路を安全な場所まで見送ります。
保護者からは、「朝の子どもの預け先に困っていたので助かります。」、「日没の早い時期に大人が一緒に帰ってくれるので子どもも安心して下校できます。」というお声をいただいています。
また、一部の学校では、児童が早く登校した場合、登校時間よりも前に校門を開け、グラウンド等で児童を待たせておりますが、責任の所在が不明確であり、教員の負担もありますので、本事業によりこれらを改善いたします。
課題としては、事業開始にあたり、学校から児童の怪我や病気等緊急を要する場合の対応を心配する声がありましたが、「学校と教育委員会が連携して緊急時の体制を整えること」、「利用にあたっては、保護者が必ず学童クラブまで児童を連れてくることを条件とし、お預かりする際に児童の体調確認を徹底すること」、また、「従事する学校用務員は、毎年救急救命や感染症対策等の講習を受けていること」等を各学校に説明し、理解と協力を得ております。
4月からの全校実施に向け、試行を踏まえ、学校とも連携し、万全の体制を整えてまいります。
次に、業者未定の千川中学校建設工事が今後の学校改築計画のスケジュールに影響を及ぼす可能性と区の見解についてです。このたび、千川中学校建設工事の再入札が不調となりましたが、その結果を受け、区内外の事業者10者以上にヒアリングを行いました。事業者からは、建設費の高騰や人員の配置の困難な点が起因しているといった声が多く寄せられる一方、大型案件の中止や延期が出始め、受注過多の状況が和らぐなど、変化の兆しがあるとの声も複数からありました。
区は、こうした状況を注意深く観察・分析した上で、現在の改築スケジュールに影響を来さぬよう、3月に再々入札を実施いたします。
再入札の辞退理由に「価格の乖離」のみを挙げている事業者もいることから、再々入札にあたっては、建設費の変動が考慮された単価に入れ替えるとともに、予定価格を事後公表とすることで積極的な価格提示を促し、工期の遅れを来さぬよう万全を期して実施いたします。
こうした取り組みにより、千川中学校の改築スケジュールはもとより、全体の学校改築計画への影響が無いように努めてまいりますが、建設業界を取り巻く環境の厳しさは続いており、先行きは予断を許さない状況にあると認識しております。
次に、教育に対するご質問のうち、まず、部活動改革についての推進計画の策定状況についてです。
国は、令和5年度から7年度を部活動の改革推進期間、令和8年度から13年度を改革実行期間と位置づけ、全ての公立中学校で地域や学校の実態に応じ、地域連携・地域移行に向けた取組を進めることとしています。本区においても令和5年5月に豊島区部活動地域連携推進協議会を設置し、部活動の地域連携・地域移行の在り方について、学校やPTA、豊島区スポーツ協会やとしま未来文化財団等関係者のご意見を頂きながら、計画策定を進めているところです。本協議会は、これまでに7回開催し、ダンスや合唱等学校にはない地域クラブを立ち上げるとともに、学校部活については、在籍校に参加したい部活動がない場合に他校の部活動に参加できる「拠点校方式」の導入等、区の実態にあった進め方を検討しています。これまでの協議の中で、学校からは、教員の長時間労働を問題視する一方、教育的意義の観点から顧問を続けたい教員も一定数いるため、短期間での完全な地域移行は難しい等の意見がありました。 また、他の委員からは、指導者の質や量の確保、生徒の安全、持続可能な運営体制の構築等の課題が挙げられています。今後は、「チームとしま」をはじめとする企業や、「ホームタウン協定」を結んだスポーツチーム、 豊島区スポーツ協会やとしま未来文化財団と連携・協力する等、区の強みを活かし、生徒や教員の声を聴きながら、残る課題を解決してまいります。まずは、令和8年度からの改革実行期間に向け、7年度末までの計画策定を目指すとともに、「ホームタウン協定」を結んだスポーツチームやとしま未来文化財団等とトライアルを重ね、部活動の地域連携・地域移行ができるよう準備を進めてまいります。
次に、「部活動の支援」「居場所づくり」「学習支援」の3本を一体的に進めることについてです。これら3つの取組みを一体的に進めることは、学校の部活動に参加する生徒だけでなく、すべての中学生の放課後を充実させるという意義があります。まず、「部活動の支援」については、昨年度に続き、としま地域クラブを実施し、学校にはない、ダンスや合唱、マルチスポーツ等のプログラムを企画し、昨年11月に行われた「としまストリートフェス」や「みんなのハレ舞台」等のイベントで生徒たちが練習の成果を披露しました。また、昨年8月には「チームとしま」の企業と連携し、日本を代表するトップアスリートと一緒にバレーボールや水泳、ブレイキンを体験するイベントも実施しました。
「居場所づくり」や「学習支援」については、西池袋中学校の「にしまるーむ」の取組を継続するとともに、これまで教育センターや区民集会室で行っていた「としま地域未来塾」を今年度から新たに学習院大学でも始めました。これは、学習院大学の学生ボランティアによる学習支援で、実際に大学キャンパスで生徒たちが学習することができます。自学自習を通した学習習慣の定着と学力向上を目的としていますが、学校の宿題や授業で分からないところを教えてもらうだけでなく、なかにはレベルの高い問題を大学生と一緒に考える生徒もいます。また、学習だけでなく、学生ボランティアによるキャンパスツアー等、同年代の仲間や大学生との交流も図られ、「居場所」としての役割もあわせて果たしています。
今後も「部活動の支援」「居場所づくり」「学習支援」を一体的に進め、すべての中学生の放課後支援を充実させてまいります。
次に、部活動指導員についてです。現在、部活動指導員は、巣鴨北中学校と千川中学校にそれぞれ1名ずつ配置し、月48時間勤務のなかで技術指導や休日の試合引率等の顧問業務を担っています。部活動指導員の配置は、生徒の技術向上や部活動の充実、教員の負担軽減につながっています。しかし、区内中学校の全ての部活動に部活動指導員を配置することは、指導員の確保等の面から現実的ではありません。
今後は、部活動推進計画を策定する中で、在籍校に参加したい部活動がない場合に他校の部活動に参加できる「拠点校方式」を導入し、部活動指導員の増員と効果的な配置を検討してまいります。
次に、TEPRO Supporter Bankの活用実績についてです。本区の小中学校においては、ニーズに合った外部人材の紹介を受けられることから、TEPRO Supporter Bankを積極的に活用しています。今年度は、不登校児童生徒の別室での学習支援、外国籍児童生徒の通訳、部活動の技術指導で、各学校で一名程度の活用実績がございます。今後も学校の課題解決に必要な人材を確保するため、TEPRO Supporter Bankの活用を全校に周知してまいります。
次に、「スポーツ指導者人材バンク」制度の導入についてです。本区では、各中学校に部活動の技術指導を行う外部人材の登録名簿がありますが、全ての部活動のニーズに応えることは難しく、十分に機能していない現状にあります。従って「人材バンク」制度の導入は望ましいのですが、部活動の地域連携・地域移行に向けた議論を続けている豊島区部活動地域連携推進協議会においても、技術指導を行う人材確保の方法は、検討が必要な大きな課題となっています。
今後、全校で実施する予定のコミュニティスクールの中で、スポーツをはじめとする専門的な知識や技能をもつ地域の方々にご協力をいただきながら、人材確保についても、地域の皆さまとご一緒に検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 文化商工部長答弁
私からは、スポーツ推進に対するご質問のうち、まず、区民のスポーツをする回数及び区が掲げる目標についてです。区民の皆様のスポーツ実施状況については、令和5年度に実施した「豊島区民のスポーツに関する意識調査」で、週一回以上スポーツを実施する18歳以上の割合は59.6%となっており、平成24年に実施した前回調査から9.4%増加しています。
「豊島区スポーツ推進計画」で目標にしている70%にはまだ達していない状況であり、現在計画改定に向けて検討する中で、引き続きスポーツの普及・啓発活動を強化していくとともに、区民の皆様がよりスポーツに参加しやすい環境づくりを進めてまいります。
次に、スポーツ施設整備率に関する区の23区順位についてです。
豊島区のスポーツ施設は、昨年オープンした千早スポーツフィールドを含めて10施設が整備されています。都が調査している「東京都における公立スポーツ施設令和6年度版」の資料に基づく人口に占めるスポーツ施設数は、豊島区は23区内で16位となっており、施設の整備に関しては他区と比較して中位に位置しています。
次に、スポーツイベントの情報発信など具体的な取組みについてです。
本区は、区民の皆様にスポーツの魅力を発信するために、さまざまな取組みを行っています。昨年12月に豊島区をホームグラウンドとする3つのチームと豊島ホームタウン協定を結び、これらのチームによる区民向けのイベントやホームゲームを開催しています。2月1日に雑司ヶ谷体育館で行われた「池袋ドロップス」の3人制バスケットボールのホームゲームでは、多くの区民の皆様にコート間近でプレーを観戦していただきました。試合前には、プロダンスチームの「セプティーニラプチャーズ」のパフォーマンスもあり、スポーツを直接観て興味を持っていただく機会となりました。このような場などを通じてルールや見どころを紹介する機会を設けてまいります。また、毎年秋に開催している「スポーツまつり」では、多くの区民の皆様に来場いただき、ラグビーやサッカー、ボルダリングなどの体験コーナーを設けて、実際にスポーツを体験し、その魅力や楽しさを広く理解していただいております。
さらに、子どもたちを対象としたトップアスリートとの交流事業も実施しており、実際に選手と触れ合い、その話を聞くことで、技術の向上や意識の高揚、そして将来に対する夢を育む機会を提供しています。こうした交流を通じて、スポーツへの関心を高めることを目指しております。
また、本年11月に開催される東京デフリンピックに関する情報についても積極的に発信して障害者スポーツのへの理解を深め、より一層の普及促進につとめてまいります。
次に、スポーツの裾野を拡大する人材の育成についてです。新たなスポーツ推進計画の中でも、スポーツを支える人々の重要性について取り上げており、指導者、審判員、ボランティア、そして保護者など、あらゆる人々の協力がスポーツの普及と発展に欠かせない要素であると考えております。
その中で、スポーツ指導者に関しては、専門的な知識と技術を持ち、スポーツの魅力や楽しさをスポーツをする区民の皆様に伝える役割が非常に重要です。そのため、スポーツ団体と連携し、地域の中から指導者を発掘し活躍いただける仕組みを検討してまいります。さらに、定期的な指導者講習会を実施し、指導者の資質向上や技術向上を支援してまいります。
また、スポーツボランティアはスポーツの裾野を拡大するうえで重要であり、区民のみならず、区内大学や民間企業と連携し、豊島区ならではの特徴を生かしてボランティアの発掘・育成を進めてまいります。スポーツイベントなど、ボランティアの活動の場を提供し、実際の活動を通じて経験を積んでもらうとともに、スポーツに対する理解と興味を深めてもらう機会を提供します。
次に、スポーツ推進条例制定についてです。来年度の組織改正において、これまでの豊島区の発展の礎とも言える文化政策の推進体制の強化、並びにスポーツ政策の充実のため、「文化スポーツ部」を設置いたします。豊島区基本計画に掲げました、区民の誰もがスポーツに親しむことができる機会や環境を整えることで、スポーツをより身近に感じ、生き生きとした生活と地域とのつながりが持てるよう取り組んでまいります。
本区の条例制定につきましては、令和7年度に設置するスポーツ推進計画の進捗管理・評価を行う委員会の中で学識経験者、関係団体、公募区民の皆様に条例制定の必要性についてご議論いただきながら、検討してまいります。私からの答弁は以上でございます。
- 福祉部長答弁
私からは、認知症施策に対するご質問のうち、まず、キャラバンメイト登録者数及び活動状況と要望についてです。キャラバンメイトは認知症サポーター養成講座の企画、運営とその講師を担う役割があり、講座の運営を通じて地域の認知症支援のリーダーとしての役割が期待されています。
本区では都の養成講習の他、区独自の養成も行い、現在144名が登録しています。キャラバンメイトの活動は、区で開催するほぼ全ての認知症サポーター養成講座の講師を担っていただいている他、年2回の連絡会での情報交換を行っています。今年度の連絡会では、認知症基本法施行に伴い改定されたテキストの活用についての情報交換等が行われました。
キャラバンメイトの方からは、活動についてのご要望は寄せられておりませんが、引き続き、認知症の普及啓発において地域の中核として活動を継続できるよう、定期的な連絡会での情報共有、個別の相談対応等の支援を行ってまいります。
次に、認知症サポーター養成講座の開催状況と養成数の推移及び目 標値の設定と達成率についてです。認知症サポーター養成講座は、令和5年度は59回開催、1,209人を養成、令和6年度は1月末現在で40回開催、1,988人を養成しています。開催方法は対面での講座の他、コロナ禍で導入したオンライン養成講座も継続しており、企業の社員研修等にも活用いただいています。累計の養成者数は19,991人となり、23区では19番目となっています。
認知症サポーター養成数の目標は年間1,200人と設定しています。昨年度はほぼ100%、今年度は165%の達成率となっており、今後も引き続き着実に養成を進めてまいります。
次に、今後の認知症ジュニアサポーター養成講座の推進についてです。認知症ジュニアサポーター養成講座は豊島区医師会の主催で開催しており、令和5年度は中学校1校、小学校1校で開催し122人が受講しました。令和6年度は中学校1校で開催し28人が受講しています。また、学校以外で今年度、子ども向け認知症サポーター養成講座を子どもスキップ4か所で実施し、100人が受講しました。
認知症基本計画における「新しい認知症観」の普及啓発には、子どもの頃から認知症に対する正しい知識や理解を進めていくことが重要です。講座を受講した児童、生徒の皆さんからは「プライドを傷つけないようにしたい」「安心してもらえるようにしたい」といった感想が寄せられており、認知症のある方が身近に共に暮らす地域の一員であるという、理解を進める上で効果的な取組みであると認識しております。
今後も引き続き、小中学校、医師会、関係機関の協力を得ながら、認知症ジュニアサポーター養成を推進してまいります。
次に、認知症サポータースキルアップ講座、チームオレンジの仕組み、地域活動の現状と今後の考えについてです。認知症サポーター養成講座を受講された方を対象とした、スキルアップ講座は、認知症の方とのコミュニケーションの具体的な方法を学ぶ「声かけ講座」、認知症の方のその人らしさを大切にした関わり方を学ぶ「パーソン・センタード・ケア講座」を開催し、今年度は計78名が参加しました。
認知症サポータースキルアップ講座修了者の中から、認知症の方の希望にそった活動を支援するチームオレンジへの登録を呼びかけており、現在、164名の方が登録しています。
チームオレンジは認知症の方ご本人の希望に沿った活動を地域で支援する仕組みです。ご本人のニーズを認知症支援推進員が高齢者総合相談センター等を通じて把握し、チームオレンジ登録者や活動場所等の調整を行います。例えば、「地域の役に立ちたい」という本人の希望に沿って、イケサンパークでのボランティア活動への参加支援や、犬の散歩を続けたいという方への見守り支援など、個々のニーズを調整しながらオーダーメイドで様々な活動を展開しています。
認知症サポーター養成講座は、認知症についての理解を進め、地域で見守っていただくことを目的に行っていますが、スキルアップ講座やチームオレンジ活動等、サポーター側のニーズに沿った活動ができるよう、関係機関と連携しながら、一つ一つの活動を丁寧に展開してまいります。
次に、認知症検診の効果検証と今後のあり方についてです。
認知症検診については、令和2年度から実施し、当初70歳、75歳を主な対象として開始しましたが、区民の皆様のご要望等により順次対象者を拡充してまいりました。
今年度は、70歳、75歳、80歳を主な対象者とし、検診のご案内を全員に送付した他、それ以外に希望される方の年齢を、65歳から79歳までであったものを50歳からとして拡充いたしました。
検診受診者はこれまで対象者の約1%程度と少ない状況が続いておりますが、今年度は128人、対象者の1.7%程度と若干増加しています。今回の対象者の拡充は、認知症新薬の承認に伴い、対象となる軽度認知障害の段階での早期発見、受診につなげるという目的がございました。実際に50歳から64歳までの若年層で14人の方が受診され、うち要精密検査となった方もいらっしゃいました。
認知症検診は、実際に検診での早期発見、受診を勧めるだけでなく、認知症を誰もが罹りうる自分事として考えていただくきっかけとしての啓発が大きな目的となっています。
今後、認知症検診の方法については、継続的に豊島区医師会と協議しながら検討していく必要がありますが、受診率の向上だけでなく、医療機関と高齢者総合相談センター等との連携を強化し、検診受診後の生活上の不安解消等、丁寧にフォローアップする体制構築を進めてまいりたいと考えております。
次に、認知症高齢者等個人賠償責任保険制度導入についてです。認知症高齢者等個人賠償責任保険への加入支援は、認知症の方が、電車等の事故に巻き込まれるなどといったトラブルが発生した場合、法律上の損害賠償責任が、その家族に及ぶ可能性もあることから、少しずつ導入する自治体が増え、23区では荒川区の他、計4区が導入しています。
先行している他自治体においては、事業利用者数は少しずつ増えているとのことでしたが、補償件数が少なく、効果の把握が難しいとの課題も上がっております。また、認知症高齢者の家族が損害賠償責任を負うかどうかについては、日常生活の接触状況から判断され、家族が監督義務を負う者にあたらないとする判例も出ています。
本区といたしましては、認知症の方やそのご家族の安心のために、あんしん位置情報サービス利用助成事業等の既存の事業周知を進めていくとともに、個人賠償保険加入支援については、先行している他自治体の動向を注視しながら、調査・研究を進めてまいります。私からの答弁は以上でございます。
- こども家庭部長答弁
私からは、まず、施設入所児童等や里親委託児童等への意思表明支援についてです。子どもが意見形成や意見表明をできるよう支援する意見表明等支援事業は、一時保護所や児童養護施設、里親のもとで暮らす子どもたちの権利擁護のために極めて重要であると認識しております。
これまで一時保護所において実施してきた意見表明等支援事業を拡充し、令和7年度より児童養護施設の入所児童および里親委託児童に対しても意見表明支援を開始いたします。実施にあたっては、施設や里親の理解と協力を得ながら段階的に行ってまいります。
一時保護所においては、現在実施している週1回の意見表明機会の確保に加え、子どもの保護時や措置決定など、子どもの環境が大きく変化する際に意見表明支援を実施いたします。子どもたちが安心して自分の意見を表明できる環境を整備し、一人ひとりの意思が適切に反映される支援体制を構築することで、子どもの最善の利益の実現に全力で取り組んでまいります。
次に、意見表明支援員の現状と養成、確保についてです。本区では、子どもの本音を引き出せるよう、子どもアドボカシー学会および子どもアドボカシー団体による専門的な講座の修了者を意見表明支援員として委嘱し、令和5年10月より試行的に実施してまいりました。
現在、この支援員が一時保護所に週1回訪問し、意見形成のワークショップや遊び等を通じ、子どもたちとの関係性の構築に努めております。令和7年度からは、専門講座を実施する子どもアドボカシー団体へ委託し、意見表明支援体制を整え本格実施いたします。
週1回の訪問につき、幼児、学齢男子、学齢女子それぞれのグループに1名ずつ意見表明支援員を配置いたします。
さらに、意見表明支援員への指導・助言を行うスーパーバイザー1名も配置し、計4名の訪問体制といたします。
これにより、意見表明支援員のスキル向上を図りながら、子どもたちの意見を確実に受け止めてまいります。私からの答弁は以上でございます。
- 児童相談所長答弁
私からは、まず、本区の子どもたちの他地域にある児童養護施設と乳児院の利用状況についてです。令和7年1月1日現在、他地域の児童養護施設への入所児童は60人、乳児院は11人となっています。次に、児童養護施設等の誘致における現状と課題及び今後の取組み方針とスケジュールについてです。
施設誘致の現状と課題の一点目は、令和7年1月現在、児童相談所を設置している9区のうち、児童養護施設が未所在の区は本区と港区のみとなっていることです。本来ならば区内で暮らすことが望ましい措置児童もいる中、99%が慣れ親しんだ区以外に設置した児童養護施設等で生活・通学しているのが現状です。また、現在児童が入所している施設は23区や多摩地域に限らず、千葉県・神奈川県・長野県等にもあり、児相職員の施設訪問は半日や一日がかりとなるうえ、頻回な施設訪問も困難であるため、入所児童への手厚い支援に至らないことが課題となっています。
二点目は、施設入所が必要な児童等を緊急保護する児童相談所一時保護所は、定員12名のところ入所率100%を超える日が多く、児童にとって適切な生活環境の維持が困難なことと、保護所の代替機能の確保が課題となっています。
三点目は、児童相談所では家庭養護への取り組みを推進していますが、里親など家庭養護の担い手はまだ少なく、地域の理解や制度周知も不足していることが課題となっています。
四点目は、ショートスティなどの育児支援事業の利用者は、令和元年から令和5年にかけて約2倍に増加している中で、それに見合う担い手の不足が課題となっていることです。
こうした豊島区の児童を取り巻く様々な現状と課題を踏まえ、本年1月の児童福祉審議会において答申を受けた「豊島区社会的養育推進計画」では、里親と里親委託児童への支援機能を持ち、ショートスティなど区の家庭支援ニーズに対応可能な「多機能型児童養護施設」を区内に誘致する必要性が示されました。
この答申を受け、区内に児童養護施設が設置された場合には、施設入所後の支援の改善にとどまらず、施設の一部のスペースを緊急の一時保護に活用することも可能となります。
また、里親及び委託児童への生活支援からアフターケアまでを包括的に実施するため、国が推進する「里親支援センター」の機能も、児童養護施設に併設することが可能となります。
最後に今後の取り組み方針とスケジュールについては、本定例会の報告案件「公共施設更新計画(案)」の中で児童養護施設の整備方針としてお示ししました。まず、令和7年度は本区における事業の実現可能性を踏まえ、児童養護施設の運営事業者を対象としたヒアリング候補地の検討等の調査を実施します。これらの調査・検討を通じて具体的な誘致案を作成するとともに順次、スケジュールについてもお示ししていきます。私からの答弁は以上でございます。
- 土木担当部長答弁
私からは、安心の街づくりに対するご質問のうち、まず、耐用年数を超えた下水道管についてです。東京都下水道局に確認したところ、豊島区内の下水道管は約400キロメートルあり、その内、法定耐用年数の50年を超えるものは、約120キロメートルあるとのことです。
次に、今回の八潮市の陥没事故を受けた、老朽化した下水道管の点検状況についてです。東京都は、緊急点検として、まず下水道管が埋設されている、国道・都道の、路面巡視を行っており、豊島区内の国道・都道については、異常がないことを確認しています。本区としても、緊急性を要する下水道幹線が敷設されている約12キロメートルの区道について、目視による路面点検を2月6日に行った結果、1か所のひび割れを除き、異常は認められませんでした。そのひび割れ個所については、地中に空洞が無いことを確認のうえ、補修を行いました。
八潮市の事故を踏まえた、国からの要請に基づき都が行う下水道管の緊急点検については、豊島区内に点検の対象個所はありませんでしたが、下水道局が独自に対象を広げて緊急点検を行っています。豊島区内の対象としては、今回の事故の原因ではないかと言われている、硫化水素による腐食の怖れが大きいマンホールの点検を行っています。既に2か所の点検を完了し、残り6か所は今年度中に点検を実施するとのことです。
次に、約120キロメートルに及ぶ、豊島区内の老朽化した下水道管の更新については、東京都下水道局が順次、計画的に進めています。まず、下水道幹線については、雑司ヶ谷幹線、谷端川幹線などで、老朽化した下水道管の再構築工事を行っています。
また、下水道管の枝管については、概ね環状6号線の東側の、本区面積の約3分の2の区域を第一期再構築エリアとして位置付け、再構築工事を令和11年度の完了を目途に進めています。残る区内西側の区域についても、第二期再構築エリアとして令和11年度以降、引き続き工事を実施する計画となっています。
次に、本区による路面下空洞調査についてです。路面下空洞調査は、道路の陥没の原因となる路面下の空洞がある可能性の有無を、レーダーを用いて判定するものです。本区においては、適用深さが2メートル程度までの装置を用いて、区道を対象に実施しています。
その調査の状況については、平成30年度から令和5年度にかけて行った全域調査では、区内を6つに分けて車道部分について実施しており、21か所が緊急に再確認を行うべき箇所として判定され、87か所が半年以内に再確認を行うべき「危険度A」として判定されるなどの結果が得られました。
その空洞がある可能性があると判定された箇所への対策については、再確認したところ108か所のうち、13か所は異常がなく、88か所については空洞を補修済みです。残りの7か所は、軽微な異常箇所として再判定されており、下水道局の関連工事などに併せて補修することを依頼済みです。
次に、調査の効果についてです。過去の陥没の記録によると、平成21年から平成23年の3年間については、年平均で約16件。令和3年から令和5年の3年間については、年平均で5件となっており、両者を比較すると約7割の減少となっています。件数の減少に寄与している事柄として、都における下水道管の再構築の進展の他、本区の路面下空洞調査に基づく補修などの対応による効果も大きいものと考えています。
次に、今後の計画については、調査結果と対応状況を踏まえて、6年間かけて区道の車道部の調査を行ってきたものを、9年間かけて実施する方針です。バス路線など重要な道路については、この間、複数回調査することも必要であると考えています。来年度はプロポーザル方式により事業者を選定のうえ、後半から調査を行う予定です。
次に、本調査における安全確認についてです。区道についてはその大部分に下水道管の幹線もしくは枝管が埋設されています。下水道管などの多くは区道の路面から2メートル以内に設置されており、そこまでの深さについては区の路面下空洞調査により道路の安全性の確認を行っているところです。
下水道管が2メートルより深い位置に埋設されている区道については、都の下水道局において必要な再構築工事などにより、安全性の確保が図られるものと考えています。
以上をもちまして、根岸光洋議員のご質問に対する答弁を終わります。